前モデルから11%軽量化され、快適な装着感が売りのノイズキャンセリングイヤホン、HUAWEI FreeBuds 5i。「高音域が伸びている」「バッテリー持ちがよい」と評判な一方で、「ノイズキャンセリングが弱い」という口コミも存在するため、購入するか迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のSONYやボーズなどのノイズキャンセリングイヤホンとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ノイズキャンセリングイヤホン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
HUAWEI FreeBuds 5iは、1万円ほどの価格ながら比較した3万円以上の上位モデルに負けない充実した機能が魅力です。比較したなかでも半数ほどが未対応だったノイズキャンセリングの強弱調整ができ、4つのモードからシーンに合わせて切り替え可能。2台の機器と同時接続できるマルチポイントや、イヤホンの着脱にあわせて電源をON/OFFする着脱検知も搭載しています。
肝心のノイズキャンセリング機能は、すべての音域でノイズが聴こえてしまいました。「ノイズキャンセリングが弱い」との口コミどおりといえます。実際の分析では、中低音のカット率は8.3%と比較した全商品の平均19.7%(※執筆時点)を大幅に下回り、上位商品にも及ばず。立ち上がりの速い音や高音のカット率も十分とはいえないので、電車内やカフェなどでは、周囲の音が気になる可能性があります。
音質は、低音~中低音が際立つ傾向に。低音のビートやボーカルの歌声がはっきり聴こえるので、ジャズやポップスを好む人に向いています。「高音域が伸びている」との口コミに反し、高い音の響きはいまひとつですが、モニターからは「音割れや鋭さはない」「聴き取りやすい」との声があがりました。
解像度も高く、ボーカルの息づかいや楽器の細かい音も再現。一つひとつの音が鮮明に聴き取れました。中高音~高音はややこもりがちですが、バランスがよい音質。全体的にクセのなく、長時間使用しても聴き疲れしないでしょう。比較したなかでも人気のBOSE「QuietComfortEarbudsII」やソニー「WF-1000XM5」のように没入できるほどの臨場感とまではいきませんが、日常的に音楽を楽しむ分には十分な性能でしょう。
連続再生時間はイヤホン単体で最長7.5時間と、通勤や通学時などには十分使用できる長さ。電力消費が多いノイズキャンセリングをONにしてもイヤホンのみで6時間使用できるため、短時間であれば不足はありません。快適な装着感も売りとしていますが、ノイズを十分カットできるとはいえず。環境音を抑えながら音楽を楽しみたい人は、ほかの商品もチェックしてみてくださいね。
そもそもノイズキャンセリングイヤホンとは、周囲の騒音を低減する機能があるイヤホンのこと。一般的にアクティブノイズキャンセリング(ANC)のことを指し、電子処理で騒音と逆位相の波形をぶつけてノイズを低減します。耳を塞ぎ物理的にノイズを遮るパッシブノイズキャンセリング(PNC)では防止できない騒音の低減も可能です。
今回ご紹介するHUAWEI FreeBuds 5iは、同価格帯の商品のなかでは最もノイズキャンセリング性能が高いと謳う商品です。搭載したAIニューラルネットワークアルゴリズムにより、周囲の騒音を区別して高精度のノイズ低減ができるつくり。騒音下でも音がクリアに聴き取れるとされています。
また、アクティブノイズキャンセリング機能には、ダイナミック・ウルトラ・ノーマル・リラックスの4つのモードを搭載。オフィス・自宅・地下鉄など周囲の環境に合わせて自動でモードが切り替わり、最大42dBのノイズを除去できる設計です。
販売元のHUAWEIは、情報通信技術インフラ・スマートデバイスを中心に扱う2005年設立の中国の新興メーカー。ノイズキャンセリングイヤホンとしては、FreeBudsシリーズとより高性能なFreeBuds Proシリーズを展開しています。なかでもFreeBuds 5iは、FreeBudsシリーズのスタンダードモデルです。
音質に関わる機能も注目すべき点です。データの圧縮・変換・復元を示すコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応。解像度が高いハイレゾに対応できる十分な音質を備えたモデルにだけ与えられる、ハイレゾオーディオワイヤレス認証を取得しており、ハイレゾ音源を楽しめる仕様です。
すべての音域をきれいに鳴らす、10mmダイナミックドライバーユニットもアピールポイント。豊富なイコライザーにも対応しているため、好みや音楽に合わせて音質を調整できると謳っています。また、搭載したチップと高性能なアルゴリズムにより、低遅延のサウンドでゲームプレイできるのも特徴です。
2台同時に接続できるマルチポイントにも対応。スマホ・タブレット・PCなど、複数の機器と接続しておけば瞬時にデバイスを切り替えられます。接続機器は専用アプリ「HUAWEI AI Life」から手軽に管理が可能。ペアリングアシスト機能も搭載し、一部のHUAWEI製デバイスであれば充電ケースを開けて近づけるだけで簡単に接続できます。
連続再生時間は、イヤホンのみで最長7.5時間・ケース込みで28時間です。電力消費が多いノイズキャンセリングON時でも、イヤホンのみで最長6時間バッテリーが持つ設計。防塵・防水性能は日常生活であれば十分なIP54規格相当で、壊れるリスクを心配せずに使用できるとしています。
カラー展開は、手馴染みのよいマットな質感のアイルブルーとネビュラブラック、翡翠のようなツヤが美しいセラミックホワイトの3色を展開。丸みのある洗練されたデザインが特徴です。
イヤホン本体のサイズは幅2.17×奥行2.39×高さ3.09cmで、重量は約4.9g。従来モデルよりコンパクトなだけでなく、重さも11%軽量化されています。また、低周波の伝わり方を改良し、イヤホンが耳にフィットしていなくてもクリアに聴こえる仕様です。
なお、シリコンイヤーチップ・USB Type-C充電ケーブル・取扱説明書・保証とアフターサービスのご案内が付属しています。シリコンイヤーチップはS/M/Lの3サイズが入っているため、好みの装着感に合わせた選択が可能です。
今回はHUAWEI FreeBuds 5iを含む、ノイズキャンセリングイヤホン全31商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
はじめに、ノイズキャンセリング性能の高さを検証しました。
ダミーヘッドマイクにスマホと接続したイヤホンを装着し、左右に設置したスピーカーから電車の走行音やクラップ音・パトカーのサイレンの音を再生。ダミーヘッドマイクが聴き取った音を分析して、どれほどノイズを低減できるかチェックしました。
「ノイズキャンセリングが弱い」との口コミどおり、全音域でノイズが聴こえてしまいました。実際にノイズがどれほど小さくなっているか確認したところ、カット率はクラップ音が26.3%・電車の走行音が8.3%。比較した全商品のそれぞれの平均26.5%・19.7%(※執筆時点)を大幅に下回りました。
また、サイレン音のような高音は23.3%低減。比較した全商品の平均21.6%(※執筆時点)をやや上回る結果ですが、十分とはいえません。
比較したなかでも高評価だったソニーの「WF-1000XM5」やBOSEの「QuietComfortEarbudsII」はほとんどのノイズを30%以上低減でき、騒音下でも音楽が聴きやすい傾向がありました。比較すると本品は、電車内やカフェなど環境音がする場所では物足りなさを感じる可能性があります。
次に、音質の検証です。
実際に10名のモニターが楽曲を聴き、低音・中音・高音・解像度・臨場感をチェック。あわせて、ダミーヘッドマイクを使用して周波数帯域を計測し、音の傾向も確認しています。
実際に視聴してみると、低音~中低音域が際立つサウンドでした。低音はやや厚みが物足らないものの、一つひとつの音が鮮明に聴こえます。どの音域もまんべんなく再生され、音数の多い楽器メインのクラシック向きでした。対して本品はボーカルの歌声がはっきり聴こえたため、ジャズやポップスに向きといえます。
また、中音はボーカルの声がはっきりと聴こえ、息づかい・吐息のようなニュアンスも感じられました。とくに女性ボーカルとの相性がよく、ナチュラルな歌声にぴったりです。比較した上位商品より楽器の存在感は少し薄めですが全体のバランスがよく、心地よいサウンドでした。
<低音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
<中音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
一方、「高音域が伸びている」という口コミに反し、中高音~高音域はややこもりがちでした。モニターからは「ある程度のところでピタッと止まる」というコメントがあり、高音の響きはやや物足りないでしょう。とはいえ、音割れや刺さるような高音ではないという意見も多数あり、全体的に聴き取りやすい音質といえます。
<高音についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
解像度は中高音~高音にやや曇りを感じるものの、歌声のニュアンスや楽器の細かい音も聴きとれました。比較したなかでは音質がよいほど音の解像度も優れる傾向が。本商品も上位商品には及びませんが十分な音質を備えており、生音に近いサウンドを楽しめます。全体的にクセがなく長時間使用しても聴き疲れしにくいでしょう。
<解像度についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
臨場感については、迫力や広がり方はややもの足りませんが、音に包み込まれるような感覚を体感できました。比較したSONYの「WF-1000XM5」やボーズの「QuietComfortEarbudsII」のような没入感ある音質には今一歩及びませんが、日常的に音楽を楽しむ分には十分な臨場感を味わえます。
<臨場感についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
続いて、利便性を検証しました。
イヤホン本体で再生・停止・曲のスキップなど、基本操作ができるか使い勝手をチェック。同時に、外音取り込み機能・マルチポイントのような、実用的な機能の有無を確認しています。
便利な機能を多数搭載しており、使い勝手は良好です。比較したなかでも半数ほどしか対応していなかったノイズキャンセリングの強弱調整機能を搭載しているのが特徴。ダイナミック・ウルトラ・ノーマル・リラックスの4つのモードからシーンに合わせた使い分けが可能です。
操作方法はシンプルで、イヤホン本体をタップするだけで再生や停止・音量調整・曲のスキップ・ノイズキャンセリングや外音取り込みの切り替えが簡単に行えるのもポイント。スムーズな操作が可能です。
また、2台のデバイスと同時接続できるマルチポイントにも対応。スマホとPCどちらも接続しておけばスムーズに再生機器を切り替えられます。また、イヤホンの着脱で電源をON/OFFする着脱検知機能も搭載。電源の切り忘れによるバッテリー切れを回避できます。なお、詳細は以下のとおりです。
最後に、連続再生時間の検証です。イヤホンのみとケース込みの連続再生時間をチェックし、充電しなくても長く使える商品ほど評価しています。
連続再生時間は、イヤホンのみで最長7.5時間と通勤・通学時などには十分使用できる性能でした。テレワーク・勉強で1日中使用するにはやや物足りませんが、ケース込みでは最長28時間持つため、使わないときはケースにしまっておきましょう。
なお、比較した全商品のうち半数ほどは、イヤホンのみの連続再生時間が6時間以下でした。しかし本商品は消費電力が多いノイズキャンセリングをONにした状態でも、イヤホンのみで最長6時間・ケース込みで最長18.5時間使用が可能。「バッテリー持ちがよい」という口コミにも頷けます。
<検証データ>
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
24,744円
(最安)
販売価格:24,971円
ポイント:227円相当
送料別
HUAWEI FreeBuds 5iは、メーカー公式サイトで購入できます。公式サイトの価格は、税込み11,800円(※執筆時点)でした。
また、片方のイヤホンを紛失してしまった場合、メーカー保証期間中に限り、サービス利用料のみの補償が受けられるイヤホン紛失サポートも付帯しています。気になる人はチェックしてみてくださいね。
なお、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど、ECサイトでも販売しています。取扱店舗によって値段が異なるため、購入前に比較しましょう。
最後に、ノイズキャンセリングも音質も優れた商品をご紹介します。
音楽に没入したいなら、SONY WF-1000XM5がおすすめです。低音~高音までクリアな音質で、広がりのあるサウンドが特徴。ノイズキャンセリングも高性能なので、どのようなノイズもしっかり低減できます。連続再生時間はイヤホン単体で12時間と長く、仕事・勉強で終日使用できる性能です。
ボーズ QuietComfortEarbudsIIは、キレのある低音で迫力あるサウンドが魅力。ノイズキャンセリング性能も高く、あらゆるシーンでノイズを低減して音楽を楽しめます。ノイズキャンセリングの強弱を細かく調整しプリセット保存できたり着脱検知機能を搭載したりと、利便性も優秀です。
連続再生時間 (イヤホンのみ) | 12時間 |
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連続再生時間 (充電ケース込み) | 36時間 |
イヤホン形状 | カナル型 |
良い
気になる
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
---|---|
ドライバー構成 | ダイナミック型 |
防塵防水性能 | IPX4 |
重量 | 5.9g(片耳) |
マイク付き | |
急速充電対応 |
SONY WF-1000XM5を徹底レビュー!実際に使ってわかったよい点・気になった点は?
最小再生周波数 | 20Hz |
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連続再生時間 (イヤホンのみ) | ノイズキャンセリングON:8時間/ノイズキャンセリングOFF:12時間 |
連続再生時間 (充電ケース込み) | ノイズキャンセリングON:24時間/ノイズキャンセリングOFF:36時間 |
イヤホンの種類 | 完全ワイヤレス型 |
連続再生時間(ノイズキャンセリングなし) | 不明 |
イヤホンの形状 | カナル型 |
連続再生時間(ノイズキャンセリングあり) | 不明 |
タイプ | イヤホン |
イヤーピースの種類 | フォーム |
接続タイプ | ワイヤレス |
おすすめのジャンル | クラシック、ポップス |
最大入力 | 不明 |
ペアリングアシスト機能 | Google Fast Pair |
イヤホン形状 | カナル型 |
ノイズキャンセリングの強弱調節可能 | |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.2 |
ネックバンド付き | |
イヤーフック・イヤーウィング付き | |
Bluetoothクラス | 1 |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
アプリ対応 | |
Bluetoothのプロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
ドライバー構成 | ダイナミック型 |
ドライバーサイズ | 6mm |
プラグ形状 | 不明 |
インピーダンス | 不明 |
再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz |
音圧感度 | 不明 |
特徴 | 不明 |
連続再生時間 | イヤホンのみ:最大8時間(NCオン)、最大12時間(NCオフ)/充電ケース使用時:最大24時間(NCオン)、最大36時間(NCオフ) |
充電時間 | 1.5時間 |
充電端子 | USB Type-C |
防塵防水性能 | IPX4 |
操作方法 | タッチ操作 |
ケーブルの長さ | 不明 |
重量 | イヤホン:7.3g(片耳) |
幅 | 不明 |
奥行 | 不明 |
高さ | 不明 |
MFi認証モデル | 不明 |
マイク付き | |
リモコン付き | |
ノイズキャンセリング機能 | |
空間オーディオ機能 | |
外音取り込み機能 | |
自動パーソナライズ機能 | |
選択式パーソナライズ機能 | |
選択式イコライザー機能 | |
自由調整式イコライザー機能 | |
着脱検知機能 | |
内蔵メモリ | 不明 |
急速充電 | |
接続安定性機能 | 不明 |
急速充電対応 | |
自動電源ON機能 | |
自動電源OFF機能 | |
マルチペアリング対応 | |
マルチポイント対応 | |
AIアシスタント | |
紛失防止機能 | |
リケーブル対応 | |
ハイレゾ対応 | |
ハンズフリー通話対応 | |
再生/停止操作可能 | 不明 |
音量調整操作可能 | 不明 |
曲のスキップ操作可能 | 不明 |
音漏れ抑制機能 | |
電車の騒音のカット率 | 不明 |
電車の走行音の低減dB数 | 13dB |
立ち上がりの速いノイズの低減dB数 | 22.4dB |
特徴 | 不明 |
製造国 | 不明 |
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