エアコンは、冷房・暖房どちらにも使える便利な空調家電です。スイッチひとつで部屋全体を快適な温度に保てるため、夏も冬も欠かせない存在ですよね。一方で、「エアコンの電気代はどれくらいかかる?」「使い方次第で電気代を抑えられる?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エアコンの電気代の目安や、ほかの冷暖房器具との比較、賢い節約方法について詳しく解説します。正しい使い方や節電のコツを知れば、快適さを損なわずに電気代を抑えられるでしょう。ぜひ参考にして、エアコンをより効率よく活用してください。

ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
エアコンの電気代は、1時間あたり約3〜46円が目安です(冷房時:約5〜28円、暖房時:約3〜46円)。実際に複数の家庭用エアコンをもとに算出するとこの範囲に収まるケースが多く、機種や運転状況(冷房・暖房・設定温度など)によって電気代に幅があることがわかりました。
電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)」で求められます。エアコンの消費電力は、冷房時でおよそ100〜900W、暖房時で100〜1,500W前後が一般的です。電気料金単価を31円/kWh(参照:全国家庭電気製品公正取引協議会)として計算すると、冷房・暖房それぞれでかかる電気代の例は以下のとおりです。
たとえば、冷房を1日6時間使用した場合で平均消費電力を600Wと仮定すると、 0.6kW × 6h × 31円で1日あたり約114円、1か月で約3,420円かかる計算になります。ただし、エアコンは実際には運転開始時は消費電力が高く安定後は低くなるため、数値がずれる可能性もある点は覚えておくとよいでしょう。
エアコンの電気代は、ほかの冷暖房器具と比べて必ずしも高いとは限りません。エアコンは室温に応じて自動で出力を調整する仕組みを備えており、設定温度に達したあとは消費電力を抑えて運転できるのが特徴です。そのため、部屋全体を長時間快適に保つ用途では、電気代を抑えやすい暖房・冷房器具といえます。
一方、セラミックファンヒーターや電気ストーブのように、一定の出力で運転し続ける器具は、使用時間が長くなるほど電気代がかさみがちです。各冷暖房器具の1時間あたりの光熱費目安は、以下を参考にしてください。
<冷暖房器具の光熱費の目安>
なお、電気代は、部屋の広さや断熱性、外気温、使用時間などの環境条件によって大きく変動します。短時間のスポット利用ならほかの暖房器具・長時間部屋全体を快適に保ちたいならエアコンというように、用途に合わせた使い分けが電気代節約のポイントです。
エアコンの電気代を効果的に抑えるためには、設定や使い方を工夫することが大切です。 ここでは、日常生活ですぐ実践できるエアコンの節約テクニックをご紹介します。
エアコンは、弱・中・強などの手動設定よりも自動運転のほうが効率よく室温を保てる場合が多くあります。
自動運転は設定温度に到達するまで一気に出力を上げ、その後は消費電力を抑えて安定運転に切り替わるため電気代を抑えやすくなります。とくに冷暖房を長時間使用する場合は、自動運転を基本にすることがおすすめです。
エアコンの電気代は、設定温度によって大きく左右されます。冷房時は設定温度を1℃上げる・暖房時は1℃下げるだけで約10〜13%の消費電力削減につながるので、1℃の調整をぜひ意識してみてください。
無理に我慢する必要はありませんが、服装の調整やひざ掛けなどを併用することで快適さを保ちながら電気代を抑えられるでしょう。
エアコンのフィルターが汚れていると、空気の通りが悪くなり余分な電力消費につながります。定期的にフィルターを掃除することで、冷房時で約4〜6%の消費電力削減効果が期待できるでしょう。
掃除の頻度は、エアコンを頻繁に使用する時期は2週間に1回程度、使用頻度が低い時期は月に1回程度が目安です。掃除機で表面のホコリを吸い取るだけでも効果があるので、ぜひ取り入れてください。
エアコンは、空気を循環させることで冷暖房効率が高まります。扇風機やサーキュレーターを併用すれば室内の温度ムラを抑えられ、設定温度変更の頻度を減らせるでしょう。
具体的には、冷房時は天井に向けて、暖房時は足元に向けて風を送ることが効果的です。サーキュレーターや扇風機をお持ちであれば、ぜひ活用してみてください。
意外と見落としがちなのが、室外機の設置環境です。室外機の前に物が置いてある・直射日光が当たり続けているといった状況が続くと、エアコンの効率は下がります。
特に夏場に直射日光が長時間当たる環境では、熱交換効率が低下し、余分な電力消費につながりがちです。周囲に十分なスペースを確保し、必要に応じて日よけを設置することで、エアコンの負荷を軽減できますよ。
2025年11月時点でのそれぞれのエリアの試算結果は、以下のとおりです。各エリアで最安の電力会社へ切り替えた場合、電気使用量が少ない1人暮らしでも年間3,000円以上の節約が見込めますよ。
最安となる電力会社は地域や世帯人数、使用量によって異なります。シミュレーション機能を使えば、郵便番号や世帯人数を入力するだけでどのくらい電気代を抑えられるかを30秒で確認可能です。自分の家庭に合う電力会社を探してみてください。
