振動で音を伝えることが特徴の骨伝導イヤホン。難聴予防によさそうと思って骨伝導イヤホンについて調べたところ、「難聴になる」という反対の意見もあり、興味がありつつも購入を迷っている人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、骨伝導イヤホンは難聴になるリスクがあるのか、ほかのイヤホンとは何が違うのかを解説します。実際に各メーカーの骨伝導イヤホンを使ってわかった、音質や装着感なども紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
骨伝導イヤホンおすすめTOP5
結論、骨伝導イヤホンを使用しても、難聴になるリスクはあります。骨伝導イヤホンは、鼓膜を介さずに頭蓋骨を通して内耳に直接振動を送ることで、音が聞こえる仕組みです。しかし、振動によって内耳や聴神経が損傷する可能性はあります。
内耳や聴神経が損傷すると、感音難聴になるリスクがあるので注意が必要です。罹患すると音が歪んで聞こえたり、特定の周波数の音が聞こえにくくなったりします。
とくに、長時間・大音量で音楽を聞く習慣がある人は注意しましょう。大音量で音楽を聞き続けると聴覚がダメージを受け、耳鳴りや耳の閉塞感を引き起こす聴覚疲労の原因になります。
難聴のリスクはありますが、骨伝導イヤホンは従来のイヤホンよりも鼓膜への負担は少なめです。従来のイヤホンは鼓膜に空気の振動を伝えるのに対し、骨伝導イヤホンは内耳の骨を振動させて音を伝えるので、鼓膜への負担を抑えられますよ。
従来のイヤホンのなかでも、とくにカナル型・インナーイヤー型のような装着時に耳の穴に密着するタイプは、音が鼓膜にダイレクトに届き負担がかかります。さらに構造上、耳垢を奥まで押し込んだり蒸れたりしやすいので、とくに夏場や長時間の使用時は、菌が繁殖して耳の炎症を引き起こすリスクがあるので注意が必要です。
耳への負担を減らして使いたいなら、骨伝導イヤホンやオープンイヤー型のイヤホンを検討しましょう。
イヤホンが原因の難聴は、使い方にも原因があります。正しい使い方のポイント2点を知り、難聴のリスクを軽減しましょう。
1つ目は音量の設定です。使用する際は最大音量の60%以下を守り、周囲の音がある程度聞き取れる大きさに設定しましょう。無意識に音量を上げてしまう場合は、音量制限を設定できるアプリの利用もおすすめです。
2つ目は使用時間です。長時間の使用は耳に負担をかけるので、1時間に10分ほどの休憩を挟みましょう。WHOの安全基準では、85dBで8時間までとされていますが、85dBは車の騒音と同等の値です(参照:WHO Make Listening safe)。難聴リスクを軽減するためには、音量を少しでも下げること、使用する時間を減らすことが欠かせません。
周囲の騒音が気になって音量を上げてしまうなら、ノイズキャンセリング機能がついたイヤホンの購入も検討してくださいね。下記コンテンツでは、各メーカーの商品を比較してランキングにしています。ぜひ購入時の参考にしてください。
音の伝え方に違いがある、従来のイヤホンと骨伝導イヤホン。難聴リスクは軽減したいけれど、音質や装着感など、実際の使用感の違いも気になりますよね。ここでは、骨伝導イヤホンを検討する際によくある疑問を解説します。
骨伝導イヤホンは、オープンイヤー型イヤホンほどクリアには聞こえません。骨伝導イヤホンは音を振動として伝えるので、音がややこもりやすい傾向にあります。とくに、低音のボリューム不足や解像度の低さは懸念点です。
とはいえ、実際に骨伝導イヤホンを使ってモニターが音楽を聞いたところ、高音質な商品もありました。とくにShokzの「OpenRun Pro 2」は、体に響くような低音を味わえ、ボーカルの歌声もクリアに聞こえると好評。2万円台とやや高めですが、音質重視の人でも満足できるでしょう。
予算を抑えたいなら、1万円台で買える「Sudio B1」を選ぶのもおすすめです。解像度が高く、ボーカルの歌声がクリアに聞こえ、低音も厚みがありました。
骨伝導イヤホンではなく、オープンイヤー型のイヤホンを検討したい人は、下記コンテンツも参考にしてみてください。
商品によってもフィット感は異なりますが、ネックバンドタイプはつけ心地がよい傾向があります。
実際にモニターが商品を装着してランニングしたところ、ネックバンドタイプは長時間つけていても耳が痛くなりにくい傾向がありました。左右が分離した完全ワイヤレスタイプの完全ワイヤレスの商品は耳の形によってフィットしにくかったり、有線タイプはコードが邪魔になったりしたので、着け心地で選ぶならネックバンドタイプがおすすめです。
ネックバンドタイプなら、使わないときは首にかけておけるので紛失もしにくいですよ。
骨伝導イヤホンは、騒がしい環境だと音が聞き取りにくいことがあります。カナル型イヤホンのように耳を塞がず、外部の騒音が音楽や音声に干渉しやすくなるためです。
マイベストでは、騒音下でどのくらい外部の音を遮断できるか、モニターが車道の音が流れるスピーカーの中心に立ち、最大音量で音楽やラジオを試聴する検証を実施。その結果、ボーカルの声がノイズに負ける骨伝導イヤホンが多数みられました。電車通勤や音楽が流れるジムなどで使うと、音楽が聞こえにくくなるでしょう。
一方で、Shokzの商品は比較的周囲の騒音があまり入らず、低音やラジオの音声も聞き取りやすいという結果に。騒音下でも聞き取りやすい商品がほしいなら、Shokzのモデルを選ぶとよいでしょう。
<騒音下でも聞き取りやすさで高評価を獲得したShokzの商品>
騒音下で使用する頻度が少ないなら、「OpenRun Pro 2」を選ぶのもおすすめです。騒音下ではラジオや低音が聞こえにくくなるものの、前モデル「OpenRun Pro」より音質が向上しています。スピーカーで聞いているような音質を楽しめますよ。
骨伝導イヤホンは構造上、多少音漏れします。装着するとき耳に直接はめ込まないので、スピーカー部分と肌の間に隙間ができるためです。
実際に装着した状態で音楽を流し、音漏れを騒音計で測定したところ、多くの骨伝導イヤホンで音漏れがはっきりと確認できました。なかには、楽曲の歌詞が聞き取れるレベルの音漏れをしているものもあります。
可能な限り音漏れを抑えたいなら、検証で5dB以下を記録した商品を選ぶのがおすすめです。かすかに聞こえる程度の音漏れで済む商品もあったので、オフィスでも骨伝導イヤホンを使いたい人はチェックしてくださいね。
<音漏れしにくい商品>
骨伝導イヤホンのなかには音質や装着感だけでなく、機能が充実した商品も多くあります。つけっぱなしで長時間使うなら、操作性やバッテリー性能もチェックしましょう。
雨を気にせず野外で使いたいなら、防水性能が高いものがおすすめです。以下コンテンツで選び方や各メーカーの骨伝導イヤホンを紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
骨伝導イヤホンおすすめTOP5