今回は、日本全国の水道水の硬度や、軟水と硬水の違い、それぞれにどのような特徴があるのかを解説します。常用水として自分の生活に適しているのは軟水と硬水のどちらなのか知りたい、上手に使い分けられるようになりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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まず、日本全国の水道水の硬度平均を解説します。水道水の硬度は地域によって違いがあるので、自分の住んでいる地域の硬度を確認してみましょう。
以降で紹介する硬度の数値は、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部の研究を参考にしています。
47都道府県665の地点を調査した結果によると、日本全国の水道水の硬度平均は48.9mg/Lです。世界保健機構(WHO)では、硬度120mg/L未満を軟水、120mg/L以上が硬水と規定されているため、日本の水道水は軟水に分類されます。
日本の水道水の硬度は、各都道府県によって差があります。関東地方で水道水の硬度が高く、北海道や東北では硬度が下がる傾向にあるとわかりました。
平均よりも硬度が高い傾向にあるのは、岩手県・関東地方・三重県・香川県・徳島県・大分県・熊本県・沖縄県です。
硬度が低い傾向なのは、岩手県を除く東北地方・北海道・中部地方・島根県・広島県・佐賀県・宮崎県。そのほかの地方は、平均値に近い硬度です。
水道水の硬度は、水道管ではなく、原水の水質の影響を受けることが調査の結果で明らかになっています。
水道水の硬度は、検査キットを利用して自分で測定することも可能です。インターネットで「水質 検査キット」などで検索すれば、さまざまな検査キットをチェックして購入できます。水に薬品やキットをつけて数値を見るだけで硬度を測定できるので、検査キットを試してみてもいいでしょう。
日本水道協会が発表している水道水質データーベースの「水質分布表」の「給水栓水」のPDFから、硬度をチェックする方法もあります。住んでいる地域のPDFを開き、「カルシウム マグネシウム等(硬度)」の欄から、住んでいる地域の水道水の硬度を見ることが可能です。
水の硬度は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル含有量で決まります。世界保健機構(WHO)の基準では、含有量が120mg/L以下の水が軟水で、含有量が120mg/L以上の水が硬水です。
日本ではミネラル含有量の低い軟水が多く、欧米ではミネラル含有量が豊富な硬水が多い特徴もあります。
日本は河川から海までの距離が近く、海までの傾斜が大きい点が特徴です。河川の水が短時間で海に流れてしまうため、地層のミネラルをあまり吸収しない軟水になります。
一方で、欧米は河川から海までの距離が長く、海までの傾斜も緩やかです。河川の水が海に流れ着くまでに時間がかかるため、水が地層のミネラルを吸収し、ミネラル含有量の多い硬水になります。
軟水は飲みやすさから常用水に向いており、硬水はミネラルを摂取しやすいのが特徴です。以下では、それぞれの水の違いを詳しく解説します。
日本に多い軟水は、まろやかな口あたりで飲みやすいため、常用水の利用に適しています。基本的に無味無臭で、料理に使いやすいのも軟水の特徴です。
ミネラル含有量が高いと胃腸に負担をかける可能性もありますが、軟水はミネラル含有量が低いため、幼児のミルク作りにも適しています。
肌や髪への影響も少なく、石鹸や洗剤の泡立ちがいい点も特徴です。
硬水は、軟水に比べると苦味やクセがあり、飲みにくさを感じることがあります。これはマグネシウムやカルシウムなどの含有量が高いからであり、ミネラルの補給ができる点はメリットです。スポーツ後の水分補給に硬水を選ぶと、汗で失われたミネラルを補給しやすいでしょう。
マグネシウムやカルシウムなどのミネラルは、人の体を作るうえで必要な栄養素。胃腸のはたらきを活発にし、糖質や脂質の代謝を高める効果も期待できます。胃腸が弱い人が飲むと、不調を感じる可能性もある点に注意しましょう。
軟水器を取り付けることで、水道水の硬度を下げられます。軟水器はイオン交換樹脂を利用し、カルシウムやマグネシウムのイオンをナトリウムイオンに交換して、軟水化するものです。
軟水器には、キッチンなどの蛇口に取り付けるタイプ、浴室に設置するタイプ、シャワーヘッドを交換するタイプ、家中すべての水を軟水化するタイプなどがあります。
使用用途に応じて、最適な軟水器を探してみましょう。「軟水器」で検索すればさまざまな用途に応じた商品をチェックできるほか、家電量販店やホームセンターでも入手できます。
軟水と硬水は、それぞれに適している飲み物に違いがあります。コーヒーとお酒、それぞれにどちらの水が適しているのか確認しましょう。
コーヒーは軟水と硬水、どちらの水を選ぶかで味わいが変わります。軟水で入れたコーヒーは、まろやかで酸味を感じられる仕上がりです。
硬水で入れたコーヒーは、コーヒーの苦味を強く感じられます。硬度が高くなればなるほど苦味は強くなるのが一般的です。強い苦味を感じられるエスプレッソを作りたいときなどは、硬水が適しているでしょう。
お酒を割る水を軟水にするか、硬水にするかで、味わいやお酒の楽しみ方も変わります。
日本の焼酎は軟水で作られていることが多く、軟水で割るとまろやかで軽い口あたりを楽しめるでしょう。芋や麦など、素材本来の甘さを楽しめるのも、軟水の特徴です。
海外のウイスキーは硬水で作られていることが多いため、硬水との相性がいいでしょう。味わい深くなり、ウイスキーの深みをより楽しめます。
軟水と硬水は、合う料理も違います。料理をよりおいしく仕上げるためには、どちらを選べばいいかもチェックしてみましょう。
軟水はミネラル含有量が少なく味やにおいも感じにくいため、さまざまな料理との相性がいいのが特徴です。特に、素材本来の味わいを楽しむことが多い和食に適しています。
口あたりもまろやかなことに加えて、昆布などのうまみ成分も引き出しやすくなるので、味噌汁にもぴったりです。ミネラルが少なくて野菜を柔らかくする効果もあるため、煮物やスープにも適しているでしょう。
また、軟水はカルシウムが少なく、お米がしっかり水分を吸うため、ふっくらしたごはんを炊くことができます。
硬水に含まれるカルシウムは、肉の臭みやアクを取り除く効果があり、肉料理に適しています。シチューやカレーなど、肉をじっくり煮込む料理に硬水を使えば、柔らかく食べやすい肉に仕上がるでしょう。
硬水のカルシウムは、デンプンと結合するはたらきもあります。そのため、パスタを茹でる際に硬水を利用すると、パスタのデンプンと硬水のカルシウムが結合し、コシのある味わいを楽しめるでしょう。
パエリアやピラフなど、歯ごたえのあるお米を使った料理にも、硬水がおすすめです。粘り気が少なくなり、パラパラとした仕上がりにできます。
日本の水道水は軟水で、口あたりがよく飲みやすい点が特徴です。さらにおいしい水を飲みたい、料理をおいしく仕上げたい人には、水道水ウォーターサーバーも検討してみましょう。
水道水ウォーターサーバーとは、水道水をろ過した水を提供してくれるウォーターサーバーのこと。ウォーターサーバーは大きく分けて、水道水を用いるものとボトル式のタイプがあり、水道水をろ過した水のほうが費用が安い傾向です。
日本の水道水は厳しい水質基準をクリアしているため、そのままでも飲めます。水道水ウォーターサーバーの水は、水道水を浄水効果のあるフィルターを通して処理しており、一般的な水道水よりもおいしい水が飲める点も魅力です。
以下のページでは、手頃な価格でおいしい水を楽しめる、水道水ウォーターサーバーの人気メーカーを、水のおいしさ・コスト・浄水効果などで比較しています。おいしい水を長く楽しめるウォーターサーバーを選びたい人は、参考にしてみてください。
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