Jabra Elite 5をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

ノイキャン性能はまずまず。何もつけていない状態よりノイズが小さくなっているか確認したところ、手拍子のような立ち上がりの速い音は、高音域をメインに26.5%低減しました。比較した全商品の平均値26.5％（※執筆時点）とカット率は同水準です。

一方、電車の走行音は15.3％・パトカーのサイレン音は20.6％とカット率が低めでした。比較した全商品の平均値は電車の走行音が19.7％・パトカーのサイレン音が21.6％（※執筆時点）だったので、口コミで「雑音の大半が消える」といわれるほど高性能とはいえない結果です。

上位商品には、電車の走行音を31.3%・クラップ音を43.2%低減させたものも。本商品は、電車の中でも静寂に包まれるほどではないものの、ある程度のノイズキャンセリング効果は実感できるでしょう。

試聴してみると、派手さのないナチュラルな音質で全体のバランスも良好。ポップスやアコースティックに向いている音質でした。画像のとおり、中〜高音域にかけて厚みのある周波数が特徴です。

低音域もきれいで、ほかの音域を邪魔しないサウンドでした。ただし、口コミで指摘されていたように、ベースやドラムの響きや迫力が重要なロックなどのジャンルでは物足りなく感じることもあるでしょう。

＜低音についてのモニターコメント＞

1. 「作られた音という印象。厚みもなく低音は鳴ってる、聴こえるだけ感」（20代・男性）
2. 「ベースの音やバスドラの音が物足りないと感じてしまう」（20代・男性）
3. 「ほんの少しだけ強くてもいい気はするが、とてもきれいに聴こえてよい」（20代・男性）
4. 「高音がきれいに聴こえる分、重低音の響きがない。音自体は聴こえている」（20代・女性）
5. 「ベースに厚みがなく全体的に迫力不足に感じられた」（20代・男性）

コメントは一部抜粋

中音域はボーカル・楽器が細部のニュアンスまで再現されて、はっきりと存在感がありました。試聴したモニターからは、「ブレスの音がしっかりと聴こえ音の伸びもよい」「集中すれば細かい息遣いも聴こえる」と好評です。

＜中音についてのモニターコメント＞

1. 「ボーカルの音やギターの音はしっかりと聴ける」（20代・男性）
2. 「ブレスの音がしっかりと聴こえ音の伸びもよいが、少しチリチリした感じもある」（20代・男性）
3. 「周りの楽器の音はシンプルなもので聴きやすい。集中すれば細かい息遣いも聴こえる」（20代・女性）
4. 「声の響きがよく、歌い終わりの余韻が気持ちよく感じられた」（20代・男性）
5. 「ボーカル・管楽器・弦楽器などの分離感はよいが迫力にかける」（20代・男性）

コメントは一部抜粋

高音域もほどよく伸び、聴きやすい音質です。トランペットの音やハイハット、トライアングル等の高い楽器の音も、一つひとつしっかりと聞こえました。上位商品の高音の伸びやかさや余韻の美しさには及ばないものの、聴き心地のよい自然なサウンドを楽しめるでしょう。

＜高音についてのモニターコメント＞

1. 「変に伸びたりもしないので聴きやすい」（20代・男性）
2. 「トランペットの音・ハイハット・トライアングルなどの音もしっかりと聴こえる」（20代・男性）
3. 「全体的に音が高いので高音はもちろんきれいに出ている。細かい高音も潰れることなくスムーズに出ている」（20代・男性）
4. 「響きもあるがそこまでではない。一定のところまで行くとそれ以上上には伸びない感じ」（20代・女性）
5. 「声の伸びや響きはきれいだが、やや詰まって聴こえるところもあった」（20代・男性）

コメントは一部抜粋

まとまりがあり聴きやすい音質ですが、解像度は高いとはいえませんでした。モニターから「若干ながら曇りを感じた」というコメントがあったように、とくに低音域は音がこもりがちです。また、音数が多いと高音域も歪みやすく、全体的にクリアなサウンドとはいえない結果でした。

＜解像度についてのモニターコメント＞

1. 「曇った音に霧がかかってる感じがする」（20代・男性）
2. 「広がりはあるが、全体的に色褪せているように感じた」（20代・男性）
3. 「声の重なりは少しわかりにくいところもあり、きちんと再現はされていない感じがする」（20代・女性）
4. 「特に低音域のこもり感がつよくはっきり聴こえない。中高音域の解像感はまあまあ」（20代・男性）
5. 「高音は細かい金属音含めきれいに出ているのだが、低音が弱い」（20代・男性）

コメントは一部抜粋

低音の厚み・響きがやや弱いためか、音の広がりや迫力もあまり感じられませんでした。上位商品は解像度の高いリアルな音と迫力のある音の響きによって、音に包まれるような臨場感が得られたので、本商品はやや物足りなさを感じます。

＜臨場感についてのモニターコメント＞

1. 「厚みもなく、立体感もないという感じ」（20代・男性）
2. 「広がりがあまりなく、迫力を感じられないサウンド」（20代・男性）
3. 「臨場感があるかというと音の軽さゆえに広がりがなくNOといえる」（20代・男性）
4. 「強弱ははっきりとしていたが、音の広がりはあまり感じられず、迫力はなかったと思う」（20代・女性）
5. 「全体的にのっぺりした印象。低音域は引っ込んでいる。中高音域は広がり感がない」（20代・男性）

コメントは一部抜粋

機能面は、3万円を超える高級機に並ぶ充実度です。イヤホン本体の操作性はよく、音量調整などの基本操作はもちろん、ノイズキャンセリング・外音取り込みの切り替えも本体だけで対応できます。レジの会計時など、瞬時に切り替えをしたい場合にも便利な仕様です。

専用アプリから、ノイズキャンセリングの効き具合の調整も可能。比較したなかでもノイズキャンセリングの調整ができるモデルは、比較した商品の3分の1ほどと少数派でした。使用場所に合わせて調整をすれば音量を上げずに音楽を聴けるので、耳への負担を抑えられますよ。

複数機器と同時接続できるマルチポイントも便利な機能です。スマホ・タブレット・PCなど複数の機器を使用するなら、いちいち接続し直す必要がないので快適ですよ。ペアリングアシストとしては、Android用のGoogle Fast Pairに対応。ケースのフタを開けたまま近づけると簡単にペアリングできます。

耳から外したときに電源がOFFになる着脱検知や、ワイヤレス充電など、ほかにも機能が充実していました。

＜検証結果＞

1. イヤホン本体のボタンで再生・停止が行える｜◯ 
2. イヤホン本体のボタンで音量調整が行える｜◯ 
3. イヤホン本体のボタンで曲のスキップ操作が行える｜◯
4. 着脱検知｜◯ （外したときにのみ停止）
5. 外音取り込み｜◯ 
6. イヤホン本体のボタンでNC・外音取り込みの切替が行える｜◯ 
7. マルチポイント｜◯ 
8. ペアリング｜◯ （Google Fast Pair・Microsoft Swift Pair）
9. ノイズキャンセリングのオプション｜◯ （強弱を手動で5段階から調整可能）

バッテリー持ちは、イヤホンのみで最長9時間・ケース込みで最長36時間と口コミどおり長く使えます。通勤通学中はもちろん、テレワークで終日使うような場合でも、合間にケースで充電すればバッテリーが切れることはまずないでしょう。

比較した商品の半数以上で、イヤホンのみの連続再生時間が6時間以下でした。バッテリー消費が増えるノイズキャンセリング機能をONにすると、さらに約30％ほど短くなるので1日使ったら必ず充電が必要なレベルといえます。

その点、本商品はノイズキャンセリングONでも連続再生時間はイヤホンのみで7時間・ケース込みで28時間。電車通勤でノイズキャンセリングが必須な人も、余裕をもって使えるでしょう。

1. イヤホンのみ：9時間（ノイズキャンセリングON：7時間）
2. ケース込み：36時間（ノイズキャンセリングON：28時間）