幅広い急速充電規格に対応し、限られた時間のなか効率的に充電できると謳う10,000mAhモバイルバッテリー、ADATA P10000QCD パワーバンク。「小さくて持ち運びに便利」と評判です。しかし、「充電が遅い」「結構重い」など気になる口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の10,000mAhモバイルバッテリーとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、10,000mAhモバイルバッテリー選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
ADATA P10000QCD パワーバンクは、携帯性に優れ、使い勝手も良い商品がほしい人におすすめです。電池残量はデジタルディスプレイに数字で表示されます。比較した半数以上の商品が採用しているインジケーターより、細かく正確に把握できますよ。また、出力ポートはType-Cが1つとType-Aが2つあり、3台機器の同時充電が可能。複数デバイスを持ち歩く人も重宝するでしょう。
「結構重い」という口コミに反し、コンパクトで軽量なのも注目したいポイントです。面積は50cm2とコンパクトで、重量も175gと軽量。比較した全商品の平均値は面積72.2cm2・重量約216g(※執筆時点)であるなか、どちらも下回りました。片手で持ちやすい形状で、ポケットにもすっぽりと収まりますよ。厚さは25mmと厚いため、スマホと重ねて持ちにくいと感じるでしょう。
Type-Cポートの実際の最大出力も17.4Wと、公称値18Wと変わらない高数値を記録。「充電が遅い」という口コミに反し、謳い文句どおり外出先でスマホを急速充電できるでしょう。比較した商品にはタブレットの急速充電が可能な30Wを記録したものもありましたが、タブレットなど消費電力が大きいデバイスを充電しないなら十分といえます。
しかし、実際の電力の変換ロス率が40.56%と大きいのが気になるところ。パッケージ表記の10,000mAhに対して実容量は5,944mAhと少なく、iPhone14を1回しかフル充電できません。比較した約7割の商品が2回目のフル充電ができませんでしたが、計測した商品のなかでも充電できる容量が少ないのがネックです。
ECサイトでの販売価格は執筆時点で10,000円前後と高価格帯ですが、USB PD・Qualcomm QC 3.0・Samsung AFCなどの様々な急速充電規格を搭載。USBType-CとType-Aの2種類の出力ポートを備え、幅広い機種に対応できるよう工夫されています。とはいえ、変換ロスの多さが気になる人は、ほかの商品を検討してみてくださいね。
10,000mAhモバイルバッテリーの大きな魅力は、容量とサイズのバランスが優れていること。片手で持てるコンパクトなサイズでありながら、スマホを約2回充電可能です。ちょっとしたお出かけから旅行まで活躍するので、はじめてモバイルバッテリーを購入する人にもおすすめですよ。
今回紹介するADATA P10000QCD パワーバンクもそのひとつ。USB PDをはじめ、Qualcomm QC 3.0・MTK PE1.1・Samsung AFC・HUAWEI SCP & FCPなど、充電を高速かつ効率的に行う多くの規格に対応。USBType-Cは18W・USB Type-Aは22.5Wの最大出力で、外出先でも急速充電できると謳っています。
販売元は、モバイルバッテリーやSSD、USBメモリーなどを取り扱うADATA TECHINOLOGY。本商品以外にもワイヤレス充電に対応したものや20,000mAhの大容量タイプなど幅広いモバイルバッテリーを販売しています。
過充電・過放電・短絡・過電圧への対策も施され、安全対策も充実。電気用品安全法の基準を満たした電化製品の証であるPSEマークも付いています。なお、モバイルバッテリーは2019年2月1日にPSEマークの表記が義務化されました。ついていない場合は安全性や信頼に欠けるので、購入しないよう注意してくださいね。
<スペック詳細>
また、人気アニメの呪術廻戦とコラボした商品も発売されています。それぞれのキャラクターのイメージをしっかりと捉えていますが、一見アニメコラボ商品には見えないシンプルなデザインです。幅広い人が使いやすいでしょう。
付属品は、以下の通りです。
<付属品>
今回はADATA P10000QCD パワーバンクを含む、10,000mAhモバイルバッテリー全49商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、変換ロスの少なさの検証です。
フル充電状態のモバイルバッテリーの残量が0%になるまで、電子負荷抵抗器と電圧電流チェッカーを使ってバッテリーの実容量を計測。パッケージに記載されている容量と比べて、どのくらい電力ロスがあるかチェックしました。
パッケージ表記が10,000mAhに対して、実容量は5,944mAhと少なめです。変換ロス率は40.56%と大きく、比較した全商品の平均値約32.72%(※執筆時点)を上回る結果に。モバイルバッテリーは必ず変換ロスが発生しますが、比較したなかには電力変換ロスを20%台にとどめた商品もありました。
iPhone14をフル充電できるのは1回のみです。比較した約7割の商品も同様に2回目をフル充電できませんでしたが、実容量が6000mAhを切ったのは2割程度の商品のみ。計測した商品のなかでも充電できる容量が少ないといえます。
次は、充電の速さの検証です。
MacBook Pro 16インチを電池残量が30%から60%になるまでモバイルバッテリーで充電。その際の最高出力を電圧電流チェッカーで測定しました。
しかし、タブレットの急速充電が可能な30Wに到達した上位商品には届きません。とはいえ、スマホであれば20Wも30Wもあまり充電速度は変わらない傾向が。消費電力が大きいデバイスを頻繁に充電しないのなら十分といえるでしょう。
次は、 持ち運びやすさ・使いやすさの検証です。
モバイルバッテリーの面積・厚さ・重量をそれぞれ計測し、持ち運びの際に邪魔にならないかチェック。また、充電残量の表示方法や同時に充電できる機器台数などを確認し、利便性の高さを評価しました。
持ち運びのしやすさは優秀です。面積は50cm2とコンパクトで、重量も175gと軽量。比較した全商品の平均値は面積72.2cm2・重量約216g(※執筆時点)であるなか、どちらも下回りました。「結構重い」という口コミを払拭し、片手で握りやすく、ポケットや小さめなバッグにも仕舞いやすいでしょう。
しかし、厚さは25mmと厚めなのが気になるところ。スマホと重ねて持ちにくいので、普段充電しながら操作している人はわずらわしく感じることもあるでしょう。
また、比較したなかでも半数以下の商品しか対応していない、3台同時充電ができるのも魅力。複数デバイスを携帯している人も使いやすいでしょう。加えて、高速かつ効率的に充電できるPD規格にも対応しています。
ワイヤレス充電には対応していませんが、ケーブルが気にならなければ大きなデメリットには感じないでしょう。
変換ロス率 | 40.56% |
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最大出力(実測値) | 17.41W |
入力端子 | USB Type-C×1 |
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出力端子 | USB Type-C×1、USB Type-A×1 |
ワイヤレス時の最大出力(公称値) | |
付属品 | USB-Cケーブル、ユーザーガイド |
保証期間 | 12か月 |
ケーブル内蔵 | |
ACプラグ内蔵 | |
ワイヤレス充電(Qi)対応 | |
幅 | 5.0cm |
奥行 | 10.0cm |
高さ | 2.5cm |
重量 | 約175g |
ADATA P10000QCD パワーバンクは、Amazonなど大手ECサイトで販売されています。ECサイトでの販売価格は執筆時点で10,000円前後です。ほかにもDOSPARAやJoshin、PC Onesなどでも購入できます。取扱店舗によって値段が異なるので、お得に購入できる店舗を調べてから購入しましょう。
また、ADATAでは20,000mAhの大容量バッテリーを搭載したP20000QCD パワーバンクも販売中です。充電回数をより重視する人はチェックしてみてくださいね。
モバイルバッテリーは機内に持ち込めます。その際は、必ず機内持ち込み荷物に入れるようにしましょう。もし、預け荷物の中に入れてしまった場合はX線検査で引っかかり、破棄されることもありますので注意してくださいね。
また、持ち込める容量や個数は各航空会社によって異なります。旅行の準備をする際に、利用する航空会社の公式サイトで確認しましょう。国内線の場合は、容量が27,027mAh以下であれば何個でも持ち込みが可能。27,027mAh以上43,244mAh未満であれば2個までとされています(2023年4月時点)。
モバイルバッテリーを一般のゴミとして破棄することは禁止されています。内蔵されているリチウムイオン電池は発火や爆発の恐れがあるため、必ずリサイクルするようにしましょう。
リサイクル方法でおすすめなのが、電池用のリサイクルBOXが設置されている店舗に持ち込むこと。家電量販店やホームセンターに設置されているので、普段利用している店舗にあるかチェックしてみてくださいね。
最後に、実際に充電できる容量が多く、薄型でスマホと一緒に持ちやすい商品をご紹介します。
厚さ16.2mmの薄型でスマホと重ねて持ちやすい、CIOのSMARTCOBY Pro SLIM。変換ロス率は32.29%と少なく、実容量はiPhone14なら2回フル充電できる6,771mAhです。33.55Wの高出力も注目したいポイント。スマホはもちろんタブレットも高速充電できますよ。パススルー充電にも対応しています。
MagSafe対応でiPhoneを貼り付けて充電できる、Anker 633 Magnetic Batteryもチェック。充電中にズレることがなく厚さも18mmと薄いため、iPhoneと一緒に持ちやすいでしょう。実容量は7,211mAhでロス率27.89%と比較したなかでトップクラスの少なさ。最大出力も18.37Wとスマホを急速充電するのに十分です。
変換ロス率 | 32.29% |
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最大出力(実測値) | 33.55W |
良い
気になる
入力端子 | USB Type-C×2 |
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出力端子 | USB Type-C×2、USB Type-A×1 |
ワイヤレス時の最大出力(公称値) | |
付属品 | USB Type-C to Type-Cケーブル、取扱説明書 |
保証期間 | 12か月+12か月(会員登録後) |
ケーブル内蔵 | |
ACプラグ内蔵 | |
ワイヤレス充電(Qi)対応 | |
幅 | 6.9cm |
奥行 | 9.76cm |
高さ | 1.62cm |
重量 | 約180g |
CIO SMARTCOBY Pro SLIMの口コミ・評判は?実際に使ってメリット・デメリットを徹底レビュー!
変換ロス率 | 27.89% |
---|---|
最大出力(実測値) | 18.37W |
良い
気になる
入力端子 | USB Type-C×1 |
---|---|
出力端子 | USB Type-C×1、USB Type-A×1 |
ワイヤレス時の最大出力(公称値) | 7.5W |
付属品 | USB Type-C to Type-Cケーブル、取扱説明書 |
保証期間 | 24か月+6か月(会員登録後) |
ケーブル内蔵 | |
ACプラグ内蔵 | |
ワイヤレス充電(Qi)対応 | |
幅 | 10.7cm |
奥行 | 6.6cm |
高さ | 1.8cm |
重量 | 約218g |
Anker 633 Magnetic Batteryをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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