エアコン・除湿機・加湿器と併用すれば、それぞれの効果を高められるサーキュレーター。しかし、併用する際はどのように使えばいいのかわからず、とりあえず送風している人も多いでしょう。適切な使用方法を心がけないと、効果が半減してしまう場合もあるので注意が必要です。
そこで今回は、サーキュレーターの効果的な使い方を解説します。目的に応じて設置・使用すれば節電効果を得られるので、サーキュレーターを使う際はぜひ参考にしてくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
サーキュレーターおすすめTOP5
サーキュレーターは、部屋全体の温度差を緩和するのに役立ちます。涼をとるために直接風を当てる扇風機に対し、空気を循環させる力に優れていることが特徴です。使用方法は、どのような空間で何を目的とするのかによって異なるので、まずは目的に応じた使い方をチェックしましょう。
サーキュレーターは、エアコンに背を向けるように設置するのが効果的です。風を遠くに押し出す性質を利用し、下に溜まりやすい冷気を循環できるので、部屋全体が涼しくなります。
エアコンに背を向けた状態で真下にサーキュレーターを置き、床と平行方向に風を送りましょう。冷たい空気が室内に広がるので冷房効率があがり、エアコンの設定温度を高めにしても涼しさを感じやすくなりますよ。
ただし、サーキュレーターの風を直接人に当てると、体が冷えすぎて体調を崩すおそれがあります。設置場所と風向きには気をつけて使ってくださいね。
暖房と併用する際は、サーキュレーターを真上に向けて使うのが適切です。天井付近に溜まりやすい暖気に風を当てて循環させることで、部屋全体を効率よく温められます。
サーキュレーターはエアコンの対角線上の床に置き、風が真上の天井方向に向かうように調整しましょう。天井付近の暖かい空気がかき混ぜられ、室内全体にじんわりと広がりますよ。上下の温度差を和らげられるので、足元の冷えも防ぎやすくなります。
換気を目的にサーキュレーターを使う場合は、窓やドアの方向に送風するのが基本です。空気の循環を生み出し、新鮮な空気が入りやすくなりますよ。
窓が2つ以上ある場合は、対角線上にある窓も開ければ、室内の空気を外や廊下などへ送り出すと同時に、外の空気を室内へ誘導できます。より効果的に換気したい場合は、窓だけでなく対角線上のドアも同時に開けてくださいね。空気の入口と出口を確保することで、室内にスムーズな空気の流れが生まれます。
ロフト付きの空間では、サーキュレーターを上下に1台ずつ設置すると、上下階の温度差を緩和できます。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があるため、1台だけではロフト内と下階の空気がうまく循環しにくいもの。2台使えば、上下階それぞれに風の流れを作りやすくなります。
たとえば、冬はロフトの手前に置いた1台で暖気を下に送るようにし、もう1台は1階のエアコンの下で真上に向けて暖気を拡散しましょう。風向きや強さは、実際の室温を見ながらこまめに調整するのがコツです。
夏はロフトに置いたサーキュレーターを斜め上に向けて天井方向に送風するようにします。1階ではエアコンの正面に背を向けてサーキュレーターを設置し、冷風をロフトのある方向に届けると効果的です。ロフトは夏場に熱がこもりやすいので、熱中症対策としても役立ちます。
隣接する2部屋の空気を循環させたい場合は、それぞれの部屋の間にサーキュレーターを置くのが効果的です。部屋と部屋のあいだに風の通り道を作ることで、温度差や空気のよどみをやわらげやすくなります。
片方の部屋にしかエアコンがない場合は、ドアや引き戸は開けた状態にして、エアコンがある部屋にサーキュレーターを設置すると、循環がスムーズになりますよ。冷房時はエアコンに背を向けるようにサーキュレーターを置き、風を隣の部屋へ運びます。暖房時はエアコンのある部屋の中心に置き、真上に風を送って暖気を分散させましょう。
風向きは固定せず、定期的に調整するとより効果的です。構造が複雑な部屋では冷気や暖気が偏りやすいため、サーキュレーターを複数使って循環を意識すると快適な室温に調整しやすくなりますよ。
洗濯物を乾かすときは、サーキュレーターの首振り機能を活用して風をまんべんなく当てるのがポイントです。風が一方向にしか当たらないと乾く箇所に偏りが出やすく、湿った部分が残ることも。広範囲に風を届ければ、効率よく乾かせます。
部屋干しの洗濯物に対してサーキュレーターを離れた位置に設置し、左右や上下に首を振らせるように設定しましょう。風が洗濯物全体に均等に行き渡り、比較的スピーディに乾燥できますよ。
湿度が高いときには、除湿機との併用や、窓を開けるなどの換気も一緒に行うとより効果的です。湿気のこもりを防ぎ、部屋干しのイヤなニオイ対策にもつながります。
梅雨時期などで湿度が気になるときは、除湿機と併用して空気を動かしましょう。サーキュレーターの空気を循環させる機能と、除湿機の湿度を下げる機能が組み合わさるので、効果的に湿度を下げられます。
除湿機は部屋の中心に置き、サーキュレーターを部屋の壁際やコーナーに配置しましょう。中心に向けて風を送ると、空気が循環しやすくなり湿気がこもりがちな場所にも除湿効果が届きます。とくに家具の裏やカーテンの陰などは空気が滞りやすいので、風が届くように角度を調整してください。カビの発生を防ぐうえでも役立ちます。
除湿機の導入を検討しているなら、選び方やおすすめの製品がわかる以下のコンテンツもチェックしてくださいね。
加湿効果をアップしたいなら、サーキュレーターを加湿器の隣に置き、斜め上に向けて風を送りましょう。加湿器から出る蒸気は水分を含んで重く広がりにくい性質があります。しかし、サーキュレーターの風で蒸気を持ちあげれば空気中に拡散され、加湿効率があがりますよ。
加湿器のすぐ横にサーキュレーターを配置したあと、風向きを斜め上に調整して、蒸気が舞いあがるように風を当てましょう。加湿器の噴出口より低い位置に設置すれば、蒸気を広げやすくなります。風が強すぎると蒸気が一方向に飛ばされるので、風量は中程度に設定してくださいね。
サーキュレーターの電気代は1時間あたり約0.6〜1.1円と低いため、エアコンの冷暖房効率をあげつつ全体の電気代を抑える際に役立ちます。空気を循環させれば、エアコンの設定温度を極端に変更せずとも快適な室温が保てるためです。
1時間あたりの電気代の目安は、消費電力(kW)×電気代単価(円)で計算できます。電気代単価は31円/kWh(参照:全国家庭電気製品公正取引協議会)として、サーキュレーターの消費電力が20〜35W前後なら、1時間あたりの電気代は約0.6〜1.1円です。
設定温度や風量によって変動はありますが、一般的なエアコンの消費電力は110W〜1,500Wほどで、1時間あたりの電気代は約3〜46円。しかし、サーキュレーターとの併用で出力を抑えられるため、月単位で見ると数百円から1,000円以上の節電につながることもあります。
実際の電気代は機種や風量設定によって異なるので、自宅の電気料金単価と、使用している製品の消費電力をもとに計算してください。また、タイマー機能を使えば、必要な時間だけ運転させられるので、節電効果をより高められます。
サーキュレーターは効率的に利用すれば、冷暖房効果のアップ・空気の循環・電気代の節約など、さまざまな効果を得られます。間取りによってはもう1台増やしたほうが効果的な場合もあるので、追加購入を検討してください。
以下のコンテンツでは、おすすめのサーキュレーターをランキング形式で紹介しています。目的に応じた選び方のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
サーキュレーターおすすめTOP5