
電力会社の切り替え方法は?必要なものと申し込みから完了までの手順
電気代の高騰が気になるなか、より料金が安く自分に合ったプランを求めて電力会社の切り替えを検討している人も多いでしょう。しかし、「手続きが面倒そう」「何を用意すればいいの?」「停電しやすくならない?」など、不安や疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電力会社を切り替える手順や必要な準備について詳しく解説します。切り替えにかかる日数や注意点、おすすめの電力会社もあわせて紹介するので、電気代を賢く節約したい人はぜひ参考にしてくださいね。

大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また通信サービスだけでなく、ファイナンシャルプランナーの視点含めて電気代など固定費支出見直しのガイドもしている。
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電力会社の切り替えは新しい会社への申し込みだけで完了する

電気の小売が全面自由化されて以降は、家庭や商店も含むすべての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選べるようになりました。選択肢は地域の電力会社だけではありません。ガス会社や通信会社も家庭向けの電気を販売しており、同じ使用量でも料金の仕組みは会社ごとに異なる点が特徴です。
申し込みの窓口は、公式サイト・電話・店頭等があります。東京ガスの電気の案内でも「現電力会社への解約連絡不要」「切り替え工事不要」と明記されており、Webからいつでも申し込める会社もあるので確認してみましょう。
ただし、手続きが簡単だからといって、現在の契約内容を確認しないまま申し込むのは避けたいところ。今の料金プランや契約アンペア、毎月の使用量などを把握しないまま乗り換えると、思ったほど安くならなかったり契約期間の縛りによって解約金が発生したりする可能性がある点に注意が必要です。
電力会社の切り替えに必要なものと事前に確認する契約情報
申し込みフォームで入力を求められる項目は、どの会社もおおむね共通しています。検針票か電力会社のマイページを開いて、次の2つのグループに分けて確認しましょう。
お客様番号と供給地点特定番号は検針票かマイページで確認する

お客様番号は、電力会社が契約者を管理するための番号で、桁数や呼び方は会社ごとに異なる仕組みです。紙の検針票には「現在の電力会社におけるお客さま番号(契約番号)」などの名称で記載されており、Web明細で紙が届かない場合は、各社の会員サイトから確認できます。
一方、供給地点特定番号は、電気の使用場所を特定するために設定された全国共通の22桁の番号です。住所だけでは同じ建物の別の部屋などを区別できないため、この番号によって電気の供給地点を特定します。電力会社を切り替える際にも必要になるため、申し込み前に確認しておきましょう。
供給地点特定番号は22桁と長いため、入力時は1文字間違えないよう注意が必要。スクリーンショットを撮っておくと確実です。見つからない場合は、契約中の電力会社や、その地域の一般送配電事業者(電線やメーターを管理して電気を届ける会社)に問い合わせて確認しましょう。
本人確認書類・支払い情報と過去の電気使用量も用意しておく

2つの番号のほかに、本人確認書類・支払い方法の情報・過去の電気使用量を用意しておくと、申し込みや料金シミュレーションをスムーズに進められます。資源エネルギー庁も、電力会社の切り替えに必要なものとして本人確認書類を挙げており、運転免許証や健康保険証など、本人名義や住所を証明できるものが該当します(参照:資源エネルギー庁)。支払い方法の登録も必要なので、クレジットカードや通帳などを手元に用意しておくとよいでしょう。
また、現在の契約内容がわかるよう、検針票などで「現在の契約種別(料金メニュー)」や「契約電流(A)・契約容量(kVA)・契約電力(kW)」の確認も必要です。契約アンペアは同時に使用できる電気の量を表す値で、アンペア制を採用している地域では、月々の電気料金の基本料金は契約アンペアに応じて決まります。切り替え先で同じアンペアを選べるか確認する際の材料にもなるため、自宅の契約内容をそのまま控えておくことがおすすめです。
契約者名義も申し込み前に確認しておきましょう。契約者が自分ではない場合は、名義人の同意なしに手続きを進められません。検針票の「現在の電力会社とのご契約者名義」を確認し、家族名義や管理会社名義になっていないかを確かめておきましょう。
料金プランの比較とシミュレーションの進め方
通年の使用量(kWh)をもとに電気代を試算する

シミュレーションの精度は、入力する使用量によって変わります。冷暖房を使う時期も含めた年間の使用量(kWh)をもとに試算しましょう。使用量が少ない時期だけで試算すると、エアコンを使う時期の料金を見落として年間の負担を実際より安く見積もってしまう可能性があります。
過去の使用量は、契約中の電力会社の会員サイトや検針票で確認可能。たとえば東京電力エナジーパートナーの「くらしTEPCO web」では、最大過去2年分の料金・使用量を確認できます(参照:東京電力エナジーパートナー)。紙の検針票がある場合は、記載された「ご使用量」を月ごとに並べ、年間の使用量や季節ごとの傾向をつかむとよいでしょう。
また、シミュレーション結果では、表示されている金額が電気料金の総額なのかも確認したいところです。電気料金は、契約容量などに応じて決まる基本料金・使用電力量に応じて計算する電力量料金・再生可能エネルギー発電促進賦課金などで構成され、これに燃料価格の変動を反映する燃料費調整額が加減されます。電力量料金の単価だけを比べても実際に支払う金額の差はわからないため、各項目を含めた総額で比較することが大切です。
料金以外に契約期間・解約金・支払い方法もあわせて確認する

試算額が安くても、契約期間の縛りや解約金の条件によって、実際の負担は変わります。申し込み前には、契約期間・解約金・支払い方法の3点を必ず確認しておきましょう。電力・ガス取引監視等委員会も、新しく小売電気事業者と契約する場合は、料金プランによって解約金が発生することがあるため、契約締結前によく確認するよう促しています(参照:電力・ガス取引監視等委員会)。
なかには、安い単価と引き換えに一定期間の契約継続を条件としているプランもあり、期間内に解約すると違約金がかかる場合があるので注意が必要。申し込み前に目を通したいのは、次の4点です。
- 最低契約期間があるかどうかと、その期間
- 期間内に解約した場合の解約金の金額
- クレジットカードのみか、口座振替も選べるか
- 市場価格に連動して単価が変動するプランかどうか
電気料金には燃料費調整制度による調整が入るため、月ごとの請求額が変動する場合がある点に注意が必要です。また、市場価格連動型プランはスポット市場の価格に応じて単価が変わる仕組みなので、市場価格の動向次第で請求額が大きく動くことがあります。目先の単価だけでなく、料金がどのように決まるのかまで確認しておくと契約後の請求額をイメージしやすいでしょう。
特に、近いうちに引っ越す予定がある場合や、在宅時間が季節によって大きく変わる場合は注意が必要です。引っ越しにともなって解約すると期間内解約になる場合があり、使用量の波が大きいと年間の試算が崩れる場合があります。
解約の条件は契約前に示される重要事項説明や約款に記載されているため、同意のチェックを入れる前に解約に関する項目をしっかり確認しておきましょう。
電力会社の切り替え手続きの手順は申し込みから3ステップ
電力会社の切り替えは、申し込み・メーター交換(必要な場合)・契約開始の3ステップ。自分で動くのは最初の申し込みだけで、あとは電力会社と一般送配電事業者の側で進みます。
STEP1:切り替え先の電力会社にWebまたは電話で申し込む

申し込み画面では、事前に控えたお客様番号・供給地点特定番号・現在の電力会社名・切り替え希望日を入力し、本人確認書類と支払い情報など必要な情報を登録。書類の郵送が不要で、Web上だけで完結する会社もあります。料金シミュレーションから申し込みまで同じ画面で続けられるサービスもあり、使用量を入力したあとそのまま手続きに進めます。
切り替え希望日を選べる場合、指定できる範囲には上限がある点に注意。例えば、東京電力エナジーパートナーのWeb手続きでは、原則当日から31日間までの申し込みを受け付けています(参照:東京電力エナジーパートナー)。ただし、受付できる範囲は会社ごとに異なるので事前の確認が必要です。
STEP2:スマートメーターが未設置なら交換工事が入る

作業は屋外のメーターを付け替えるだけなので、原則として停電がなく立ち会いも不要。停電をともなう工事になる場合は事前に一般送配電事業者から連絡があります。たとえば東京ガスでは、電灯用メーターなら5分程度、低圧電力(動力を使う機器向けの契約種別)用メーター交換の場合は15分程度の停電工事と案内しています(参照:東京ガス)。
スマートメーターへの交換は一般送配電事業者が行うもので、切り替えを理由に費用を請求されることはありません。工事費用などの名目で料金を求める電話や訪問があった場合は、その場で契約せず、契約中の電力会社かその地域の一般送配電事業者に確認しましょう。
STEP3:切り替え日に自動で新しい契約に切り替わる

送配電設備はこれまでと同じものを使い続けるので、切り替えのための工事も電気の停止も発生しません。ただし、スマートメーターが未設置の場合は送配電事業者による交換工事が行われることがありますが、原則費用はかかりません。切り替え日が確定すると、切り替え先から契約内容の案内や会員サイトのログイン情報などが届きます。
請求は、旧契約の最終分が旧電力会社から、新契約分が新しい電力会社から届く仕組みです。切り替えた月に2社から請求が届いても、二重請求とは限らないため、検針期間を確認しましょう。
例外として、他社から地域電力会社の規制料金プラン(従量電灯など)へ戻す場合は、解約手続きの代行が使えず自分で手続きを行う必要があります。
電力会社の切り替えにかかる日数と切り替え日の決まり方

切り替え日は、申し込みからの経過日数ではなく、基準になるのはその供給地点の検針日です。供給地点が属する検針区域ごとに毎月の基準検針日が定められているため、申し込みのタイミングによっては次の検針日まで切り替えを待つことがあります。
待機期間中も、電気はこれまでどおり使えるので、切り替え日まで電気が止まることはありません。ただし、スマートメーターが未設置で交換工事が必要な場合は、工事中に短時間の停電がともなうことがあります。実際の切り替え日は申し込み後に切り替え先から案内されるため、そこで確定日を確認しておきましょう。
日程に余裕を持たせたい場合は、新しいプランで使い始めたい日の2週間以上前を目安に申し込むのがおすすめです。特に引っ越しシーズンや料金改定の時期など、申し込みが集中するタイミングは手続きに時間がかかる可能性があります。検針日は自分で変更できないため、希望する時期に切り替えたい場合は早めに申し込むことが大切です。
電力会社を切り替えられない・注意が必要な3つのケース
多くの住まいは自由に切り替えられますが、申し込み前の確認が必要なのは次の3つです。いずれもあとから判明すると手続きをやり直すことになるので注意しましょう。
マンションで高圧一括受電を導入している場合

自宅が該当するかどうかは、電気料金の請求元を見れば見当がつくので確認してみましょう。請求が電力会社ではなく管理組合や管理会社、一括受電サービス事業者から届いている場合は、高圧一括受電の可能性が高いといえます。確実に知りたいときは管理組合に確認してください。
特に注意したいのが、電気代の安いプランを前提にマンションを購入したあとで一括受電に気づくケースです。導入をやめて各戸で自由に選べるようにするには、住民全体の合意形成が欠かせません。個人の希望だけで抜けられるものではないため、切り替えを望むなら管理組合の議題として相談するのが現実的な進め方です。
電気の契約名義が自分ではない賃貸住宅の場合

契約名義は、検針票またはWeb明細で確認できます。名義が入居者本人になっていないことがあるのは、社宅や寮、家賃に電気代が含まれている物件、実家の名義で契約している部屋です。こうした物件では、名義である勤務先や大家、家族に確認しないと手続きが進みません。
名義が自分であっても、賃貸借契約や管理規約で電力会社の変更に条件が定められていることがあります。大家や管理会社への確認は法律上の義務ではありませんが、退去時の精算でもめないためにも、契約書の電気に関する条項を一度読んでおくとよいでしょう。
引っ越しと同時に電力会社を切り替える場合

申し込みの受付期間には上限があるため、引っ越し直前の手続きには注意が必要です。東京電力エナジーパートナーのWeb手続きでは、当日や翌日など一部申し込めない場合があるため、手続き画面で詳細な日程を確認するよう案内されています(参照:東京電力エナジーパートナー)。引っ越し直前に申し込んで入居日に電気が使えない、という失敗をしないためにも、引っ越し日が決まったら、内見や賃貸契約が済んだ段階で早めに手続きを進めておきましょう。
もう1つ注意したいのが、新居の受電方式です。入居先が高圧一括受電を導入している場合、入居後に自分で電力会社を選べないことがあります。電気料金を含めて住まいを決めるなら、内見や契約の段階で、電気の契約先を自分で決められるかどうかを不動産会社に確認しておくとよいでしょう。
電力会社の切り替えに関するよくある質問
最後に、切り替えたあとに気になりやすい疑問を3つ紹介します。
電力会社を切り替えると停電しやすくなりませんか?
停電したときの復旧対応も、契約先の小売電気事業者ではなく一般送配電事業者が担います。電気を売る役割と電気を届ける役割が分かれているため、契約先の会社によって復旧対応が変わることはありません。
切り替えの作業そのもので電気が止まることもありませんが、スマートメーターへの交換が必要で、停電を伴う工事が行われる場合は例外です。その場合は事前に一般送配電事業者から工事について連絡があります(参照:東京電力パワーグリッド)。
一度切り替えたあとに元の電力会社へ戻せますか?
一方、規制料金プランへ戻す場合は注意が必要です。たとえば東京電力エナジーパートナーは、規制料金プラン(従量電灯、低圧電力など)への切り替えは電話でのみ受け付けており、申し込みの際に案内された切替日をもとに、現在契約中の電力会社へ自分で解約手続きを行うよう案内しています(参照:東京電力エナジーパートナー)。なお、同社から手数料などの費用は発生しません。
元の電力会社へ戻す前に、現在契約しているプランの解約金や契約期間の条件も確認しておきましょう。また、規制料金プランへ戻せる条件や受付方法は電力会社ごとに異なるため、戻したい会社の案内を直接確かめることが大切です。
切り替え後は電気の使用量をどこで確認できますか?
電気の使用量は、スマートメーターで計測されたデータが送配電事業者から契約中の小売電気事業者に提供され、そのデータをもとに使用量や料金の明細が作成されます。契約先を切り替えた場合は、データが新しい小売電気事業者に提供されるようになるため、明細の確認先もその新しい会社の会員サイトへ変わる仕組みです。
旧契約分の履歴も一定期間は残ります。たとえば、東京電力エナジーパートナーの「くらしTEPCO web」では、使用停止後も「利用明細」を確認できます(参照:東京電力エナジーパートナー)。過去の使用量は、次にまた乗り換えを検討するときの使用量データとして役立つので、切り替えた直後に旧会社の明細を控えておくとよいでしょう。
ただし、旧会社の会員サイトを退会すると明細が見られなくなる場合があります。切り替えが完了しても、通年分の使用量を手元に保存し終えるまでは退会を急がないほうがよいでしょう。

























































