充電ケースをBluetoothトランスミッターとして利用できるなど、こだわりの機能が詰め込まれたノイズキャンセリングイヤホン、Bowers & Wilkins Pi7 S2。「引き込まれるような音響で長時間使用しても疲れない」と評判です。しかし、「ノイズキャンセリングが効きにくい」「バッテリーがあまり持たない」など気になる口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のSONYのWF-1000XM5やBOSEのQuietComfort Earbuds IIなどのノイズキャンセリングイヤホンとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ノイズキャンセリングイヤホン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
Bowers & Wilkins Pi7 S2は、雑音がある場所でも低音の効いたサウンドを楽しみたい人におすすめです。実際にノイズを流して音を分析したところ、電車の走行音のカット率は、比較した商品の平均値19.7%(※執筆時点)を上回る20%を記録。30%以上カットしたBOSEのQuietComfort Earbuds IIにはおよびませんが、中低音を気にならない程度まで抑えられます。食器が当たるような高い音のカット率も27%と高く、カフェや駅でも音楽が埋もれにくいですよ。
実際に楽曲を聴いたモニターからは、厚みがあって力強い低音が好評でした。「しっかりとバスドラムの重低音が聴こえてよい」など、10人中9人から支持されてます。ボーカルや高音が埋もれることがなく、音域のバランスがとれているのも魅力です。ロックやヒップホップと相性がよいでしょう。解像度も高めで、楽器を弾くときのニュアンスさえも表現されていました。
操作に必要な機能も備わっています。本体のみで再生停止・曲の前後移動ができ、着脱検知にも対応。環境音に合わせて自動調整するノイズキャンセリング機能を搭載し、ワンタッチでON・OFFが切り替えられます。
だだし、そのまま外音取り込み機能には切り替わらず、比較した多くの商品が搭載しているマルチポイントが利用できないのも惜しいところです。連続再生時間は5時間と、バッテリー持ちが短いのもネック。ノイキャンをONにするとバッテリーが減りやすいため、通勤する際に片道で充電が切れる可能性があります。口コミと同様に「バッテリーがあまり持たない」と感じることもあるでしょう。
販売価格は執筆時点で4万円前後(※ECサイト参照)と高価格帯ですが、低音に迫力のあるノリのよいサウンドは魅力的。ノイキャンONでも長時間再生できるものがほしい人は、ほかの商品も検討してみてくださいね。
そもそもノイズキャンセリングイヤホンとは、周囲の雑音を低減する機能が備わったイヤホンのこと。ノイズの波形と逆の波形をぶつけることで打ち消すアクティブノイズキャンセリング(ANC)は、物理的に耳を塞ぐパッシブノイズキャンセリング(PNC)に塞げない音も低減できます。
今回紹介するのはANC搭載の、Bowers & Wilkinsのハイエンドクラスとして発売されたPi7 S2です。音質にこだわり、高級スピーカー「800 Series Diamond」と同じエンジニアがチューニングを担当。音楽も映画も、アーティストの意図したとおりに再現できると謳っています。
販売元は、イギリスの高級スピーカーブランドのBowers & Wilkins(B&W)。何十年にもわたり世界中のスタジオで活躍し、アーティストなど音楽のプロに信頼されているメーカーです。ビートルズで有名なロンドンのアビーロードスタジオでも採用されました。
音を鳴らすドライバーは、低音を得意とする9.2mmダイナミックドライバーと、高音域専用のバランスドアーマチュア・トゥイーターの2つで構成。各種ドライバーに専用のアンプがあり、個別に稼働することで、力強い低音から繊細な高音まで表現豊かに鳴らし、臨場感ある音を実現できるとアピールしています。
ミドルクラスのPi5 S2にはない高度なアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載しているのも魅力のひとつ。周囲の環境に合わせてノイキャン機能を調整することが可能です。アプリなどを使用してわざわざ自分で調整しなくても、常に適した状態になるようアシストします。
充電ケースがBluetoothトランスミッターになるのも特徴的。付属品のUSB-C to 3.5mm オーディオケーブルでパソコンやテレビなどに繋げることで、Bluetoothに対応していないデバイスでもワイヤレスで音楽が楽しめる便利な機能です。幅広い用途で利用できそうですね。
音質や遅延に大きく影響するコーデックは、高音質で低遅延で知られるaptX Adaptiveにも対応。もちろん、AACも選べるのでiPhoneユーザーの人も利用できますよ。前モデルよりアンテナ設計を抜本的に見直し、電波の干渉が少ない環境での通信距離は最大25mまで向上したとされています。
<スペック詳細>
重量は充電ケースが47gで、イヤホン本体は片側のみで7gとやや重厚感があるつくりです。カラーは3色展開。サテン・ブラック、キャンバス・ホワイト、ミッドナイトブルーと、エレガントな色合いが用意されています。高級感があるメタリック調なデザインのため、見た目にこだわりたい人にもおすすめです。
普段使いには十分なIPX4の防水性能も搭載されています。雨や汗が付着しても故障しにくく、豪雨ではない限りランニングでも利用できるでしょう。
付属品は以下のとおりです。
<付属品>
今回はBowers & Wilkins Pi7 S2を含む、ノイズキャンセリングイヤホン全31商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、ノイズキャンセリング性能の高さの検証です。
ダミーヘッドマイクにイヤホンを装着し、周りのスピーカーから電車の走行音やクラップ音など生活で起こりうる騒音を再生。ダミーヘッドマイクが聴き取った音を分析ソフトで測定し、未装着の状態よりどのくらいノイズが低減できるか評価しました。
クラップ音のような立ち上がりが速い音は、さらにカット率が上がり27.0%と高めです。食器の当たる高い音もカットしやすく、カフェなどでも重宝するでしょう。比較した多くの商品も同様にしっかりとカットできているので、平均値も26.5%(※執筆時点)と高めですが、なかには10%以下の商品もありました。
サイレン音のカット率は10.9%と高いとはいえません。イヤホンを装着していても緊急時には気づきやすいでしょう。
次は、音質の検証です。
音質にこだわりのある20代までの男女10人が実際にイヤホンを使用し、様々なジャンルの楽曲を試聴。低音・中音・高音・解像度・臨場感に着目して音質を評価しました。
<低音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
それでいて低音が目立ちすぎず、ほかの音域とバランスがとれているのも利点。比較した一部商品のようにボーカルの声が埋もれてしまうことは少ないでしょう。口コミでも「引き込まれるような音響」と好評だったように聴きやすく、中音も厚みがありました。
高音域もクリア。シンバルやピアノはもちろん、ギターの倍音まで美しく聴こえました。一部のモニターからスネアドラムがやや詰まって聴こえるという声もありましたが、それぞれの音を明確に聴き分けられます。モニターからも「ベルの余韻が被ることなく最後まで聴けた」という声が上がりました。
<高音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
ただ、比較した上位商品のSONYのWF-1000XM5のように息遣いや抑揚までは再現できておらず、モニターから「息遣いなどの表現が粗い」という声が。同じ低音を得意とするBOSEのQuietComfort Earbuds IIと同様に、女性ボーカルの声がやや伸びきれていないように感じました。
<中音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
解像度も高めです。楽曲を構成している音を偏りなくまんべんなく拾い、音の分離感もくっきり。比較した一部商品のように複数の楽器が重なる箇所でも音が歪むことなく、モニターから「一音一音くっきりと聴き取れる」という声が上がりました。
楽器を弾いているときのアタック感やうねり感など、リアルな楽器のニュアンスも表現されており、「アーティストの意図したとおりに再現できる」というメーカーの謳い文句にも納得です。一部「どこか単調さを感じる」という声もあったものの、スッキリと澄み切った音を楽しめるでしょう。
<解像度についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
音の広がりや定位感もあり、臨場感も十分。低音に迫力がありほかの音域もしっかりと出ているので、モニターから「ライブハウスで聴くような現実味があるサウンド」と好評でした。
ただ、比較した上位商品のSONYのWF-1000XM5やBOSEのQuietComfort Earbuds IIように、包み込まれるような感覚まではいかないのが惜しいところ。やや強弱が弱めなので「平面的に聴こえる」という声も上がりました。
<臨場感についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
次は、利便性の検証です。
基本的な機能に加えて、マルチポイント・外音取り込み機能・着脱検知など使いやすさを向上させる機能が搭載されているかチェックしました。
操作に必要な基本的な機能は備わっています。音量の調整はできないものの、本体のみで再生停止・曲の前後移動ができました。着脱検知にも対応しており、イヤホンを耳から外すと音楽が停止し、装着すると再度音楽が再生します。
環境音に合わせて自動調整するノイズキャンセリング機能を搭載し、ワンタッチでON・OFFを切り替えられるのもメリットです。ただし、そのまま外音取り込み機能には切り替わりません。外音取り込み機能をONにするにはアプリから操作する必要があります。
比較した多くの商品が搭載しているマルチポイントが利用できないのも惜しいところ。マルチペアリングを利用できるので、何度も登録する必要はありませんが、複数のデバイスを同時に使いたい人はわずらわしさを感じることもあるでしょう。
詳細は以下のとおりです。
最後は、連続再生時間の検証です。
イヤホンのみとケース込みの連続再生時間をチェック。頻繁に充電しなくても長時間使用できるか評価しました。
比較した全商品の平均値は、イヤホンのみ約7時間・ケース込み約27時間(※執筆時点)。なかにはSONYのWF-1000XM5のように、イヤホンのみで12時間も使用できる商品もありました。ノイキャンONで使用したいなら、よりバッテリー持ちがよい商品を選ぶのもよいでしょう。
一方、充電ケースに充電の残量を表すインジケーターがついているのは利点。ワイヤレス充電にも対応していました。15分の充電で2時間の連続再生ができるクイックチャージ機能も搭載され、充電時のわずらわしさは少ないでしょう。こまめに充電をして使うには便利です。
Bowers & Wilkins Pi7 S2は、Amazon・楽天市場・yahoo!ショッピングなどのECサイトで販売されています。ECサイトでの販売価格は、執筆時点で40,000円前後です。普段貯めているポイントを利用して、お得な値段で購入しましょう。
実店舗では、ヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店で販売されています。公式サイトで住所を入力すれば、周辺にある取扱店舗を検索できるので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
最後に大容量バッテリーを搭載し、ノイズキャンセリングを使用しても1日中使える商品をご紹介します。
ノイキャン性能にもこだわるなら、SONYのWF-1000XM5がおすすめ。検証では、電車の走行音を31.3%もカットし高評価を獲得しました。ノイキャン使用時でも8時間連続再生できるので、1日中雑音を気にせず音楽を楽しめますよ。音質も低音から高音まですべて高クオリティ。どんな楽曲でもマッチするでしょう。
型落ちで少し安く購入できる、SONYのWF-1000XM4もおすすめ。音質の解像度がよく、細かな音も繊細に表現できるのが魅力です。電車の走行音を22.4%も低減でき、ノイキャン性能も優秀でした。連続再生時間が12時間と長く1日中使えます。マルチポイント対応で、デバイスの切り替えもスムーズです。
連続再生時間 (イヤホンのみ) | 12時間 |
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連続再生時間 (充電ケース込み) | 36時間 |
イヤホン形状 | カナル型 |
良い
気になる
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
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ドライバー構成 | ダイナミック型 |
防塵防水性能 | IPX4 |
重量 | 5.9g(片耳) |
マイク付き | |
急速充電対応 | |
マルチペアリング対応 |
SONY WF-1000XM5を徹底レビュー!実際に使ってわかったよい点・気になった点は?
最小再生周波数 | 20Hz |
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連続再生時間 (イヤホンのみ) | ノイズキャンセリングON:8時間/ノイズキャンセリングOFF:12時間 |
連続再生時間 (充電ケース込み) | ノイズキャンセリングON:24時間/ノイズキャンセリングOFF:36時間 |
イヤホンの種類 | 完全ワイヤレス型 |
連続再生時間(ノイズキャンセリングなし) | 不明 |
イヤホンの形状 | カナル型 |
連続再生時間(ノイズキャンセリングあり) | 不明 |
タイプ | イヤホン |
イヤーピースの種類 | フォーム |
接続タイプ | ワイヤレス |
おすすめのジャンル | クラシック、ポップス |
最大入力 | 不明 |
ペアリングアシスト機能 | Google Fast Pair |
イヤホン形状 | カナル型 |
ノイズキャンセリングの強弱調節可能 | |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.2 |
ネックバンド付き | |
イヤーフック・イヤーウィング付き | |
Bluetoothクラス | 1 |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
アプリ対応 | |
Bluetoothのプロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
ドライバー構成 | ダイナミック型 |
ドライバーサイズ | 6mm |
プラグ形状 | 不明 |
インピーダンス | 不明 |
再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz |
音圧感度 | 不明 |
特徴 | 不明 |
連続再生時間 | イヤホンのみ:最大8時間(NCオン)、最大12時間(NCオフ)/充電ケース使用時:最大24時間(NCオン)、最大36時間(NCオフ) |
充電時間 | 1.5時間 |
充電端子 | USB Type-C |
防塵防水性能 | IPX4 |
操作方法 | タッチ操作 |
ケーブルの長さ | 不明 |
重量 | イヤホン:7.3g(片耳) |
幅 | 不明 |
奥行 | 不明 |
高さ | 不明 |
特徴 | 不明 |
電車の騒音のカット率 | 不明 |
MFi認証モデル | 不明 |
マイク付き | |
リモコン付き | |
ノイズキャンセリング機能 | |
空間オーディオ機能 | |
外音取り込み機能 | |
自動パーソナライズ機能 | |
選択式パーソナライズ機能 | |
選択式イコライザー機能 | |
自由調整式イコライザー機能 | |
着脱検知機能 | |
内蔵メモリ | 不明 |
急速充電 | |
接続安定性機能 | 不明 |
急速充電対応 | |
自動電源ON機能 | |
自動電源OFF機能 | |
マルチペアリング対応 | |
マルチポイント対応 | |
AIアシスタント | |
紛失防止機能 | |
リケーブル対応 | |
ハイレゾ対応 | |
ハンズフリー通話対応 | |
再生/停止操作可能 | 不明 |
音量調整操作可能 | 不明 |
曲のスキップ操作可能 | 不明 |
音漏れ抑制機能 | |
製造国 | 不明 |
電車の走行音の低減dB数 | 13dB |
立ち上がりの速いノイズの低減dB数 | 22.4dB |
ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WF-1000XM4をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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