年収が高いというイメージがある看護師ですが、これから就職する人は、実際の年収や給料はどのくらいなのか、夜勤手当の割合は多いのかなど気になりますよね。給料のよい職場への転職を検討している人も多いかもしれません。
そこで今回は、看護師の平均年収を年代や地域別に詳しく解説します。年収アップのコツや資格についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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まずは、厚生労働省の公表データをもとに、看護師の平均年収を年齢や経験年数・地域別に解説します。
厚生労働省のまとめによると、2021年の看護師の年収の全国平均は498.6万円です。就業者数は1,385,950人で平均年齢は41.2歳。手当や残業代を含まない求人時の基本月収の平均は24.9万円です。
ちなみに日本の給与所得者の平均年収は443万円。男女別で見ると、男性が545万円、女性302万円です。看護師の年収は全体平均より50万円以上高いことがわかります。
大学を卒業する22歳から一般的に定年を迎える60歳まで働いた場合、看護師の生涯年収は約1億9,000万円です。あくまでも試算であり、勤務地や勤務形態などで金額は変わりますが、目安にはなるでしょう。
ちなみに日本の生涯年収の平均は大学・大学院卒の男性で約2億6900万円、女性は約2億1700万円とされています。この数字と比較すると、看護師の平均はやや低いようです。
次に年代別の平均をみていきましょう。20代の平均年収は約382万円、30代は446万円、40代は499万円、50代は525万円、60代は425万円です。
月収の平均は、20代が27万円、30代が30万円、40代が33万円、50代が35万円、60代が30万円。看護師の収入は50代まで右肩上がりで増えていき、そのあとは減少する傾向が見られます。
続いて経験年数別の平均年収を計算してみます。1年未満は308万円、1〜4年は400万円、5〜9年は433万円、10〜14年は465万円、15年以上では513万円です。
平均月収は、1年未満が25万円、1〜4年は28万円、5〜9年は30万円、10〜14年は31万円、15年以上では34万円。月収は大きく上がっていくわけではありませんが、経験年数が増えると賞与や特別給与などが大きく上がり、収入は増え続けていく傾向があります。
都道府県別では、看護師の給与は地域差が大きいことがわかります。
まずは年収からみていきましょう。東京都は平均541.6万円で全国トップです。そのほかの主な都市では、愛知県は522.6万円、大阪府は522万円、北海道は502.3万円、福岡県は479.3万円。そして宮崎県は382.4万円で、一番低い結果です。
次に月収の目安となる求人賃金ですが、これも東京都がトップで27.2~32万円。愛知県は23.4~29.5万円、大阪府は25.3~30.2万円、北海道は20.9~27.5万円、福岡県は20.5~25.5万円。そして宮崎県は18.1~22.4万円です。
九州・四国は比較的低い傾向があり、東京都と宮崎県を比べると年収で160万円近い差があります。
看護師の給与は所定内給与と、所定外給与の2つから成り立っています。
所定内給与には、基本給のほか交通費・家族手当・役職手当・資格手当などが含まれます。基本給は病院や施設によって決め方が異なり、年功給や職務給、年功給+職務給などで計算されるのが一般的です。
一方、所定外給与に該当するのは、超過勤務手当・休日勤務手当・深夜手当など。看護師の収入が高い理由のひとつはこの所定外給与の多さで、入院施設のある病院などでは、深夜勤務に対して割増給が支給されます。
このほか、看護師の年収には賞与が含まれます。
看護師が年収を上げるには、資格の取得や転職などいくつか方法があります。
看護師には専門看護師・認定看護師・認定看護管理者など、専門性の高い資格取得が昇進や昇給、キャリアップに繋がる可能性があります。
専門看護師は、がん看護や精神看護など14分野で高い水準の看護を提供。取得には看護系大学院に2年以上通い、修士課程の修了が必要です。全国で2,700人以上が専門看護師として働いています。
認定看護師は、特定分野で高度な知識・技術を持つことを認定する資格で、全国で21,800人ほどが認定されています。取得するには特定看護分野で3年以上の実務経験が必要。また専門の教育機関で6か月~1年間授業を受け、試験に合格しなければいけません。
認定看護管理者になるには、看護師として5年以上の実践経験が条件。さらに510時間以上の認定看護管理者教育を受けるか、大学院で修士課程を修了する必要があり、現在、全国で4,550名が認定看護管理者の資格を有しています。
これらの資格はまだ新しいものなので、取得しても昇給に繋がらなかったというケースもありますが、転職を検討している人は、先に取得しておくと採用がスムーズになる可能性があります。
マネジメントや看護師の育成などを担う、管理職を目指すのも、収入アップを狙うひとつの方法です。
看護師の管理職は、大きく分けると看護部長級・看護師長級・看護主任級の3つ。看護部長は病院の理念に基づいた組織運営や経営にも携わり、看護師長は看護や病棟の質の向上を担う役割を担います。看護主任は、看護業務全般の円滑化を図る現場リーダーです。
管理職になると役職手当などで基本給のアップが見込めるほか、賞与の増額などで年収が上がる可能性が高まります。
夜勤の回数も、看護士の収入に大きく影響します。
病院の勤務形態は2交代制と3交代制の2パターンがあり、2交代制の夜勤は、夜8時から朝8時半の12時間勤務か、夕方4時から朝9時の16時間勤務が一般的です。3交代制の場合は、準夜勤が夕方4時から、深夜勤が午前0時からの8時間勤務です。
日本看護協会による2020年の実態調査によると、1か月あたりの夜勤日数の平均は、2交代制で4.14日、3交代制で7.62日。夜勤手当の平均は、1回あたり2交代制夜勤では 11,286 円、3交代制準夜勤では 4,154 円、3交代制深夜勤では 5,122 円です。
たとえば、2交代制で月4回夜勤に入ると夜勤手当ては45,144円。深夜勤で月7回入ると35,854円なので、二交代制のほうが効率よく稼げるといえるでしょう。仮眠時間が確保されている2交代制の病院なら、体力的にも無理なく収入アップを目指せるので、転職を考えている人はひとつのポイントにしてみてください。
転職でキャリアップを狙うのも、収入を上げるのには効果的な方法です。経験や知識を活かして希望にあった職場を探してみるとよいでしょう。
経験年数がある程度ある人は、経験加算がある病院を探してみてください。また、いまの職場と比較して、夜勤手当が高い病院を選ぶのもひとつの方法です。さらに、美容クリニックは基本給が高い傾向にある上、成績によってインセンティブがつく場合もあります。
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