キヤノン製インクジェットプリンターのハイスペックモデル、CANON PIXUS TS8630。インターネット上では「買い換えたら印刷速度が飛躍的に速くなった」など高評価の口コミが多く見られますが、「インクが高い」「写真印刷の色が暗い」など気になる評判もあり、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のキヤノン GX4030やPIXUS TS8730などのインクジェットプリンターとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、インクジェットプリンター選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
CANON PIXUS TS8630は、高品質な写真印刷ができる6色インクの商品をお探しの人におすすめです。「写真印刷の色が暗い」との口コミに反し、6色インクで細かな色の違いをしっかり表現できるのが特徴。実際に印刷物を見たモニターからは発色のよさが好評でした。遠くの景色や人物の髪の毛までつぶさず正確に印刷し、比較したなかでも写真品質の高かったキヤノン製品と比べてもトップクラスの美しさです。
使い勝手の面でもハイスペックモデルらしい充実の機能が満載。比較したうちの3分の1ほどにしか搭載されていなかったSDスロットに対応し、カメラから抜いたデータを直接印刷できます。自動両面印刷や珍しいディスクレーベルプリントも備え、幅広いシーンで活躍するでしょう。
商品によって大幅に差が出た印刷速度も、比較したなかでは速めでした。10枚の印刷物ならモノクロで83秒、カラーで108秒で印刷できます。5枚の写真印刷は181秒で、メーカーが高速化を謳ったとおりの実力といえるでしょう。自動電源オン機能にも対応し、スマホやPCから指示するだけで本体に触れずに印刷できるのも時短に繋がります。
文書プリントもきれいな仕上がりです。特に発色に優れており、モノクロ・カラー印刷ともに視認性の高いくっきりはっきりした印象の資料が作れます。カラー印刷では同系色の色の違いが遠目でも判別できるほどでした。一方で、精細さ・正確さにはやや欠ける部分があり、モニターからは「ぼやけやかすれが気になる」という感想が挙がっています。
インクのランニングコストがカートリッジ式としては安いのも利点です。L版写真は1枚22.9円で印刷できるため、お店で印刷するよりもコストを抑えられるでしょう。同社の大容量タンク式にはL版写真を6円程度で印刷できるG3370BKもありますが、写真印刷では品質の高さと安さの両立は難しいため、導入する目的に合わせて選ぶことが大切です。
公式サイトの本体価格は税込32,450円(※執筆時点)。本体価格を安く抑えやすいカートリッジ式ながら、ハイスペックモデルのため大容量タンク式並みの価格帯です。しかし、ランニングコストは比較的安いため、高い写真印刷品質を期待するなら候補のひとつになるでしょう。仕事用に大量印刷が必要な人は、ほかの商品をチェックしてみてください。
今回紹介するのは、国内のインクジェットプリンター市場で高いシェアを誇るキヤノン(CANON)のPIXUS TS8630。コンパクトボディに豊富な機能を搭載した、高画質ハイスペックモデルです。印刷の質を落とすことなく、写真プリントの速度アップを実現したと謳っています。
スマホとの親和性も高く、ダイレクト接続はスマホでQRコードを読み取るだけで完了。PCを経由せずにスマホだけで印刷できるアプリが豊富に揃い、編集や共有・オリジナルアイテムのプリントやネイルシールプリントまで、幅広いコンテンツが楽しめるのも特徴です。
純正インクは、写真に強い染料インクと文字に強い顔料インク。鮮やかな写真とくっきりした文字が強みです。また、より美しく速いプリントを可能にする高密度プリントヘッド技術「FINE」を搭載し、インクの粒を極小化して正確・安定な吐出を実現したとしています。
用紙の表と裏を入れ替えることなく両面を印刷できる「自動両面プリント」も搭載し、大量印刷も手間なく完了。AirPrintやMopriaにも対応していて、プリンタードライバー不要でスマホと接続するだけですぐに使えます。
<スペック詳細>
最大用紙サイズはA4、最大給紙枚数は後トレイ・前カセットそれぞれに普通紙なら100枚ずつ収納できます。後トレイに入れられる郵便はがきは最大で40枚です。
5GHzの高速通信による自動電源オン機能搭載で、PCやスマホからプリントを指示するだけで印刷を自動で開始。排紙トレイは自動で開閉するので、本体に触れずにスピーディに印刷できます。
スマートスピーカーのAmazonアレクサにも対応しているため、声でのプリントも可能です。電源オンオフはもちろん、プリンターの状態を確認したり、ぬりえやチェックリストなどさまざまなテンプレートも声で印刷できますよ。
幅約37cmというコンパクトサイズのなかには、4.3型タッチパネルを搭載。パネルが設置されているフロント部は角度が自由に調整できるため、見やすい角度で操作できます。細かい設定が苦手でも、「かんたんモード」に切り替えればより直感的に基本的な機能を使えますよ。
今回はCANON PIXUS TS8630を含む、インクジェットプリンター全14商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
その結果、モノクロ資料は1枚4.5円、カラー資料は1枚12.7円、L版写真は1枚22.9円で、「インクが高い」という口コミに反してカートリッジ式としては安めという結果に。比較したカートリッジ式の商品にはカラー1枚に約20円かかるものも散見されましたが、いずれもコンビニなどで印刷するよりお得です。
ただし、大容量タンク式の商品と比較すると、その差は明らか。本商品の1gあたりのインクの価格が174.3円だったのに対し、大容量タンク式の多くは10~20円程度におさまります。たとえばキヤノンの上位商品GX4030は、モノクロ1枚0.9円、カラーでも1枚2.2円とかなり安くすみました。
大量に印刷するなら大容量タンク式のほうがお得ですが、本体価格も含めたトータルコストで考えるのが大切です。印刷頻度がそれほど多くなければ、カートリッジ式のほうが結果的にお得な可能性もあります。ただし、本商品はハイスペックモデルのため、本体の価格設定はやや高めな点は要確認です。
次は、文書プリントのきれいさの検証です。
20代の男女5人にモニターとして参加してもらい、モノクロプリント・カラープリントで実際の印刷物をチェック。くっきりとした色が出ているか、かすれやぼやけなどはないか、カラープリントは色ムラがないかなど、チェックポイントに従って評価しています。
なお、設定はすべて標準・普通モードで行いました。
<発色についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
ただし、精細さについては「ぼやけやかすれが気になる」といまひとつ。文字サイズが小さくなるほど見にくさを指摘する声が多く挙がりました。地の文程度のフォントサイズを読むには問題ありませんが、全体的には惜しい仕上がりです。
<精細さ・正確さについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
カラー資料についても、モノクロ印刷と同様に発色のよさが高評価に。はっきりした色味のため、モニターから「遠目でもすぐに判別できる」「似た色の境目もわかりやすい」といった感想が聞かれました。
比較したインクジェットプリンターは、インクの色数が4色または6色のもの。色数が豊富だと細かな色の違いが再現されやすい傾向があり、6色インクタイプの本商品も、4色タイプに比べて同系色の色の違いがしっかり表現できていたと考えられます。
<発色についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
一方で、精細さにはやや欠けました。全体的な図表にズレなどは見られないものの、文字がぼやけたりかすれたりとかすんでいる印象を受けたモニターが多数。「提出書類には使いたくない」という意見も複数あがる結果でした。
<精細さ・正確さについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
次は、写真プリントのきれいさの検証です。
カメラ・写真が趣味の20代以上の男女5人がモニターとして参加し、各プリンターでFUJIFILMはがき用紙の光沢面に印刷した写真をチェック。鮮やかさや色の違い、かすれや再現性などを比較して評価しました。なお、設定はすべてきれい・高画質モードで行っています。
4色タイプのなかにはぼやけた印象になるものもありましたが、本商品は6色インクタイプのため、細かな色の違いがしっかり表現できています。「写真印刷の色が暗い」という口コミのように彩度が落ちているという意見もあり、元データを完全に再現できているとはいい切れませんが、写真印刷メインの人は有力候補になるでしょう。
比較したところ、文書プリント・写真プリントのどちらも高評価という商品はほぼありませんでした。購入の際は使用目的に応じて重視するポイントを確認してみるのがよさそうです。
コメントは一部抜粋
なお、後継モデルのPIXUS TS8730はさらに印刷品質が進化し、比較したなかでも突出したきれいさでした(※執筆時点)。一方、同社モデルのなかには解像感が低くのっぺりとした印象になるものも。写真にこだわる人は参考にしてみてくださいね。
コメントは一部抜粋
最後は、印刷の待ち時間の少なさ・使い勝手の検証です。
モノクロ・カラー印刷は10枚ずつ、写真印刷は5枚ずつを1セットとし、給紙開始時点から印刷終了までかかった時間を3セットの平均で評価。自動電源オン機能がある場合は加点を行っています。
使い勝手については、トレイの数・両面印刷・コピーやスキャン機能の有無など、機能面に関する項目をチェックして点数づけを行いました。
比較したところ、印刷速度は商品によってかなり差がありました。速いものでモノクロ10枚を52秒、写真印刷5枚を57秒で行う商品がある一方、モノクロ10枚に124秒、写真印刷5枚に350秒もかかる商品も。ただし、印刷品質とは相関関係にあるわけではありません。
本商品は、自動電源オン機能にも対応しています。スマホやPCからプリントを指示するだけで、自動で電源を入れてそのままプリントがはじまります。排紙トレイは自動で収納するので、急いでいるときに本体に触れる必要がなく、時短に繋がりますよ。
比較したなかでも搭載が少なかった、BD・DVD・CDに印刷できるディスクレーベルプリントに対応しているのもポイント。思い出をディスクに撮りためているなら、整理しやすさに一役買ってくれますよ。
2022/11/10 発売
自動電源オン機能 | 不明 |
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QRコード対応 | |
液晶ディスプレイ付き | |
タッチパネル対応 | |
NFC対応 | 不明 |
幅 | 372mm |
---|---|
奥行 | 345mm |
高さ | 142mm |
重量 | 6.6kg |
インクタイプ | カートリッジ |
最大用紙サイズ | A4 |
給紙トレイ | 不明 |
解像度 | 4,800×1,200dpi |
自動両面印刷 | 対応(ハガキ対応) |
SDカードスロットあり | |
ADF機能 | 不明 |
最大給紙枚数(普通紙) | 200枚 |
クラウドプリント対応 | |
スマートスピーカー対応 | |
最大給紙枚数(ハガキ) | 40枚 |
Mopria対応 | |
ディスクレーベルプリント機能 | |
フチ無し印刷可能 | |
Wi-Fi対応 | |
スマホ対応 | |
消費電力 | 不明 |
AirPrint対応 |
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また、罫線のズレなどで印刷結果に均一感がない場合は、プリントヘッドの位置を調整してみることをおすすめします。いずれもプリンター本体またはPCから操作できますよ。
また、原稿を置く原稿台部分を清掃する際は、きれいで柔らかく糸くずの出ない乾いた布を使用してやさしく拭き取りましょう。ティッシュペーパーや中性洗剤などは使用しないようにしてくださいね。詳しくはオンラインマニュアルなどをご確認ください。
(出典:公式サイト)
なお、キヤノンオンラインショップではインクタンクも購入できます。会員登録すればマルチパックと同じ値段で好きな色をを選べる「インク選べるパック」も利用できますよ。減りの速い色を多くすれば、無駄なく購入可能です。
最後に、ランニングコストが抑えられるキヤノン製のインクジェットプリンターをご紹介します。
キヤノン GX4030は、大容量タンク式でランニングコストの安さが魅力。モノクロ資料1枚を0.9円、カラー資料も2.2円という安さで印刷できます。文書プリントの品質にも優れ、黒の発色のよさ、かすれやムラのないカラー印刷は仕事用にぴったり。大量印刷に便利なADF機能も搭載していますよ。
キヤノン G3370BKも4色の大容量タンク式で、L版写真を1枚6.2円で印刷可能。モノクロは1枚0.4円、カラーは1円で印刷できるコスパのよさが際立ちます。インクの発色がよく、カラー資料の視認性が高い点がモニターからも好評。印刷速度も速く、頻繁にプリンターを使う人におすすめです。
自動電源オン機能 | |
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QRコード対応 | |
液晶ディスプレイ付き | |
タッチパネル対応 | |
NFC対応 |
良い
気になる
幅 | 399mm |
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奥行 | 417mm |
高さ | 251mm |
重量 | 約9.5kg |
インクタイプ | タンク |
最大用紙サイズ | A4 |
給紙トレイ | 手差しトレイ、カセット2段 |
解像度 | 600×1200dpi |
自動両面印刷 | 対応(ハガキ非対応) |
SDカードスロットあり | |
ADF機能 | |
最大給紙枚数(普通紙) | 250枚 |
クラウドプリント対応 | |
スマートスピーカー対応 | |
最大給紙枚数(ハガキ) | 40枚 |
Mopria対応 | |
ディスクレーベルプリント機能 | |
フチ無し印刷可能 | |
Wi-Fi対応 | |
スマホ対応 | |
消費電力 | 20W |
AirPrint対応 |
Canon ビジネスジェットインクプリンター GX4030の口コミ・評判は?実際に使ってメリット・デメリットを徹底レビュー!
自動電源オン機能 | |
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QRコード対応 | |
液晶ディスプレイ付き | |
タッチパネル対応 | |
NFC対応 |
幅 | 416mm |
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奥行 | 337mm |
高さ | 177mm |
重量 | 6.0kg |
インクタイプ | タンク |
最大用紙サイズ | A4 |
給紙トレイ | 背面トレイ |
解像度 | 4,800×1,200dpi |
自動両面印刷 | 非対応 |
SDカードスロットあり | |
ADF機能 | |
最大給紙枚数(普通紙) | 100枚 |
クラウドプリント対応 | |
スマートスピーカー対応 | |
最大給紙枚数(ハガキ) | 40枚 |
Mopria対応 | |
ディスクレーベルプリント機能 | |
フチ無し印刷可能 | |
Wi-Fi対応 | |
スマホ対応 | |
消費電力 | 16W |
AirPrint対応 |
CANON インクジェットプリンター G3370をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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掲載されている情報は、マイベストが独自にリサーチした時点の情報、または各商品のJANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し自動で生成しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。