透明の筐体が特徴的なノイズキャンセリングイヤホン、Nothing Ear(2)。ネット上では「デザインがかっこいい」と評判です。一方、「ノイキャンの効きがあまりよくない」「電池の持ちがよくない」と気になる口コミも存在し、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のSONYやAirPods Pro(第2世代)などのノイズキャンセリングイヤホンとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行ったので、完全ワイヤレスイヤホン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて、オーディオ機器を提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
Nothing ear(2)は、細かな音の再生には不向きですが、ノイキャン性能は十分です。「ノイキャンの効きがよくない」という口コミもありますが、実際に測定すると低音~高音までノイズを低減できていました。電車の走行音のカット率は19.9%・クラップ音は26.9%と、比較した商品の平均を若干上回る結果(※執筆時点)に。環境に合わせた自動調整や手動調整で、ノイキャンの効き具合を変更できるのも魅力です。ノイキャンが強いと気持ち悪くなりやすい人も快適に使えるでしょう。
音の周波数を測定すると中高音に厚みがあり、ポップス・アコースティック向きといえます。ハリのある高音でギターや歌声の再現に長けており、楽器・ボーカルともにきれいに聴こえました。低音も引き締まっており、試聴したモニターからも「低音が重めで、曲に迫力が出ている」と好評です。専用アプリで、各々の聴こえ方にあわせたパーソナライズ化もできますよ。
それぞれの音を個別に認識できるのも魅力です。細かな音までは再現できなかったものの、それぞれの帯域の音はクリアに聴こえます。一方、音の臨場感はいまひとつ。モニターの半数から「音の広がり・迫力がない」という意見が出ました。迫力あるサウンドを楽しみたい人には少し物足りないでしょう。
イヤホンのみの連続再生時間は6時間、ケース込みで36時間。電池を消耗するノイキャンを常時ONで使うなら少し物足りませんが、通勤・通学で使用する程度なら十分でしょう。比較した商品の半数はケース込みで20~30時間程度だったことをふまえると、口コミに反してバッテリー性能は高いといえます。
価格は、執筆時点で税込22,800円(公式サイト参照)。複数機器との同時接続に便利なマルチポイントや、Androidスマホとの接続が簡単になるFast Pairに対応しており、利便性も高い一台です。デザインが好みの人も満足いく性能でしょう。とはいえ音質は臨場感に欠け、2万円以上の高級機としてはやや物りません。より音質を重視する人は、ほかの商品もチェックしてみてくださいね!
そもそもノイズキャンセリングイヤホンとは、周囲の騒音を解析し電子処理でノイズを低減する機能を搭載したイヤホンのこと。物理的な遮音ではカットしづらいノイズを小さくできます。ノイキャンの強弱を調整できるものや、周囲の環境に合わせて強弱を自動調整できる機能を搭載したものも登場していますよ。
今回ご紹介するNothing ear(2)は、最大40dBのアクティブノイズキャンセリングでノイズを打ち消すと謳うイヤホンです。ノイキャンのレベルは3段階で調節できますが、「Adaptive Mode」を使えば周囲の騒音レベルに合わせて自動調節も可能です。また、「Personalised ANC」では使用者の耳の形状に合わせて調整もできるとしています。
製造元のNothingは、ロンドンに本社を置くデジタル機器メーカー。背面に透明パネルが使われたPhone(2)など、特徴的なデザインの商品を世に送り出しています。 ear(2)の前モデル ear(1)は執筆時点で56万台以上販売されました。
本体には11.6mmのダイナミックドライバーを搭載。パワフルな低音と豊かな高音を自然に実現し、スタジオクオリティのサウンドを楽しめると謳っています。
Nothing Xのアプリを使用することで、音質のパーソナライズ化も可能です。パーソナライズサウンドテストで、周波数ごとにユーザーの耳の感度を分析。さまざまな楽曲・テレビ・ゲームなどあらゆる音を、ユーザーに合わせた音質で楽しめるでしょう。
アプリでは手動での細かなイコライザー調節にも対応。高音から低音まで、自分好みのサウンドにカスタマイズできると紹介されています。楽曲ジャンル別の設定をしたり、設定したデータをQRコードで共有・インポートしたりと幅広い使い方ができるでしょう。
<スペックの詳細>
透明な筐体は、ほかの機種とは一線を画すデザインです。ありのままの技術と熟練した職人技の美しさを際立たせているとメーカーは謳っています。色はホワイトとブラックの2色。どちらもスタイリッシュな印象です。
イヤホンのみの重さは約4.5g(片耳)。比較した商品の8割はイヤホンのみの重さが5gを超えていたことをふまえると、軽量といえます。
イヤホン本体はIP54の防水・防塵性能。一般的に、雨や汗が付着しても故障しにくいレベルです。さらにケースはIP55規格で、豪雨でも使えるレベルとされています。あらゆる環境でパフォーマンスを発揮できるでしょう。なお、付属品は以下のとおりです。
<付属品>
今回はNothing ear(2)を含む、イズキャンセリングイヤホン全30商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、ノイズキャンセリング性能の高さの検証です。
イヤホンのノイキャンをONにした状態でダミーヘッドマイクに装着し、左右に置いたスピーカーからノイズを再生。ダミーヘッドマイクが聞き取った音を分析ソフトで測定し、何もつけていない状態よりノイズを低減できたものほど高評価としました。
ノイキャン性能は優秀で、低音~高音のノイズまで低減できていました。電車の走行音のような体に響く音もカットできるので、通勤・通学時に効果を発揮するでしょう。「ノイキャンの効きがあまりよくない」という口コミは払拭したといえます。
実際に、電車の走行音のカット率は19.9%。30%前後カットしたSONYのWF-1000XM5やAirPods Pro(第2世代)には及ばなかったものの、比較した全商品の平均19.7%(※執筆時点)はわずかに上回りました。
聴覚に届くまでが速いクラップ音もしっかりカット。検証では26.9%のカット率を記録し、比較した全商品の平均26.5%(※執筆時点)を上回りました。食器が重なったときのガチャガチャとしたノイズも抑えられるでしょう。
パトカーのサイレン音のカット率も19.4%と、ある程度抑えられました。比較した全商品の平均21.6%(※執筆時点)をわずかに下回ったものの、高音のノイズも低減できています。
次に、音質の検証です。
イヤホン購入時に音質にこだわりたい20代までの男女10名のモニターが、各商品で実際に音楽を視聴。低音・中音・高音・解像度・臨場感の5つの項目をチェックし、音質のよさを評価しました。
また、イヤホンごとの音の傾向を把握するため、ダミーヘッドマイクを使用して周波数帯域も計測しています。
周波数帯域を測定したところ、中高音に厚みがある波形で、ポップスとアコースティックを聴くのに向いています。高音にハリがあり、ギターやボーカルの再現にも長けていました。
とくにギターのカッティングと相性がよく、楽器・ボーカルともにきれいなサウンドです。比較した商品のなかには楽器やボーカルの音域がこもって聴こえる商品もあったなか、解像度は高めといえます。試聴したモニターからも「ギターやピアノ・シンセの音がしっかり聴き取れる」と好評でした。
<高音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
周波数で分析したとおり、中音域もよく聴こえ、ボーカルは鮮明です。比較したなかには強めの低音でボーカルが埋もれる商品もあったのに対し、本商品は女性・男性ボーカルともによく聴こえました。モニターからも「ボーカルがパリッとしていて、とても聴きやすい」と好意的な意見が寄せられています。
<中音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
引き締まった低音も特徴です。やや迫力に欠けるものの、低い音域で鳴っている音をしっかり再現していました。モニターからも「低音の響きが重めの質感で、曲に迫力が出ている」という意見が出ています。
<低音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
音の解像度は良好で、一つひとつの音を認識できました。比較したSONY WF-1000XM5のように、ボーカルの吐息や高音域の楽器の繊細な響きまでは再現できていないものの、本商品もモニターからの評判は上々。「全体的にそれぞれの帯域がクリアに聴こえる」という声が寄せらています。
比較したなかでも、本商品のようにしっかりノイズを低減できる商品は、音の解像度にも優れる傾向がありました。
<解像度についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
一方、音の臨場感はいまひとつ。モニターの半数から「音の広がり・迫力がない」という意見が出ました。比較したなかで本商品ように2万円以上と値段の高いモデルは、臨場感に優れる傾向があったため、やや物足りない結果です。
<臨場感についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
続いて、利便性の検証です。
イヤホン本体で操作できるか・着脱検知に対応しているかなど基本的な性能に加え、ノイズキャンセリング機能やマルチポイント接続などの実用的な機能に対応しているかチェック。搭載されている機能が多いほど高評価としました。
搭載されている機能は、比較したなかでもとくに充実しています。ノイズキャンセリングは手動での強弱の調節や、Adaptive Modeによる自動調節に対応。自分にあったノイキャンのレベルを見つけやすいですよ。比較したSONY WF-1000XM5・AirPods Pro(第2世代)は、ノイキャンの強弱を調節できませんでした。
イヤホンでの基本的な操作はもちろん、着脱検知機能も搭載。イヤホンの着脱だけで、自動で音楽の再生・停止ができます。外音取り込み機能にも対応しており、イヤホン本体のボタンでノイキャンとの切替が可能です。
マルチポイントにも対応しており、複数機器と同時接続できます。機器切替時に、いちいちペアリングし直す必要がなく便利です。ペアリング機能としてFast Pairに対応しており、対象のAndroidスマホであれば簡単にペアリングができますよ。
<検証結果>
最後に、連続再生時間の検証です。
イヤホンのみとケース込みの連続再生時間をチェックし、充電せずに長時間使い続けられる商品を評価しました。
バッテリーはイヤホンのみで6時間と、通勤・通学時に使用するなら十分。ケース込みだと、連続再生時間は36時間です。比較した商品の約半数は20~30時間程度だったことをふまえると、ほかの商品より充電頻度は少なく済むでしょう。
しかし、電力消費が増えるノイキャンを使用しながらだと、口コミと同様にバッテリー持ちに不満を感じる可能性もあります。常時ノイキャンONで使用したいなら、イヤホンのみで8時間以上もつ商品がおすすめですよ。比較したSONY WF-1000XM5は、ノイキャンONでも8時間持ちました。
<検証結果>
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
13,059円
(最安)
販売価格:13,178円
ポイント:119円相当
送料無料
14,149円
(+1,090円)
販売価格:14,278円
ポイント:129円相当
送料無料
Nothing ear(2)は、公式サイトから購入できます。値段は執筆時点で税込22,800円です。公式サイトから購入すると、購入日から24か月間の保証が付与されます。
そのほかの取扱店舗は、Amazon・楽天市場などの大手ECサイト、ビックカメラ・ヨドバシカメラなどの家電量販店です。値段はサイトによって異なるので、購入の際は比較してみてくださいね!
最後に、音にこだわりがある人におすすめの商品をご紹介します。
SONY WF-1000XM5は、あらゆるジャンルの音楽を高音質で楽しみたい人におすすめ。低音から高音までどの音域もクオリティが高く、一つひとつの音が鮮明に聴こえます。ノイキャン性能も高く、音楽に没入できるでしょう。マルチポイントや外音取り込みなど、利便性の高さも魅力です。
BOSE QuietComfortEarbudsIIは、迫力ある低音でロックを楽しみたい人におすすめ。低音が引き締まっており、楽曲にキレのよさや奥深さを感じられます。ノイキャン性能の検証では、電車の走行音や立ち上がりの速い音をしっかりカットしました。ノイキャンの効き具合は手動で調節も可能です。
連続再生時間 (イヤホンのみ) | 12時間 |
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連続再生時間 (充電ケース込み) | 36時間 |
イヤホン形状 | カナル型 |
良い
気になる
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
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ドライバー構成 | ダイナミック型 |
防塵防水性能 | IPX4 |
重量 | 5.9g(片耳) |
マイク付き | |
急速充電対応 | |
マルチペアリング対応 |
SONY WF-1000XM5を徹底レビュー!実際に使ってわかったよい点・気になった点は?
最小再生周波数 | 不明 |
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連続再生時間 (イヤホンのみ) | 最大6時間 |
連続再生時間 (充電ケース込み) | 最大24時間 |
イヤーフック素材 | |
イヤホンの種類 | 完全ワイヤレスイヤホン |
連続再生時間(ノイズキャンセリングなし) | 不明 |
イヤホンの形状 | カナル型 |
連続再生時間(ノイズキャンセリングあり) | 不明 |
タイプ | イヤホン |
イヤーピースの種類 | 不明 |
接続タイプ | ワイヤレス |
おすすめのジャンル | 不明 |
最大入力 | 不明 |
ペアリングアシスト機能 | 不明 |
イヤホン形状 | カナル型 |
ノイズキャンセリングの強弱調節可能 | |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
ネックバンド付き | |
イヤーフック・イヤーウィング付き | |
Bluetoothクラス | 不明 |
対応コーデック | SBC、AAC |
アプリ対応 | |
Bluetoothのプロファイル | 不明 |
ASMR向け | |
ドライバー構成 | 不明 |
ドライバーサイズ | 不明 |
プラグ形状 | |
インピーダンス | 不明 |
再生周波数帯域 | メーカー非公表 |
音圧感度 | 不明 |
特徴 | 不明 |
連続再生時間 | 最大6時間 |
充電時間 | 1時間(イヤホン)、約3時間(充電ケース) |
充電端子 | USB Type-C |
防塵防水性能 | IPX4 |
操作方法 | タッチ操作 |
ケーブルの長さ | |
重量 | 6.24g(イヤホン)、59.8g(充電ケース) |
幅 | 3.05cm(イヤホン)、6.63cm(充電ケース) |
奥行 | 2.24cm(イヤホン)、2.67cm(充電ケース) |
高さ | 1.72cm(イヤホン)、5.94cm(充電ケース) |
特徴 | 不明 |
電車の騒音のカット率 | 不明 |
MFi認証モデル | 不明 |
マイク付き | |
リモコン付き | |
ノイズキャンセリング機能 | |
空間オーディオ機能 | 不明 |
外音取り込み機能 | |
自動パーソナライズ機能 | |
選択式パーソナライズ機能 | |
選択式イコライザー機能 | |
自由調整式イコライザー機能 | 不明 |
着脱検知機能 | |
内蔵メモリ | 不明 |
急速充電 | |
接続安定性機能 | |
急速充電対応 | |
自動電源ON機能 | |
自動電源OFF機能 | 不明 |
マルチペアリング対応 | |
マルチポイント対応 | |
AIアシスタント | |
紛失防止機能 | 不明 |
リケーブル対応 | |
ハイレゾ対応 | 不明 |
ハンズフリー通話対応 | |
再生/停止操作可能 | |
音量調整操作可能 | |
曲のスキップ操作可能 | |
音漏れ抑制機能 | 不明 |
製造国 | 不明 |
電車の走行音の低減dB数 | 23dB |
立ち上がりの速いノイズの低減dB数 | 22.5dB |
アプリ対応 | |
ノイズリダクション機能 | |
片耳タイプ |
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