Anker PowerCore Fusion 10000をレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

まずは、変換ロスの少なさを検証しました。電力の変換ロスが少なくてたくさん充電できるものほど優れている商品と定義。電子負荷抵抗器・電圧電流チェッカーで各商品の実容量をチェックしました。

その結果、変換ロス率は40.41%と多めでした。9700mAhの表記容量に対し、実容量は5780mAhしかありません。比較した商品の平均値はロス率が約32.72％・実容量が約6289mAh（※執筆時点）だったのに対し、どちらにも届きませんでした。

「約2回満充電する」というメーカーの謳い文句とは異なり、iPhone 14は1回しかフル充電ができません。比較したなかには変換ロス率が20％台に抑えられた商品もあったため、複数回充電したい人には不向きです。

続いて、充電の速さを検証しました。MacBook Pro 16インチを、電池残量30％の状態から60％になるまでモバイルバッテリーで充電。充電時の最高出力を電圧電流チェッカーで測定しました。

実際の最高出力はType-Cポートで18.79Wと好記録。比較した全商品の平均約19.24W（※執筆時点）には届かなかったものの、高評価の基準とした15Wは大幅に上回っています。充電出力（W）の数値が大きいほど充電速度が速いため、スピーディに充電できるでしょう。

「フル充電までのスピードが速い」という口コミで好評だったように、スマホ・タブレットの充電には十分な出力ですよ。

続いて、外出時の利便性を大きく左右する持ち運びやすさを検証しました。モバイルバッテリーの面積・厚さ・重量をチェックし、評価しています。

持ち運びやすさはいまひとつ。本体サイズは幅8.2×奥行8.2cmと小さめですが、厚みが3.5cmもあるので、スマホと重ねると持ちにくいでしょう。比較した商品の多くが高評価の基準とした260g以下だったのに対し、278gと重たいのもネックです。

ACプラグつきの商品は総じて大きくて重たい傾向があり、「本体が重い」という口コミは払拭できませんでした。

最後に、使いやすさの検証です。充電残量の表示方法・同時に充電できる台数・PD入力やパススルー充電に対応しているか・ワイヤレス充電の有無などの観点から各商品をチェックしました。

使いやすさはそこそこの評価。最大2台まで充電ができ、急速充電（PD）にも対応していました。比較した約1割の商品にしかないACプラグが内蔵されているのも利点です。コンセントに挿すだけでモバイルバッテリー本体の充電ができ、AC充電器としても使えます。

充電残量はインジケーターで表示されるタイプです。比較した一部商品のように数字で見えないのは惜しい点ですが、実使用においてそこまで困らないでしょう。一方で、パススルー充電ができないのは惜しいところ。本体を充電しながらスマホの充電はできません。

1. 残量表示 ｜インジケーター
2. 複数台同時充電台数｜2台
3. 入力系｜AC×1
4. ワイヤレス充電｜✕