ストレッチ性が高く、しなやかな着心地と謳う登山用レインウェア、ファイントラック エバーブレス フォトンジャケット。「着心地がよい」「ストレッチが効く」など高評価の口コミを見かけますが、実際のところどうなのか気になりますよね。
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の登山用レインウェアとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、登山用レインウェア選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
アウトドア用品・自転車・スポーツ用品・PC本体・PC関連用品など、幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」をモットーに、コンテンツ制作を行なっている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
ファイントラック エバーブレス フォトンジャケットは、蒸れにくく使いやすいものをお探しの人にぴったりです。水蒸気の通しやすさを表す透湿度を計測すると、9,240g/m2/24hと比較した全商品の平均値4,066g/m2/24h(※執筆時点)の2倍近い数値をマーク。左右脇には長さ33.5cmの大型ベンチレーションも備え、内部の蒸れを効率的に逃がせます。丸1日使っても快適に過ごせるでしょう。
耐水圧は実測値で13,001mmと、大雨にも耐えられるレベルです。ただ比較した全商品の平均値22,841mm(※執筆時点)は下回り、嵐のような雨風が強いシーンには物足りない可能性も。とはいえファスナーや縫い目の止水処理がしっかり施されており、隙間から雨が侵入する心配は少ないといえます。
便利な機能が豊富で使い勝手も高評価。ストレッチ素材を採用し、比較した伸縮性がなく窮屈に感じた商品とは違って、大きく手を上げる動作も楽に行えました。フードはヘルメットの上からでも被りやすく、縦・横の幅も簡単に調節可能。胸ポケット・内ポケットはザックに干渉しない位置にあり、小物の取り出しもスムーズです。
重さも288gと比較的軽く、全体平均値約327g(※執筆時点)を下回りました。とことん軽量化にこだわるU.L.(Ultra Light)志向の人には100g台の商品がおすすめですが、本品は軽量性と機能性のバランスがよいのが強み。専用のスタッフサックも付属するので、コンパクトに持ち運べます。
耐久性も良好。やや薄手ですが、格子状のリップストップ生地を使い、引き裂きに強い点がメリットです。ただ突き刺しには弱いので、登山中は周囲の障害物に引っ掛けないよう注意しましょう。とはいえ総合的にみると弱点の少ない優秀なアイテム。汗をかきやすい人や、運動量が多いシーンで使うなら、ぜひ検討してみてください。
登山用レインウェアは、冷たい雨風をしのぎ、快適に登山を楽しむためのアイテム。雨を防ぐだけであれば、100円ショップのビニールガッパでも対応可能です。ただ汗による蒸れを防いで低体温症のリスクを軽減させるためにも、登山用レインウェアを準備しましょう。
今回ご紹介するファイントラック エバーブレス フォトンジャケットもそのひとつ。不意の動作にも追従するしなやかさを持つと謳っており、横方向に130%ストレッチが効く仕様です。
販売元のファイントラックは、兵庫県神戸発の国内アウトドアメーカー。街着としても使えるウェアや本格的な登山に対応するものなど、幅広い登山アイテムを取り扱っています。
生地は3層構造で、表側にはナイロン系ストレッチ素材、裏側にはナイロン系ニット素材を採用。中間層の防水透湿素材には、次世代型防水透湿メンブレンと謳うメーカー独自素材「エバーブレス」を使用しています。
生地の表側・裏側の両方に防水加工を施しているのも注目したい点です。雨・汗のどちらにも対応することで、透湿性能の維持に貢献。防水性をさらにアップする、フルシームシーリング加工もされています。防水・透湿性能が経年によって失われにくい点もエバーブレスの特徴です。
「リンクベント」という独自のベンチレーションシステムも導入。両脇に備わる通気口を開ければ、内部の蒸れをスピーディに軽減できる設計ですよ。
左胸にはジッパーつきの大型ポケットがあり、小物の収納に便利です。付属のスタッフバッグに収納すれば、片手に収まるほど小さくまとまりますよ。フード部分には形状保持プラスチックを使用しているほか、音抜き穴や調整用のドローコードも装備しています。
カラーバリエーションは全5種類で、セルリアンブルー・オリーブドラブ・ブラック・シグナルレッド・グリーンシトラスから選択可能。バタつき・モタつきを軽減するスリムなデザインに仕上げており、サイズはS・M・L・XLの4種類から選べます。公式サイトのサイズ表などを参考に、体型に合ったものを選びましょう。
今回はファイントラック エバーブレス フォトンジャケットを含む、登山用レインウェア全12商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、防水性の高さの検証です。外部専門機関で耐水圧を計測し、止水テープ・ファスナーの処理も確認。「台風並みの暴風雨(30m/s、30mm/h)でも中が濡れない商品」を高評価としました。
続けて、蒸れにくさの検証です。外部専門機関で透湿度を計測。生地の保温性・ベンチレーションの有無も確認し、「夏の雨の日の樹林帯をレインウェアを着用しながら中程度の強度で1時間行動しても、なかのウェアが汗でびしょ濡れにならない商品」を満足の基準として評価しました。
実際に測定すると、耐水圧は13,001mmと大雨にも耐えられる防水性能。ただ比較した全商品の平均値22,841mm(※執筆時点)は下回っており、嵐の中のような過酷な環境で使うにはやや物足りない可能性があります。
シームテープ加工が施されていて、ファスナーや縫い目の止水処理は問題なし。隙間から雨が侵入するリスクは少ないでしょう。荒れた天候でなければ快適に使えますよ。
蒸れにくさは比較した商品内でもトップレベルです。透湿度の実測値は9,240g/m2/24hと、比較した全商品の平均値4,066g/m2/24h(※執筆時点)の2倍近い突出した数値をマークしました。
左右の脇には、33.5cmの長さの大型ベンチレーション機能を装備。ベンチレーションのないモデルと並ぶと、内部の蒸れを効率的に逃せるのがメリットです。裏地はニット系なので、蒸れた際も気持ち悪さを感じにくいでしょう。
生地は若干薄い程度で特別涼しいとはいえないものの、暑さや寒さに対応しやすいつくり。ファイントラックでは内部に着るウエアにもベンチレーションを導入しているため、統一すればより快適に登山を楽しめそうです。
次は、持ち運びやすさの検証です。
重量・収納機能をチェック。「1gでも荷物を減らしたい山行でもためらわずに持っていける重量で、収納しやすい機能がある商品」を高評価としました。
持ち運びやすさも高評価です。重さは実測値で288gと、比較した全商品の平均値約327g(※執筆時点)を下回りました。とことん軽量化にこだわるU.L.(Ultra Light)志向の人はやや重く感じるかもしれませんが、軽量性と機能性のバランスの取れたモデルといえるでしょう。
専用のスタッフサックが付属するのもうれしいポイント。収納すればコンパクトに持ち運べますよ。
次は、使い勝手のよさの検証です。
ファスナー・フードの仕様、裾・袖の調整機能、ポケットの数や位置などを確認。「夏山登山で快適に使用できる機能が網羅され、ユーザーに配慮した独自の工夫がある商品」を高評価としました。
使い勝手も非常に優秀です。比較したほかの商品には生地に伸縮性がなく窮屈に感じるものがあったなか、ストレッチ素材を採用しています。「着心地がよい」「ストレッチが効く」との口コミどおり、岩場など腕を大きく上げて登るシーンでも快適に動けました。
フードはヘルメットの上からでも被りやすく、縦・横の調節も片手で紐を引くだけと簡単。顔に雨があたるのを防ぐひさしも備えています。フード後部に音抜け穴があり、フードを被っていても音が聞こえやすい構造もほかの商品にはあまりない機能でした。裾と袖も調節可能です。
フロントファスナーはシングルタイプで片側からしか開けられませんが、すべてのファスナーにタブを装備。グローブを装着したままでも簡単に開閉できます。ザックベルトが干渉しない位置に、大容量の胸ポケット・内ポケットがある点も見逃せません。小物の収納に重宝するでしょう。
最後は、耐久性の高さの検証です。
生地の厚み・突き刺し強度・引き裂き強度をチェック。「藪漕ぎなどのハードな登山を中心に、2シーズン使用しても壊れない耐久性がある商品」を高評価としました。
やや薄手の生地を使用しているものの、格子状に編み込むリップストップ生地を使用しており、引き裂きに強い点がメリットです。ある程度の摩擦や擦れには対応できるでしょう。
一方で、突き刺しに弱い点はデメリット。直径1mmの針を貫通させるのに必要な力は2.79Nで、比較した全商品の平均値3.76N(※執筆時点)を下回りました。登山中は枝などに引っ掛けると穴が空く可能性があるので、注意してくださいね。
ファイントラック エバーブレス フォトンジャケットは、Amazon・楽天市場などのECサイトで購入可能です。送料や値段を比較して、お得に購入できる取扱店舗を選びましょう。
また、ファイントラックの公式ウェブストアでも購入できます。価格は執筆時点で税込29,040円(※公式サイト参照)。トレッキングパンツや機能性インナーなども販売されているので、あわせてチェックしてください。
ファイントラック エバーブレス フォトンジャケットは、定期的な洗濯が必要。柔軟成分の含まれていない中性洗剤を使用して洗いましょう。洗濯機で洗う場合は、洗濯ネットに入れて標準コースで洗います。洗剤が残ると機能低下の原因になるので、すすぎを1回プラスするのがおすすめです。
手洗いする場合は、揉み洗いは避け押し洗いをします。洗剤が適切な濃度になるよう、たっぷりの水に控えめの量を入れて調節しましょう。洗い終わったら風通しのよい日陰で吊り干しします。直射日光があたる場所で干し続けると劣化や変色の原因になるので注意が必要です。
どの洗剤を使えばよいか悩む場合は、ファイントラックの高機能ウエア専用ケアブランド「Carefine」の洗剤(オールウォッシュ)を使用するのもおすすめ。長く愛着を持って使い続けたい場合は、あわせて購入を検討してみてください。
(参照:公式サイト)
最後に、防水性が高く過酷な環境下の登山でも快適に着用できるモデルをご紹介します。
耐水圧が高い商品をお探しなら、モンベル mont-bell ストームクルーザージャケットがおすすめ。耐水圧の実測値は26,013mmと高いうえ、透湿度も6,504g/m2/24hと優秀な数値をマークしました。濡れにくく蒸れにくいという、レインウェアの重要なポイントを抑えた機能性の高いモデルといえます。
街着としても使いたいなら、MILLET MOUNTAIN GROUP ティフォン50000 ストレッチジャケットがぴったり。しなやかな着心地とスリムなシルエットが魅力で、通勤・通学にも活躍します。耐水圧の実測値も24,004mmと大雨にも耐えられる仕様。ポケットも外側2か所に備わっていますよ。
用途 | 登山用 |
---|---|
穴あき強度(実測) | 4.16N |
対象 | メンズ |
身幅(実測) | 57cm |
裄丈(実測) | 88cm |
着丈(実測) | 68cm |
重量 | 254g |
重量(実測) | 255g(Lサイズ) |
種類 | ジャケット、レインウェア |
素材 | ゴアテックス、ナイロン |
耐水圧 | 50,000mm以上 |
耐水圧(実測) | 26,013mm |
透湿度 | 35,000g/m2/24h |
透湿度(実測) | 6,504g/m2/24h(JIS L 1099 A-1法) |
撥水加工 | |
防水加工 | |
収納袋付き | |
難燃性 | |
反射材付き | |
裾を絞れる機能 | |
パンツにサイドファスナーあり | |
リュックを背負ったまま使用可能 | |
硬いバイザー付き | |
ベンチレーション付き | |
裏地がメッシュ・ニット | |
フードの調整機能 | |
ファスナーのカバー付き | |
止水テープ付き | |
ヘルメットの上から被れるフード | |
メンブレン. | GORE-TEX |
特徴 |
モンベル ストームクルーザージャケットをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
用途 | 登山用 |
---|---|
穴あき強度(実測) | 2.33N |
対象 | メンズ |
身幅(実測) | 63cm |
裄丈(実測) | 90cm |
着丈(実測) | 73cm |
重量 | 304g |
重量(実測) | 325g(EU Mサイズ) |
種類 | ジャケット、レインウェア |
素材 | ナイロン |
耐水圧 | 20,000mm |
耐水圧(実測) | 24,004mm |
透湿度 | 50,000g/m2/24h |
透湿度(実測) | 3,024g/m2/24h(JIS L 1099 A-1法) |
撥水加工 | |
防水加工 | |
収納袋付き | |
難燃性 | |
反射材付き | |
裾を絞れる機能 | |
パンツにサイドファスナーあり | |
リュックを背負ったまま使用可能 | |
硬いバイザー付き | |
ベンチレーション付き | |
裏地がメッシュ・ニット | |
フードの調整機能 | |
ファスナーのカバー付き | |
止水テープ付き | |
ヘルメットの上から被れるフード | |
メンブレン. | DRYEDGE TYPHON 50000 |
特徴 |
コンテンツ内で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイベストに還元されることがあります。
掲載されている情報は、マイベストが独自にリサーチした時点の情報、または各商品のJANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し自動で生成しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。