便利な機能を多彩に搭載したと謳う、ブラザー インクジェットプリンター DCP-J926N。ネット上では「印刷スピードが速い」「ランニングコストがよい」と評判です。一方、「写真印刷がボケる」「使いにくい」といった気になる口コミも存在し、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のインクジェットプリンターとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、インクジェットプリンター選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
ブラザー インクジェットプリンター DCP-J926Nは、たくさんの資料を効率よく印刷したい人におすすめです。実際に10枚印刷したところ、モノクロ印刷が54秒・カラー印刷が85秒と非常にスピーディに印刷できました。どちらも全商品の平均(※執筆時点)と比べて20秒以上速かったため、「印刷スピードが速い」と口コミどおりの結果です。自動電源オン機能もあり、スムーズな印刷ができますよ。
最大20枚まで一度に読み取れるADF機能の搭載により、大量の資料をまとめてスキャンできるのが便利。封筒や名刺などの特殊用紙を給紙できる手差しトレイやSDカードスロットもあり、さまざまな用途に対応できます。液晶パネルはタッチ操作ができるため、「使いにくい」との口コミとは反対に操作性にも優れています。
印刷コストは大容量タンク式のモデルには及ばないものの、モノクロ印刷で1枚3.0円・カラー印刷で1枚9.9円と、カートリッジ式のなかではトップクラスの安さです。比較した商品には写真印刷に30円以上かかるものもあったなか、写真も23.1円と比較的に安く印刷できたので、「ランニングコストがよい」との口コミにも頷けます。
文書印刷ではカラーが優秀で、色の違いがわかるほどはっきり印刷されていました。比較した商品には色ムラが気になるものもあったのに対し、かすれ・ズレがなく濃淡もしっかり表現されています。モノクロ文書では全体的にグレーがかった色味だったため、発色の薄さが気になったモニターが多くいました。
写真印刷では、自然かつ鮮やかな発色がモニターから好評。口コミには「写真がボケる」とあったものの、かすれ・ぼやけはなく髪の毛などの細部まではっきり印刷できています。赤色がやや薄い点・暗部の印刷の粗さを指摘するモニターもいましたが、高い解像度にこだわらなければ十分きれいな仕上がりといえます。
インクは4色のカートリッジ式。比較したなかでも大容量タンク式はインクの内容量が多いため単価が安く、どの商品も1gあたりのインク代が10円台でした。本商品は1gあたりのインク代が59.82円だったので、コストを抑えつつきれいに印刷したい人はほかの商品もチェックしてみてください。
今回ご紹介するブラザー インクジェットプリンター DCP-J926Nは、使いやすい基本機能が多彩に揃った商品。効率的に文書や画像をプリントできるよう、従来機種と比べて印刷スピードを約1.5倍向上させたと謳っています。
製造元のブラザーは、主にミシンやプリンターを手掛ける日本の大手電機メーカー。プリンターには、家庭用・ビジネス用といった用途に合わせて使える商品が多数ラインナップされています。DCP-J926Nは、メーカーのなかでも人気のあるA4インクジェットプリンター「プリビオ」シリーズの標準モデルです。
複数の書類を素早くスキャンできる自動原稿送り装置(ADF)の搭載により、A4用紙であれば最大20枚までまとめてスキャンが可能。スキャンした書類はパソコンやスマートフォンに保存できるため、書類の保管や紛失防止にも役立ちます。
AirPrint対応・Wi-Fiダイレクトに対応しており、無線LANルーターなしでモバイルからプリンターへ直接通信ができるのも便利。NFC対応の端末であれば、プリンターにタッチするだけで手軽にプリントできますよ。
また、ハガキ以外であれば両面印刷にも対応。プリント画面で設定すると自動で両面プリントされるため、用紙のコスト削減にもつながります。
<スペック詳細>
用紙トレイはL判からA4まで幅広い用紙に対応しており、普通紙は最大で100枚まで給紙できます。前面の用紙トレイは2段構造で、A4用紙とハガキを同時にセット可能。後面にある手差しトレイは封筒や名刺などの特殊用紙に対応していため、さまざまなニーズに沿って印刷できます。
インクカートリッジは4色で、ブラックには滲みにくい顔料インク、シアン・マゼンダ・イエローには美しい発色のカラーインクを採用。文字はくっきりと、写真は鮮やかに仕上がります。また、インク残量に応じておよその印刷可能枚数が表示されるため、インクの交換タイミングがわかりやすいのも魅力のひとつです。
本体の全面には、タッチパネル・給紙トレイ・インクカートリッジを搭載しており、操作やカートリッジの交換まで、初めて使う人でも簡単に扱えるよう使いやすさにこだわって設計されています。
本体のサイズは、幅400×奥行341×高さ172mmとコンパクト。カラーは、ホワイト・ブラックのシンプルな2色展開で、自宅やオフィスのインテリアに合わせやすいですよ。
今回はブラザー インクジェットプリンター DCP-J926Nを含むインクジェットプリンター全15商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、ランニングコストの安さの検証です。
「家庭用インクジェットプリンターの印刷コストに関するガイドライト」(参考:JEITA)をもとに、各商品のカラー文書の印刷コスト表示をチェックしました。また、評価には含まれないものの、1gあたりのインク代も算出。印刷コスト表示・インクの販売価格は、2023年7月現在の各メーカー公式オンラインショップの数字を参照しています。
印刷コストは、申し分なし。モノクロ印刷・カラー印刷を1枚1円以下で印刷できた大容量タンク式の商品と比べると安くはないものの、カートリッジ式のなかではトップクラスの安さでした。検証結果は以下のとおりです。
<印刷コスト>
<1gあたりのインクの単価>
ランキングには含まれていません
モノクロ印刷は、1枚3.0円で印刷可能。比較した商品にはカラー印刷に1枚20円以上・写真印刷に1枚30円以上かかるものもあったなか、カラー印刷は1枚9.9円・写真印刷は1枚23.1円と安く抑えられています。「ランニングコストがよい」との口コミどおりの結果といえるでしょう。
1gあたりのインク代も、59.82円と比較的安め。大容量タンク式の商品と比べて本体価格が安いため、ランニングコストはもちろん初期費用も抑えたい人にぴったりですよ。
次に、文書プリントのきれいさの検証です。
各商品を「標準」または「普通」モードにセットし、コクヨのA4コピー用紙を使用して印刷。20代以上の男女5人のモニターが、モノクロプリント・カラープリントそれぞれの発色のよさや精細さ・正確さを評価しました。
モノクロ印刷では全体的に黒色の発色が薄く、グレーがかった色味を気にするモニターの声が多く集まりました。比較した商品には黒の発色がよくグラデーションも滑らかに印刷されたものもあったなか、「文字がぼやけている」「輪郭がはっきりしない」といった、メリハリの物足りなさを指摘する意見も見受けられます。
<発色のよさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
<精細さ・正確さについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
カラー印刷では、色の違いがはっきりわかるほどきれいに印刷されていました。比較したなかでも6色インクタイプの商品は、色の違いや元データの色合いを細かく表現できる傾向にありましたが、4色インクタイプの本商品も再現性は十分といえます。
文字や図表部分にかすれ・ズレはほとんどなし。比較したなかには色ムラが気になる商品もあったものの、グラフや図表などの濃淡もしっかり再現されていました。全体的に色は薄く感じますが、モニターからは「目が疲れにくい色味で長時間使う資料に向いている」とプラスの意見もあったため、ビジネス用の資料作成にも役立つでしょう。
<発色のよさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
<精細さ・正確さについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
続いて、写真プリントのきれいさの検証です。
各商品を「きれい」または「高画質」モードに設定し、FUJIFILMのはがき用紙の光沢面に印刷。カメラ・写真が趣味のモニター5人が、発色の美しさ・精細さ・正確さを評価しました。
写真の仕上がりは、自然かつ鮮やかな発色がモニターから好評。比較した商品には全体的に彩度が弱いものもあったなか、「色合いがきれい」「鮮やかで美しい」とモニターから高く評価する声が寄せられました。
一方、赤色がやや弱く、一部のモニターから「肌の血色が控えめ」と指摘する声も。とはいえ、人の肌色についても「健康的な発色」「かなり自然な色合い」との声が多かったため、不自然さはそこまで感じないでしょう。
<発色についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
写真の精細さ・正確さを確認したところ、おおむねきれいに印刷できていました。口コミには「写真印刷がボケる」とありましたが、かすれ・ぼやけはなく、小さい車のライトや髪の毛などの細かい部分まではっきりプリントできています。
モニターのなかには「暗色の部分に縦ラインがある」「少しざらついているように見える」と、暗部の印刷の粗さを気にする意見もありました。しかし、比較したざらつき・ぼやけが目立つ商品と比べると滑らかにプリントできていたため、高い解像度を必要としなければ十分満足できる仕上がりといえるでしょう。
<精細さ・正確さについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
最後は、印刷の待ち時間の少なさ・使い勝手の検証です。
各商品を「標準」「普通」モードに設定し、モノクロプリント10枚・カラープリント10枚・写真プリント5枚それぞれを3回ずつ印刷。印刷にかかった平均時間を計測して評価しました。また、前後のトレイ・SDスロットの有無や、搭載しているプリント機能をチェックして使い勝手も確認しています。
モノクロ・カラープリントを10枚印刷したところ、どちらも非常にスピーディに印刷できました。詳しい検証結果は以下のとおりです。
比較した商品にはモノクロ・カラー印刷ともに100秒を超えるものが多かったなか、モノクロは54秒・カラーは85秒とトップクラスの速さ。「印刷スピードが速い」との口コミも納得の結果です。
写真5枚を印刷した時間は243秒と、比較した全商品の平均約208秒(※執筆時点)よりもやや遅め。とはいえ、比較した商品には300秒を超えるものも複数あったことを考えると、写真も十分効率的に印刷できるでしょう。また、自動電源オン機能も搭載されているため、印刷時に電源を入れる必要がなくスムーズに印刷できますよ。
機能性は非常に充実しています。比較した商品には少なかったADF機能が搭載されているため、A4用紙であれば一度に最大20枚まで読み取りが可能。大量の資料をまとめてスキャンしたい場合に役立ちます。
Wi-Fiダイレクトプリントにも対応しており、無線LAN環境がなくてもスマホをプリンターに直接接続できる点も便利。SDカードスロットつきなので、SDカードを直接プリンターに挿すと写真印刷も手軽にできますよ。
全面の用紙トレイは2段構造で、後面の手差しトレイは封筒や名刺などの特殊用紙にも対応しています。タッチ操作が可能な液晶パネルもついているため、「使いにくい」との口コミとは反対に、操作に慣れていない人でもスマホのように直感的に操作できるのも魅力です。
2021/10 発売
自動電源オン機能 | 不明 |
---|---|
QRコード対応 | |
液晶ディスプレイ付き | |
タッチパネル対応 | |
NFC対応 |
幅 | 400mm |
---|---|
奥行 | 341mm |
高さ | 172mm |
重量 | 8.4kg |
インクタイプ | カートリッジ |
最大用紙サイズ | A4 |
給紙トレイ | 不明 |
解像度 | 1200×6000dpi |
自動両面印刷 | 対応(ハガキ非対応) |
SDカードスロットあり | |
ADF機能 | 不明 |
最大給紙枚数(普通紙) | 100枚 |
クラウドプリント対応 | |
スマートスピーカー対応 | |
最大給紙枚数(ハガキ) | 60枚 |
Mopria対応 | |
ディスクレーベルプリント機能 | |
フチ無し印刷可能 | |
Wi-Fi対応 | |
スマホ対応 | |
消費電力 | 不明 |
AirPrint対応 |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
21,190円
(最安)
販売価格:21,190円
ポイント:0円相当
送料無料
(221件)
24,900円
(+3,710円)
販売価格:24,900円
ポイント:0円相当
送料別
(45件)
28,638円
(+7,448円)
販売価格:28,900円
ポイント:262円相当
送料別
29,327円
(+8,137円)
販売価格:29,596円
ポイント:269円相当
送料別
29,655円
(+8,465円)
販売価格:29,927円
ポイント:272円相当
送料別
33,095円
(+11,905円)
販売価格:33,398円
ポイント:303円相当
送料無料
33,095円
(+11,905円)
販売価格:33,398円
ポイント:303円相当
送料無料
ブラザー インクジェットプリンター DCP-J926Nは、公式通販サイト「ブラザーダイレクトクラブ」で販売されています。また、楽天・Amazonなどの大手ECサイトや、お近くの家電量販店でも購入で可能です。値段は取扱店舗によって異なるため、利用しやすいサイト・販売店をチェックしてお得に購入してみてくださいね。
最後に、ランニングコストを抑えられる大容量タンク式の商品をご紹介します。
仕事用に毎日使うなら、キヤノンのインクジェットプリンターGX4030がおすすめです。文書プリントの品質が高く、10枚のモノクロ資料を46秒・カラー資料を74秒とスピーディに印刷可能。ADF機能や高速電送できるスーパーG3など便利な機能が充実しているため、仕事の効率化が期待できます。
コストを抑えつつきれいに印刷したい人は、エプソンのビジネスプリンター EW-M634Tがおすすめ。印刷コストは1枚あたりモノクロ印刷0.4円・カラー印刷1.0円・写真印刷7.6円と、比較したなかでもトップクラスの安さでした。モノクロ・カラープリントともに発色がよく、読みやすい資料を作成できますよ。
自動電源オン機能 | |
---|---|
QRコード対応 | |
液晶ディスプレイ付き | |
タッチパネル対応 | |
NFC対応 |
良い
気になる
幅 | 399mm |
---|---|
奥行 | 417mm |
高さ | 251mm |
重量 | 約9.5kg |
インクタイプ | タンク |
最大用紙サイズ | A4 |
給紙トレイ | 手差しトレイ、カセット2段 |
解像度 | 600×1200dpi |
自動両面印刷 | 対応(ハガキ非対応) |
SDカードスロットあり | |
ADF機能 | |
最大給紙枚数(普通紙) | 250枚 |
クラウドプリント対応 | |
スマートスピーカー対応 | |
最大給紙枚数(ハガキ) | 40枚 |
Mopria対応 | |
ディスクレーベルプリント機能 | |
フチ無し印刷可能 | |
Wi-Fi対応 | |
スマホ対応 | |
消費電力 | 20W |
AirPrint対応 |
Canon ビジネスジェットインクプリンター GX4030の口コミ・評判は?実際に使ってメリット・デメリットを徹底レビュー!
自動電源オン機能 | |
---|---|
QRコード対応 | |
液晶ディスプレイ付き | |
タッチパネル対応 | |
NFC対応 |
幅 | 375mm |
---|---|
奥行 | 503mm |
高さ | 187mm |
重量 | 5.7kg |
インクタイプ | タンク |
最大用紙サイズ | A4 |
給紙トレイ | 前面トレイ |
解像度 | 4800×1200dpi |
自動両面印刷 | 対応(ハガキ非対応) |
SDカードスロットあり | |
ADF機能 | |
最大給紙枚数(普通紙) | 250枚 |
クラウドプリント対応 | |
スマートスピーカー対応 | |
最大給紙枚数(ハガキ) | 30枚 |
Mopria対応 | |
ディスクレーベルプリント機能 | |
フチ無し印刷可能 | |
Wi-Fi対応 | |
スマホ対応 | |
消費電力 | 12W |
AirPrint対応 |
EPSON エコタンク搭載モデル EW-M634Tをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
コンテンツ内で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイベストに還元されることがあります。
掲載されている情報は、マイベストが独自にリサーチした時点の情報、または各商品のJANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し自動で生成しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。