初心者が資産運用を始める前に理解しておきたいのが、投資信託と新NISAの違い。よく目にする言葉ではあるものの、投資信託と新NISAの違いがよくわからない、それぞれの特徴を知りたいなど、さまざまな疑問を感じている人も多いでしょう。
本記事では、投資信託と新NISAの違いをわかりやすく解説します。それぞれのメリット・デメリットなど正しい知識を身につけて、将来に備えた資産運用をスタートさせましょう。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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投資信託は金融商品、新NISAは非課税制度です。
投資信託とは、投資家から集めたお金をプロの投資家が運用し、投資額に応じて運用益が分配される金融商品のこと。株式や債券を購入するのと同じで、投資信託を購入して資産運用するのも投資の1つです。
新NISAは、投資信託をはじめとした金融商品の運用益が非課税になる制度のこと。通常投資の運用益には約20%が課税されるので、新NISAを利用すれば大きな節税効果を享受できます。NISAは、非課税で投資できる額や投資対象商品などによって成長投資枠・つみたて投資枠に分けられることも覚えておきましょう。
以下では、投資信託の特徴やメリット・デメリットを詳しくみてみましょう。
投資信託は、投資家から集めたお金を資金にして、投資の専門家が株式や債券などを運用する金融商品です。投資したお金は金融機関に保管され、専門家の指示によって金融機関が売買などを行います。
投資した側は投資額に応じて運用益を受け取ることが可能ですが、損失が生じた場合も投資した側が負担しなければなりません。銀行の預金などとは違って、元本が保証されていないのも大きな特徴といえるでしょう。
資産を管理・運用してもらうための手数料は必要ですが、プロに運用を委ねることができるため、投資信託を購入すれば投資初心者でも手軽に資産形成を行えます。
投資信託のメリットの1つに、年齢制限がない点があげられます。親権者の同意書などがあれば、20歳未満でも投資信託をはじめることが可能です。
投資信託には、株式や債券など複数の投資先があらかじめ含まれているので、自分で投資先を選ぶ必要がありません。資産の投資先を分けることで損失のリスクを減らす分散投資が、投資信託では自動的に行われます。投資の詳しい知識がなくても、1種類の投資信託を運用するだけで十分にリスク軽減を図ることが可能です。
損益通算ができるのも、投資信託のメリットといえるでしょう。たとえば、投資信託Aに10万円の運用益が生じ、投資信託Bに8万円の損失が生じた場合、課税対象になるのは10万円から8万円を差し引いた2万円だけです。
損益通算の結果損失のほうが多ければ、損失を翌年に繰り越す繰越控除も認められています。繰り越した損益を翌年の利益と相殺し、課税対象額を減らせるので、大きな節税効果を享受することが可能です。
投資信託の運用によって生じた利益には、20.315%の税金が課せられます。たとえば、10万円で購入した投資信託を30万円で売却すれば20万円の利益が生じますが、実際に受け取れるのは約4万円の税金を差し引いた16万円のみです。
手数料が高いのも、投資信託のデメリットといえます。とくに、資産の管理・運用経費である信託報酬は、投資信託を保有している限り支払い続けなければなりません。保有期間が長くなれば、信託報酬が0.1%違うだけで総資産額が大きく変わってしまうので、できる限り信託報酬が安い投資信託を選ぶことが重要です。
投資信託を売買するときにも、手数料は発生します。金融機関によって無料に設定されていることも多いので、事前に売買にかかる手数料の有無をチェックしておくとよいでしょう。
次に、新NISAの特徴やメリット・デメリットを詳しくみてみましょう。
新NISAには、成長投資枠とつみたて投資枠の2種類があります。どちらも非課税でお得に資産運用ができる制度ですが、それぞれ特徴が異なるため、正しく理解しておくことが大切です。
成長投資枠は、非課税で投資できる上限額が年間240万円、非課税になる期間は無期限です。株式や投資信託など、運用できる金融商品が幅広く用意されているのも特徴といえます。
つみたて投資枠の非課税投資枠は上限額が年間120万円、非課税期間は成長投資枠と同じく無期限です。運用できる商品は投資信託のみで、金融庁の基準をクリアした投資信託だけがラインナップされています。
成長投資枠とつみたて投資枠は、同時に利用できます。必要に応じて片方だけの枠を利用するか、併用するかを選びましょう。
成長投資枠は非課税期間が無期限で、年間120万円もの額を非課税で投資することが可能です。投資できる額が多ければ得られるリターンも大きくなるうえ、運用益を非課税でそのまま受け取れるため、節税効果は非常に高いといえるでしょう。
購入できる金融商品の種類が多いのも、成長投資枠のメリットです。プロに投資先の選定や運用を任せる投資信託だけではなく、株式を個別に購入できるため投資の選択肢が広がります。
つみたて投資枠のメリットは、無期限の非課税期間を活用し、価格変動の影響を抑えながら低リスクで資産運用できることです。毎月一定額を長期間にわたって積み立て、高いときには少なめに、安いときには多めに投資信託を購入するのがポイント。
購入できる商品は投資信託に限られますが、金融庁が厳選した商品のみを取り扱っているため、投資の知識が少ない初心者でも選びやすいでしょう。すべての商品が販売手数料0円である点もメリットといえます。
成長投資枠では、損失が生じた場合に新NISA以外の投資で得た利益と相殺する損益通算や、損失を翌年以降の利益と相殺する繰越控除ができません。損失が出た場合でも、税制上の優遇を受けられないのは大きなデメリットです。
つみたて投資枠で選べる商品は、金融庁が選別した投資信託のみです。株式などの商品を自分の裁量で選べないため、投資の自由度は低いといえます。
つみたて投資枠も成長投資枠と同様に、損益通算や繰越控除ができません。利益に対しては税制優遇があるものの、損失が生じた場合に税制上のメリットを享受できないことは理解しておきましょう。
それぞれが異なる特徴をもつ成長投資枠とつみたて投資枠ですが、投資初心者はつみたて投資枠からはじめるのがおすすめです。
つみたて投資枠の場合、金融機関によっては100円から投資できます。まずは少額からはじめて、投資に慣れてきたころに金額を増やしていくのも1つの方法です。
無期限の非課税期間があることも、投資初心者におすすめのポイントといえます。長期運用ができれば少額の投資でも利益を生み出せるので、非課税の節税メリットをしっかりと享受することが可能です。
つみたて投資枠の対象金融商品は、数ある投資信託のなかから金融庁が約200本に厳選してくれています。長期運用によって着実な資産形成が見込める金融商品ばかりが用意されているので、投資初心者でも商品選びに迷ってしまう心配がありません。
これから新NISA口座を開設するなら、各NISAの対象商品数が多い証券会社がおすすめです。各証券会社が用意している商品には違いがあり、新NISA対象商品の数も異なります。
成長投資枠・つみたて投資枠におすすめの証券会社・銘柄や選び方は下記の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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