本格的に使う季節が来る前にエアコンを掃除をしておこうと思い立ったものの、「どこまで掃除していいのかわからない」と困っている人もいるのではないでしょうか?「自分でやっても中まできれいにできない」ということも多いですよね。
そこで今回は、自分でできるエアコンの掃除方法を解説します。掃除をする際の注意点や清潔な状態を保つためのコツもお伝えしますので、エアコンをきれいにしたい人はぜひ最後まで読んでくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
エアコン掃除をすべて自分で行うことは困難ですが、一部であれば家庭でも簡単にお手入れができます。エアコン内部は複雑な作りになっており、徹底的にきれいにするには分解が必要です。無理に触ると、壊れたり戻せなくなったりする心配もあります。
外側のカバー・フィルター・ダストボックスなどは、取り外して自分で水洗いができるものが多く、お手入れしやすい構造です。また、ルーバーのように外せないパーツでも、やわらかい布でやさしく拭いたり掃除機でホコリを吸い取ったりと、基本的なお手入れは十分に行えますよ。
内部まできれいにしたいときや分解して隅々まで洗浄したいときは、プロにお願いしたほうがよいでしょう。自分で行うと故障や感電などの事故につながる可能性があるため、無理に手をいれないことが大切です。小まめなセルフクリーニングで清潔さを保ちつつ、汚れが気になるようなら専門の業者にクリーニングを依頼しましょう。
フィルターや吹き出し口、ドレンホースを定期的に掃除することで、エアコンを清潔に保てます。いやなニオイや汚れを防ぐための簡単なお手入れ方法を詳しく見ていきましょう。
フィルターは取り外して水やぬるま湯で丁寧に洗うことで、ホコリや油汚れをきれいに落とせます。フィルターにはホコリや油汚れがたまりやすく、汚れを放置すると風の通りを妨げてしまうことも。定期的にフィルターを洗うことで空気の流れがスムーズになり、エアコンの効き目を維持できますよ。
掃除を始めるときは、必ずエアコンの電源プラグを抜きましょう。前面パネルを開けてフィルターを取り出し、掃除機でホコリを吸い取った後、やわらかい布やスポンジでやさしく水洗いします。汚れがなかなか取れないときは、中性洗剤を使ってつけ置きしましょう。洗った後はタオルで水気を取り、ドライヤーなどは使わず自然乾燥させます。
洗浄後にフィルターが完全に乾いていない状態で戻すと、カビが発生する原因になるため注意が必要です。また、フィルター網が破れないように力を入れずやさしく扱いましょう。
吹き出し口やルーバーは水を使わず、やわらかい布でやさしく乾拭きしましょう。吹き出し口やルーバーは、汚れたままにしておくとエアコンの風と一緒にホコリを室内に運んでしまうことがあります。取り外して掃除できない機種が多く、誤った掃除方法は破損や故障の原因になるため、正しい手順で掃除しましょう。
まずはエアコンの運転を止めて、電源プラグを抜いてください。次にリモコンを操作してルーバーを開き、手が届く範囲を乾いた布で拭きます。汚れが気になるときは、布をぬるま湯に浸して固く絞った後、軽く拭き取りましょう。拭くときは、ルーバーを手で支えながらやさしく行うことがコツです。
ルーバーの開閉時は無理に手で押さず、取扱説明書に従って正しい方法で行うことが大切。また、熱いお湯はプラスチックを傷めることがあるため、水拭きする場合は40℃以下のぬるま湯を使用しましょう。
エアコンの室外機につながっているドレーンホースは、掃除機やブラシを使って汚れを取り除きましょう。ドレンホースにホコリやカビがたまると、室内機から水漏れすることもあるため、定期的な掃除が大切です。
作業を始める前にエアコンの電源を切り、コンセントを抜きましょう。割りばしやブラシを使い、ドレンホースの先端に詰まった汚れをやさしくかき出します。その後、ガーゼやタオルをホース先に当て、掃除機で吸引しましょう。吸引するときは、掃除機が水を吸い込まないよう十分に気をつけてくださいね。
ホース掃除のタイミングで、室外機周りも一緒にきれいにしましょう。室外機の外側は布で乾拭きし、汚れが気になるときは水を含ませた布を固く絞って拭いてください。故障の原因になるため、室外機に水を直接かけることは避けましょう。周囲に落ち葉やゴミがあれば取り除き、室外機周りにはものを置かないことも大切です。
誤った方法でエアコンの掃除を行うと故障や事故の原因になることがあるため、掃除をする際は、以下で紹介するポイントを守ることが大切です。詳しく確認していきましょう。
エアコンの内部に洗浄スプレーを使用することは、メーカーが推奨していないお手入れ方法です。スプレーが電子部品にかかると、故障や漏電、発火の危険性があるため注意しましょう。とくに、内部に直接吹きかけるタイプの洗浄スプレーは電気部品に影響を及ぼす恐れがあります。
スプレーを使うことにより、内部のホコリやゴミが一度に流れて排水ホースが詰まる原因になることもあるため、内部の掃除はプロに依頼することがおすすめです。お手入れの前には、エアコン本体の取扱説明書や製品の注意書きを確認し、正しい方法で掃除を行いましょう。
エアコンを自分で分解して掃除することは危険です。エアコンの内部には複雑な電気配線や冷媒回路があり、誤って触れると故障や火災、水漏れの原因になることがあります。
コンプレッサーや電源ユニット周辺に触れると感電するかもしれません。配線を間違えてつないで火災が起きる危険性もあるので要注意です。
また、一度分解すると元に戻せなくなる可能性もあります。メーカーの保証期間内にエアコンを自分で壊してしまうと、保証が受けられなくなることがあるため気をつけましょう。エアコン内部をしっかり掃除したいときは、専門の業者に任せることをおすすめします。
エアコンを掃除してもカビ臭やニオイが残るときは、業者による完全分解洗浄がおすすめです。完全分解洗浄では、フィルターやルーバーだけでなく、送風ファンやドレンパンなど普段お手入れできない部分まで分解して掃除します。汚れがたまっていると感じたときや自分での掃除が心配なときも、業者への依頼がおすすめです。
料金の目安は、1台あたり11,000~26,400円ほど。自動掃除機能付きの機種は少し高くなることがあります。完全分解洗浄は一部業者ではオプションとなっており、追加費用が必要となるケースがあることも覚えておきましょう。
また、製造から9~10年ほど経過しているエアコンはメーカーが部品製造を終了しているため、対応できない場合があります。事前に製造年数を確認し、対応可能なのか問い合わせてください。
エアコンの掃除をしないままでいると、健康被害や故障、電気代の増加など多くのデメリットが生じることがあります。1つずつ確認していきましょう。
エアコンの吹き出し口にカビが発生するとカビの胞子が空気と一緒に室内に広がり、アレルギーや咳、喘息などの不調を引き起こすことがあります。とくに冷房を使った後の湿った環境は、カビにとって絶好の住処です。
カビの胞子を吸い込むと、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの体の反応が出やすくなります。体の症状とあわせて、エアコンをつけたときにカビのようなニオイがする、吹き出し口まわりに黒や茶色っぽい汚れが見えるときは、カビが繁殖しているサインです。放置すると、健康への影響が心配されるので早めに掃除をしましょう。
エアコンの内部にホコリやカビがたまると、空気の流れが悪くなり冷暖房が効きにくくなります。そのまま使い続けると、モーターなどの部品に負担がかかり、故障の原因になることがあるため注意が必要です。
たとえば、フィルターが目詰まりすると風の通りが悪くなり、冷やしたり暖めたりするのに時間がかかります。結果としてエアコンが長く働き続けることになり、モーターに負荷がかかり劣化が早まることも。また、ホコリがたまってモーターがうまく回らなくなると騒音の原因にもなります。
エアコンから異音する場合や風量が弱くなったと感じたら、内部に汚れがたまっているサインといえるでしょう。調子が悪くなる前に、定期的な掃除で故障を防ぐことが大切です。
エアコンが汚れていると冷暖房の効きが悪くなり、そのぶん電気代がかさむことがあるため注意しましょう。
環境省によるとフィルターを2週間に1回掃除すると、冷房時は約4%、暖房時は約6%の電力を節約できるとしています(参照:環境省)。こまめなお手入れを続けるだけで、年間では約990円の節約にもつながりますよ(参照:資源エネルギー庁)。
夏場における家庭の電気代の38.3%はエアコンが占めているため、エアコンの効率化は節電のカギといえるでしょう(参照:資源エネルギー庁)。電気代がなんとなく高いと感じたら、エアコン掃除のタイミングかもしれません。ムダな出費を防ぐためにも、こまめな掃除を習慣にしてみてくださいね。
エアコンをきれいに保つためには、日常的な手入れと簡単な工夫が必要です。以下のポイントを押さえて、エアコンを常に清潔に保ちましょう。
エアコンを使用した後は送風運転で内部を乾燥させることで、湿気を取り除きカビの発生を防ぎやすくなります。冷房や除湿を使ったあとのエアコン内部は湿気がこもりやすく、カビの温床になりやすいため、しっかり乾燥させることが大切です。
冷房・除湿のあとには、リモコンの「送風」モードを使って3〜4時間ほど運転させましょう。送風モードがない場合は、冷房の温度を一番高く設定して運転することで代用できます。冷房を使った後は、送風運転を習慣にしておくとカビを防ぎやすくなりますよ。
エアコンのフィルターは2週間に1回を目安に掃除することで、空気をきれいに保ちつつエアコンの効率もアップできます。ペットを飼っている場合やタバコを吸う家庭、キッチンの近くに設置されているエアコンは、汚れやすい傾向があるため、よりこまめにお手入れしましょう。
エアコンの掃除が負担に感じる人には、自動お掃除機能付きエアコンへの買い替えもひとつの方法です。自動お掃除機能付きエアコンは、フィルターにたまったホコリを自動で取り除くため、自分でお手入れする回数を大きく減らせます。基本的には汚れが気になるタイミングでフィルター掃除をすれば十分です。
たとえば、ホコリをダストボックスに集めるタイプの機種なら、1年に1回、掃除機で吸い取るだけでエアコンの清潔さを保てます。また、加熱で油汚れを浮かせて除菌するなど、機種ごとにさまざまなきれいを保つ機能が搭載されていますよ。
ただし、自動お掃除機能があっても、まったく掃除が不要というわけではありません。使用環境によってはホコリやカビがつきやすく、エアコン内部のクリーニングが必要になることもあります。自動お掃除機能付きモデルは本体価格やクリーニング費用が高めなので、選ぶ際には予算とのバランスも考えて検討しましょう。
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