
再エネ賦課金とは?仕組みと計算方法をわかりやすく解説
そこで今回は、再エネ賦課金の目的や制度の仕組みから、実際の計算方法や負担を抑えるためのポイントまでをわかりやすく解説します。正しく理解することで、光熱費の見直しや省エネ対策に役立ててくださいね。

大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また通信サービスだけでなく、ファイナンシャルプランナーの視点含めて電気代など固定費支出見直しのガイドもしている。

再エネ賦課金とは?
再エネ賦課金はどのような制度で、何のために使われるのか?まずは、制度の目的や仕組みを正しく理解しましょう。
再生可能エネルギーで発電された電気の買取費用を国民が負担する制度

電気事業法および再生可能エネルギー特別措置法に基づく公的制度で、原則としてすべての電気利用者は、毎月の電気代に上乗せして、再エネ賦課金を支払わなければなりません(参照:e-Gov法令検索)。
なお、再エネ賦課金は電力料金と一緒に徴収されますが、電力会社の利益になるわけではありません。「電力広域的運営推進機関」という組織にいったん収められ、交付金として各電力会社へ配分する仕組みです。地域特性なども考慮して、再エネ買取費用を電気利用者全員が公平に負担する仕組みになっています(参照:電力広域的運営推進機関)。
固定価格買取制度(FIT制度)の財源として使われている

電気代と合わせて集められた再エネ賦課金は、固定価格買取制度の財源として使われます。固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社などが一定期間・一定価格で買い取ることを国が約束する制度で、FIT(Feed–in Tariff)制度とも呼ばれます。
日本政府は「2050年カーボンニュートラル」をゴールに掲げており、エネルギー基本計画において、2040年度時点での再エネ比率を最大45%まで引き上げる目標を設定しています(参照:経済産業省)。この実現を支えるのがFIT制度。買取価格をあらかじめ保証することで投資回収を安定させ、太陽光や風力発電事業を後押しするために導入されました。
FIT制度の対象となる再生可能エネルギーは、太陽光発電・中小水力発電・風力発電・地熱発電・バイオマス発電の5種類。再エネの種類や発電規模に応じて異なりますが、固定買取期間は10年~20年間という長期におよびます。
実際いくら払っている?再エネ賦課金の計算方法と明細の見方

<計算例:電力使用量月400kWhの家庭の再エネ賦課金(2026年度)>
- 400kWh×4.18円/kWh=1,672円(月額)
自分の支払額を知りたい人は、検針票やWeb明細で確認しましょう。基本料金や電力量料金、燃料費調整額などの項目が並ぶ「請求明細(料金内訳)」の欄に、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」「再エネ賦課金」などとして記載されています。スマホ画面やコンパクトな紙の検針票では、「再エネ」や「再エネ等」などと名称を省略して表記される場合もあるので探してみてください。
再エネ賦課金は「おかしい」という声も。よくある疑問
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を目的とした制度ですが、負担が増大し続けていることから、「おかしい」との声も。買取金が強制的に転嫁される仕組みへの疑問や、不公平さなどを問題視する声も見られます。
再エネ賦課金が高すぎるのはなぜ?負担はいつまで続く?

再エネ賦課金の負担が増えてきた背景には、FIT制度によって導入された再エネ設備への買取費用が増えてきたことがあります。FIT制度は2012年7月に始まり、再エネの導入を促進するため、発電した電気を一定価格で買い取る仕組みが設けられました。事業用の太陽光発電などでは、原則20年間にわたって電気を買い取ることになっています。
制度開始当初は、再エネを普及させるために太陽光発電の買取価格が現在より高く設定されていました。こうした過去の高い買取価格が適用されるFIT案件は、買取期間の終了に伴って順次減少していくため、長期的にはFITによる国民負担の縮小が期待されています。一方で、新たな再エネ設備の導入も続いているため、賦課金が今後どのように推移するかは、既存FIT案件の買取期間や新規のFIT・FIP案件、卸電力市場価格などによって変わります。
また、2022年度からは、FIT制度に加えて、売電収入に市場価格を反映しつつ、一定のプレミアム(補助額)を上乗せするFIP制度が導入されています。FIP制度では、発電事業者が市場で電気を売却し、その収入にプレミアムを加える仕組みとなっており、再エネを電力市場に統合しながら自立化を促すことが狙いです。高圧以上の事業では、FITからFIPへの移行を順次拡大する方針が示されています。(参照:資源エネルギー庁)。
再エネ賦課金の支払い義務はある?支払わないとどうなるの?

なかには、太陽光発電の乱開発への批判を理由に支払いを拒む意見を持つ人もいるようです。しかし、未払いが続いた場合、電力会社は適切な手続きを経たうえで電気の供給を停止できます。支払いを拒否し続けると、最終的には電気が止まるリスクがあるので注意してください。
なお、2024年度以降は太陽光パネルの廃棄費用積立制度や森林規制の強化など、環境保全に向けた制度の整備も進んでいます(参照:林野庁)
再エネ賦課金の負担を減らすための方法は?
電気の使用量に比例して負担額が決まる再エネ賦課金。負担額を減らす方法は、電力会社から供給を受ける電力量を減らすことです。その具体策を以下にご紹介します。
最も手軽な方法は、使用電力量の削減。こまめに節電する

再エネ賦課金を減らす即効性の高い方法は、日々の電気の使用量を抑えることです。負担額は「電力使用量(kWh)× 再エネ賦課金単価」で決まるため、電力使用量を減らせば賦課金も同じ割合で減少します。
特に電力消費の大きい家電では、こまめな節電を積み重ねることが効果的です。たとえば、エアコンの設定温度を見直して扇風機やサーキュレーターを併用する、冷蔵庫でのドアの開閉をできるだけ少なくするなど、できることから始めましょう(参照:経済産業省省エネポータルサイト)。
また、古い機種を省エネ家電へ買い替えると、年間で数百kWhの削減が見込める場合も。なかでもエアコン・冷蔵庫・ドラム式洗濯乾燥機・LED照明は、特に省エネの進化が大きい家電です。寿命がきているものや、買い替えを検討する場合には、省エネ性能の高いモデルを優先して選ぶとよいでしょう。
太陽光発電設備を導入し、自分で発電した電気を自家消費する

ただし、太陽光パネルの設置にはまとまった初期費用がかかるので、慎重な検討が重要。費用は諸条件によって異なるため、あくまでも目安ですが、一般家庭向けシステムの標準的な設置コストは約100万円程度、回収には10〜13年程度かかるとされています。
賃貸マンションなどでは、小型のソーラーパネルや蓄電池を利用したプチ発電もおすすめです。スマホの充電や、リモートワークのパソコンの電力などをカバーできます。レジャー用や非常用電源としての活用もあわせて、検討してはいかがでしょう。以下のコンテンツが参考になりますよ。
初期費用0円で太陽光発電を利用できる「PPA」という選択肢も

高額の初期費用をかけることなく、太陽光発電設備を使える「PPA(Power Purchase Agreement)」を利用する選択肢もあります。PPAは「第三者モデル」とも呼ばれ、設備を第三者(事業者など)負担で導入し、発電した電力を一定単価で購入する仕組み。設備を保有することなく、初期費用なしで再エネ利用が実現できます。
PPAはもともと、企業や自治体が保有する施設の屋根や遊休地活用のためにスタートした制度。事業者が場所を借りるかたちで無償で発電設備を設置し、発電した電気を企業・自治体が使うことで、電気料⾦とCO2排出の削減を実現するのが狙いです(参照:環境省)。しかし最近では、一般家庭向けにPPAを提供する事業者が増えつつあります。
ハウスメーカーや工務店がPPA事業者と提携しており、家を建てるタイミングで同時に契約をするのが主流。建築予算を圧迫せずに、屋根に太陽光パネルを載せられるため、利用しやすいのがメリットです。築年数や屋根の耐久性が基準を満たしていれば、後付けでも利用できます。
ただし、契約期間は10〜15年程度の長期に及ぶのが一般的。また、契約終了後の設備譲渡条件なども事業者・プランごとに異なるため、事前確認が重要です。中途解約時の違約金など詳細な契約条件も含めて、しっかり確認してください。
電力会社や料金プランから見直すのもおすすめ!
契約する電力会社は、消費者が自由に選ぶことができます。再エネ賦課金を含めた電気代をトータルで見直すなら、電力会社や料金プランから見直すのもひとつの方法です。
マイベストでは、郵便番号と世帯人数の入力だけでエリア内の電力会社を比較できる「電気料金シミュレーション」を用意。電力会社選びのポイントや切り替えの手順も解説しているので、電気代の節約をしたい人は、ぜひ以下のコンテンツを参考にしてください。




























































