アイリスオーヤマ 充電式ハンディクリーナー マルチツールセット HCD-22M-Wをレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

フローリングを掃除すると、謳い文句どおりの高い吸引力を発揮。「細かいゴミが吸いにくい」という口コミに反し、たった1往復でざらつきが残らないほど吸い上げました。比較した約7割の商品が2往復以上しないとゴミが残ったのに対し、リビングの食べこぼしや机の上のゴミを手早く掃除したい人にぴったりです。

惜しかったのは、左右の端や角に吸い残しが目立ったところ。吸い口の中央にある丸い部分で吸い上げるため、左右は吸引力が少し弱くなります。口コミでも「ゴミが入る場所が小さくて吸いにくい」と指摘されていたとおり、クッションの枠の角にもゴミが残りました。

革に置いたゴミは2往復でスッキリ。吸引力の高さゆえに張りつきが強くスムーズさには欠けますが、取れにくい細かな繊維までもきれいに吸い上げました。場所によってはゴミが残ったとはいえ、アタッチメントを変えれば隅々まできれいにできるでしょう。

比較した多くの商品が苦手とした毛足の長いカーペットは、2往復とスピーディに掃除が完了。毛足の短いカーペットは4往復必要でしたが、持ち前のパワーを発揮しました。ただし、お菓子などの大きなゴミを弾きやすいのは気がかりです。凹凸がある場所の掃除には、あまり向いていません。

サッシはノズルがハマりすぎて進みにくいのが気になりました。比較したところ、サッシの掃除では吸引力よりもノズルのフィット感が大きく影響する傾向が。本商品は3往復しないとゴミが吸えなかったため、サッシの掃除にはやや使いにくいでしょう。

1m離れた場所での稼働音は63.8dBと静かでした。比較した全商品の平均値66.89dB（※執筆時点）を下回っており、ファミリーレストランと変わらぬ騒音値（参照：環境省）です。

なかにはセミの声と同程度の騒音で日中でも周りに気を遣う必要があるものもあったのに対し、稼働中でも会話ができます。音に敏感なペットがいる家庭でも使いやすいでしょう。

連続使用時間は、標準約20分・ターボ約14分と1回の掃除には十分な長さ。比較した商品には30分以上使えるものもありましたが、特別短くはありません。比較した約半数の商品になかった充電スタンドがあり、収納しながら充電できるのがメリット。ゴミが気になったときにサッと取り出せて使えます。

一方で、ゴミ捨てはやや手間がかかる設計でした。取り外しボタンを押してダストカップを取り出してから、さらにフィルターユニットを取り出す必要があります。比較した商品の約半数がワンタッチでゴミが捨てられたことをふまえると、工程が多く手間に感じるでしょう。

持ち手は13.9cmと細く、小さな手でも扱いやすい設計。家族全員で使えるでしょう。ただし、本体の全長は57.5cmと大きく、小回りはあまりききません。車内などの狭い場所よりは、リビングなどの広めな場所の掃除に向いているでしょう。

床に吸い口を沿わせたときの角度は60度と一般的な角度。比較したところ、自然な姿勢を取りやすかったのは55度以内でしたが、80度以上ある商品ほど腕への負担は感じないつくりです。肩が上がったり、手首をかえしたりすることはないでしょう。

お手入れについては、比較した約2割の商品にしかなかったお手入れブラシがあるのがメリット。フィルターやダストカップのゴミをさっと払えます。さらに、ダストカップ・フィルター・フィルターケースは丸洗いができ、清潔に使いたい人にぴったりです。

集じん容量が0.15Lと大きく、ゴミをたっぷり溜められるのも便利です。10～8回に1回くらいの頻度で捨てればよいため、日常的に使いやすいでしょう。比較した商品には約0.5Lとより多くのゴミを溜められるものもありましたが、そのぶん重量は重めでした。こちらは重量と集じん容量のバランスがとれた1台といえます。