キヤノン PIXUS TS7430をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

実際にプリントした風景写真は、細部のグラデーションまで忠実に再現されていました。

とくに、青空の発色がとてもきれいです。

夜景の写真も良好。締まりのあるブラックインクを使用していることもあり、濃淡と奥行きをリアルに表現できているのが好印象でした。

一方、イエローの発色が弱めで、暖色の多い写真は青みが目立つ傾向にあります。

動物の写真では、黄色味が少なくやや冷たい印象に。また、気になるほどではありませんが、よく見ると毛並みにほかの色が混ざっていました。

さくらんぼの写真をチェックすると、こちらもイエローの発色が弱く全体的に赤みが足りないのが気になります。マゼンタ・シアンが際立った仕上がりとなりました。

人物の写真については解像度がやや粗く、細部まで表現しきれていない印象です。プロのカメラマンからは、「細かいドットがあり肌がくすんでいるように見える」という意見もありました。

文字や線に関しては優秀な結果です。極小の3ptまでにじむことなくきれいに印刷できました。年賀状用マット紙も、写真・イラストともにかすれなどはありません。

これなら、文章や自宅での年賀状印刷に重宝するといえるでしょう。

300枚連続でプリントしても、紙詰まりなどのトラブルや色合いの変化は見られませんでした。

にじみはごくわずかにあるものの、気になるほどではなく品質も安定しているといえます。ストレスなくスムーズに作業を進められるでしょう。

1枚あたりのコストは25.5円。今回検証した全商品の平均値が21円と比べると、少し高い印象です。

ただ、文字や線をくっきり表現できるので、ビジネス文書を質よく仕上げたい人には悪くないといえるでしょう。

印刷スピードが遅めで、速度重視の人には物足りない印象です。

また、ディスプレイが小さくタッチ操作ができないため、直感的に使うのも少し難しいといえます。4つのボタンを使いながら作業するので、使いこなすには慣れが必要でしょう。

一方、トレイに2種類の紙をセットできるうえ、セッティングした用紙サイズを自動で検知する機能がついているのは便利。サイズ設定なしでも手軽に使え、用紙間違いによるミスプリントも最小限に抑えられます。

スキャナーについても、自動原稿送り装置のADF機能はないものの、厚みがあるものもスキャンできました。

スマホと連携でき、専用アプリを使って写真やPDFなどを手軽に印刷できるのも魅力。

液晶画面に表示されるQRコードをスマホで読み取れば、マニュアルの確認もできます。サクッと印刷したいスマホ世代にぴったりの1台といえるでしょう。