将来に向けて資産運用をしたいときに便利な定期預金や積立預金。実際に始めてみたいと思っているもののそれぞれどのような違いがあるのか、メリットやデメリットも含めて自分にはどちらが向いているのかわからない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、定期預金と積立預金の特徴や違いについて詳しく解説します。それぞれのメリット、デメリットもあわせて紹介しますので、最後までチェックしてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
両者にはそれぞれメリットとデメリットがあり、適している人も異なります。以下では定期預金と積立預金の特徴を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
定期預金とは、あらかじめ期間を指定したうえで、銀行などの金融機関にお金を預け入れる預金のこと。預入期間は金融機関によって数週間から10年程度と異なり、目的が決まっている資金を保管しておくのに適しています。
金利は普通預金と比べてやや高めです。固定金利型と変動金利型の両方を販売している金融機関が多く、着実に貯蓄したいか、金利が上昇するタイミングを狙って資産をさらに増やしたいかといったニーズにあわせて選べます。
また、定期預金の大きな特徴は、預入期間の満期まで原則お金を引き出せない点です。万が一満期前にお金が必要になった場合、一部解約か中途解約の手続きをすれば預金を引き出せますが、普通預金と同じ程度の利息しか受け取れない可能性もあるため注意しましょう。
積立預金とは、毎月決まった額を積み立てて目標額を目指す預金のこと。預入期間は金融機関によって異なりますが、期間を特に定めないものから20年以上と長期間利用できるものまであり、選択肢の幅広さが特徴です。満期日を特に決めない場合、3年など金融機関が任意に設定する期間積み立てを行う商品もあります。
金利は定期預金と同じ程度か、やや高いのが特徴です。満期まで金利が変わらない固定金利が採用されており、将来に備えて着実にお金を貯めたい人に適しているといえるでしょう。
また、目標額の積み立てが完了する前に預金を引き出したい場合、一部解約または中途解約の手続きが可能です。ただし、約定利率の20~50%程度の利率か、普通預金と同じ利率が適用される金融機関が多いため、手元に戻る預金はほとんど変わらないと覚えておきましょう。
以下では、定期預金と積立預金の違いを詳しく解説します。
定期預金はまとまった額を一度に預け入れるのに対し、積立預金は毎月決まった額を積み立てることで目標額を目指します。積立預金では賞与が支払われる月に積立金額を増やせる場合もあるので、資産運用を考えているサラリーマンにもおすすめの商品といえます。
また、定期預金は主に1円以上から1円単位で預け入れられますが、積立預金は1,000円以上から1,000円単位で積み立てる商品が一般的です。自分の職業や経済状況、将来へ向けた計画などを見直し、より自分にあったものを選びましょう。
一般的に、積立預金よりも定期預金のほうが金利は高い傾向にあります。ただし、金融機関によっては金利が同じ場合もあるため、申し込み前に商品の詳細をしっかり確認しましょう。2023年2月時点の金利を金融機関ごとに紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
イオン銀行では、定期預金・積立預金ともに金利は0.01%。普通預金が年利率0.001%であることを考えると、満期時に10倍の利息を受け取れる計算です。
SBJ銀行では預入期間が長いほど金利が高くなり、定期預金は0.03~0.20%、積立預金は0.03~0.15%。普通預金の金利は0.02%なので、満期時により多くの利息を受け取りたい人は数年単位の預け入れを検討しましょう。
りそな銀行では、定期預金・積立預金ともに0.002%の金利が適用されています。普通預金の金利は0.002%のため大きな差はありませんが、長く運用することを考えるとただ口座にお金を入れておくよりもお得だといえるでしょう。
定期預金は原則、満期前に預金を引き出すことができません。ただし、一部解約または中途解約の手続きをすることで、預金の全額または一部を引き出せる場合もあります。満期前に解約したときの金利は約定利率よりも低くなり、預入期間によっては普通預金と同じ利息しか受け取れないため、引き出しの際は慎重に判断しましょう。
対して、積立預金は期間の途中でも全額引き出せる商品が多い傾向にあります。金融機関によっては全額引き出すと同時に解約するか、一度預金を引き出したうえで積み立てを続けるかも選択可能です。状況に応じ、自由に払い戻しを受けたいと考えている人には積立預金がおすすめだといえるでしょう。
定期預金の預入期間は金融機関によりさまざまですが、1か月から10年単位で選べる場合がほとんどです。進学や就職でまとまった資金がすぐ必要になるのか、将来に備えて資金を保管しておきたいのか、目的に合わせて期間を設定しましょう。
積立預金の場合、積立期間を特に設定しない商品もあれば、数十年単位で積み立てられる商品も。定期預金よりも選択肢の幅が広く、たとえば小さな子どもが大学を卒業するまでの教育資金など、長いスパンで資産運用を行うことができます。積立期間の満了後、満期日までの据え置き期間があることも大きな特徴です。
以下では、定期預金と積立預金のメリットとデメリットを紹介します。
積立預金と比較した場合、定期預金にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。金利や預入期間、途中解約の可否といったポイントから比較します。
定期預金は積立預金よりも金利が高い傾向にあります。金融機関によっては長く預け入れるほど金利が上がる商品もあるため、普通預金口座にお金を入れておくよりも効率的に利息の受け取りが可能です。
また、途中解約をすると金利が下がってしまうことで、満期までしっかり預け入れるモチベーションを保ちやすくなります。細かいお金の管理が苦手な人や、目的以外の場所でついお金を使ってしまいがちな人は、定期預金を利用してみてもよいでしょう。
定期預金は積立預金と異なり、最初に預け入れる時点でまとまった金額が必要です。預入期間もあらかじめ決めなければならず、自由度はあまり高くないといえます。
また、原則として引き出しや中途解約ができない点にも注意しましょう。窓口で手続きを行えば一部または全額を引き出せる金融機関もありますが、約定利率に対して10~50%程度の利息しか受け取れません。
続いて、積立預金のメリットとデメリットを紹介します。
積立預金は毎月一定額を積み立てる預金のため、まとまった資金がなくても始めやすいメリットがあります。たとえば新卒で働き始めたばかりの人でも、毎月少額から積み立てていくことで十分な資産形成が可能です。
一度申し込めば毎月自動で振り替えられるため、貯金が苦手な人でも始めやすい預金だといるでしょう。状況に合わせて預入金額や期間を変更でき、定期預金と比べて自由度が高いのも魅力です。
また、満期前に資金が必要になった場合、比較的お金を引き出しやすいメリットもあります。預け入れた時点から金利が下がらないか、下がってもわずかである場合が多いため、より柔軟にお金を管理したい人におすすめです。
積立預金の大きなデメリットとして、金利の低さが挙げられます。一定額の貯金を続けるための仕組みとしては便利ですが、利息を含めて効率的に資産を増やしたい人にはあまり適していません。
また、定期預金に比べて引き出しのハードルが低いため、あらかじめ決めていた目的以外でお金を使ってしまいやすくなる点も注意しましょう。将来に向けて使わないお金を確実に残しておきたい人は、定期預金の利用をおすすめします。
最後に、定期預金と積立預金はそれぞれどのような人に向いているのか解説します。
まとまったお金を預け、長期的に資産運用をしたい人は定期預金に向いています。本記事で説明したとおり、あらかじめ期間を決めてお金を預けることを前提とした預金であるためです。しばらくお金を使う予定がない人や、普通預金口座に預けているだけではついお金を引き出してしまう人にも適しているといえるでしょう。
また、旅行や引っ越し、子どもの入学資金など、お金が必要になる時期が明確に決まっている人にもおすすめです。預入期間は1か月から10年単位で選べる金融機関が多いので、目的にあわせて商品を利用しましょう。
すぐに資金は用意できないが、計画的にお金を貯めたい人は積立預金に向いています。数千円単位から積み立てを始められる金融機関も多く、新卒やパート勤務など、一度に多くの金額は預けられない人でも挑戦しやすいのが魅力です。また、毎月の積立金は普通預金口座から自動的に振り替えられるため、貯金が苦手な人にも向いているといえるでしょう。
将来のためにまとまったお金を用意しておきたいが、ライフプランが定まっておらず、いつお金が必要になるか明確ではない人にもおすすめです。積立預金は状況にあわせてお金を引き出しやすいため、急に大きな額の出費が必要になった場合でも柔軟に対応できます。
定期預金と積立預金の特徴や、メリット・デメリットは十分理解できましたか?それぞれの特徴を知ることで、自分の経済状況や目的に適した金融商品が見つけやすくなります。
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