やりがいが大きい反面、精神的・肉体的にハードな看護師。ライフステージの変化によって退職や転職を考える人が多い職業でもあります。
しかし、なかなか退職を言い出せる雰囲気ではなかったり、引き止められたら断る自信がないなど、退職を切り出せずに困っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は円満退職するための退職理由や伝え方など、例文をまじえて徹底解説します。
実際に退職するまでの流れもまとめているので、円満退職したいと考えている人はぜひ参考にしてください。
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ネガティブな退職理由やうその退職理由を伝えると、円満退職しにくくなる可能性があるので注意しましょう。
退職理由は、じっくり考えてポジティブな理由を探してみましょう。
長時間勤務や人間関係のストレスなどネガティブな理由がきっかけだったとしても、忘れていた目標・チャレンジしてみたかったこと・積んでみたかった経験があったはず。
退職を決意したときは感情的になっている場合も多いので、じっくり考える時間を作って自分の内面と向き合い、ポジティブな理由を探してみましょう。
率直に伝えるとトラブルの原因になる退職理由もあるので注意が必要です。
人間関係が悪い・労働時間や業務量が多すぎる・夜勤の負担が大きいといったネガティブな理由は、たとえ事実であっても愚痴と捉えられて人間関係が悪化したり、退職交渉が難航する可能性が高いでしょう。
ネガティブな理由はポジティブな表現に置き換える、語尾を前向きな表現にするなどで相手に与える印象が大きく変わります。
感情よりも事実を伝えること、自分なりに努力したうえでの前向きな退職であることを伝えるのがポイントです。
事実を伝えにくい・引き止められない理由にしたいとしても、事実と異なる理由や嘘をつくのは避けましょう。
バレた際に話がこじれたり、これまでの信頼を一気に失ったりするリスクがあるためです。医療業界は意外と狭いので、転職先に知られてしまう可能性もゼロとは言い切れません。
嘘をつくリスクは非常に大きいため、退職理由は事実をベースにポジティブな表現で伝えましょう。
実際に使える退職理由の例文とポイントをケース別に8つ紹介します。
【例文】
病棟の方々とチームとして連携を取ることに難しさを感じています。
特に仲が悪いというわけではありませんが、個人個人が黙々と仕事をこなしており会話も少ない状態です。
私自身とても勉強になる環境ではありますが、以前より関心が高かったチーム医療に携わりたいという思いが強くなったため、退職させていただきたいと考えております。
【ポイント】
退職の原因になっている具体的な出来事や個人名について言及すると、愚痴と捉えられたり問題を解決する方向に話が進んでしまう可能性があります。
例文のように、現状には良い面もあるがほかの環境を望んでいるといった表現であれば、人間関係の話が薄まり受け入れられやすくなるでしょう。
【例文】
勤務時間が長く疲労が溜まってしまい、集中力が保てない状態が続いています。
私なりに時間の使い方や業務改善の工夫をしてきましたが、このままでは患者さんたちの安全性にかかわると感じ、働き方を見直すことにしました。
患者さんやご家族に心配をかけず丁寧な看護をしていきたいため、退職させていただきたいと考えております。
【ポイント】
個人的な不満ではなく、患者さんへの影響や看護師としての責任を果たすために働き方を見直したいという内容です。
今の体制や方針を非難するのではなく、自分のできる範囲で改善の努力をしてきたと伝えることで、愚痴ではないことが伝わるでしょう。
忙しさや待遇面を理由にすると、勤務時間の見直しや昇給などの改善策を提示されて思うように話が進まない可能性があるため注意が必要です。2
【例文】
○月に結婚することになりました。このまま仕事を続けることも検討しましたが、パートナーは当面のあいだ家庭に専念してほしいという意向が強かったため、退職させていただきたいと思います。
【ポイント】
結婚を機に退職したいという理由で十分な場合もありますが、家庭と仕事を両立している看護師も多いため、引き止められる可能性があります。
パートナーの意向も退職理由に含めることで、自分だけの問題ではないことが伝わるでしょう。
【出産を理由にした例文】
子どもを授かり、○月に出産予定となりました。パートナーは帰りが遅く、親たちも遠方でサポートを得るのが難しい状況です。
ある程度大きくなるまでは育児に専念する必要があるため、○月頃に退職させていただきたいと考えております。
【育児を理由にした例文】
いつも時短勤務や夜勤の免除などのご配慮をいただき、本当にありがとうございます。
職場でも多大なサポートをいただいておりましたが、子どもの急病やお迎えなど、どうしても仕事との両立が難しい場面が出てきており、パートナーも育児に専念することを強く望んでいるようです。
大変心苦しいのですが、退職させていただきたいと考えております。
【ポイント】
出産・育児は正当な理由になり得るので、そのまま伝えて問題ないでしょう。すでに職場から理解を得て配慮してもらっている場合は、まずは日頃の感謝を伝えることが大切です。
ただし、仕事と育児を両立している人も多いため、アイデアを提示されたり説得される可能性もあります。
パートナーの意向や、サポートを得られず自分だけでどうにかするしかないなど、致し方ない事情を加えることで受け入れてもらいやすくなるでしょう。
【例文】
遠方で暮らす父が脳梗塞で倒れてしまい、後遺症が残り介護が必要になりました。
母だけで介護するのは難しく、近隣に身内も居ないため、私が通って面倒を見ることになりました。通勤の面でも仕事との両立が困難なため、退職させていただきたいと考えております。
【ポイント】
家族の介護は受け入れてもらいやすい理由のため、そのまま伝えて問題ありません。
ただし、残念ながら嘘の理由として使われることも多いため、あらぬ疑いをかけられてしまう可能性があります。できる限り家族の状態を詳しく説明し、事実であると納得してもらう工夫が必要です。
【例文】
体調不良が続いていたため先日受診してみたところ、○○と診断されました。
医師からは退職を勧められており、私自身も治療に専念したいと考えているため、退職させていただきます。
【ポイント】
体調不良や病気が理由の場合は率直に伝えて問題ありませんし、上司も引き止められません。具体的な診断結果や診断書を出してもらっている場合は、退職を伝える際に見せると良いでしょう。
休職を提案される場合は、「復帰時期も未定でかえってご迷惑をおかけしてしまいますので」とはっきり断ることが大切です。
【例文】
がん患者さんを担当させていただくなかで、この領域でさらに専門性を高めていきたいという思いが強くなりました。
今後、認定看護師の取得を目指しながら、より専門性の高いがん専門病院に転職したいと考えているため、退職させていただきたいと思っています。
【ポイント】
目指すものを具体的に伝え、それは現在の環境では実現できないから転職したいと伝えるのがポイント。
スキルアップしたいという抽象的な理由では説得力に欠け、引き止められる可能性があるため注意が必要です。
次の転職先が決まっていればさらに説得力が増すため、退職を伝える前に次の職場を決めておくのが理想です。
【例文】
夫の転勤で○月に○○県○○市に転居することが決まりました。遠方で通勤が困難になってしまうため、退職させていただきたいと考えています。
【ポイント】
転勤や通勤が困難な場合はそのまま伝えて問題ありません。自分ではどうにもならない不可抗力のため、引き止められる可能性も低いでしょう。
いきなり退職届を出すのではなく、上司や会社に相談してから手続きを進めるのが円満退職のコツです。以下では、退職までの流れを4つのステップに分けて詳しく解説します。
退職の意向は一番先に直属の上司に伝えるのがマナーです。
ほかの人から上司に伝わると、退職交渉が難航したりトラブルにつながったりする可能性があります。どんなに同僚や先輩と仲が良くても、上司より先に退職を伝えるのは避けたほうが良いでしょう。
続いて、上司と相談して退職日を決め、決定した退職日を記入した退職届を提出します。
業務や引き継ぎの都合もあるので、自分の都合だけで希望日に退職できるとは限らないので注意が必要です。一般的に退職日は1か月後以降になります。
有給休暇が残っている場合は、有給休暇の最後の1日が最終出勤日となるため、どのようなスケジュールで消化するかも上司と相談しましょう。
退職までの手続きは勤務先のルールによって異なる可能性があるので、上司と面談する際に確認してください。
退職日が決まったら、後任に迷惑がかからないようしっかりスケジュールを立てて引き継ぎを行います。
引き継ぎ方法は業務内容にもよりますが、口頭や作業に同行するだけでなく、マニュアルや引継書などを用意してあげると良いでしょう。
引き継ぎが不完全だった場合、退職後であっても確認や質問の連絡が来る可能性があるため注意が必要です。
退職日が近くなってきたら、上司・同僚・後輩・患者さんなどに退職のあいさつをします。
身近な人であってもネガティブな話題は避け、お世話になった感謝を伝えるほうがスマートです。タイミングがあえば、引き継ぎも兼ねて後任の紹介をしておきましょう。
円満退職への近道は、上司に退職の意向を伝えるまえに転職先を決めておくことです。転職先が決まっていれば引き止められる可能性が大きく下がり、スムーズに円満退職できるためです。
転職活動に苦戦するとキャリアに空白期間ができたり、金銭的に厳しくなったりする可能性もあるため、いずれにしても先に転職先を決めておくに越したことはないでしょう。
以下の記事で、看護師に特化した人気の転職サイト・エージェントをランキング形式で徹底比較しています。転職活動がこれからの人、スムーズに円満退職したいと考えている人はぜひ参考にしてください。
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最近では退職をサポートしてくれる「退職代行」というサービスがあります。以下のコンテンツではおすすめの退職代行サービスや、デメリット・利用する際の注意点を紹介しているので気になる人はチェックしてくださいね。
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