久々に使用したら電源が入らない、エラーが表示されてしまうなど、急なエアコンのトラブルには困るもの。異音がしたり水漏れが起きたりといった明らかな異変があると心配になるでしょう。しかし、修理を依頼したほうがよいとは思うものの、どこに頼むべきなのか悩みますよね。
そこで今回は、エアコンの修理はどこに依頼すればいいのか、そもそも修理が必要な状況なのかを解説します。修理を依頼する前のセルフチェックのポイントや修理費用の目安も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
エアコンは、故障時の症状によっては自分で対処できる場合があります。業者やメーカーに依頼するまえに、修理が必要なのかを確認しましょう。
冷暖房が効きづらい場合、エアコンに不具合が生じている可能性があります。たとえば、ガス漏れやフィルターの詰まりなどが原因です。室外機の周辺に障害物があったり、直射日光に当たっていたりする場合も効きが悪くなることがあります。
フィルターの詰まりであれば、掃除を行うと改善するでしょう。ガス漏れの場合は専門業者による修理が必要です。室外機が原因かもしれないときは、周辺にスペースを確保する・日陰を作るなどの方法で解決する可能性がありますよ。
エアコンの能力が部屋の広さにあっていない場合も冷暖房の効きが悪くなります。引っ越しなどでこれまで使っていたエアコンを再利用する際は、住宅構造が木造なのか鉄筋なのかを確認し、適用畳数が合っていないときは買い替えの検討が必要です。
室内機から異音が聞こえるときは、ファンやモーターの故障、内部部品の破損などが原因です。フィルターやフロントパネルが正しく取り付けられていなくても、異音が聞こえる場合があります。
たとえば、ガタガタと物が当たっているような音の場合、吹出口の羽根の動作部分に不具合が起きているかもしれません。キュルキュル・キーキーといった音が室内機から聞こえるときは、動作部品が機器の内側に当たっている可能性が高いでしょう。
以前より音が大きいように感じる、エラー音が鳴り続けるといった場合には、早めに修理を依頼しましょう。
エアコンから風が出ない原因は、ファンモーターの故障・ファンや熱交換器の汚れなどが挙げられます。ファンや熱交換器の汚れはメンテナンスで改善する可能性がありますが、ファンモーターの故障が疑われるときは修理が必要です。
エアコンが故障してなくても風を感じにくい場合があります。設定温度が高すぎると部屋を冷やしすぎないように調整するため、一時的に風が出なくなるケースも。送風モードになっていたり、微風や弱風になっていたりする可能性もあるので、リモコンで設定を確認してください。
暖房の設定にしたときに風が出ない場合は、霜取り運転中かもしれません。寒い日などは、室外機についた霜を溶かすために霜取り運転を行います。故障ではないので、10~15分ほど待ってから改めて風が出ているか確認してください。
エアコンから水漏れや異臭が発生している場合、ドレンホースの詰まり・冷媒ガスの漏れなどが原因です。内部に溜まったカビや汚れによって異臭が発生することもあります。
ドレンホースの詰まりや内部の汚れが原因であれば、自分で解決できる可能性はありますが、冷媒ガスの漏れは修理を依頼しましょう。
エアコンのフィルターや内部が汚れていても異臭がする場合があります。フィルターは定期的に清掃しましょう。内部の汚れは自分では対処できないため、エアコンクリーニングを業者に依頼してくださいね。
稀に起こる例としては、室内機が傾いて取り付けられているケースも挙げられます。新しく取り付けたばかりなのに水漏れが起きるときは、施工業者に工事を依頼しましょう。雨の日に水漏れしているときは、雨水が侵入しています。雨漏りが疑われるときは、修理業者に依頼してください。
冷えない・効きが悪いというときは、まずセルフチェックを行いましょう。簡単な確認と対処で症状が改善する場合があります。
エアコンが動かないときは、まずは電源が正常か確認しましょう。電源が入っていない場合、リモコンの電池切れやコンセントの接続不良、ブレーカーが落ちていることが原因の可能性があります。
リモコンが反応しない場合は、まず電池を交換してみてください。また、エアコンのコンセントがしっかりと接続されているかも確認しましょう。
ブレーカーは、部屋とエアコンが別々になっていることもあります。必ずエアコンのブレーカーが落ちたままになっていないかを確認してくださいね。
エアコンの効きが悪い場合、フィルターの汚れが原因かもしれません。フィルターにホコリや汚れが溜まると、空気の流れが悪くなり、冷暖房の効率が低下します。
フィルターが目視で汚れている、エアコンの運転音がいつもと違うという場合には、メンテナンスが必要です。
あわせて室内機の内部の汚れもチェックしましょう。自分で掃除ができるのはフィルターや手が届く範囲に限られるため、内部が汚れているときは分解清掃を行っている業者に依頼してください。
室外機の周りがふさがっていないかもチェックが必要です。室外機は熱を放出する役割があり、周囲に障害物があると熱がうまく放出されず、冷暖房能力が低下してしまいます。
室外機の周りに植物やモノが積まれているときは移動させましょう。すだれや専用カバーも空気の通り道を塞ぐ原因になるので、効きが悪いときは風通しをよくしてください。
室外機が直射日光に当たっていても能力は低下する可能性があります。直射日光に当たる場所に室外機を設置しているなら、空気の通り道を塞がない日よけをチェックしましょう。
ドレンホースの接続が正しいか、詰まっていないかも確認してください。ドレンホースは冷房時に発生した水を排水する役割があり、接続が外れたり詰まったりすると、水が溢れてしまうことがあります。
ドレンホースが折れ曲がったり、先端が持ち上がったりしているときは、水を排出できるように調整しましょう。ゴミが詰まっているときは、割り箸や歯ブラシなどで取り除いたうえで、掃除機の吸い込み口にガーゼなどの布を巻き付けて吸引してください。
修理の依頼先は、メーカー・家電量販店・専門業者の3つあります。費用相場もふまえて、どこに依頼すべきか決めましょう。
メーカー保証の期間内であれば、まずはメーカーに修理を依頼しましょう。保証期間内であれば、無料または修理費用が安くなる可能性があります。
専門的な知識を持った技術者による高品質な修理が期待できるのもメリットです。古い機種でなければパーツの手配が迅速なので、スムーズな対応にも期待できますよ。
ただし、保証期間を過ぎると修理費用が高額になることもあります。たとえばダイキンの場合、室内機のエラーの修理費用は23,000~72,000円、室外機のエラーは23,000~93,000円ほど。冷媒系統部品の交換が必要になると、8~10万円を超える可能性もあります。
不具合が起きている箇所が不明瞭な場合、点検を含む出張費だけで7,200~16,400円の支払いも必要です。補修用性能部品の保管期間が製造を打ち切ってから10年と決まっているため、10年以上経過したエアコンの修理はできない場合もあります。
購入した際に長期保証に加入しているなら、家電量販店に修理を依頼しましょう。ケーズデンキ・ジョーシン・コジマなど、多くの家電量販店でエアコンの修理を受け付けています。費用は修理内容・依頼先によって異なりますが、保証期間内であれば無料で対応してもらえる可能性がありますよ。
ノジマの場合、長期保証に加入していると経過年数に応じて修理保証限度額は変わります。修理の目安料金は下記のとおりです。
<修理目安料金>
ただし、実際に修理を行うのは委託業者です。対応までに時間がかかったり、技術や対応の質にバラつきがあったりすることも考えられます。状況に応じてメーカーや専門業者への依頼も検討しましょう。
メーカーや家電量販店の保証期間が切れているなら、修理業者への依頼を検討しましょう。基本的に全メーカーに対応しており、即日対応・出張費無料の業者もあります。エアコンが古くなりメーカーで部品の入手が困難なときも、専門業者に依頼すれば対応できる可能性がありますよ。
メーカーや家電量販店に依頼するより、修理費用を安く抑えられる場合もあります。たとえばダイキンの場合、室内機の水漏れを直すには40,000~65,000円の費用がかかりますが、修理業者なら20,000円前後で済むことも。なるべく安く修理を依頼したい人は、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
修理が難しい場合、エアコンの買い替えを検討するのも1つの選択肢です。エアコンの故障が頻繁に起こる場合や修理費用が高額になる場合、新しいエアコンを購入したほうが、長期的に見てコストパフォーマンスがよくなることがあります。
メーカーは製造打ち切りから10年で修理部品の保有を終了するため、10年以上使用したエアコンは修理ができないことも少なくありません。一般的に家庭用エアコンの寿命は10年とされているので、購入から何年経過したか確認するとよいでしょう。
古いエアコンは消費電力が多いため、最新モデルに買い替えると電気代の節約につながる場合もあります。新しいエアコンに買い替えたい人は、下記コンテンツで商品の選び方や省エネ性能をチェックしてくださいね。
エアコンの修理依頼から完了までの流れは、下記のとおりです。
<修理依頼から完了までの流れ>
修理を行わなかった場合でも、業者によっては出張費や診断料がかかる場合があります。後々のトラブルを防ぐために、事前に必ずかかる費用や概算の修理費用を確認しておきましょう。
エアコンの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが効果的です。エアコンを適切に維持管理することで故障を防ぎ、効率よく動作させることができます。
フィルター・吹き出し口・本体の外側は、自分でメンテナンスが可能です。まずはコンセントを抜き、エアコンの全面パネルを開けてフィルターのホコリを掃除機で吸い取りましょう。ある程度ホコリを取り除いたら、フィルターを外して表側から掃除機をかけ、次に裏側を水洗いしてください。細かい汚れはブラシで掃除をして、最後にタオルで水気をしっかり拭き取って乾燥させます。
エアコンの外側のホコリはハンディモップなどで取り除き、拭き掃除をしてください。吹き出し口は割り箸にキッチンペーパーを巻き付けて輪ゴムで固定した掃除棒を作り、見える範囲だけを掃除します。奥まで入れると故障の原因になるので、無理に掃除をしないようにしましょう。
本体内部は自分では掃除ができないので、定期的にクリーニング業者に依頼するのがおすすめです。エアコンクリーニング業者の選び方は、下記コンテンツでチェックしてくださいね。
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