Xboxチームと共同開発した証である「Designed for Xbox」認定を受けており、最適なゲーミング体験を謳う、PHILIPS(フィリップス) ゲーミング液晶ディスプレイ 279M1RV/11。「画質は申し分ない」と評判ですが、実際に口コミどおりなのか気になりますよね。
今回はその実力を確かめるため、以下の6つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の4Kモニターとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、4Kモニター選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
テレビ・プロジェクターなどの映像家電や、ノートパソコンやプリンターなど家電全般の比較・コンテンツ制作を経験し、家電チームのマネージャーに就任。キャリブレーションソフトを用いたテレビ・プロジェクターの画質測定を設計したり、ノートパソコンのベンチマークテストに取り組んだりしてきた。「ユーザーにとってベストな選択体験を提供する」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
PHILIPS ゲーミング液晶ディスプレイ 279M1RV/11は、ゲームだけでなく、デザイン制作などのクリエイティブ用途でも使いたい人におすすめです。色の国際的な基準であるsRGB規格どおりの色味を出せているか計測したところ、ほぼすべての色を高精度で表現できました。誤差を示す数値はわずか1.08dE。比較した全商品の誤差の平均は約2.54dE(※執筆時点)だったので、本商品ならイラスト制作時に色の誤差を抑えて思いどおりに仕上げられるでしょう。
自然界の色域に近い規格BT.2020のカバー率も、74.1%と高水準です。色域が広く、奥行のある立体的な映像を楽しめます。比較したところ、色域カバー率が60%台程度だと色の奥行がなくのっぺりした映像になりやすい傾向がありました。コントラスト比の実測値は1,183:1とスペック(1,000:1)以上の数値で、画質のメリハリも十分です。
画面設定は背面のジョイスティックで操作します。カラーモードは10種類と豊富で、FPS・レーシング・ムービーなどコンテンツに合わせて簡単に画面設定できるのが魅力です。比較した商品の約7割はカラーモードの数が7個以下だったので、せっかくディスプレイを買うなら画質にこだわりたい!という人におすすめですよ。
インターフェースも充実しており、複数の周辺機器を使う人にもぴったりです。同時に給電と出力ができるType-C端子を搭載しているうえ、Type-Aも4つ・HDMIも3つ備えていました。スタンドは高さ・上下の角度調節が可能です。ネジの共通規格であるVESAにも対応しているので、より自由に設置するならモニターアームも検討しましょう。
価格は執筆時点でECサイトにて8万円前後でした。色の正確さ・色域の広さ・コントラスト比がすべて高水準ながら、価格を10万円以下に抑えられるのは魅力といえます。口コミどおりの高画質で、インターフェースも充実していたので、デザインやイラスト制作をしたい人もぜひチェックしてみてくださいね!
そもそも4Kモニターとは、フルHDの4倍の画素数を誇るモニターです。スピーカーの音質はテレビに劣ることが多いものの、低遅延かつ動作がなめらかなものが多い傾向があります。デスクに置きやすい27~42インチのサイズが主流で、ゲームだけではなく作業用としてもおすすめですよ。
今回ご紹介するPHILIPS ゲーミング液晶ディスプレイ 279M1RV/11は、「次世代のコンソールゲーミング(家庭用ゲーム機)に最適なパフォーマンス」を謳う4Kディスプレイ。Xbox向けに設計された製品の証である「Designed for Xbox」の認定を受けている商品です。
製造元のPHILIPS(フィリップス)は、オランダのヘルスケアメーカー。電動歯ブラシや電動シェーバーで有名です。テレビやモニター・サウンドバー・ヘッドホンなどの開発・製造も行っています。
デバイスとモニター間の入力遅延の低減にも取り組んでおり、応答時間の公称値は約1ミリ秒。操作してから画面に反映されるまでの時間が短いため、速度が重視されるゲームをプレイする際にも力を発揮するでしょう。
スピーカーに「DTS Sound」を搭載しているのも特徴です。デジタル音声処理によって、臨場感あふれるサウンド体験を実現し、深みのある低音やセリフを明瞭に再現すると紹介されています。
「MultiView」にも対応しており、異なる端末の映像を1画面に同時表示することも可能です。PC2台同時に作業を進められるので、配信作業やクリエイター業務など複雑なマルチタスクも効率的にこなせるでしょう。
<スペックの詳細>
スタンドを含めた本体のサイズは、幅60.9×奥行28.2×高さ54.5cm・重量は9.00kgです。重量があるので、設置時には注意しましょう。
デザインは、細長いスタンドが前面に配置されているのが特徴的。ベゼルレスのモニターと相まって、スタイリッシュな印象ですよ。なお、付属されているケーブルは以下のとおりです。
<付属ケーブル>
今回はPHILIPS ゲーミング液晶ディスプレイ 279M1RV/11を含む、4Kモニター全16商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、色の正確さの検証です。
Calman 2022というソフトを使用して、sRGB(ガンマ2.2)の条件で規格どおりの色味を出せるか測定しました。sRGBとは、国際電気標準会議が定めた国際標準規格の色空間のことです。色の差は定量指標であるdeltaE(dE)を基準に、数値が低いものほど高評価とします。
規格どおりの色を出せているか専用ソフトでチェックしたところ、ほぼすべての色を正確に表現できていました。誤差を示す数値はわずか1.08dEです。比較した全商品の誤差の平均が約2.54dE(※執筆時点)だったことをふまえると、本商品の色の精度は高いといえます。
比較したなかでも色の精度が高い商品は、デザイン制作において思いどおりの色合いに仕上げやすい傾向がありました。本商品はゲームプレイだけではなく、イラスト制作や画像生成AIを使用するときにも役立つでしょう。
次に、色域の広さの検証をしました。
色域とは表示できる色の鮮やかさを示す指標です。色域が規格よりも狭いと、映像の鮮やかさが失われたり、細かい色の表現ができず色がつぶれたりします。検証では、自然界に存在する物体色の色域に極めて近いBT.2020を基準とし、それに対するカバー率を検証しました。
色域の広さをチェックしたところ、自然界に存在する色域に近い規格BT.2020のカバー率は74.1%でした。比較した全商品の平均が約71.5%(※執筆時点)だったので、色域は広いといえるでしょう。表現できる幅が広いと、奥行きがあり立体感ある映像を楽しめますよ。
比較したなかでも色域が60%台だった商品は、色の奥行がなくのっぺりとした映像にながちでした。色鮮やかな映像を視聴したい場合は、色域のカバー率をチェックしてみてくださいね。
続いて、コントラスト比の高さの検証をしました。
コントラスト比とは、画面内の最も明るい白(最大輝度)と最も暗い黒(最小輝度)の比率のことです。コントラスト比が高いと、映像の鮮明さが高まり、よりリアルでメリハリある映像を視聴できます。
検証ではANSIチェッカー4×4パターンを表示し、同一画面に黒と白が混在する状態で、黒の輝度と白の輝度の比率を計算しました。
実測したコントラスト比は1,183:1と、メーカーの公称値(1,000:1)以上の数値でした。検証ではメリハリのある画質の基準値として500:1を設定しましたが、それを大幅に上回っています。比較したなかでも、コントラスト比が高い商品は映像に迫力を感じやすい傾向がありました。
本商品はコントラスト比だけではなく、前述のとおり色の正確さ・色域の広さも高水準。総合的に見ても、口コミどおり高画質だといえます。ゲームだけではなく、映像鑑賞・デザイン制作など幅広い用途で使いやすいでしょう。
最後に、画面調節のしやすさ・インターフェースの充実さ・スタンドの使いやすさの検証です。
操作方法・カラーモードの種類・ピボット機能の有無など、画面調節に関わる機能を評価しました。Type-Cケーブルの給電・出力はできるかなど、インターフェース充実具合もチェックしています。あわせて、スタンドの高さ調節・角度調節機能はあるかなども確認しました。
画面調節のしやすさをチェックしたところ、とくにカラーモードが充実していました。比較した商品の約7割はカラーモードの数が7個以下だったのに対して、本商品は10種類と選択肢が豊富。自分で細かく調節しなくても、ゲーム・作業・映像鑑賞に最適な設定を見つけやすいでしょう。
設定変更は背面のジョイスティックを操作します。比較したボタン式の商品は何回もボタンを押す必要があり、やや手間がかかりました。対して本商品はレバーを傾けて操作するジョイスティックのため、タッチパネルほどではないものの操作は十分しやすいでしょう。
なお、画面を90度回転させて縦横自由に変えられるピボット機能、リモコンでの操作といった機能には対応していません。
<検証結果>
インターフェースの充実度は、比較したなかでもトップクラス(※執筆時点)です。約6割の商品はHDMI端子2つ・USB Type-A端子2つ以下だったのに対して、本商品はHDMIが3つ、USB Type-Aが4つ備えられていました。外づけマイクやデスクライトなど周辺機器を多く使う人にぴったりです。
Type-C端子は、給電と出力の両方に対応しています。 ケーブル1本でノートPCと接続できるので、デスク周りをすっきりできるでしょう。なお、比較した商品の約4割はType-C端子を搭載していなかったので、購入前にチェックしてみてくださいね。
スピーカーを搭載しているのもうれしいポイントです。外づけスピーカーと接続しなくても、モニター単体で音楽を視聴できますよ。
<検証結果>
スタンドは高さ・上下の角度調節に対応していますが、左右の角度調節には非対応でした。比較した約6割の商品は左右の角度調節が可能だったことをふまえると、スタンド機能としてはやや物足りません。
さらに、奥行きは26cmと大きめです。比較したなかには奥行17cmほどのコンパクトなモデルもあり、そのぶん作業スペースを確保しやすいのが魅力でした。とはいえ、本商品はネジの共通企画であるVESAに対応しているので、すっきり置きたい人はモニターアームに取りつけるとよいでしょう。
色域の広さ | 74.1% |
---|---|
色の正確さ | 1.08dE |
良い
気になる
モニターサイズ | 27インチ |
---|---|
表面処理 | ノングレア |
パネル種類 | Nano IPS |
応答速度. | 1ms |
コントラスト比(メーカー公表値) | 1000:1 |
最大輝度(公称値) | 450cd/m2 |
リフレッシュレート | HDMI・DisplayPort:48~144Hz/USB Type-C:48~120Hz |
インターフェース | HDMI2.1×3、USB Type-C×1、DisplayPort1.4×1 |
リモコン付き | |
VESAマウント対応 |
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76,608円
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販売価格:77,310円
ポイント:702円相当
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PHILIPS ゲーミング液晶ディスプレイ 279M1RV/11の取扱店舗は、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの大手ECサイトです。
値段は執筆時点で77,000円ほどでした。サイトによって値段は異なるので、購入の際はそれぞれ比較してみてくださいね!
最後に、また異なる魅力のあるおすすめ商品をご紹介します。
LenovoのThinkVision P27u-20は、モニターの使い勝手を重視する人におすすめ。スタンドは高さ・上下左右の角度調節ができ、ピボット機能も搭載しています。もちろん画質も優秀で、色は誤差がなく高精度に再現できました。色域の広さも十分あるので、デザイン制作でも活躍するでしょう。
操作しやすい商品を探しているなら、HUAWEI MateView 4K+ウルトラHD モニターがおすすめ。タッチパッドに対応しているので、設定を直観的に変更できます。奥行きも約18cmとスリムですっきり置ますよ。ディスプレイ性能も高く、豊かな色彩と高コントラストで4K映像を快適に楽しめるでしょう。
色域の広さ | 75.5% |
---|---|
色の正確さ | 0.95dE |
良い
気になる
モニターサイズ | 27インチ |
---|---|
表面処理 | ノングレア |
パネル種類 | IPS |
応答速度. | 4ms(Extreme mode)/6ms(Typical mode) |
コントラスト比(メーカー公表値) | 1000:1 |
最大輝度(公称値) | 450cd/m2 |
リフレッシュレート | 60Hz |
インターフェース | HDMI×2、DisplayPort、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、USB 3.2 Gen1 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-B×1、Thunderbolt4 Type-C×2 |
リモコン付き | |
VESAマウント対応 |
レノボ ThinkVision P27u-20をレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
色域の広さ | 75.3% |
---|---|
色の正確さ | 1.65dE |
良い
気になる
モニターサイズ | 28.2インチ |
---|---|
表面処理 | ノングレア |
パネル種類 | IPS |
応答速度. | 不明 |
コントラスト比(メーカー公表値) | 1200:1(標準) |
最大輝度(公称値) | 500cd/m2 |
リフレッシュレート | 60Hz |
インターフェース | HDMI、ミニDP、USB Type-C×2、USB Type-A×2、オーディオ端子 |
リモコン付き | |
VESAマウント対応 |
HUAWEI MateView 4K+ウルトラHD モニター HSN-CBAを徹底レビュー!実際に使ってわかったメリット・デメリットは?
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