




まるで映画館にいるような臨場感を味わえると謳う4Kモニター、BenQ エンターテインメントモニター EW2880U。ネット上では「映像がきれい」と評判です。一方で「動画視聴時の人の肌の発色がいまひとつ」と気になる口コミも存在し、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の6つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のレノボやASUSなどの4Kモニターとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、4Kモニター選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。

筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
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本コンテンツに記載の検証結果は2025年10月までの情報です
目次
BenQ EW2880Uは、映画鑑賞・ゲームなどを幅広く楽しみたい人におすすめです。色の正確さ・色域の広さ・コントラス比の高さのバランスが取れていたのが特徴。比較したなかで1つでも性能が欠けている商品は、映像に不満が出る傾向がありました。本商品は目立つ欠点がなく、広い用途で使用できるでしょう。
色空間の規格であるsRGB(ガンマ2.2)の条件で、正確に色味を出せているか測定したところ、誤差を示す数値は2.96dEと振るわず。しかし、誤差が大きかったのは、元の設定が照明の暗い部屋に適したガンマ2.4で固定されているためです。ガンマ2.4で測定するとかなり高精度なので、暗めの部屋なら口コミのような発色の悪さは感じにくいでしょう。
自然界の色域に極めて近いBT.2020のカバー率は、71.7%を記録。表現できる色域が広く、メーカーが謳うように色鮮やかな映像を楽しめます。比較したカバー率60%の商品は、色の奥行がなくのっぺりした映像になりやすい傾向がありました。コントラスト比は1261:1と、スペック以上の数値を記録。くっきり迫力ある映像でゲームを楽しめるでしょう。
カラーモードが8種類あり、画面調節にも困りません。画面設定はジョイスティックとリモコンでの操作が可能です。比較した多くの商品にリモコンは付属していませんでした。インターフェースはHDMI×2・DisplayPort・Type-C・オーディオ端子とスピーカーを搭載。Type-Cは給電と出力に対応しており、ノートPC接続時にケーブル1本で済ませられます。
スタンドは上-5度・下15度・左右15度の角度調節と10cmの高さ調節に対応。画面を快適な位置に調節しやすいでしょう。比較したなかでも高さ調節ができる商品は、ノートPCの画面に被らないようにできて作業がしやすい傾向がありました。奥行は28cmとやや大きいものの、ネジ穴規格のVESAに対応しているのでモニターアームを取りつけ可能です。
価格は執筆時点で税込72,000円(公式サイト参照)。比較したなかには10万円を超える商品もあることをふまえると、比較的求めやすい価格といえます。画面性能のバランスがよいので、用途が定まっていない初心者も選びやすいでしょう。なお、比較したなかにはより色が正確な商品や色域の広い商品もあったので、気になる人はチェックしてみてくださいね!
そもそも4Kモニターとは、解像度が4K(3840×2160)の高画質モニター。チューナーを搭載しておらず、映像処理性能やスピーカーの音質も4Kテレビには劣ることが多いものの、低遅延で動きがなめらかな商品が多いのが特徴です。27~42インチとデスクに置きやすいサイズが主流で、ゲームや作業に向いているモニターといえます。
今回ご紹介するBenQ EW2880Uは、没入感のある映像体験を謳う商品です。明暗の差を際立たせる技術HDRに、色自動調節機能「ブライトネスインテリジェンスプラス」を融合したBenQ独自の映像技術「HDRi」を搭載。映像の明瞭さ・ディテール・色の効果が大幅に強化されたとアピールしています。
製造元のBenQ(ベンキュー)は、1984年に設立した台湾の電子機器メーカー。最新のテクノロジーとライフスタイルを結びつけるユニークな商品開発を強みとしています。モニター以外に、プロジェクターや照明・スピーカーなども展開中です。
3種類のHDRiモードと5つのサウンドモードで、ゲームから映画まで幅広いコンテンツを楽しめるのが特徴。ゲームモードも3種類(レーシング・RPG・FPS)搭載しており、ゲームジャンルごとに映像のタイプを使い分けられます。
オーディオには、高音質を謳うtreVoloスピーカーを内蔵。クリアな高音域から上質な中音域、迫力ある低音まで再現するとしています。
BenQ独自のアイケア技術を採用しているのも特徴です。ブライトネスインテリジェンスプラス技術により、周囲の明るさと色温度を検出し、自動的に画面の輝度と色温度を調整。眼精疲労や疲れ目の軽減につながると謳っています。
<スペックの詳細>
本体のサイズは幅63.7×奥行27.7×高さ42.1~52.1cm、重さは約7.9 kgです。カラー展開はブラックのみ。インテリアに馴染みやすいスタイリッシュなデザインなので、部屋を選ばず設置しやすいでしょう。
2022年には、国内最大級を誇るオーディオビジュアルアワードVGP2022 SUMMERで金賞を獲得しました(7万円未満のPCモニター部門)。
今回はBenQ EW2880Uを含む、4Kモニター全14商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、色の正確さの検証です。
Portrait Displaysの映像ソフト「Calman 2022」を使用して、sRGB(ガンマ2.2)の条件で、規格どおりの色味を出せているか測定。sRGBは、国際電気標準会議が定めた国際標準規格の色空間のことです。色の差の定量指標であるdEを基準に評価しました。
sRGB(ガンマ2.2)の規格どおり色味を出せているか検証したところ、色味のバランスは良好でしたが、やや正確性には欠ける結果でした。誤差を示す数値は2.96dEを記録。高評価の基準値とした3dE以内は満たしているものの、比較した商品の平均2.54dE(※執筆時点)には届いていません。
「人の肌の発色がいまひとつ」と口コミであったように、状況によっては動画視聴時の色に若干違和感を感じる可能性もあるでしょう。
しかし、この誤差はモニターのガンマが、sRGB(ガンマ2.2)の規格と異なる2.4で固定されていたため発生しています。ガンマとは映像の明暗表現に関する項目のこと。ガンマ2.4の条件で測定すると高精度だったので、本商品は照明の暗い部屋に適した設定のモニターといえるでしょう。
次に、色域の広さの検証です。
色域は表示できる色の鮮やかさを示す指標です。色域が狭いと映像の鮮やかさが失われたり、色がつぶれて見えてしまいます。検証では、自然界に存在する物体色の色域に極めて近いBT.2020を基準とし、それに対するカバー率を測定しました。
色域の広さを測定したところ、自然界の色域に最も近いBT.2020のカバー率は71.7%。比較した商品の平均約71.5%(※執筆時点)とほぼ同じ数値で、高評価の基準値65%を超えました。色域は十分広く、色鮮やかな映像を楽しめるでしょう。
比較したなかにはカバー率が60%程度の商品もあります。色域が狭い商品は、色の奥行がなくのっぺりとした映像になりやすい傾向がありました。色鮮やかな映像を楽しみたい人は、色域のカバー率にも注目しましょう。
続いて、コントラスト比の高さの検証です。
コントラスト比とは、白(最大輝度)と黒(最小輝度)の輝度比。コントラス比が高いと、夜景の映像などの鮮明さが高まります。検証では、ANSIチェッカー4×4パターンを表示し、同一画面に黒と白が混在している状態で、黒の輝度と白の輝度の比率を計算しました。
コントラスト比は1261:1と、メーカーが公称するスペック(1000:1)以上の数値を記録しました。高評価の基準値とした500:1も上回っています。比較したなかでも、コントラスト比が高い商品は、映像に迫力を感じやすい傾向がありました。
本商品はコントラス比だけでなく、色域の広さ・色の正確さも優秀でバランスがとれています。バランス型の商品は、映画鑑賞・ゲームなど幅広く楽しむ人や、用途がまだ決まっていない人にもおすすめです。
次に、画面調節のしやすさ・インターフェースの充実度・スタンドの使いやすさの検証です。
直観的に操作でき、カラーモードが豊富な商品を画面調節のしやすい商品と評価しました。Type-Cケーブルでの接続が可能かなど、インターフェースの充実具合もチェックしています。また、スタンドの角度・高さ調節ができるかを確認しました。
画面調節のしやすさを調べたところ、機能性は十分。カラーモードが8種類あり、コンテンツに合わせた画面設定が可能です。ゲーム用のモードやブルーライト軽減・ MacBookの映像を映すのに適したモードなどがあります。
画面調節はジョイスティックで操作。比較したボタン式の商品よりも、直観的に操作できました。比較したなかでも珍しくリモコン操作に対応しており、遠くからでも設定できるのがうれしいポイントです。なお、画面を90度回転させて縦型で試聴できるピボット機能は搭載されていません。
<検証結果>
接続端子はHDMI×2・DisplayPort・Type-C・オーディオ端子とシンプルながら、利便性に優れていました。比較したなかには、HDMI端子が1つしかないものや、Type-C端子がないものもありました。
Type-Cは給電と出力に対応しており、ノートPCと接続する際にケーブル1本で済ませられます。デスク周りをスッキリさせたい人にもおすすめですよ。比較したほとんどの商品と同様、スピーカーも内蔵されていました。
<検証結果>
スタンドの使いやすさを調べたところ、各種調節機能は充実していました。上-5度・下15度・左右15度の角度調節と、10cmの高さ調節に対応。比較したなかでも高さ調節できる商品は、ノートPCの画面に被らないようにできるため作業しやすい傾向がありました。
しかし、スタンドの奥行は28cmとやや大きく、設置にはスペースが必要です。比較したなかには奥行が20cm以下でコンパクトに設置できる商品もありました。本商品はネジ穴規格のVESAに対応しているため、モニターアームを取りつければ、デスク周りをよりすっきりさせられますよ。
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
55,000円
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BenQ EW2880Uは、公式サイトから購入できます。値段は執筆時点で税込72,000円です。
そのほかの取扱店舗は、Amazon・楽天市場などの大手ECサイト、ヨドバシカメラ・ビックカメラなどの家電量販店。値段はサイトによって異なるので、セール情報などもチェックしてみましょう。
最後に、色の正確さや色域の広さの検証で高評価を獲得した商品をご紹介します。
レノボ ThinkVision P27u-20は、デザイン制作をする人におすすめ。色の正確さを測定したところ、ほぼすべての色で誤差が小さく高精度でした。色域も広く、ディスプレイ性能は高いといえます。モニターの調整機能やインターフェイスも充実しており、利便性を重視したい人にもぴったりです。
ゲームを楽しみたいなら、ASUS VG28UQL1Aがおすすめ。映像のなめらかさを示すリフレッシュレートが、144Hzと高いのが特徴です。色の誤差も小さく、全体的にバランスがとれていました。色域が広く、コントラスト比も高いので、4Kゲームを十分に楽しめるでしょう。
| モニターサイズ | 27インチ |
|---|---|
| 色域の広さ | 75.5% |
| 色の正確さ | 0.95dE |
良い
気になる
| 幅 | 61cm |
|---|---|
| 奥行 | 22cm |
| 高さ(最大) | 55.64cm |
| 重量 | 8000g |
| 画面種類 | 液晶 |
| アスペクト比 | 16:9 |
| 表面処理 | ノングレア |
| パネル種類 | IPS |
| 解像度 | 4K |
| コントラスト比(メーカー公表値) | 1000:1 |
| 最大輝度(実測値) | 382.634cd/m2 |
| 最小輝度(実測値) | 47.426cd/m2 |
| ブルーライトカット対応 | |
| インターフェース | HDMI、USB Type-C、DisplayPort 1.4、USB Type-A、USB Type-B、LAN |
| スイーベル機能(水平回転) | |
| チルト機能(垂直角度調節) | |
| リモコン付き | |
| VESAマウント対応 |
レノボ ThinkVision P27u-20をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
| モニターサイズ | 28インチ |
|---|---|
| 色域の広さ | 73.0% |
| 色の正確さ | 1.22dE |
良い
気になる
| 幅 | 63cm |
|---|---|
| 奥行 | 21.38cm |
| 高さ(最大) | 53.98cm |
| 重量 | 6890g |
| 画面種類 | 液晶 |
| アスペクト比 | 16:9 |
| 表面処理 | ノングレア |
| パネル種類 | IPS |
| 解像度 | 4K |
| コントラスト比(メーカー公表値) | 1000:1 |
| 最大輝度(実測値) | 319.747cd/m2 |
| 最小輝度(実測値) | 66.109cd/m2 |
| ブルーライトカット対応 | |
| インターフェース | DisplayPort×1、HDMI (v2.0) ×2、HDMI (v2.1) ×2、USB 3.0 ×2,3.5mmステレオミニジャック×1 |
| スイーベル機能(水平回転) | |
| チルト機能(垂直角度調節) | |
| リモコン付き | |
| VESAマウント対応 |
ASUS TUF Gaming VG28UQL1Aをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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