2交代や3交代の不規則なシフトで働くことが多い看護師。生活リズムの乱れが激しくなり、夜勤なしで働きたいと考えている人もいるでしょう。しかし、その場合の年収はどうなるのか気になりますよね。
そこで今回は、夜勤なしの看護師の年収について解説します。夜勤なしで働ける職場や日勤のみで年収をアップさせる方法なども紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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看護師が夜勤なしで働くと、夜勤ありの場合よりも年収は下がってしまいます。
看護師は比較的高収入な職業だといわれますが、それは基本給が高いのではなく、夜勤手当があるからです。夜勤手当がなくなると、年収が大幅に下がってしまうケースもめずらしくありません。
日本看護協会が公表した「2022年病院看護・助産実態調査報告書」によると、夜勤ありの大学新卒看護師の初任給は月額271,730円、勤続10年看護師の月額給与は324,446円です。
同協会の調査によれば、2020年の夜勤手当は3交代の準夜勤で4,154円、3交代の深夜勤で5,122円、2交代で11,286円でした。1か月間で夜勤を3交代で8回、2交代で4回したと想定すると、夜勤なしでは月収が3〜5万円下がります。その結果、夜勤なしの看護師の年収は夜勤ありに比べて36〜60万円ほど下がる計算です。
夜勤が多い職場では、手当が多くつくため年収が上がりますが、日勤のみで働いた場合は、同じ職場でも年収が100万円ほど下がるケースもあります。
看護師が夜勤なしで働くと年収は下がりますが、それでも日勤のみで働くと以下のようなメリットがあります。
看護師が夜勤なしで働くと、規則正しい生活が送れるようになります。
人間は朝起きて昼間に活動し、夜に眠ることで体を休めるという体内時計に従うことで健康に過ごせます。しかし、夜勤があると昼に寝て夜に仕事をしなければならず、体内時計に従えません。日勤と夜勤を繰り返すと活動時間も就寝時間も一定にならず、生活リズムが乱れやすくなります。
夜勤なしで働くことができれば、夜に仕事をせずに済みます。睡眠時間も一定になるので、睡眠の質が上がって健康に過ごせるようになるでしょう。
夜勤なしで働くことで、心身の健康状態が整いやすくなります。
夜勤には、勤務1回あたりの労働時間が長くなるという問題も。長く働くことで体力が削られ、夜勤の回数を重ねるごとに疲れてしまう悪循環に陥りやすくなります。体力を消耗すると風邪を引きやすくなったり体調不良から回復しにくくなったり、不調を感じやすくなるでしょう。
夜勤ごとに体力が削られて疲労が溜まると、精神的にも参ってしまいます。体と心は密接に関わっているため、体が不健康になると心も疲れを感じることに。憂うつな気分が続いたり、常にやる気が出なかったりする状態に陥りかねません。
夜勤なしで働くと、夜勤と日勤を繰り返すより1日の労働時間が短くて済みます。その結果無理なく働けるようになり、心身の健康を保ちやすくなるでしょう。
夜勤なしで働くと、仕事と家庭の両立がしやすくなります。
夜勤ありの場合、どうしても月に数回は夜に家を空けなければなりません。小さい子どもを家に残すのは難しく、看護師としてのキャリアを諦めざるを得ないケースもあるでしょう。実際、看護師として働いていても、妊娠や出産を機に辞める人は少なくないのが実情です。
夜勤なしで働くことができれば、小さい子どもがいても保育園などに預けることで仕事を続けられます。キャリアを途絶えさせずに仕事と家庭を両立できるのは、日勤のみで働く看護師の大きなメリットといえるでしょう。
看護師が夜勤なしで働くとさまざまなメリットを得られますが、年収ダウン以外にも以下のようなデメリットがあることを覚えておきましょう。
夜勤なしを条件として看護師の仕事を探すと、求人の選択肢が少なくなります。
看護師の仕事は、基本的に夜勤を前提としています。夜勤なしの求人はそもそも数が少なく、あったとしても正職員ではなくパート契約が中心です。
さらに、日勤のみであっても残業時間が通常よりも長いなど、働きにくい職場の可能性があります。夜勤なしの求人を探す場合は、残業時間や雇用形態などの条件をきちんと確認しましょう。
看護師が日勤のみで働く場合、夜勤ありの場合よりもスキルアップがしにくい傾向にあります。
夜勤は生活リズムの乱れや長時間労働などがつきまとう大変な働き方ですが、その分培われるスキルもあります。少ない人数で患者の容態の急変や急患の発生に対応することになるため、夜勤では緊急時の臨機応変な対応スキルを身につけられるのがメリットです。
日勤のみの場合は緩やかな職場が多く、ただ目の前の仕事をこなすだけでは成長につなげるのが難しいことも。日勤のみでもスキルアップしたいのであれば、自ら積極的に学ぶ必要があるでしょう。
病院は基本夜勤ありですが、日勤のみの求人が出ることもあります。診療時間が明確に決まっている職場では夜勤が発生しないため、日勤のみの求人が基本です。
たとえば、診療時間が決まっている外来のみの病院の場合は夜勤が発生しません。ほかに手術室や透析センターなども日勤のみで土日は休みのことも多いので、プライベートを充実させられるというメリットがあります。
夜勤ありの病棟で日勤のみで働けるケースもありますが、夜勤ありの同僚がいるなかでは肩身が狭い思いをするかもしれません。日勤のみで働ける病院の求人を見つけたときは、労働時環境をきちんと確認しましょう。
美容クリニックやレディースクリニックでは、夜勤なしで働けます。
一般的なクリニックには、入院施設がありません。入院患者への対応がなく外来診察のみであれば、夜勤は発生しないので日勤のみで働けます。さらに、昼休みが長く取れる、残業が少ないなどのメリットもあります。
その一方で、仕事終わりの会社員を対象としているクリニックでは診療時間が長く、夜遅くまで働かなければならないケースもあります。さらに、看護師が少ない小規模なクリニックでは長期休暇が取りづらいこともあるため注意しましょう。
夜勤があると思われがちな介護施設でも、看護師が夜勤なしで働ける場合があります。
とくに日中の高齢者サポートを行うデイサービスやデイケアでは、夜勤が発生しません。目まぐるしい忙しさになることもほとんどないため、仕事とプライベートを両立させたい人も安心して働けるでしょう。
老人ホームでも夜勤なしで働けるケースはありますが、施設によっては夜勤が求められる場合もあるので注意。求人に応募する際には、必ず事前に確認しましょう。また、介護施設は病院よりも年収が低くなる傾向にあるので、収入と働きやすさのどちらを重視するかを考えてみてください。
一般的な病院とは仕事内容が異なるものの、看護師が日勤のみで働ける場所は意外と多いので、広い視野で考えてみましょう。
さまざまなシーンで看護師の需要が高まっているため、病院やクリニックに限定せず求人を幅広くチェックすれば、働きやすい職場が見つかるでしょう。たとえば検診センター・保育園・企業の医務室などでは、看護師が求められています。
ただし、勤務場所によっては看護師としてスキルアップするのは難しいこともあります。病院勤務よりも年収が下がったり、正社員でなくなったりするケースもあるので、求人情報は必ず細部まで確認してください。
夜勤なしでも年収をアップさせたいなら、資格を取得するのが早道です。
資格取得のために勉強することでスキルアップを目指せることに加え、資格取得によって基本給に手当がつく場合があります。夜勤手当がつかなくなる分、資格手当で年収を上げることが可能です。たとえば、専門看護師・認定看護師・認定看護管理者などの資格を持っていると、資格手当がつきやすいでしょう。
専門看護師と認定看護師はいずれも特定の看護分野の知識や技術を備えていると証明できる資格ですが、専門看護師のほうが難易度は高めです。認定看護管理者はマネジメント能力も問われるので、キャリアアップにも役立ちます。
管理職を目指すのも、年収アップのための効果的な方法です。
管理職になると、責任の重さに比例して基本給が高くなります。夜勤なしでも年収を上げたいのであれば、管理職を目指すのがいいでしょう。
ただし、看護師は基本的に年功序列なので、管理職になるまでには長い時間がかかります。また、管理職になると通常の看護業務に加えてマネジメント業務も発生するため、仕事はハードになるでしょう。アップする年収と仕事の忙しさを考え、本当に管理職を目指すべきかどうか判断する必要があります。
もともとの基本給が高めの職場に転職すると、夜勤なしでも年収が上がります。
基本給が高ければ、夜勤手当に頼らなくても十分な収入を確保できるでしょう。職場を変えるだけで手取り年収が数十万円アップすることもあるので、求人情報をこまめにチェックしてみてください。
転職する場合は、年収だけでなく業務内容や勤務条件も細かく確認しましょう。年収が高くても、労働時間が長くなったり業務内容がハードになったりしたのでは、せっかく日勤のみの働き方を選んだ意味がなくなってしまいます。
夜勤なしの働き方を選んで転職を決心したら、看護師専用の転職サイトを活用するのがおすすめです。経験豊かなアドバイザーのサポートも受けられ、条件に合う求人が見つかるでしょう。
以下の記事では、mybestが比較検証したおすすめの看護師転職サイトを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
マイベストは有料職業紹介事業の許認可を受けています。(13-ユ-315911)
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