シャープ 洗濯乾燥機 左開き ES-X11A-SLをレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

Yシャツはムラなく乾きました。比較した商品の多くが問題なく乾かせており、Yシャツの乾き具合ではほとんど差はありません。

ただし、シワはかなり目立つ仕上がりに。全体にはっきりとシワがつき、そのまま着るのはためらうレベルです。とはいえ、比較した商品の大半がシワを残しており、乾燥をかけるならアイロンがけは必須といえます。

なお、本商品はシワを伸ばしながら乾燥させるコースも搭載していました。アイロンの時間を短くしたい人は試してみてもよいでしょう。

チノパンも問題なく乾きました。比較したなかにはポケットの部分が湿っていたものもありましたが、本商品はポケットの中まで完全に乾いています。

全体にシワはついたものの、比較したほかの商品も同様の結果でした。乾燥機にかける以上ある程度のシワは避けられないので、気になる部分はアイロンで仕上げましょう。

厚手のパーカーはシワなく仕上げたものの、乾燥ムラは気になりました。比較したなかには完全に乾かせたものもあったのに対し、本商品はポケットまわりが湿ったままです。衣類の素材や厚みによっては、口コミのように乾燥ムラが気になることもあるでしょう。

乾燥前と後で衣類の総重量を比較してみると、その差は0.3kgでした。0.01kg以上軽くなっていれば手で触って乾いたと実感できるレベルだったので、厚手のものを除けば乾燥力は十分といえます。

しかし、比較したなかには乾燥前より1kg以上軽くなった商品もありました。とくに日立の最上位モデルは、パーカーのポケットやフードまでカラッと仕上げるほどの乾燥力。本商品も乾燥力の高さを売りにしていますが、上位商品ほどのパワーは実感できませんでした。

標準コースで洗濯したところ、汚れ落ちはやや惜しい結果に。全体に汚れは薄まっているものの、とくに下段真ん中のカレー染みは色素がかなり残っています。

比較したなかでも、東芝とパナソニックの商品は皮脂・泥汚れに強い傾向がありました。本商品もマイクロ高圧洗浄による汚れ落ちをアピールしていますが、標準コースの洗浄力は上位商品と比べて物足りません。

洗濯前に手で予洗いしておくか、洗剤を使わず短時間で予洗いする「サッと予洗いコース」と併用してもよいでしょう。

温水洗浄である「温水極め洗いコース」で洗ったところ、全体的に薄まりました。上段左の卵の黄身はほぼ消えており、泥や口紅もかなり薄くなっています。なかでもカレーの色素は、比較したなかでもトップクラスの落ち具合です。

温水極め洗いは、温風を使って衣類と水の温度を35℃前後にすることで、洗剤の効果を高めるコース。泥や食べこぼしなど頑固な汚れには、このコースがおすすめですよ。

検証の結果、比較したほかの商品よりお手入れ機能が充実していました。最大の魅力は、シャープの独自機能である乾燥フィルターの自動お掃除機能。フィルターに溜まったホコリを自動でかき集めるので、ホコリをつまんで捨てるだけでお手入れが済みますよ。

窓パッキンの裏は凹凸がなく、溜まったホコリを取りやすいデザインです。ただし、パッキンの隙間は0.9cmと広めなので、靴下などの小物がはさまりやすい点には注意しましょう。

糸くずフィルターはクシ歯状で、ゴミ箱にトントンとするだけで糸くずを落とせました。比較したなかには格子状の糸くずフィルターを採用している商品も4割ほどありましたが、お手入れのしやすさはクシ歯状に軍配が上がります。

洗濯槽の自動お掃除機能も魅力。すすぎの排水を終えた後、ドラムと外槽の間に水を溜めながら、ドラムの外側と外槽の内側を洗い流す機能です。このほか、プラズマクラスターイオンの力でカビ菌の繁殖を抑える槽クリーンコースや、つけおきで念入りに洗う槽洗浄コースも搭載していますよ。

洗濯から乾燥までの所要時間は、237分（3時間57分）とやや長め。高評価の基準とした220分には届かず、評価は伸び悩みました。

比較した商品のなかで、所要時間が短かったのはパナソニックの製品です。わずか163分（2時間43分）で終わった商品もあったので、スピード重視の人にはパナソニックがおすすめですよ。

電気代は洗濯〜乾燥1回あたり37.2円と、比較したなかでもトップクラスの安さでした。高評価の基準とした45円以下を余裕でクリアしています。

検証の結果、乾燥力・洗浄力が高い商品のほうが、電気代も高い傾向がありました。本商品は上位商品ほどのパワーはありませんが、そのぶん電気代を抑えられます。洗濯回数が多く、電気代が気になる家庭にもおすすめです。

洗濯物は取り出しやすい構造でした。開き口の直径が370mmと比較したなかでも大きく、洗濯物を出し入れしやすいところがポイントです。

開口部の高さも地面から50cmと高い位置にあり、かがまず楽な姿勢で中身を出し入れできるでしょう。ドアハンドルの位置もわかりやすく、迷うことなくスッと開けられますよ。

＜検証結果＞

1. 開き口の直径｜37cm
2. 開き口の厚さ｜14cm
3. 洗濯槽下部から地面までの高さ｜50cm
4. ドアを開けたときの奥行｜125.9cm
5. ドアハンドルに開けやすい仕組み｜◯

一方、前面全体が四角いドアパネルのため、ドアを開けたときの奥行は比較した商品のなかでも長めです。ほかにはないスタイリッシュなデザインですが、設置場所に十分なスペースがあるかどうか確認しておきましょう。

ガラス面上で光るタッチキーを軽くタッチするだけと、操作性は良好でした。ボタンの凹凸がないぶん、見た目もスマートです。専用アプリでクラウドサービスと連携すれば、運転状況やお手入れ時期などをスマホからもチェックできますよ。

洗剤・柔軟剤の自動投入機能もついており、毎回洗剤を測って入れる手間がかかりません。洗剤のボトルを置いておく必要がないので、洗濯機まわりがすっきり片付きます。

比較したなかでも珍しかったのは、「遅くまでお洗濯お疲れさま」のような音声でのお知らせ機能。クラウドと接続すれば居住地域の天気や洗濯に関するアドバイス、洗剤の投入量なども声で教えてくれるので、使うほどに愛着が湧きそうですね。