
電力会社の切り替えはいつがベスト?完了までの期間と損しない時期
電力会社の切り替えは、検針日という毎月決まった日を区切りに新しい契約へ移行する手続きで、工事や停電の心配なく利用できます。とはいえ「いつ申し込めば損をせず、後悔しないタイミングで動けるのか」がわからないまま、サイトによって完了までの日数の記載がバラバラで戸惑う人も多いのではないでしょうか。
このコンテンツでは、申し込みから切り替え完了までにかかる実際の期間と検針日の仕組みを紹介します。電気代が高いと感じたときや引っ越し・契約更新のタイミングでの動き方、二重請求や違約金を避けるための注意点も整理しました。自分の検針日を確認しながら読み進めれば、迷わず適切なタイミングで手続きに踏み出せます。

大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また通信サービスだけでなく、ファイナンシャルプランナーの視点含めて電気代など固定費支出見直しのガイドもしている。
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電力会社切り替えの期間はどれくらいかかる?

電力会社の切り替えにかかる期間は、申し込みから完了まで一律に「何日」と決まっているわけではありません。切り替えの手続きは、毎月決まった日に行われる検針日を区切りとして処理される仕組みです。目安は1か月から2か月程度で、申し込んだ日から次の検針日までの日数によって、実際に完了するタイミングが変わります。
たとえば検針日が毎月15日の人であれば、10日ごろに申し込めば比較的早く次の検針日を迎えられますが、16日ごろに申し込むと、反映されるのはほぼ1か月先の検針日です。
電力会社各社の案内でも、標準処理期間が満了したあとの検針日を切り替えの基準とする運用が確認できます。
- 関西電力送配電:低圧契約で計器交換が必要な場合はマッチング日(申し込みが受け付けられた日)から8営業日と2暦日、不要な場合は1営業日と2暦日が標準処理期間で、満了後の検針日が供給開始日
- 北海道電力ネットワーク:標準処理期間が満了したあとの定例検針日を切り替え日として指定
- 出光でんき:申し込みの手続き自体は5分ほどで終わる一方、切り替え完了までは最短2日から1か月ほど
(参照:関西電力送配電 低圧のスイッチング供給開始日の標準処理期間/北海道電力ネットワーク スイッチング日に関するお願い/出光でんき 電力会社切り替えのタイミングは?)
同じ申し込みでも、検針日までの残り日数によって数日で切り替わる人もいれば、1か月以上待つ人もいるため、一律に「〇日で切り替わる」といい切れるものではない点に注意しましょう。まずは自分の申し込み日と検針日の関係をふまえたうえで、余裕をもったスケジュールを組むのがおすすめです。
自分の検針日を確認する方法

検針日は、契約している電力会社から届く検針票(紙またはWeb明細で、「電気ご使用量のお知らせ」という名称で届く場合もあります)か、契約者専用のマイページで確認できます。
切り替えの完了時期は検針日を基準に決まるため、あらかじめ自分の検針日を把握しておくと、いつ申し込めば希望の時期に間に合うか逆算しやすくなります。検針日は基本的に毎月ほぼ同じ日ですが、土日祝日の影響で数日前後ずれる場合もある点には注意が必要です。
検針票には、契約者の氏名や住所のほか、切り替え手続きの際に必要となる顧客番号や供給地点特定番号(電力の契約先を特定するための番号のこと)も記載されています。供給地点特定番号は、新しい電力会社への申し込みフォームに入力を求められることが多いため、事前に手元に用意しておきましょう。
近年はスマートメーターの普及により、検針票を郵送せずWeb明細のみで確認する契約も一般的です。自分の検針日と供給地点特定番号がわかれば、タイミングの判断や新しい電力会社への申し込みもスムーズに進められます。
電力会社を切り替えるベストなタイミング
電気代が高いと感じたときや、引っ越し・家族構成・在宅時間の変化があったときは、電力会社を見直すチャンスです。
電気代が高いと感じたとき

電力会社や料金プランによって、電気の単価や燃料費調整額(発電に使う燃料価格の変動を電気料金に反映させる仕組みのこと)の設定が異なるため、同じ使用量でも支払う金額に差が出ます。「電気代が高くなった」と感じたときは、季節による使用量の増減が原因なのか、単価自体が上がったのかを切り分けて考えることが大切です。
見直す際は、まず請求書や検針票で直近の使用量(kWh)と金額を確認しましょう。他社のシミュレーションツールに郵便番号や世帯人数、直近の使用量といった同じ条件を入力して見積もりを比較すると、差額を具体的に把握しやすくなります。
ただし、単価の安さだけで比較すると、市場価格の変動をそのまま反映する市場連動型プランのように、高騰時のリスクが大きいプランを選んでしまうことがあるので注意が必要です。基本料金や燃料費調整額の仕組みも合わせて確認しておくと、値上がりのリスクを抑えながら本当にお得なプランを選べます。
引っ越し・家族構成・在宅時間が変わったとき

引っ越しや、同棲・出産などによる家族構成の変化、在宅ワークの増加といった在宅時間の変化も、電力会社を見直すよい機会です。世帯人数や生活時間帯が変わると、電気の使用量や使用する時間帯の傾向も変わるため、それまで合っていたプランが必ずしも合うとは限りません。
たとえば一人暮らしから二人暮らしになった、日中の在宅時間が増えたといったケースでは、世帯人数や時間帯別の料金プランを比較して見直すのがおすすめです。
生活の変化に気づいたタイミングで検討を始めても、切り替え完了までは1か月から2か月程度かかることをふまえ、早めに動くことが大切です。
引っ越しと同時に切り替える場合の注意点

引っ越しの場合は、新居での電気の使用開始にあわせて新しい電力会社と契約する、新規契約の扱いになります。通常の切り替えは検針日を待つ必要があるため1〜2か月ほどかかりますが、新規契約なら使用開始日を指定して契約できるため、短期間かつ一度の手続きで済むのが利点です。
旧居の解約手続きも、新しい電力会社への申し込み時にまとめて依頼できる場合が多く、複数の窓口に連絡する手間がかかりません。電気工事の立会いや停電も基本的に発生しないので、指定した使用開始日から支障なく電気を使い始められます。
ただし、引っ越し先で電気が使えないと困るため、早めに新しい電力会社で手続きを済ませましょう。出光でんきの案内では、新しい電力会社と契約する場合は、引っ越しの遅くとも1週間前までに手続きを済ませておくよう案内されています(参照:出光でんき 引っ越し時の電気手続き)。
引っ越し日の3日前など直前の申し込みでは手続きが間に合わないことがあるため、余裕をもって、遅くとも1〜2週間前までには申し込みを終えておきましょう。引っ越しが集中する3月から4月ごろは手続きに通常より時間がかかることもあるため、繁忙期に引っ越す場合はとくに早めの行動が大切です。
申し込みの際は、新居の住所・使用開始希望日にくわえて、現在契約している電力会社名や契約者番号を控えておきましょう。多くの電力会社の公式サイトには、住所や使用開始希望日を入力するとその場で開通可能日がわかるシミュレーションツールも用意されています。単身赴任や転勤など引っ越し日が急に決まるケースでは、候補の電力会社を事前にいくつか比較しておくのがおすすめです。
夏・冬の電気代高騰に備えるなら早めの申し込みを

冷暖房で使用量が増える夏と冬は、電力会社やプランによる電気代の差が出やすく、切り替えの効果を実感しやすい時期です。エアコンや暖房器具の使用時間が長くなるほど使用量そのものが増えるため、単価のわずかな差でも支払額全体への影響が大きくなります。
エアコンの設定温度を1度変えるだけでも消費電力は変わりますが、それ以上に電力会社ごとの単価差が支払額を左右するのが夏と冬の特徴です。ただし、切り替えには申し込みから1か月程度かかるため、夏や冬のピークに間に合わせたいのであれば早めに申し込んでおく必要があります。
夏の使用量が多い時期に備えるなら春のうちに、冬に備えるなら秋のうちに、自分の検針日を確認したうえで申し込みを済ませておくのがおすすめです。ピーク時期を新しいプランで迎えられ、前年の同じ時期の請求書と比較すれば、切り替えの効果を実感しやすくなります。
電力会社によっては、夏季・冬季に合わせた期間限定プランやキャンペーンを用意していることもあるため、比較の際は季節限定プランの有無も確認しておくことが大切です。引っ越しシーズンの3月から4月と重なると、手続きにいつもより時間がかかることもあるため、繁忙期の申し込みはとくに余裕を持たせておきましょう。
毎年同じ時期に電気代が気になる場合は、翌年に向けて早めにカレンダーへ申し込み時期をメモしておく方法もあります。
契約期間や解約金があるなら更新月が狙い目

現在の電力契約に契約期間の縛りや解約金の定めがある場合は、更新月に合わせて切り替えると違約金を避けやすく、損をせずに済むのが基本です。
多くの新電力の契約には、契約期間の途中で解約すると違約金が発生するプランと、契約満了のタイミングである更新月であれば違約金なしで解約できる仕組みが用意されています。契約期間は2年程度で区切られ、更新月をすぎると自動的に次の期間へ更新される「自動更新」方式のプランも一般的です。更新月は電力会社によって呼び方が異なり、「契約更新月」「契約満了月」などと表記される点にも注意しましょう。
実際に、電力会社によって違約金の有無は異なります。
- Looopでんき:解約手数料0円、契約期間の縛りなし
- ENEOSでんき「にねん とく2割」:更新月(適用開始から23か月目・24か月目)以外に解約すると解約手数料1,100円
(参照:Looopでんき公式サイト/ENEOSでんき にねん とく2割)
契約期間の縛りがあるプランは、更新月を逃すと次の更新月まで数年単位で待つことになる場合もあるため、事前の確認が重要です。契約書やマイページで、契約期間・解約金の有無と更新月をあらかじめ確認しておけば、違約金を払わずに切り替えられるタイミングを逃しません。契約時の書類が見当たらない場合は、契約中の電力会社に問い合わせれば教えてもらえます。
更新月に合わせて切り替え先を探すなら、電力会社おすすめ比較ランキングで料金プランを比較してみましょう。
切り替え中に二重請求される心配はない

電気の切り替えは、原則として月に1回の検針日を区切りに処理されるため、旧電力会社と新電力会社の両方から二重に請求される心配はありません。検針日より前の使用分は旧電力会社、検針日以降の使用分は新電力会社の分として、基本料金・使用量にあたる料金とも使用日数に応じた日割りで、それぞれ一度ずつ請求される仕組みです。契約者が何も手続きをしなくても、日割り計算は電力会社側で自動的に行われます。
出光でんきの案内でも、電気の切り替えは原則として月1回の検針日に実施されると説明されています(参照:出光でんき 電力会社切り替えのタイミングは?)。旧電力会社からの請求は多くの場合切り替え後1〜2週間程度で郵送やWeb明細として届き、新電力会社からの請求も使用開始日からその月の検針日までの日数分が最初の請求として届きます。
それでも気になる場合は、切り替え後最初に届く2回分の請求書(旧会社と新会社それぞれ)を見比べ、請求対象の期間が重なっていないか確認しておきましょう。請求対象期間が重なって見える場合も、多くは明細の表示期間と実際の課金期間のずれによる誤解なので、まずは明細をよく確認してから問い合わせるとスムーズです。
請求内容に疑問があれば、それぞれの電力会社のカスタマーセンターに問い合わせて確認してください。切り替え中の請求で困ることはないとわかれば、あとは切り替え先を決めるだけです。
電力会社の切り替えに関するよくある質問
ここからは、切り替えタイミングでよくある質問に答えます。
電気の使用量はどこで確認できる?
電気の使用量は、検針票や契約中の電力会社のマイページ(Web明細)で確認できます。多くのマイページでは「使用量照会」や「電気ご使用量のお知らせ」といったメニューから、月ごとの使用量の推移をグラフで確認できる仕組みです。使用量はkWh(キロワット時)という単位で示され、データは検針日ごとに更新されます。
紙の検針票しか受け取っていない場合は、契約中の電力会社に問い合わせるか、Web会員登録をして使用量の履歴を確認しましょう。契約からしばらく経っている場合は、マイページのアカウント登録がまだであれば、契約者番号や供給地点特定番号を使って新規登録が可能です。
使用量が多いほど電気代も上がるため、単価だけでなく使用量そのものの傾向を把握しておくことが比較の第一歩になります。公式サイトには使用量を入力するだけで料金差をシミュレーションできるツールが用意されていることもあるため、まず現状の使用量を把握してから比較を始めましょう。
セット割を組んでいても損しない?
セット割を組んでいる場合、電気だけを切り替えると損をする可能性があります。電気とガス、電気と携帯電話・インターネット回線といった組み合わせのセット割は、複数のサービスを継続契約することが前提の割引なので、片方だけを解約すると割引が外れたり、サービスごとに別々の違約金が発生したりすることがあるからです。
たとえばauでんきとUQモバイルの「自宅セット割」は、でんきコースの適用に契約者本人がauでんきを契約していることが条件になっており、auでんきを解約すると割引は解約月の前月で終了します(参照:UQモバイル 自宅セット割)。トクトクプラン2の場合は月額1,100円の割引なので、電気だけを切り替えると、その分がまるごとなくなる計算です。
切り替え前に契約書類やマイページでセット割の適用条件・解除条件を確認し、トータルで見て本当にお得になるかを比較したうえで判断しましょう。不明な点があれば、現在契約しているセット割の窓口に確認するのが確実です。
何か月分の使用量を見て判断すればいい?
直近12か月分の使用量を確認すると、判断の精度が上がる仕組みです。電気の使用量は夏と冬に増え、春と秋に減るなど季節によって大きく変動し、月によっては使用量が2倍近く変わることもあります。直近1〜2か月分だけで比較すると、年間を通じた電気代を見誤ることがあるため注意が必要です。
とくに引っ越しやオール電化への切り替えなど、生活スタイルが変わった直後は、過去の使用量がそのまま参考にならない点に注意しましょう。
契約中の電力会社のマイページでは、過去1年分の使用量・請求額の推移を確認できることが多く、シミュレーションに活用すると年間を通じた比較がしやすくなります。夏・冬・春・秋それぞれの使用量を確認し、季節ごとの傾向をふまえて比較すると、年間の電気代をより正確に見積もれる仕組みです。
契約から日が浅く12か月分のデータがそろっていない場合は、前の住まいの検針票や、似た世帯構成の平均的な使用量を参考にする方法もあります。


























































