1台につき数万円かかるといわれているエアコンの取り付け費用。大きな出費となるため、どのくらいかかるのか目安を知りたいと考えている人は多いでしょう。
そこで今回は、エアコンの取り付け費用の相場はいくらくらいなのか解説します。安く抑えるコツや、新築・賃貸に取り付ける際の注意点も紹介するので、取り付け工事を依頼する前にぜひチェックしてくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
エアコン取り付け費用の相場は、標準工事費と追加工事費を合わせて25,000〜62,000円前後が目安です。設置場所の状況によって追加工事が必要になるため、料金に幅が生じます。まずは、標準工事費や追加工事費それぞれどのくらいかかるのかチェックしましょう。
標準的なエアコン取り付けにかかる費用は、15,000〜32,000円が目安です。
一般的に標準工事費用には、長さ4m以内の配管パイプの設置・貫通された配管穴がある壁の設置・室内機とベランダ置き室外機の設置・真空引き・テープ巻き仕あげなど、基本的な作業内容が含まれています。なお、エアコンの種類によって金額は前後するため、以下を参考にしてくださいね。
<エアコンの種類と標準工事費用の目安>
新品か中古か、またエアコンの容量によって費用が変わる場合があります。依頼前に、見積もり内容や工事範囲をしっかり確認しておきましょう。
壁に穴をあける、庭やベランダ以外に室外機を設置するなど、追加工事が必要な場合は、10,000〜30,000円ほど別途でかかります。追加工事の内容と費用もチェックしましょう。なお、記載しているほかにも追加でオプションが必要な場合もあるので、取り付け業者によく確認してくださいね。
壁に配管穴がない場合は、穴あけ工事が必要となり、4,000円以上の追加費用がかかります。壁の材質によって専用の工具や施工技術が求められるため、素材ごとに工事費が変動します。作業の難易度に応じて料金があがることが一般的です。
<材質別の壁の穴あけ工事費用の目安>
なお、基本的に賃貸住宅では、既存の配管穴を使います。新たに穴をあける際は、必ず大家や管理会社の許可を取ってください。すべての業者が穴あけに対応しているわけではないため、対応できるか否かも事前に確認しましょう。
室外機を庭やベランダ以外の場所に設置する際は、壁掛けや屋根置きなどの追加工事が必要になり、4,000円以上の費用がかかります。架台や金具の設置に加えて、振動や落下を防ぐための安定処理が求められるためです。具体的な費用の目安は、以下のとおりです。
<室外機の設置場所と追加工事費用の目安>
2段アングルとは、室外機を縦に2台縦に重ねる設置方法のことです。屋根置きに対応していない業者もあるため、設置希望がある場合は事前に確認しましょう。設置環境によっては、強風対策も必要になる場合があります。
配管の美観や保護を目的に化粧カバーを取り付ける場合、6,000円以上の追加費用が必要になります。化粧カバーの素材や配管の長さ・曲がり具合によって必要な部材や作業内容が変わるため、費用に差が出やすいことが特徴です。
<室外用化粧カバーの設置費用の目安>
<室内用化粧カバーの設置費用の目安>
紫外線や雨風から配管を守れるため、長期的に見れば劣化防止にもつながります。見た目にこだわらず費用を抑えたい場合は、テープ巻き仕あげが標準工事に含まれているケースもあるので相談してくださいね。
エアコン専用のコンセントが設けられていなかったり、形状が異なったりする場合は、15,000円以上の電気工事が必要になります。ブレーカーの増設や専用回路の配線など、電気工事士による専門的な作業が求められるためです。
<電気工事の費用の目安>
古い住宅では分電盤が古く、ブレーカーの容量が不足していることもあります。追加で配線や容量変更が必要になる可能性があるため、事前の点検や相談をしておきましょう。
引越しや買い替えにともないエアコンを移設する場合、既存の取り外しには7,000円以上の費用が発生します。冷媒ガスの回収や室外機の取り外し、場合によっては壁穴の補修など、専門的な作業が必要になるためです。
エアコンの処分には家電リサイクル法が適用されるため、自治体や業者を通じた正しい手続きが必要です。処分費用もあらかじめ確認しておきましょう。
エアコン設置時には、階段での搬入や特殊な取り付け作業などにより、1,000円以上の追加費用が発生する場合があります。現場の条件に応じて作業時間や人員や追加の機材が増えるためです。
追加費用は現場の状況によって異なるため、正確な金額は現地調査後の見積もりで確認しましょう。不明点はあらかじめ施工業者に相談しておくと、トラブルを防げます。
エアコンの取り付け費用は、相場を大きく上回ることもあります。可能な限り安く抑えるためにも、費用を軽減するコツをチェックしておきましょう。
複数の業者から見積もりを取ることで、コストパフォーマンスの高い業者を選べます。同じ条件であっても、業者によって工事費や追加オプションの内容が異なるためです。
例えば、標準工事費が18,000円の業者Aと、15,000円で室外機カバーが無料になる業者Bでは、同じ内容でも最終的な支払いに数千円の差が出ることもあります。選ぶ際は、明確な見積もりと説明があるか、アフターサービスや保証は充実しているか、電気工事士の資格保有者が対応するかなどもチェックしましょう。
単に価格の安さだけで判断せず、作業内容・保証の有無・追加工事の条件なども含めて総合的な比較が大切です。口コミや施工実績を確認しながら、信頼できる業者を選びましょう。どの業者に依頼すればよいのか悩む場合は、以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
依頼する際は、繁忙期である6〜8月を避けましょう。夏は需要が集中する時期であり、人手不足や作業環境の厳しさなどによって、業者の工事単価があがりがちです。夏季料金として、同じ工事内容でも通常期より3,000円ほど高くなる業者もあります。
予約も取りにくいため、取り付けを急がないなら、比較的業者の空きがあり価格も落ち着く4〜5月や9〜11月の中間期が狙い目です。時間に余裕を持って依頼すれば、費用を抑えられますよ。
使わない機能を省いたシンプルなモデルを選べば、本体価格だけでなく取り付け費用も抑えやすくなります。機能が充実したモデルは、サイズや重量の影響で取り付け作業も大がかりになることがあるためです。
暖房は床暖房でまかなえる、空気清浄機は別にあるという場合は、該当する機能を省いたモデルを選ぶことが賢明といえます。部屋の広さに適した冷房能力を選べば、無駄に大きなエアコンを購入する必要もありません。
エアコン選びは、使用頻度・部屋の断熱性・生活スタイルを踏まえて考えるのが大切です。スペックだけでなく、本当に必要な機能かどうかを見極める視点を持ちましょう。
新築住宅では、建築時にエアコンを取り付けず、引き渡し後に後付けしましょう。ハウスメーカーを通じて依頼すると、下請け業者を介する関係で工事費が高くなりがち。業者の選択肢が限られるため、価格交渉もしにくくなります。
機種や内容にもよりますが、新築時にエアコン3台をまとめて設置すると、工事費込みで20〜30万円ほどかかることが一般的です。後付けなら、信頼できる業者を自分で選んで、価格を抑えられます。後付けを検討するなら、建築段階で配管穴や電源の位置をあらかじめ調整しておきましょう。
一方で、建築中に取り付けると配管を壁内に通せるため、外観や仕あがりがスッキリするというメリットもあります。どちらを重視するのか検討したうえで、取り付けるタイミングを選んでくださいね。
賃貸住宅では、エアコン取り付け費用を大家や管理会社が負担してくれるケースもあるため、事前に確認しましょう。物件によっては、設備の一部としてエアコンを設置する義務が貸主側にある場合があり、入居者が費用を負担しなくて済むこともあります。
例えば「エアコン設置可・費用貸主負担」と物件情報に明記されている物件の場合は、大家や管理会社が取り付け費用を負担します。取り決めは物件によって異なるので、設置前に賃貸借契約書を確認し、管理会社にも直接問い合わせましょう。
退去時に原状回復として取り外しや修繕義務が発生するケースもあるので、あわせて確認してくださいね。
暑い時期や寒い時期に欠かせないエアコン。購入がまだの人は以下のコンテンツもチェックしましょう。マイベストが部屋の広さごとに選ぶべきエアコンを徹底比較して紹介しています。メーカーごとの特徴も紹介しているので、購入前に確認してみてください。
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