Anker 733 Power Bank (GaNPrime PowerCore 65W)をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

最初に、変換ロスの少なさの検証です。パッケージに10,000mAhと表記されていても、すべてを充電できるわけではありません。そこでフル充電状態のモバイルバッテリーが空になるまで、電子負荷抵抗器と電圧電流チェッカーを使用してバッテリーの実容量を計測しました。

その結果、7,287mAhでロス率は27.13%を記録。比較した商品のなかで変換ロスの少なさはトップクラスでした。iPhone14を2回フル充電しても、余るほど実容量に余裕があります。

変換ロス率が30%以下だったのは、比較した全商品の1割弱とごくわずか。なかには約60％も電力をロスし、実容量が4,000mAhと少ない商品もありました。実容量が7,287mAhあった本商品との差は3,000mAhもあり、スマホ充電1回分に相当します。充電頻度が高い人は、実容量にも注目しましょう。

次に、充電の速さの検証です。充電出力を表すW（ワット）は、数値が大きいものほど充電スピードも速くなります。例えば20Wの出力があれば急速充電が可能となり、バッテリー残量が0%のiPhone14を30分で60%程度まで充電できました。

検証ではMacBook Pro 16インチを充電残量が30％から60％になるまで、モバイルバッテリーで充電。充電時の最高出力を電圧電流チェッカーで測定したところ、Type-Cポートから26.89Wの高出力を記録。比較した全商品の平均約18.09W（※執筆時点）を大きく上回りました。

スマホだけでなく、タブレットも急速充電できるほどの出力を持っているといえるでしょう。

続いて、持ち運びやすさの検証です。モバイルバッテリーの面積・厚さ・重量をチェックして、コンパクトかつ軽量で持ち運びやすい商品か評価しました。

持ち運びやすさを検証したところ、口コミどおり持ち運びやすいとはいえない結果に。表面積は約69.93平方センチメートルで、比較した全商品の平均が約70.03平方センチメートル（※執筆時点）だったことをふまえると、表面積自体は小さめといえます。

一方、厚さと重みの数値は比較したなかでも大きめでした。厚さは約31mmと比較した商品の平均約22.46mm（※執筆時点）より約9mm大きく、重量は約320gと比較した商品の平均約214g（※執筆時点）と約106gも違いましす。充電しながら、片手でスマホと重ねて持つのには不向きでしょう。

最後に、使いやすさの検証です。充電残量の表示方法・同時に充電できる接続台数・PD入力に対応しているか・ワイヤレス充電の有無などをチェックし、使いやすさを評価しました。

検証した結果、機能性は高く使い勝手は良好です。比較した商品の半数以上が2台までしか同時に充電できないなか、本商品は3台同時に充電できます。

さらに、比較したなかで1割しか搭載していなかったACプラグも内蔵していました。自宅やオフィスでコンセントにつないでAC充電器としても使用したいなら、本商品が有力候補となるでしょう。USB Power Deliveryに対応しており、コンセント接続時には公称値で最大65W出力に対応しています。ノートPCの急速充電もできるスペックです。

なお、電力表示は比較した多くの商品と同様にインジケーター表示。詳しい残量を数字で把握することはできません。ワイヤレス充電にも非対応という点は把握しておきましょう。