フレッツ光から他社に乗り換えられる転用手続き。一般的な乗り換えとは何が異なるのか、特別な手順が必要なのではないかと考える人は多いでしょう。
そこで今回は、フレッツ光の転用とは何か、どのようなメリットが得られるのか解説します。手続きの手順や転用前の注意事項も紹介するので、フレッツ光から他社へ契約を変更したい人はぜひ参考にしてくださいね。
大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また自身が行う検証の中で通信会社の公表値と異なる数値も発表、わかりにくいと言われる通信サービスだからこそ、理解しやすく信頼できるコンテンツの企画制作を心掛けている。
光回線おすすめTOP5
転用とは、フレッツ光の回線を利用したまま光コラボのインターネットに乗り換えることです。契約先はフレッツ光から、光コラボに変更されます。
光コラボとは、NTT東日本・西日本からフレッツ光の通信網を借り受けて、自社サービスと光アクセスサービスなどを組み合わせて回線を提供している事業者のこと。おもな光コラボは、ドコモ光・SoftBank光・So-net光・ビッグローブ光・@nifty光などです。
光コラボで組み合わされる光アクセスサービスなどには、フレッツ光やひかり電話ネクストなどの光ファイバーを利用した通信や、ひかり電話などのオプションが含まれます。転用後もNTT東日本・西日本が取り扱っているサービスが提供されるので、お客さまIDやひかり電話番号は引き継ぎが可能です。
なお、すべての回線事業者が光コラボを提供しているわけではありません。auひかり・eoひかり・NURO光など独自回線を提供している事業者へは転用ができないので、乗り換えの手続きと開通工事が必要です。
フレッツ光から転用する際は、基本的に工事や解約金が発生しません。毎月の支払いや管理の負担を軽減できるなどのメリットも得られるので、積極的に検討しましょう。まずは、フレッツ光から光コラボに転用するメリットを紹介します。
独自回線への乗り換えとは異なり、開通工事や解約金は不要です。光コラボはフレッツ光の提供を受けて行っているサービスなので、設備を変える必要がありません。
独自回線に乗り換える際は工事予約・工事の実施・機器の接続などが必要となり、開通まで1〜2か月かかるのが一般的です。フレッツ光の解約金や独自回線の開通工事費として、50,000円ほどの請求も発生します。
一方、転用する際は工事予約の手間や支払い負担を削減できるうえに、インターネット回線が利用できない期間がありません。フレッツ光から必要な情報を取得し不要なオプションを解除して、光コラボ事業者に申し込めば手続きは完了です。
ただし、契約中のプランによっては工事が必要になることもあります。工事が必要になるかは、転用先の光コラボで確認してくださいね。
転用先によっては、月額料金が安くなる場合があるでしょう。毎月の利用料金が安く設定されているうえに、なかにはスマホとのセット割が適用できる光コラボがあります。フレッツ光と光事業者の月額料金を比較した結果は、以下のとおりです。
フレッツ光:月額5,720〜6,270円+プロパイダ利用料金 月額500~1,300円程度
光コラボ:プロパイダの利用料金を含め、月額4,000~7,000円程度
なかには、So-net光のように月額3,400円ほどで利用できる、リーズナブルな光コラボもあります。月額料金を節約したい人は、積極的に転用を検討しましょう。
また、スマホとのセット割を適用すると、スマホの月額料金が1回線につき550〜1,100円ほど安くなります。たとえばドコモ光ならドコモのスマホ、So-net光ならUQ mobileとセットで契約するとお得です。
セット割は家族にも適用されるので、光コラボの月額料金と同額以上の割引を受けられる可能性もあります。転用を検討しているなら、利用中のスマホキャリアとのセット割を適用できてお得な光コラボを候補に入れてくださいね。
キャンペーンを実施している光コラボも多いのでチェックしておきましょう。キャッシュバックや月額料金が数か月分実質無料になるなど、さまざまな特典を適用できる場合があります。セット割を適用できない人は、開催中のキャンペーンに重点を置いて選ぶのがおすすめです。
請求や問い合わせ窓口を一本化できて、手間を軽減できるのもメリットです。光コラボはプロバイダとセットで提供されるので、回線事業者とプロバイダそれぞれで対応が異なることがありません。
請求と窓口が一本化されていると、契約手続きや支払いが1回で済むので管理しやすくなります。万が一トラブルがあっても1か所の窓口に問い合わせればよいので、相談から解決までがスムーズです。
ただし、プロバイダの選択肢が複数用意されている光コラボもあります。請求や問い合わせ窓口が分かれてしまうケースもあると認識しておきましょう。
回線速度が速くなり、通信が快適になる可能性も。光コラボ事業者によっては通信が安定するように、新たな接続方式を取り入れていることがあります。
2024年9月時点のみんなのネット回線速度による、フレッツ光ネクストと光コラボの平均速度は以下のとおりです(参照:みんなのネット回線速度)。
とくに、IPv6(IPoE)接続方式を採用している光コラボは、より安定した高速通信を実現しやすいのでおすすめです。IPv6(IPoE)は回線が混雑しにくい方式であり、対応しているかどうかは各光コラボの公式サイトから確認できます。
一方で、光コラボ事業者やプロバイダによっては速度が遅くなることも。回線速度の口コミなどもチェックしたうえで、よく検討してくださいね。
フレッツ光から光コラボへ転用するには、まず転用変更承諾番号を発行し、光コラボ事業者に申し込みます。その後、プロバイダの解約を済ませましょう。ここでは、転用の手順を詳しく解説します。
まずは、NTT東日本・西日本で転用変更承諾番号を発行しましょう。公式サイトの「転用のお手続きをはじめる」から手続きを行うか、電話窓口から取得が可能です。
<フレッツ光の電話窓口>
転用変更承諾番号を発行する際には、以下の情報が必要です。
お客さまIDは、フレッツ光契約時に受領した開通案内で確認できます。紛失した場合は、NTT東日本・西日本の総合窓口に問い合わせましょう。
転用承諾番号の有効期限は、発行から15日間です。15日目をすぎると再度発行する必要が生じるので、早めに次の手続きを行いましょう。
次に、乗り換えたい光コラボ事業者に申し込みましょう。手続きは光コラボの公式サイト・電話窓口・店舗などから行ってください。契約者情報や発行した転用承諾番号などを伝えて手続きを終えると、契約資料などが郵送されます。
転用後はフレッツ光の最終利用月の請求額が日割りになるので、光コラボと二重で請求されることはありません。ただし、光コラボ側で契約事務手数料として3,300円請求されることがあるので、規約によく目をとおしてくださいね。
乗り換え完了までにかかる期間は光コラボによって異なります。最短でも申し込みから2日目以降に開通するので、余裕を持って手続きを行いましょう。
フレッツ光に機器を返却する必要はありません。ただし、自社の機器を提供している光コラボもあるので、転用先の指示に従いましょう。
光コラボに転用したあとに、フレッツ光で契約していたプロバイダは解約の手続きをする必要があります。フレッツ光とは異なり、プロバイダは自動で解約されません。
解約する際は、プロバイダの公式サイトの案内に従って手続きを行いましょう。解約手続きに関する質問がある場合は、公式サイトのチャットやよくある質問なども確認してくださいね。
なお、フレッツ光で契約中のプロバイダが転用先の光コラボでも提供されているなら、解約する必要がないこともあります。たとえば、フレッツ光で契約していたOCNを転用先のドコモ光でもプロバイダとして使うのであれば、解約は不要です。プロバイダを変更する必要性を感じなければ、継続して利用しましょう。
フレッツ光から転用する際は、いくつかの注意点があります。把握していないと支払いの負担が大きく感じたり、スムーズに手続きできなかったりするので、事前に確認しましょう。
契約中のプロバイダによっては、解約金が発生するので注意しましょう。大半のプロバイダは、所定の契約期間を設けています。おもなプロバイダの解約金と契約期間は、以下のとおりです。
転用するタイミングは、契約の更新月がおすすめです。契約期間の完了を迎える月に解約すれば、解約金はかかりません。
フレッツ光の開通工事を分割払いしており支払いが終わっていないと、残債を一括請求されることがあります。フレッツ光の工事費用は11,660〜22,000円で、1か月目に初回費用を支払い、2か月目から24か月目まで分割で支払う仕組みです。
たとえば、工事費用22,000円で残回数7回の場合、6か月分×779円と最終月分783円で総額5,457円の一括請求が発生します。自分の工事費がどのくらいなのか知りたい場合は、フレッツ光の明細サービスにて確認してくださいね。
なお、光コラボによっては工事費用の分割払いを継続できることがあります。フレッツ光の工事費用に適用されている割引も引き継げる場合があるので、転用先に確認しましょう。
光コラボに転用する前に、フレッツ光のポイントを使い切っておきましょう。貯めたポイントは、転用時に失効してしまいます。
フレッツ光のポイントは、利用月に応じて加算されているもの。ポイント提供はすでに終了していますが、保有しているポイントは好きな商品との交換や抽選応募に利用できます。
なお、条件を満たせばポイントを維持できる場合も。オプションサービスの利用やメールマガジン配信設定などが求められるので、フレッツ光の公式サイトから設定してくださいね。
回線の契約者名義を変更したい場合は、転用前に手続きを済ませておきましょう。名義変更とは、契約者の氏名変更や別人に契約を引き継ぐ手続きの総称です。結婚などによる改姓の場合は改称、契約者の死亡によって別人へ引き継ぐ際は承継、契約者を家族や第三者に変更するなら譲渡と呼ばれる手続きを行う必要があります。
ただし、SoftBank光やビッグローブ光などでは、譲渡を受け付けていません。また、一部の光コラボでは、家族や第三者を契約者とする名義変更には対応していないので注意してください。
譲渡の手続きは、1回線につき880円かかります。現契約者と新契約者の本人確認書類を用意したうえで、フレッツ光の公式サイトから手続きを行ってください。
名義変更に対応していない光コラボに転用してから契約者を変更する場合は、一度解約しなければいけないことも。契約者は継続しても問題ないか、転用する前に確認しておきましょう。
事業者からの勧誘を受けてもすぐに手続きをせず、必要性を検討しましょう。サービスに関する十分な理解がないまま契約したことで、トラブルに発展するケースは少なくありません。
実際に、光コラボ事業者に安くなるといわれて契約したものの、把握していないオプションが追加されており月額料金が高くなった事例もあります。転用する際は、契約する光コラボ事業者名・サービス名・オプションの有無・月額料金・解約金などを確認し、内容をしっかり把握したうえで申し込んでください。
なお、NTT東日本・西日本の関連事業者を装って、転用承諾番号の取得を依頼する電話には注意しましょう。フレッツ光からは、転用の勧誘を行うことありません。
万が一契約してしまっても、契約書面受領日から8日以内であれば利用者の都合のみでキャンセルが可能です。解約の相談をしたい場合は、一般社団法人電気通信事業者協会・消費者ホットライン・総務省などの窓口も活用してくださいね。
月額料金を安くしたい、もっと快適な通信環境を整えたいと考えている人は多いでしょう。独自回線の対象エリアに住んでいるなら転用にこだわらず他社への乗り換えも検討すると、自分に適した光回線を探しやすくなりますよ。
どの光回線が適切なのかは、ライフスタイルや環境によって異なるもの。以下のコンテンツで選び方やおすすめをチェックして、通信速度が速く料金が安い光回線を選んでくださいね。
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