自動車保険には、事故によって必要になった車の修理費や買い替え費用を補償してくれる「車両保険」があります。しかし、車両保険で補償されるのは、その車の市場価値(時価)に対してのみ。新車で購入したにも関わらず、満足な補償が受けられないこともあります。
今回は、このようなケースでも新車の購入金額を補償してくれる「新車特約」について紹介していきます。メリットや注意点などを詳しく解説しますので、付帯すべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。
法人向けの資産相談業務やグループ企業の経営管理、分散金融市場における資産運用事業を手がける。その他、大手のビジネス系メディア「マネー現代:講談社」「ITmediaビジネスオンライン」「四季報オンライン」等で執筆も行っている。 OKOSUMO(公式サイト):https://okosumo.com/ Twitter:https://twitter.com/full_tangent
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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車両保険でも修理費用などの補償は受けられますが、補償額は時価(その時点での車両価値)に応じて決まります。車の場合、一般に1年毎に10〜20%ほど価値が落ちるので、300万円で購入した新車も1年後には240万円、2年後には190万円の価値に…。
新車で購入した車であっても時間が経つほど補償額が減っていくため、事故で全損してしまった300万円の車を買い直そうと思うと、差額は自分で用意しなければなりません。修理する時も同じで、修理費が補償額を上回ってしまうこともあります。
しかし、新車特約を付けておけば、車両保険の補償額に上乗せして新車の購入費用を受け取ることが可能です。購入後2年目でも3年目でも、設定した上限金額まで補償されるので、自己負担なしで新車を買い直すことができますよ。ただし、上限金額は契約した車の新車価格までなので注意してください。
なお、保険会社によって異なりますが、一般的には初度登録年月から11か月以内・25か月以内・61か月以内のいずれかが付帯可能期間として設定されています。該当すれば新古車や中古車でも新車保険を付けられる場合があるので、新車でなくても比較的新しい車を購入する場合は、保険会社に相談してみるといいでしょう。
新車特約を使うための条件は保険会社によって異なりますが、主に以下の2つの場合です。
もうひとつは、修理費が新車価格相当額の50%以上となった場合。以下の2つの両方満たす場合が該当します。
まずは、修理費が車両新価相当額の50%以上であることが必要です。たとえば、車両価格が400万円の場合は、修理費用が200万円以上かかることが条件になります。
さらにもうひとつの条件は、車体の本質的構造部分に著しい損害が生じていることです。エンジンやシャーシなど、自動車の構造上重要な部分に被害が生じていない場合は、修理費用が高額だったとしても新車特約が使えない場合があります。
内外装や外板部品のみの損傷の場合は、補償対象にならないことがあるので注意してください。このようなケースは車両保険の補償で賄えることが比較的に多いですよ。
また、車両保険に付帯する「車両全損時諸費用特約」には、新車特約と重複する補償内容があります。保険料がもったいないので、特約を外せないか保険会社に相談してみるといいでしょう。できるだけ無駄をなくして、少しでも保険料を節約してくださいね。
高額な車を購入した場合、最初の数年は毎年償却される金額がかなり大きく、時価がぐっと下がるので、新車特約のメリットが大きくなります。高価な新車を購入し、運転する機会も多い(事故の可能性も高い)方は、万一に備えて新車特約をつけておくと心強いでしょう。
一方、新車であってもそれほど高額な車でない場合や、万一の場合にも車両保険との差額を自分で賄える余裕がある方は、無理に付帯する必要はないかもしれません。それぞれの状況に合わせて、考えてみてくださいね。
新車特約について理解が深まったものの、実際にどの自動車保険に加入しようか迷っているという方も多いのではないでしょうか?
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