仮想通貨の海外取引所はおすすめできない？メリットやデメリットを徹底解説

海外の仮想通貨取引所は、海外事業者が各国の法律に基づいて運営するサービスです。

日本で暗号資産交換業を行うには金融庁への登録が必要になっており、国内取引所は認可を受けて事業を展開しています。日本での事業者登録をしないまま、日本人の利用を認めている海外取引所は違反状態にあるといえます。

しかし、実際にはサイトやアプリを通じて日本から利用できる海外取引所はいくつもあります。また、その利用を禁止する法律はないので、利用すること自体は違法ではありません。

しかし、倒産したり、預けたお金が出金できなくなったりというトラブルの際に、日本の法律や金融庁によって保護やサポートを受けることはできないので、利用には注意が必要。詐欺やハッキングなどの被害に遭った場合も自己責任となり、預けた資産が戻ってこない可能性もあることは知っておきましょう。

海外通貨取引所にはCEXとDEXの2つのタイプがあります。

CEXは、企業が管理している従来型の仮想通貨取引所のことで、日本で法令に基づいて運営している取引所は、すべてCEXです。利用には本人確認書類の提出が必要で、仮想通貨の所有に関するデータもCEXが管理しています。

一方のDEXは、管理者が存在せずユーザー同士が直接取引を行う取引所です。ユーザーに取引のための場所を提供している、と考えるとイメージしやすいでしょう。個人情報を登録する必要がなく、仮想通貨の所有データはユーザー自らが管理するので、手数料も安く利用できます。

すでに仮想通貨を持っていれば、ウォレットを繋ぐだけですぐに利用開始できるうえ、従来型のCEXより効率よく資金運用できるのがDEXの魅力。ただし、管理者がおらず、トラブルがあった場合も自分で対処しなくてはいけないので、仮想通貨に対して十分な知識がないと利用は難しいでしょう。

海外取引所の大きなメリットは取扱通貨の種類が多く、日本では取引されていないコインの売買ができることです。

仮想通貨取引所の最大手といわれるBinanceの取扱銘柄は600以上。一方、日本では金融庁が承認した仮想通貨しか取引できないので、GMOコインやCoincheckでも20種類程度です。

誕生したばかりの通貨や、日本で売買されていない通貨の取引に挑戦してみたい人には、海外取引所は魅力的。しかし、新しい通貨の中には詐欺コインも混ざっているので要注意です。取引所自体が架空のものだったということもあるので、十分に調べてから利用しましょう。

レバレッジの高さも、海外取引所の魅力のひとつ。たとえば、Binanceでは最大125倍までのレバレッジをかけることができます。

仮想通貨取引の仕組みは、実際に仮想通貨を買うのではなく、担保となる資金を預け入れたうえで仮定の売買を行い、その差額が収益になるというもの。レバレッジとは、その際に担保金の何倍までの取引ができるかを表す数字です。レバレッジが大きいほど、少ない資金で大きなリターンが期待できることになります。

例えば、1万円を担保として預け入れた場合、レバレッジが最大2倍の取引所では2万円分までの取引しかできませんが、最大10倍の取引所の場合は10万円分の取引が可能です。

日本で仮想通貨取引を行う場合、レバレッジは2倍までと規制されています。しかし海外取引所にはこういった規制がなく、100倍以上の取引が可能なことも珍しくありません。少ない資金でも、大きく儲けるチャンスがあります。

手数料やスプレッドなど、取引コストの小ささでも海外取引所は魅力的です。売買を頻繁に繰り返す場合は、入出金などにかかる取引手数料の低い取引所の方が、効率的に利益を見込めます。

買値と売値の差を表すスプレッド（利ざや）も、利益を左右する要素です。例えば買値が100円で売値が90円の場合、スプレッドは10円ということになり、購入した通貨が10円以上値上がりしてから売却しないと利益が出ません。スプレッドが小さい方が有利に取引できます。

海外取引所は国内取引所と比べ、手数料・スプレッド双方で負担が少ない場合が多いのが、人気の一因となっています。

なお、日本の金融庁はゼロカットシステムを禁止しているので、国内取引所は導入できません。

取引量が多い海外取引所は、売買を行いやすい点も魅力です。

取引量の少ない取引所では、売買が成立しにくいことがあります。例えば、1万円で買い注文を出しても、1万円で売りたい人がいなければ取引は不成立です。逆に自分は売りたいのに、誰も買ってくれないということもあります。

取引所の取引量が多いということは、それだけ売買が活発で取引が成立しやすいということ。細かな値動きに合わせて頻繁に売買をしたい人には、海外取引所はチャンスが多いといえるでしょう。

海外取引所の中でもDEXは本人確認の必要がなく、登録が簡単。所有している仮想通貨のウォレットを連携するだけで取引開始できる場合もあり、手軽さが魅力です。

国内取引所では必ず本人確認が必要です。また18歳以上や20歳以上など、取引所によって年齢制限があり、日本国内に居住していなければなりません。転勤や留学、海外移住を考えている人にも、海外取引所は使いやすいでしょう。

海外取引所のメリットとして、キャンペーンやボーナスなど魅力的なサービス展開が多いことも挙げられます。一例として、2023年1月現在、Bybitでは、入会特典として最大5,000USDTがもらえるキャンペーンを実施中です。

ちなみに、国内取引所でもキャンペーンが行われていることがあるので、公式サイトをチェックしてみるとよいでしょう。

たとえば、Coincheckは口座開設にあたり、紹介した人も、された人も1,000円もらえるキャンペーン実施中。GMOコインは、暗号資産の購入で毎日10人に1,000円が、暗号資産FXで毎日1人に1万円が当たるキャンペーンを行っています。bitFlyerは、口座開設でもれなく2,500円相当のビットコインを獲得できます（いずれも2023年1月現在）。

無規制の海外取引所ではトラブルに巻き込まれるリスクがあり、サポートを受けられないことが多いので注意が必要です。

海外取引所ではこれまで、詐欺コインや詐欺取引が数多く報告されています。また、取引所の閉鎖や日本からの撤退で、預け入れたお金を引き出せなくなる可能性もゼロとはいえません。

金融庁の登録を行っていない取引所では、トラブルがあっても救済を求めることができないので、すべて自己責任となるリスクがあることを常に念頭に置いておきましょう。

海外取引所の多くが、日本円での出入金に対応していない点にも注意が必要です。

海外取引所を利用する場合、基本的にはまず国内取引所で仮想通貨を買い、海外取引所に作った口座に送金する必要があります。送金の際には手数料が発生するので、頻繁に繰り返すと手数料がかさむでしょう。

ただし、なかにはBybitのようにクレジットカードや日本の銀行口座に対応している場合もあるので、取引所を選ぶ際にしっかり調べるとよいでしょう。

サイトやアプリに日本語表示がない取引所もあるので、利用には十分注意してください。

操作方法だけでなく、取引上のルールや法律上の決まりなど、説明をしっかり読んで理解しておかないと困ることも。サポートや問い合わせも英語のみの場合が多いので、英語が堪能とは言えない人や、不安な人は国内取引所を利用した方が安心でしょう。

海外取引所でハイリターンを狙う場合には、ハイリスクがつきまとうということを肝に銘じておきましょう。

海外取引所では高いレバレッジをかけられたり、日本では取引のないコインが買えたりするので、積極的に挑戦したい人には楽しみの幅が広いでしょう。しかし、その分リスクも大きくなるので、利用には十分注意してください。