都市銀行・地方銀行・ネット銀行のよいところ取りを目指したネット銀行、イオン銀行。「ATM手数料がかからない」「窓口がある」と評判がよい一方で、「アプリが使いにくすぎる」という気になる口コミも存在し、口座開設を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の9つの観点で検証を行いました。
さらに、主要なネット銀行とも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。口座開設の方法やキャッシュカードについてもリサーチしましたので、ネット銀行選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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イオン銀行は、イオンをよく使うなら利便性は高いものの、ステージを上げないと手数料・金利などのメリットは少なめです。検証条件下(※)では下から2番目のシルバーに該当し、他行ATM手数料無料回数は月2回、他行あて振込手数料無料回数は月1回と少なめでした。比較したなかには同条件で10回以上無料の銀行もあり、イオン銀行はコストがかさむ可能性があります。
キャッシュカードを保持・ネットバンキングを利用・口座振替を利用・預金残高100万円・給与振込あり・定期預金の利用・ローン契約なし
無料回数を超えた場合の他行ATM手数料は、ゆうちょ銀行やみずほ銀行で0円~110円、ローソン銀行などでは110円~220円。他行あて振込手数料はネットバンキングでは110円、ATMを通じてであれば132円です。比較したなかには、ATM利用・振込いずれも200円以上の手数料がかかる銀行もあったことをふまえると、高くはありません。しかし、無料回数が少ないためお得感は得にくいでしょう。
同条件下での普通預金金利は比較した全体平均を下回る年0.210%でしたが、一番上のプラチナステージに到達すれば年0.250%までアップします。ステージ制度で普通預金金利が上がる銀行は比較したなかでもわずかでした。なお、ステージを上げるためのイオン銀行スコアは、キャッシュカード・クレジットカード・電子マネーWAONが1つになった「イオンカードセレクト」カードを作ることでも稼げます。イオンをよく使うならぜひ検討してみてください。
定期預金の金利は、検証条件下で5年ものの場合に年0.700%と高めでした。比較したネット銀行全体の平均年0.518%を大きく上回っていたため、しばらくまとまったお金を預けたい場合に候補になります。証券会社との提携もあり。とくにマネックス証券を利用する場合はイオン銀行でサポートを受けられます。この機会にイオン銀行を介して口座を開設し、NISAを始めるのもよいでしょう。
アプリについて「使いにくすぎる」との口コミがありましたが、比較した多くのサービスと同様に生体認証など基本的な機能を備えていました。他行ATM手数料はかさみがちですが、全国6,800台以上の自社ATMなら「手数料がかからない」との口コミどおり何度でも入出金無料です。「窓口がある」との口コミどおり、全国のイオンモールやショッピングセンター内を中心に実店舗も展開していますよ。
自社ATMや店舗が充実しており、日常的にイオンを使う人にとっては利便性が高いサービスといえます。ただし、イオンでの対象取引を行ってステージを上げないと、手数料や金利においてのメリットは少なめ。ステージを気にせずお得に使える銀行をお探しなら、ほかのネット銀行を含めて検討してみてください。
<おすすめできない人>
<おすすめな人>
実際にイオン銀行と比較検証を行った各サービスのなかで、総合評価1位を獲得したネット銀行と、各検証でNo.1を獲得したサービスをピックアップしました!
イオン銀行は、イオンのショッピングセンター内を中心に、全国に店舗を展開する銀行。365日年中無休で営業中です。
銀行には大きく分けて都市銀行・地方銀行・ネット銀行の3種類あり、それぞれ全国展開がある・地方でのサービスが充実している・店舗がないぶんローコストといった魅力があります。イオン銀行は3つの銀行のよいとこ取りを目指しており、オンライン利用・実店舗利用のどちらもできる点が特徴です。
発行されるキャッシュカードは、キャッシュカード機能と電子マネーWAON(ワオン)の一体型。ワンタッチで買物ができて、ポイントも付与されます。
今回はイオン銀行を含む、人気のネット銀行を集めて比較検証を行いました。
全国6,800台以上の自社ATMを展開。24時間365日営業のものも多く、比較したなかでも目を惹く充実ぶりです。「ATM手数料がかからない」との口コミどおり、自社ATMでは何度でも入出金が手数料無料で利用できます。イオンモール・イオン・ミニストップなど、普段利用するスーパーやコンビニにATMが設置されている点も便利です。
「窓口がある」との口コミどおり実店舗も展開しているため、生活スタイルに合わせて柔軟に利用できるでしょう。最寄りの店舗をお探しなら、公式サイトでチェックしてみてください。
ステージ制度を活用することで普通預金金利がアップすることも魅力です。検証条件下(※)での普通預金金利は年0.210%と比較した全体平均0.245%に届きませんでしたが、一番上のプラチナステージに到達すれば年0.250%まで高くなります。
キャッシュカード保持・ネットバンキング利用・口座振替利用・預金残高100万円・給与振込あり・定期預金利用・ローン契約なし
イオン銀行のステージ制度は、各種サービスの利用で自動的に貯まるイオン銀行スコアに応じて決定するシステム。プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズの4段階あり、金利や手数料でのメリットがあります。比較した多くのネット銀行でステージ制度を取り入れていましたが、普通預金の金利に影響するものはわずかでした。
キャッシュカード機能を持つ「イオンカードセレクト」を作る・給与の受取を行うといった対象取引を行うことでステージを上げるためのスコアがアップするので、普通預金金利を上げたい人はチェックしてみてください。
<ステージごとの普通預金適用金利>
定期預金の金利も高めです。検証条件下(※)では、特に5年ものの金利が年0.700%と際立ちました。比較したネット銀行全体の5年もの平均は年0.518%だったことを考えると、しばらくまとまったお金を預けたいと考えている人にとって有力候補となるでしょう。
キャッシュカードを保持・ネットバンキングを利用・口座振替を利用・預金残高100万円・給与振込あり・定期預金の利用・ローン契約なし
1年もの・3年ものも0.450%と高めですが、全体平均の年0.529%・年0.464%は下回りました。比較したなかには1年ものでも年0.600%の高金利を狙えるネット銀行もあったので、短期間の定期預金を検討しているならほかも含めて検討してみてください。
なお、定期預金は普通預金とは異なり、一度預けると基本的に出金ができません。金利があまりつかない場合は、長期間資金が使えないというデメリットもあるので注意してくださいね。
<定期預金の金利>
アプリの操作性も良好。生体認証機能が備わっており、入出金や振込の操作は一度のログインで完結します。こちらは、比較したほとんどのアプリがクリア。基本的な機能は備えており、「アプリが使いにくすぎる」との口コミほど不自由を感じる可能性は低いといえます。
ただ、比較した多くのネット銀行とは異なり、ホーム画面に「振込」の操作ボタンがデフォルト表示されていない点は惜しいところです。振込をしたいときは、入出金や振込の操作は画面下中央の「取引」ボタンを押し、インターネットバンキングから取引を進めましょう。
複数の証券会社と提携している点も魅力です。利用者の多いSBI証券・楽天証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券・松井証券の5つの大手証券会社について調べたところ、すべてと提携しており、手数料無料でリアルタイム入金が可能でした。
とくにマネックス証券とは業務提携の関係にあり、イオン銀行でNISAを始める際は、イオン銀行を介してマネックス証券口座を開設する必要があります。この場合、取引の相手方はマネックス証券となるものの、投資信託に関する問い合わせ、口座開設や申込みに関するサポートをイオン銀行で受けられますよ。
比較した銀行の半数は5つの大手証券会社すべてでリアルタイム入金できるわけではありませんでした。証券会社を利用している・予定があるといった場合、関わりの深いネット銀行を選ぶことで入金しやすさ・ステージ制度の条件クリアなどにつながるでしょう。マネックス証券を利用するなら、イオン銀行は要チェックです。
毎月10日はポイントが5倍になる・毎月20日と30日はイオングループ対象店舗での買い物が5%OFFになるなど、お得な特典もあり。口座振替や給与受け取りでポイントが多く貯まるといったメリットもあるため、イオン銀行を使うならぜひ持っておきたい1枚です。
<イオンカードセレクトのメリット>
ATMや店舗数が充実して利便性が高いイオン銀行ですが、気になる点が1つだけありました。利用する前に自分のライフスタイルに向いているかをしっかり確認しておきましょう。
ステージが低い状態では、他行ATM手数料や振込手数料の無料回数が少ない点はネック。一番下のブロンズステージでは他行ATM入出金手数料の無料回数は1回のみで、他行あて振込手数料は初回から有料です。
検証条件下(※)ではステージがシルバーに該当し、他行ATM入出金手数料の無料回数は月2回、他行あて振込手数料の無料回数は月1回でした。イオン銀行は自社ATMでは手数料がかからないという魅力がありますが、比較したなかには同条件下でATM利用・振込ともに10回以上無料でできる銀行も。使い方により、不自由に感じる可能性があります。
キャッシュカードを保持・ネットバンキングを利用・口座振替を利用・預金残高100万円・給与振込あり・定期預金の利用・ローン契約なし
無料回数を超えたあとのATM手数料は、ゆうちょ銀行やみずほ銀行など一部のATMでは0円~110円、ローソン銀行などでは110円~220円。他行への振込手数料はネットバンキングでは110円、ATMを通じてであれば132円でした。いずれも特別高いわけではありませんが、無料回数が少ないぶんコストはかさみがちです。
なお、一番上のプラチナステージまで上がると、他行ATM入出金利用手数料無料回数・他行あて振込手数料無料回数ともに、月5回までアップします。イオンカード利用代金の引落しが18万円を超え、WAONの利用金額が5万円程度あれば、プラチナステージに上がれる計算です。イオンカード・WAONを積極的に利用することで手数料をある程度節約できるでしょう。
<シルバーステージでの振込手数料/無料回数>
<シルバーステージでのATM手数料/無料回数>
ATM手数料の無料回数 | 1〜5回 |
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振込手数料の無料回数 | 0回~無制限 |
価格については、2025年02月19日時点の公式サイトを参照した標準価格が記載されています。
良い
気になる
住宅ローンの変動金利 | 0.780%〜(物件価格の80%以内で住宅ローンを借入れの場合) |
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取扱のある金融商品 | 住宅ローン、カードローン、自動車ローン、教育ローン、フリーローン、外貨預金、保険、投資信託、公営競技、キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード |
主な優遇サービスの条件 | 給与受取口座設定、年金受取口座設定、指定カード(クレジット・デビット等)の契約、指定カード(クレジット・デビット等)の利用額、各種ローンの契約、ローン返済用口座設定、外貨預金の残高、投資信託の残高、ネットバンキングの登録 |
優遇サービスの内容 | 金利優遇、ATMの無料回数優遇、振込手数料の無料回数優遇 |
対応のキャッシュレス決済 | PayPay、d払い、メルペイ、au Pay、WAON |
スマートフォンアプリあり | |
ネットでの口座開設 | |
主なセキュリティ対策 | ワンタイムパスワード、合言葉認証、自動ログアウト、ソフトウェアキーボード |
コールセンターの営業日 | 平日、土・日・祝日、年末年始、GW、お盆、年中無休 |
コールセンターの営業時間 | 年中無休9:00〜18:00 |
店舗窓口 | |
入出金のできる主なATM | 三菱UFJ銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行、イーネットATM、ローソンATM、イオンATM |
獲得できるポイント | WAONポイント |
口座開設方法は下記のとおりです。
<口座開設方法>
審査完了後に届くメールからインターネットバンキングへログインすると、口座番号等の確認が可能です。カードが簡易書留郵便(転送不要扱い)にて、2週間程度で届きます。
イオン銀行の利用にあたって、よくある質問をご紹介します。
店舗は、全国のイオンモールやショッピングセンター内を中心に展開しています。お近くの店舗を探すには、公式サイトの店舗・ATM検索が便利です。
問い合わせをしたい際は、イオン銀行コールセンターに電話するか、チャットサービスを利用しましょう。
<イオン銀行コールセンター>
<チャットサービス>
イオン銀行ATMは、基本的に午前3:00~4:00のメンテナンス時間以外は、年末年始も含め24時間365日利用可能です。ただ、設置先店舗の営業日・営業時間によっては上記と異なる可能性があるため、店舗・ATM検索で事前に確認することをおすすめします。
イオンカードセレクトは、毎月10日までの利用分を翌月2日に引き落としとなります。ただし、金融機関が休業日の場合は、翌営業日になるので注意してくださいね。
最後に、イオン銀行のデメリットをカバーできるサービスをご紹介します。
ATM・振込手数料を抑えたいならauじぶん銀行がおすすめです。ステージが上から2番目のゴールドになると、ATM・振込手数料の無料回数は月10回と多め。ゴールドステージに上がる条件が、口座振替を利用・定期預金の利用など比較的クリアしやすいことも特徴です。提携ATMでの入金は何度でも無料ですよ。
金利の高さ・手数料の低さのどちらも狙うならSBI新生銀行をチェック。ステージ制度で下から2番目のシルバーになると、セブン銀行など提携ATMの出金手数料が回数制限なく無料です。SBI証券の口座振替契約を登録すればで最上位のダイヤモンドステージになり、普通預金金利が年0.210%から年0.400%まで上昇します。
ATM手数料の無料回数 | 2〜15回 |
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振込手数料の無料回数 | 3〜15回 |
価格については、2025年02月19日時点の公式サイトを参照した標準価格が記載されています。
良い
気になる
住宅ローンの変動金利 | 0.780%〜(物件価格の80%以内で借入れの場合) |
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取扱のある金融商品 | 住宅ローン、カードローン、自動車ローン、教育ローン、外貨預金、投資信託、公営競技、BIG・toto、キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード |
主な優遇サービスの条件 | 給与受取口座設定、指定カード(クレジット・デビット等)の契約、指定カード(クレジット・デビット等)の利用額、各種ローンの契約、ローン返済用口座設定、外貨預金の残高、FXの利用、BIG・totoの購入 |
優遇サービスの内容 | ATMの無料回数優遇、振込手数料の無料回数優遇 |
対応のキャッシュレス決済 | PayPay、LINE Pay、メルペイ、au Pay、FamiPay、楽天Edy |
スマートフォンアプリあり | |
ネットでの口座開設 | |
主なセキュリティ対策 | ログイン認証、スマートフォン認証 |
コールセンターの営業日 | 平日、土・日・祝日、GW、お盆 |
コールセンターの営業時間 | 毎日9:00〜17:00(12/31〜1/3は除く) |
店舗窓口 | |
入出金のできる主なATM | 三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、セブンATM、イーネットATM、ローソンATM、イオンATM |
獲得できるポイント | Pontaポイント |
auじぶん銀行のメリット・デメリットは?金利や手数料の無料回数を徹底調査!
ATM手数料の無料回数 | 2回〜無制限 |
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振込手数料の無料回数 | 1〜20回 |
価格については、2025年02月19日時点の公式サイトを参照した標準価格が記載されています。
良い
気になる
住宅ローンの変動金利 | 0.698%〜(物件価格の80%以下で借入れの場合) |
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取扱のある金融商品 | 住宅ローン、カードローン、自動車ローン、教育ローン、フリーローン、外貨預金、仕組預金、保険、投資信託、公営競技、BIG・toto、キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード |
主な優遇サービスの条件 | 給与受取口座設定、年金受取口座設定、指定カード(クレジット・デビット等)の契約、指定カード(クレジット・デビット等)の利用額、各種ローンの契約、ローン返済用口座設定、預金残高、外貨預金の残高、仕組預金の残高、公営競技の購入、BIG・totoの購入 |
優遇サービスの内容 | ATMの無料回数優遇、振込手数料の無料回数優遇 |
対応のキャッシュレス決済 | PayPay、LINE Pay、メルペイ |
スマートフォンアプリあり | |
ネットでの口座開設 | |
主なセキュリティ対策 | 生体認証、ログイン認証 |
コールセンターの営業日 | 平日 |
コールセンターの営業時間 | 平日9:00〜18:00 |
店舗窓口 | |
入出金のできる主なATM | ゆうちょ銀行、セブンATM、イーネットATM、ローソンATM、イオンATM |
獲得できるポイント |
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