大きな画面で、自然で鮮やかな発色を楽しめると評判のXP-PEN Artist Pro 16TP。タッチ機能を搭載している点も好評ですが、「ペンの走り心地が重い」「ペンのファンクションキーが1つしかなくて使いにくい」といった口コミもあり、購入を迷っている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、XP-PEN Artist Pro 16TPを含む液タブ全9商品を実際に使用して、筆圧検知の精度・傾き検知の精度・ペンの使いやすさ・画面のきれいさ・視差の少なさ・描画面の描き心地・ラグやバグの起こりにくさ・付加機能や付属品を比較してレビューします。購入を検討中の人はぜひ参考にしてみてくださいね!
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
XP-PEN Artist Pro 16TPは、2022年2月執筆時点で、4K対応の液タブで選ぶなら最有力候補になる一台です。4Kに対応した高解像ディスプレイは、今回比較した商品のなかでもトップクラスの精細さ。色域も広く、鮮やかな発色と自然なグラデーションを楽しめます。15.6インチの大画面と4K解像度のおかげで細かい作業もしやすく、画面もスペック以上に広く感じられます。
もちろん、液タブとしての性能もかなり優秀。なかでも傾き検知の性能は非常に高く、ペンの傾きを活かした繊細な表現も得意。鉛筆に近い感覚で使えるので、デッサン風の作品も楽しめるでしょう。一方で筆圧検知はやや精度が低く、線の濃淡はつけにくい印象でした。
フルラミネーション加工が施された画面は、スマホの画面のような滑らかな触り心地。ペン先と画面上のカーソルの位置がズレる「視差」も最小限に抑えられています。ラグやカクつきなどデジタル特有の不具合もなく、長時間でも快適に作業できるでしょう。
またペン先は沈み込みが少なく、グラグラせずに安定して使えました。つるつるとした画面はペンの滑りもよく、スムーズに書き進められます。手元は少し引っかかりやすい印象ですが、付属の手袋を装着すれば作業しやすくなりますよ。
価格は執筆時点で税込106,200円と高価なモデルですが、それだけの機能をそなえています。ポスター印刷といったプロ向けの用途にも十分対応できるので、長く使える一台として、初心者にもおすすめです。
実際にXP-PEN Artist Pro 16TPと比較検証を行った商品の中で、各検証項目でNo.1を獲得したものをピックアップしました。
XP-PEN Artist Pro 16TPよりも高い評価を獲得した商品も!ぜひこちらも検討してみてくださいね。
XPPen
アナログ感覚で描きたい人に。濃淡や細かなタッチを再現
ここからは、そもそもXP-PEN Artist Pro 16TPとはどのような商品なのか、さらに深堀りして解説します。
XP-PENは、2005年にスタートした中国のペンタブレットメーカー。15年以上の開発経験を活かして、先進的な製品を展開しています。
今回ご紹介するArtist Pro 16TPは、2021年に発売された15.6インチの液晶ペンタブレット。フルHDの4倍の画素数を誇る4Kディスプレイを採用し、細部まで忠実に表現できると謳っています。マルチタッチ機能を搭載しているので、指先だけでキャンバスの拡大・縮小・回転も可能です。
ペンブには「板タブ」と「液タブ」の2種類がありますが、その大きな違いは液晶画面の有無です。
画面がない板タブは、PCのモニターを見ながら手元で描き込む必要があります。液タブに比べて値段は安いものの、使いこなすには練習が必要です。
一方の液タブは、液晶画面に直接描き込めるのが魅力。紙に描いているときに近い感覚で使えるので、初心者でも比較的使いやすいでしょう。
本製品は、液晶画面とカバーガラスをシームレスに組み合わせる「フルラミネーション加工」を採用。ペン先と画面上のカーソル位置とのズレを低減し、アナログに近い自然な描き心地を追求しています。また、ドットの粒感や光の反射を抑える特殊なカバーガラスを採用しているため、目の疲れを軽減する効果も期待できますよ。
付属のデジタルペンは、8,192段階の筆圧検知と60度の傾き検知機能を搭載。ペンを上下反対に持ち変えれば、消しゴムに早変わりしますよ。電池や充電は不要なので、時間を気にせず使えるのも魅力です。ファンクションキーは1つ搭載されています。
このほか、替え芯9本や専用のペンケースを含む計8点のアクセサリが付属。別売のスタンドを使えば6段階の角度調整ができ、より疲れにくい姿勢で作業できます。また、よりデジタルペンのような描き心地に近付けたい人には、フェルト替え芯やペーパーライクフィルムなどもおすすめです。
本体サイズは406.4×263.1×15.4mm。バックは耐久性に優れたフルメタル仕様で、シンプルながらもスタイリッシュなデザインです。
デバイスとの接続は、付属のUSB-C to USB-Cケーブルまたは2 in 1ケーブルを使います。PCはもちろん、一部のAndroidスマートフォンとも接続可能。対応OSは以下のとおりです。
【対応OS】
WindowsおよびMacで使う場合はドライバーが必要なので、こちらからダウンロードしてくださいね。
今回はXP-PEN Artist Pro 16TPを含む液タブ全9商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、筆圧検知と傾き検知の精度を検証します。
5段階の負荷を与えたときの線の濃淡の違いと、ペンの傾きを変えたときの線の出方をチェックしました。使用したペイントソフトは「CLIP STUDIO PAINT PRO」です。
8,192段階の筆圧検知を謳っているだけあり、ペン先の力加減で線をコントロールできました。おおね期待どおりの性能でしたが、線の濃淡の差がやや出にくいため、繊細な強弱はつけにくい印象です。
一方で、傾き検知の精度はトップクラスの高評価に。わずかな傾きを検知して幅の太さや細かさが変わり、アナログのように繊細な表現が可能です。鉛筆のような感覚で使えるので、デッサンのような表現も楽しめるでしょう。
液タブで思いどおりのイラストを描くには、視差や遅延などデジタル特有の欠点が極力少ないものを選びたいところ。そこで今回は、ペンの使い心地や画面の滑らかさに着目し、快適に制作作業を進められるかどうかチェックしました。
その結果、描き心地は高評価を獲得。気になるような問題点はなく、アナログに近い感覚で作業を進められました。
ペン先のグラつきはなく、安定して描き進められました。ペン先の沈み込みが少ないので、アナログペンに慣れている人も使いやすいでしょう。
また、ペン先と実際に描画される位置がズレる「視差」もほとんどありません。液晶画面とカバーガラスの隙間を小さくする「フルラミネーション加工」が施されているため、思ったとおりの位置に線を描き出せました。
Windows PCのペイントソフトを使ってイラストを描いてみると、滑らかにペンを動かせました。画面はつるつるとしていて、スマホの画面に近い質感です。素手で描くと手元が少し滑りにくいので、付属の2本指手袋を使うとよいでしょう。
また、1時間イラストを描き続けても、ラグやカクつきといったトラブルは一度も起きませんでした。長時間の制作作業もスムーズに進められるでしょう。
デジタルイラストは色塗りのバリエーションも豊富。ディスプレイの画質や発色が美しいほど、色塗りの工程も楽しめますよね。最後に、解像度や色域の広さをチェックしました。
本製品は3840×2160の4Kに対応しているだけあり、画面の美しさは折り紙付き。細部までくっきりと映し出しており、今回比較したなかでもトップクラスの画質でした。NTSC 88%・sRGB 124%・Adobe RGB 92%と色域のカバー率も高く、鮮やかな発色と自然なグラデーションを実感できるでしょう。
筆圧段階 | 8192 |
---|---|
ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | 4K(3840×2160ドット) |
---|---|
色域 | NTSC:88%、sRGB:124%、Adobe RGB:92% |
本体のファンクションキー | 0個 |
ペンのファンクションキー | 1個 |
対応OS | Windows 7以降、Mac OS X 10.10以降、Chrome OS 88以降、Android (USB3.1 DP1.2) |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 406.4mm |
奥行 | 263.1mm |
高さ | 15.4mm |
重量 | 1520g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | バッテリーフリースタイラスペン、ペンケース(替え芯9本同梱)、USB-C to USB-Cケーブル、2in1ケーブル、電源アダプター、クイックガイド、クリーニングクロス、2本指グローブ |
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最後に、筆圧検知の精度が高い商品をご紹介します。
Artist 12セカンド 液晶ペンタブレットは、わずかな力加減も反映する筆圧検知機能が魅力。人物の線画や微妙な濃淡が求められる色塗りに役立ちます。本体には8個のファンクションキーがあり、使い勝手も良好。本体はA4用紙と同じくらいのサイズなので、カバンに入れて気軽に持ち運べますよ。
ワコムのWacom Cintiq 16も、筆圧を変えることで細かいニュアンスも思いのままに表現できました。傾き検知の精度も高く、アナログに近い繊細なタッチを楽しめます。付属品は少なめですが、別売のアクセサリが充実しているので、必要に応じてカスタマイズできますよ。
筆圧段階 | 8192 |
---|---|
ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | フルHD(1920×1080ドット) |
---|---|
色域 | NTSC:90%、sRGB:127%、Adobe RGB:94% |
本体のファンクションキー | 8個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows 7以降、Mac OS X 10.10(またはそれ以降)、Android(USB3.1 DP1.2)、Chrome OS 88(またはそれ以降)、Linux、macOS、Monterey、Windows 11 |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 346.2mm |
奥行 | 209.0mm |
高さ | 12.0mm |
重量 | 880g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | X3 Eliteスタイラスペン、3in1USB ケーブル、延長コード、替え芯抜き、替え芯×10、クリーニングクロス、2本指グローブ(黒)、クイックガイド、保証書 |
XP-PEN Artist 12セカンド 液晶ペンタブレットをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
筆圧段階 | 8192 |
---|---|
ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | フルHD(1920×1080ドット) |
---|---|
色域 | NTSC:72%、sRGB:96% |
本体のファンクションキー | 0個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows7以降、Mac OS 10.12以降 |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 422.0mm |
奥行 | 285.0mm |
高さ | 24.5mm |
重量 | 1900g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | Wacom Pro Pen 2、着脱式ペンホルダー(通常芯3本、芯抜き)、3 in 1ケーブル(1.8m)、ACアダプタ(1.5m)、電源ケーブル(1.8m)、クイックスタートガイド、レギュレーションシート |
Wacom Cintiq 16 DTK1660K0Dをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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