
自動車保険の等級とは?等級制度の基本や割引率を解説!
自動車保険の等級制度とは、契約者の事故歴に応じて保険料の割引・割増率を決める仕組みのこと。1〜20等級の区分があり、等級が上がるほど保険料が安くなります。しかし制度が複雑なので、「等級ってそもそも何?」「事故を起こして等級が変わると保険料にどのくらい影響するの?」など、疑問や不安がある人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、自動車保険の等級の基本的な仕組みや割引率の目安から、お得な利用方法や注意点までわかりやすく解説します。保険料を抑えながら自動車保険を賢く活用するために、ぜひ最後まで読んで役立ててくださいね。

大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
本コンテンツは情報提供を目的としたものであり、特定の保険商品についての勧誘や契約の推奨を目的としたものではありません。弊社が内容について正確性を含め一切を保証するものではないため、個別商品については各保険会社にお問い合わせください。

自動車保険の等級制度とは?目的も解説

自動車保険の等級制度とは、保険契約者の事故歴に応じて保険料の割引・割増を行う制度のことです。1~20等級の区分があり、自動車保険の契約・更新時の保険料計算にあたって、等級が高い(数字が大きい)ほど大きな割引率が適用されます。
制度の目的は、契約者間の公平性を保つことです。自動車保険は、加入者が保険料を出し合って万が一の事故に備える相互扶助の仕組み。事故リスクが高い人のせいで全体の保険料が上がってしまうと、安全運転をしている人が損になります。それを解消するため、契約者の事故リスクを保険料に反映し、加入者間の公平性を保つ仕組みが等級制度です。
なお、等級制度の正式名称は「ノンフリート等級別料率制度」というもの。ノンフリート契約とは、契約者が所有・使用する自動車が9台以下の時に結ぶ契約のことです。家庭で自動車を使用するほとんどの人がノンフリート契約を結ぶことになり、自動車1台の契約ごとに等級制度が適用されます。
等級はどうやって決まる?等級制度の基本的な仕組み
自動車保険の等級は、いつ・どのように決まるのでしょうか?まずは基本的な仕組みを理解しましょう。
新規加入時には6等級からスタート。事故の有無によって毎年更新される

はじめて自動車保険に入るときは、原則として6等級からスタート。無事故で満期を迎えた場合は翌年の等級が1つ上がり、逆に事故で保険を使用した場合は事故内容に応じて等級が下がります。等級が変わるタイミングは、保険を使用した直後ではなく契約更新時です。
なお、等級の上限である20等級の人が無事故であっても、等級はそのままです。逆に、等級の下限である1等級の人が事故を起こしてもそれ以上は下がりません。例外として、こくみん共済のマイカー共済では22等級まで設けられていますが、割引率は他社の20等級と同等です(参照:こくみん共済)。
等級ごとの具体的な割引率・割増率は?

等級ごとの割引率・割増率は保険会社によって異なりますが、多くの場合、損害保険料率算出機構が算出した「自動車保険参考純率」をベースに決定しています(参照:損害保険料率算出機構)。
自動車保険参考純率の参考数値を、いくつかピックアップしてみましょう。新規契約時の6等級では全員18%割引ですが 、7等級以上になると、「無事故」か「事故有」かによって割引率が異なります。
<6等級以上の保険料割引率>
- 6等級(スタート)
- -18%
- 10等級
- 無事故:-46%
- 事故有:-19%
- 20等級(上限)
- 無事故:-63%
- 事故有:-51%
自動車保険参考純率による割引率
等級が上がるほど割引率は高くなりますが、同じ等級であっても、事故を起こして保険を使うと「事故有」と区分されて割引率が減ることがわかります。この等級制度の基本を、まずはしっかりと理解しましょう。なお、4等級以下になると割引ではなく割増となり、保険料負担が大きくなります。
<4等級以下の保険料割増率>
- 4等級:+7%
- 3等級:+38%
- 2等級:+63%
- 1等級:+108%
自動車保険参考純率による割増率
事故を起こして保険を使うと等級はどうなる?覚えておきたい3つの区分
事故によって保険を使うと、翌年の等級が下がります。事故の種類によって、大きく「1等級ダウン事故」「3等級ダウン事故」の2つに分けられるほか、保険を使っても等級に影響しない「ノーカウント事故」もあるので、それぞれの違いを知っておきましょう。
3等級ダウン事故:事故を起こし相手への補償に保険を使った場合

対人・対物事故など相手への補償を伴う事故で保険を使った場合は、3等級ダウン事故として等級が3つ下がります。
また、相手がいなくても、運転ミスによる自損事故で修理代に車両保険を使用した場合も3等級ダウン事故に該当します。自分の過失で事故を起こしたら、原則として3等級ダウンになると覚えておくとよいでしょう。
<3等級ダウン事故の例>
- 歩行者や自転車と接触・衝突し、相手のケガの治療費などに対人賠償保険を使った
- ほかの車と追突・接触事故を起こし、相手のケガや車の修理代に対人・対物賠償保険を使った
- 駐車場で隣の車にドアをぶつけてしまい、対物賠償保険を使った
- 運転ミスでガードレールに衝突し車両保険を使った
1等級ダウン事故:運転者に過失がない事故で車両保険を使用した場合

運転者には一切過失がない被害事故の場合でも、車両保険を使えば1等級ダウンの対象になるので注意が必要です。たとえば、以下のようなケースで車両保険を使用すると、翌年の等級が1つ下がります。
<1等級ダウン事故の例>
- 停車中の追突や当て逃げによる被害を受けた
- 車にいたずらや落書きをされた
- 走行中の飛び石でフロントガラスが破損した
- 台風・洪水・竜巻など自然災害によって車両が損害を受けた
1等級ダウン事故の場合、「等級を下げたくないから保険を使わない」という判断もあるでしょう。しかし、大きな出費につながることもあるので、車両保険を使うかどうかは修理費用や現在の等級などをふまえて慎重に検討することが大切です。
自己判断せずに、保険会社に相談するのがおすすめ。保険会社によっては、「保険を使うと、どれくらい保険料が高くなるか」を計算できるツールが公式サイトに用意されている場合もあるので、探してみてください。
ノーカウント事故:保険を使っても等級に影響しない場合

「ノーカウント事故」とは、保険を使っても等級が下がらない事故のことです。保険金を受け取っても無事故として扱われ、翌年の等級は通常どおり1等級上がります。
<ノーカウント事故の例>
- 他人に損害を与えておらず、自分たちのケガの治療費などのために人身傷害保険や搭乗者傷害特約のみを使用した
- 弁護士費用特約・個人賠償責任特約など、自動車保険にオプションとして付けている特約だけを利用した
なお、特約の内容や条件は保険会社によって異なるので、ノーカウント事故に該当するかどうかの詳細は重要事項説明書等で確認してください。
「事故有」はいつまで続く?事故有係数適用の仕組み

事故を起こして保険を使用すると、翌年の契約から一定期間「事故有係数」が適用されます。事故有係数とは、事故を起こした契約者にペナルティを与えるための係数。「事故有」の人にこれを適用することで、「無事故」の人より割引率が下がり、保険料が割高になります。
事故有係数の適用をリセットする仕組みとして使われるのが、「事故有係数適用期間」です。保険に加入すると、「0年」からスタート。3等級ダウン事故を起こすと次年度から「3年」、1等級ダウン事故なら「1年」が加算されます。その後、1年無事故で経過するごとに1年ずつ減っていき、「事故有係数適用期間」が再び0年に戻ると「無事故」の割引率が適用されます。
なお、事故有係数適用期間の上限は6年(参照:東京海上日動)で、それ以上は増えません。しかし、3等級ダウン事故を毎年、あるいは2〜3年の短いスパンで連続して起こすと、ペナルティ期間がどんどん積み重なり、簡単に6年に達してしまいます。事故有係数が適用されている期間は、とくに安全運転に努めましょう。
自動車保険の等級を上手に活用!知っておきたいお得な制度
自動車保険の等級には、「等級の引継」「セカンドカー割引」など保険料を節約できる制度があります。解約後の再加入の際に、以前の等級を引き継げる制度も。以下に、それぞれ詳しく解説します。
等級引継制度:家族全体の保険料が安くなる

よくある活用例が、親から10代・20代の免許取りたての子どもへの等級引継。若年層は事故リスクが高いと判断され、保険料が高めに設定されています。このような場合、高い等級の親の保険を子どもに譲り、親は新たに保険を契約し直せば、家族全体の保険料を節約できます。
なお、等級を引き継げるのは、配偶者または住民票上の同居親族に限られます。別居の子どもへの引継は認められないため、引越し前に手続きを済ませることが大切です。手続きの方法など、詳しくは以下のコンテンツを参考にしてください。
セカンドカー割引制度:2台目の保険に7等級から加入できる

2台目の車の保険加入時に使える、「セカンドカー割引」も見逃せません。自分または同居家族がすでに自動車保険に加入している状態で、新たに2台目の車の保険に入るときに7等級からスタートできます。6等級と7等級の差は、1年の無事故に相当。等級による割引率が1段階高く適用された状態で加入できるので、保険料がお得です。
ただし、1台目の自動車保険の等級が11等級以上であることなど、適用にはいくつかの条件があるので事前の確認が必要。セカンドカー割引の適用条件は、以下のコンテンツで詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください。
等級の中断制度:解約時の等級を引き継いで契約できる

保険をただ解約すると等級はリセットされ、再び加入する際には6等級から始めなければなりません。手続きをして「中断証明書」を受け取っておけば、以前の等級から契約を再開できるのでお得です。せっかく積み上げた等級を無駄にしないために、再加入する可能性が少しでもあるなら、中断手続きをしておくとよいでしょう。以下のコンテンツも参考にしてください。
自分の等級を確認する方法は?保険会社を乗り換えた場合はどうなる?

保険の満期が近づくと届く更新案内(満期案内)には、次の更新時に適用される予定の等級が必ず記載されています。乗り換えの検討や、一括見積を利用する際などには、この書類を手元に用意しておくとスムーズです。
なお、等級情報は業界全体で共有されているため、保険会社を乗り換えても継承できます。ただし、旧契約の解約日から新契約の始期日(保険開始日)まで8日以上空くと、等級が6等級にリセットされる場合がある(参照:三井住友海上)ので、乗り換える場合は計画的に進めてくださいね。
自分にあったお得な自動車保険はどれ?選び方のポイントもチェック!
種類豊富で、保険料や補償内容も異なる自動車保険。いざというときの対応力も実際に使ってみないとわからないし、「どれを選べばよいか迷う」「そもそもどう選べばいいのかわからない」という人もいるでしょう。
そこでマイベストが人気の自動車保険を集めて、事故の初期対応力や保険料の安さを徹底的に比較検証しました。以下のコンテンツに、専門家による自動車保険の選び方も交えて、わかりやすくまとめています。納得できる自動車保険選びに、ぜひ役立ててくださいね。
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