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燃料費調整額とは?仕組みや上限の有無、電気料金への影響を解説

燃料費調整額とは?仕組みや上限の有無、電気料金への影響を解説

燃料費調整額とは、火力発電に使われる原油・液化天然ガス(LNG)・石炭などの燃料価格の変動を、毎月の電気料金に反映させる仕組みのこと。燃料価格が高いときは、電気代に調整額がプラスされます。最近では、2026年2月以降の中東情勢の緊迫化を背景に、原油や液化天然ガス(LNG)の供給不足が注視されています。「電気代が急に高くなることはないの?」「燃料費調整額に上限はあるの?」などと、心配している人もいるのではないでしょうか?


そこで今回は、燃料費調整の仕組みや計算方法から、上限設定の有無や電気料金への影響までをわかりやすく解説します。仕組みを理解して、家計の安定に役立ててくださいね。

高山健次
ガイド
元携帯電話販売員、小売電気アドバイザー/マイベスト 通信・電力・サービス担当
高山健次

大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また通信サービスだけでなく、ファイナンシャルプランナーの視点含めて電気代など固定費支出見直しのガイドもしている。

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燃料費調整額とは?電気代への影響は?

いつもと同じように使っていても、なぜ電気料金は変動するのか?燃料費調整額の仕組みを理解すると、その理由がわかります。何に基づいてどのように計算されているのか、説明しましょう。

燃料費調整額の目的と仕組み

燃料費調整額の目的と仕組み

日本の電気の多くは火力発電所で作られていますが、発電に必要な燃料は海外からの輸入に頼っており、世界情勢や為替などの影響で価格が激しく変動します。この燃料価格の変動を電気料金に反映させる仕組みが、燃料費調整額です。


電力会社は毎月燃料費調整額を計算し、それを電気代に反映します。そのため、電気使用量が同じでも、燃料費調整額の変化に伴って電気代は変動。燃料価格が高い時期には電気代の請求額は増加し、逆に燃料価格が下がれば減少します。まずは、この基本を理解しましょう。


なお、電気料金の内訳には、「基本料金」「電力量料金(使用量に比例して支払う料金)」にくわえ、燃料費調整額と再エネ賦課金があります。再エネ賦課金も電気代の変動につながる要素です。詳しく知りたい人は、以下のコンテンツを参考にしてください。

燃料費調整額の計算方法

燃料費調整額の計算方法
燃料費調整額は、経済産業省が定めた基本ルールに基づいて算出されます。調整月の直近3か月間の貿易統計に基づく「平均燃料価格」を計算し、それを電気代に反映させる仕組みです(参照:資源エネルギー庁)。

<燃料費調整額の計算式>
  1. 燃料費調整単価=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価/1,000
  2. 燃料費調整額=燃料費調整単価×電気使用量(kWh)

基準燃料価格は、あらかじめ設定した燃料費の基準価格です。それと直近の実績値(=平均燃料価格)との差を算出して、電気1kWhあたりの金額(=燃料費調整単価)に換算。それに電気使用量を掛けたものが、実際に請求される燃料費調整額です。この計算式からもわかるように、その月の平均燃料価格の変動次第で、燃料費調整額はプラスにもマイナスにもなります

燃料費調整額の電気料金への反映の仕組み

燃料費調整額の電気料金への反映の仕組み

直近3か月の平均燃料価格をもとに計算された燃料費調整額は、約2か月後の電気料金に反映させる仕組みです。正確な適用時期や金額は、電力各社の公式サイトに毎月掲載される「燃料費調整額のお知らせ」で確認できます。


この仕組みによって、電気代の急激な乱高下が緩和されます。たとえば、海外の燃料価格が今月だけ大暴騰したとしましょう。これをダイレクトに反映させてしまうと、ある月だけ突然電気代が跳ねあがり、翌月は元に戻るといった激しい乱高下を起こしかねません。3か月分の平均をとることで突発的な価格急騰があっても平均化してならす効果が期待できます

また、予測が立てやすくなり、消費者が心づもりや節電の対策を取りやすくなるという効果も。「燃料価格高騰」が報じられたときには、約2か月後に電気代に影響が出ると覚えておくと、家計の見通しを立てやすくなるでしょう。

損をしないために。電力会社やプランの違いに注目

大手電力会社と新電力では、燃料費調整額の扱いが異なります。契約プランによって家計へのリスクが変わってくるため、違いをしっかり理解しておきましょう。

燃料費調整額では、「上限の有無」の確認が重要

燃料費調整額では、「上限の有無」の確認が重要
電力の小売自由化以前から提供されている従量電灯などの規制料金には、燃料費調整額の上限が設けられています。燃料価格が高騰しても、燃料費調整の算定に用いる平均燃料価格には上限があり、基準燃料価格の1.5倍を超えた分は電気料金に反映されません。

これに対して、電力自由化以降に参入した新電力の自由料金には上限の規制がないので、燃料高騰の影響をそのまま受けやすい設定になっています。2022年から2023年にかけて起きた世界的な燃料価格の高騰を背景に、新電力の大部分が燃料費調整額の上限を完全に撤廃していることにも注意が必要です。

新電力では名称が異なる場合や燃料費調整額を設けていない場合も

新電力では名称が異なる場合や燃料費調整額を設けていない場合も

燃料費調整額は国が定めた計算式に従って計算されますが、新電力では、取引所(JEPX)からの「仕入れ値(市場価格)」をベースに毎月の電気代を調整するところもあります。明細書などで燃料費調整額とは別の名称を使用していることもあるので、確認しておきましょう。


<よくある名称例>

  1. 電源調達調整費
    新電力で最もよく見かける別名。大手電力会社の燃料費調整額に独自の調整項目をプラスした独自計算を行っている会社などがよく使用する名称

  2. 市場価格調整額 / 市場連動調整額
    日本卸電力取引所(JEPX)の「市場価格」をベースに電気代を調整するプラン(市場連動型など)でよく使われる名称

  3. 調達コスト調整額
    電気を仕入れる(=調達する)際にかかったコストの変動を反映させるという意味での名称


契約書や明細書に見慣れない「〇〇調整費」などの項目があった場合は、要チェック。それが燃料費調整額と同じ仕組みのものなのか、上限はあるのか、市場価格に左右されるものなのか、などを規約等で確認しておきましょう。


なお、一部の電力会社では、そもそも燃料費調整額を設けていないことも。たとえば「完全固定単価プラン」では、調整額による影響を受けない反面、単価設定が割高な場合があるので注意。また、その時々の電気の仕入れ値を、そのまま電力量料金に組み込む「市場連動型プラン」は、気候変動や国際情勢の悪化の際に、電気代が何倍にも跳ね上がるリスクがあることを知っておきましょう。

電力会社の定期的な見直しで家計を守ろう!

電力会社の定期的な見直しで家計を守ろう!

電気代を抑えるには、電気料金の安さだけでなく、燃料費調整額の上限の有無なども含めて総合的に判断することが大切です。電気料金が安くても、燃料費調整額に上限がなければ、燃料価格が高騰した際に電気代が大きく上昇する可能性があります。一方で、燃料費調整額が抑えられていても、電気料金自体が高ければ、月々の支払いが増える場合があります。


また、電力会社の料金や燃料価格は変動するため、乗り換え時だけでなく定期的に料金を比較し、契約中のプランを見直すことも、長期的な電気代の節約につながります。電力会社を選ぶ際には、以下のコンテンツもぜひ参考にしてください。

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