FXとは？始め方からやり方・稼ぎ方まで、初心者にもわかりやすく解説

FXとは2国間の通貨を売買して差額で利益を狙う投資手法のこと。Foreign Exchangeの略で、日本での正式名称は「外国為替証拠金取引」です。

FXの仕組みは、海外旅行に行った際の外貨両替をイメージするとわかりやすいでしょう。アメリカに行くときは日本円を売ってドルを買い、旅行が終わったら残ったドルで再び日本円を買って両替をします。各国の通貨の価格は日々変動しているため、通貨を売買することで利益が出る可能性もあります。

FXで取引する2国間の通貨の組み合わせは「通貨ペア」と呼ばれ、日本円と米ドル（JPY/USD）や日本円とユーロ（JPY/EUR）などが代表的なものです。

FXで得られる利益は2種類あり、その1つが為替差益です。

為替差益とはキャピタルゲインとも呼ばれ、為替レートが予測した方向に変動したときに通貨を売買することで生じる利益のこと。

たとえば1ドル=100円のときに10万円を1,000ドルに交換し、1ドル＝120円に変動したとしましょう。この場合はドルに対して日本円の価値が20円下がり、円安が進んだ状況です。このときに保有しているドルを再び円に両替すると12万円になり、差額の2万円が利益となります。

同じく1ドル=100円のときに10万円を1,000ドルに交換し、1ドル＝90円に変動して円高が進んだ場合、このタイミングで保有しているドルを再び円に両替すると9万円になり、差額の1万円が損失となります。

FXで得られる2つ目の利益はスワップポイントです。スワップポイントとは通貨を交換する2国間の金利差のこと。インカムゲインとも呼ばれ、この金利差を利用して利益を得られます。

2つの通貨のうち金利が高い通貨を買って金利が低い通貨を売った場合はスワップポイントを受け取れます。逆に金利が低い通貨を買って金利が高い通貨を売った場合は、スワップポイントを支払わなければなりません。たとえば、金利9％のトルコリラと金利-0.1％の日本円の通貨ペアがあった場合、日本円を売ってトルコリラを買えば金利差9.1％分が利益になります。

スワップポイントは、高金利通貨を保有しているだけで日々収益を得られるのがメリット。しかし、高金利通貨は為替相場が急激に変動するリスクもあるため、投資する際は注意が必要です。

FXでは原則的に平日は24時間取引が可能。外国為替市場は世界各国で開かれており、時差によって常にどこかの国の市場がオープンしているためです。

たとえば、東京市場は8:30〜19:00、ロンドン市場は16:00〜翌2:00、ニューヨーク市場は21:00〜翌6:00といった具合（すべて日本時間）。国によってクリスマスは営業時間を短縮している市場や、サマータイム期間中は営業時間が異なる市場もありますが、基本的に平日は24時間取引できると考えてよいでしょう。

FXでは相場が下落しているときでも利益が狙えます。FXは買ってから売る注文だけでなく、先に売ってから買い戻す取引も可能です。

相場が今よりも上がると予測したときは買い注文を入れ、下がると予測した場合には売り注文を入れます。その後、予測したとおりに相場が動いた場合は利益を得られ、予想とは逆に相場が動いた場合はその分だけ損失が発生します。

一般的な株式投資では安いときに買い、高くなったところで売ることでしか利益を狙えませんが、売りからスタートすることで相場が下落したときでも利益を狙えるのがFXの大きな特徴です。

FXはレバレッジの仕組みを利用して、少ない資金で大きな金額の取引が可能です。

レバレッジとは小さな力で大きなものを動かす「てこの原理」のこと。FXでは最大で自己資金の25倍の金額の取引ができます。

たとえば1ドル=100円のときに1,000ドルを買おうとした場合、本来は10万円が必要ですすがレバレッジを利用すると同じ1,000ドルを4,000円で買えます。

ただし、レバレッジをかけた分だけ損失も膨らみやすい点には注意しましょう。価格が急激に変動した場合には短期間で大きな損失を被るリスクがあります。

まずは最小取引単位とスプレッドに注意しつつFX会社を選びましょう。

最小取引単位とはロットとも呼ばれ、1回の売買で取引できる通貨の数量のこと。最小取引単位が小さいほど、少ない資金で投資を始められます。1ロット＝1,000通貨や10,000通貨と設定されているのが一般的ですが、FX会社によっては1ロット＝1通貨から取引可能。たとえば、米ドル/円の通貨ペアで1ドル=100円だった場合、1ロット＝1通貨なら100円、1,000通貨なら10万円が取引に必要な最低金額です。

スプレッドとは通貨ペアを売買するときの買値と売値の差のことで、実質的な取引手数料にあたります。スプレッドが狭いほど低コストで取引できるので、なるべくスプレッドが狭いFX会社を選んだほうが得です。

とはいえ、FX会社はたくさんあるため、どこを使えば良いか迷ってしまいますよね。以下の記事でFX会社のスプレッド、スワップポイントなどを徹底比較しているので、FX会社選びの参考にしてください。

利用するFX会社を決めたら、その会社で口座開設をします。

口座開設は各FX会社のサイトから申し込めます。その際に本人確認書類とマイナンバーカードが必要になるので事前に準備しておきましょう。

FX会社によっては、スマホ1台で本人確認を完結できる場合もあり、最短で当日中に口座開設が完了するケースもあります。

すべての審査が完了すると、メールや郵送で口座開設完了通知が届きます。通知のなかに開設した口座へのログイン情報が記載されているので、実際にログインして確認してみましょう。

口座開設が完了したら、証拠金を入金して取引を開始できます。

入金方法はFX会社によってさまざまですが、指定口座に振り込む方法やインターネットバンキングでの振り込みが一般的です。

入金が確認できたら実際に通貨ペアを選んで取引を開始しましょう。

初心者のうちはレバレッジをかけすぎないようにしましょう。

レバレッジは最大で入金額の25倍までかけることができ、少額で大きな利益を狙える反面、大きな損失につながるリスクも高まります。

少しの値動きで大きく資金が変動するため、初心者にはハードルが高いです。はじめのうちは操作に慣れることやリスクを抑えることを重視して、低レバレッジの取引から始めましょう。

むやみに複数の通貨ペアで取引しないことも大切です。

通貨ペアにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。選択した通貨ペアによってすべきことも異なるため、初心者のうちは取引の管理や情報収集がおろそかになり、失敗する可能性が高くなります。

早く利益を出したいからといって、知識や経験がない状態でさまざまな通貨ペアに手を出すのは逆効果です。慣れるまでは流通量が安定しており、情報収集もしやすい米ドル/円の取引がおすすめです。