
アンペアの計算方法を解説!家電の同時使用から必要な契約容量を求める手順を紹介
毎月の電気代を少しでも抑えたいと考えたとき、見直し候補に挙がる「契約アンペア」。しかし、「自分の家に合うアンペア数はいくら?」「電気代はどれくらい安くなるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、アンペアの正しい計算方法や主要家電の消費電力目安を詳しく解説します。朝や夕方の生活シーン別シミュレーションや世帯人数別の目安、基本料金の節約額や注意点も紹介するので、ぜひ契約アンペアを見直す際の参考にしてくださいね。

大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また通信サービスだけでなく、ファイナンシャルプランナーの視点含めて電気代など固定費支出見直しのガイドもしている。
更新 新たにコンテンツを制作しました。
アンペアの計算方法とは?W÷Vの基本式と100V・200Vの違い

分電盤にあるのは、契約アンペア全体を管理するアンペアブレーカー・屋内の漏電を検知する漏電ブレーカー・回路ごとの使いすぎを検知する安全ブレーカーの3種類。アンペアブレーカーは契約アンペアを管理するブレーカーで、同時に使う電気の量が契約アンペアを超えると電気を遮断する仕組みです。
たとえば、消費電力1,000Wの家電を100Vで使う場合は、1,000W÷100V=10A。一方、IHクッキングヒーターなど200V仕様の機器では、同じ1,000Wでも1,000W÷200V=5Aとなります。同じ消費電力でも電圧によって必要なアンペア数は変わる点に注意が必要です。
一般家庭のコンセントは100Vが基本ですが、IHクッキングヒーターやオール電化住宅の一部機器には200Vで動くものもあります。契約アンペアを計算するときは、家電ごとの消費電力と電圧を確認することが大切です。
主要家電の消費電力とアンペア数早見表

主要家電の消費電力とアンペア数の目安は、次のとおりです。アンペア数は消費電力を電圧で割って算出しており、IHクッキングヒーターのみ200Vで計算しています。
- IHクッキングヒーター:4,000~5,800W・約20~30A(最大使用時58A)
- エアコン(10畳用・暖房運転時):660W・約6.6A、(立ち上がり時)20A
- エアコン(10畳用・冷房運転時):約5.8A、(立ち上がり時)1,400W・約1.4A
- 電子レンジ(30L):1,500W・約15A
- 炊飯器(5.5合・炊飯時):1,300W・約13A
- ドライヤー:1,200W・約12A
上記の表のアンペア数は、各家電を単独で使ったときの目安です。実際に契約アンペア数を判断するには、同時に使う家電の消費電力を合計してから電圧で割る必要があります。とくにIHクッキングヒーターや電子レンジのように消費電力が大きい家電を複数同時に使う家庭ほど、必要なアンペア数が大きくなるため注意しましょう。
なお、上記はあくまで各家電の代表的な消費電力の目安であり、実際の値は機種や設定によって変わります。正確な数値は取扱説明書や本体の定格表示を確認してください。洗濯機は上記の家電と比べて消費電力が小さい場合がありますが、乾燥機能を使用する場合は消費電力が大きくなるのでほかの家電との同時使用に注意しましょう。
同時使用時のアンペア計算|朝・夕方のシーン別シミュレーション
必要な契約アンペアは、家電を1つずつ計算するのではなく、同時に使う家電の合計消費電力を電圧で割って求めます。朝と夕方のシーン別に具体的な計算例を紹介するので確認してみましょう。
朝の身支度シーン|炊飯器・電子レンジ・ドライヤーの計算例

具体的には、4,000W÷100V=40Aです。たとえば契約が30Aの家庭では、ドライヤー・レンジ・炊飯器の3つを同時使用するだけでブレーカーが落ちる水準に達します。さらに、エアコンの暖房運転(立ち上がり時の消費電力を2,000Wとした場合)も同時に使うと約20Aが加わり、合計で約60Aになるので注意が必要です。
朝の時間帯に複数の高消費電力家電を使用する家庭はこの合計値を基準に、余裕を持ったアンペア数の契約を検討しましょう。契約アンペアに余裕がない場合は、電子レンジとドライヤーの使用時間を数分ずらすなど、複数の高消費電力家電を同時に使わない工夫が有効です。
夕方〜夜の家事シーン|IH・洗濯機・エアコンの計算例

洗濯機自体の消費電力はほかの家電より小さい場合がありますが、乾燥機能付きの場合は消費電力が大きくなる点に注意。乾燥運転を頻繁に使う家庭は合計アンペアに余裕を持たせましょう。
契約アンペアが足りないと感じる場合は、夕方から夜にかけての家電の組み合わせを見直してみましょう。洗濯機の使用時間帯を朝や日中にずらすのもひとつの方法です。
世帯人数別に見る契約アンペアの目安

1人暮らしで家電をあまり同時使用しないなら20Aで足りることがある一方、電子レンジやエアコン、ドライヤーを同時に使う機会が多いなら30Aが目安です。2人暮らしは炊事・洗濯・空調などを同時に使う機会が増えるため30〜40A、3〜4人家族は食洗機・炊飯器・電子レンジ・エアコン・ドライヤーなどが夕方から夜に重なりやすいため、40~50Aが目安といえます(参照:CDエナジーダイレクト)。
ただし、上記はあくまでも目安であり、実際に必要な契約アンペアは住宅設備や家電の使い方によって異なる点に注意。前章で計算した、朝や夕方に同時に使う家電の合計アンペアと世帯人数別の目安を照らし合わせ、差が大きい場合は契約アンペアの見直しを検討するとよいでしょう。
自宅に合う契約アンペアがわかったら、世帯人数別の電力会社ランキングで電気代を徹底試算しているので、あわせて参考にしてください。
契約アンペアを下げると基本料金はいくら安くなる?

東京電力エナジーパートナーの従量電灯B(電気の使用量に応じて料金が決まる一般家庭向けの標準的な料金プラン)の基本料金(月額・税込)は、次のとおりです。
- 10A:311円75銭
- 15A:467円63銭
- 20A:623円50銭
- 30A:935円25銭
- 40A:1,247円00銭
- 50A:1,558円75銭
- 60A:1,870円50銭
基本料金はエリア・電力会社・プランによって異なるため、実際の削減額は契約中の電力会社の料金表で確認しましょう。使用量に応じた電力量料金は変わらないため、安くなるのはあくまで基本料金部分だけである点には注意が必要です。
契約アンペアを下げるかどうかは、基本料金の削減額と、自宅に必要なアンペア数を照らし合わせて判断することが大切。必要なアンペア数より契約アンペアを下げるとブレーカーが落ちやすくなるため、節約額だけでなく、普段の家電の使い方も考慮して見直しましょう。
契約アンペアを下げる際の注意点・デメリット
ブレーカーが落ちやすくなるリスク

たとえば30Aに下げた家庭で、前章で紹介した朝の身支度シーン(炊飯器・電子レンジ・ドライヤー使用時の試算で約40A)のような家電の同時使用があると、ブレーカーが落ちて電気が止まってしまいます。夕方から夜にかけて家事が重なる時間帯(IHクッキングヒーター・エアコン・洗濯機使用時の試算で40Aを超える場合)も同様に注意が必要です。
ブレーカーが落ちる原因は、契約アンペアの超過・漏電の発生・特定の回路での電気の使いすぎなどが挙げられます(参照:東京電力パワーグリッド)。頻繁に落ちる場合は、まず自宅の家電の同時使用状況を見直してみましょう。契約アンペアに余裕を持たせておくと、家電の同時使用でブレーカーが落ちるのを防ぎやすくなります。
オール電化・200V機器がある家庭は下げにくい

たとえば、IHクッキングヒーターは機種によって消費電力が異なりますが、最大使用時に大きな電流が流れる機器もあります。実際、オール電化・2世帯住宅の契約アンペアの目安は60A以上とされており、一般的な一人暮らしや少人数世帯(20〜40A)と比べて余裕を持たせた契約内容です。
オール電化住宅は電力量料金プラン自体がオール電化向けに設計されていることが多いため、アンペアを下げる前にまず電力会社やプランの見直しを検討することもひとつの選択肢。契約先によって条件が異なるため、変更できるかどうか、また下げられる下限のアンペア数がどこまでかは、事前に電力会社へ確認しておきましょう。
契約アンペアの変更手続きの流れ|工事・費用・スマートメーター対応

たとえば東北電力では、希望するアンペアに見合う配線設備であることが確認できれば、東北電力ネットワークの作業員が無料で工事を行います。ただし、配線設備の工事が必要な場合は、利用者自身で電気工事会社などを手配し、費用を負担する必要がある点に注意(参照:東北電力 )。また、分電盤が屋内にある場合は、作業員が屋内に立ち入ることがあるため、立ち会いが必要です(参照:東北電力)。
工事の要否・費用・立ち会いの条件は電力会社や自宅の配線設備の状況によって異なります。手続きの流れや必要書類も電力会社ごとに異なるため、契約中または契約予定の電力会社に事前に確認しましょう。また、スマートメーター設置済みの家庭でも、配線設備の状況によっては工事が必要になる場合がある点は変わりません。

























































