画面が大きめで描き心地がよく、快適に使えると評判の液タブ、HUION Kamvas Pro 19。「思った以上に画面がきれい」と高く評価される一方で、口コミのなかには「所々ペンが引っかかる」といった気になる声もみられ、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の7つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の液タブとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、液タブ選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
HUION Kamvas Pro 19は、効率よく作業をしたい上級者におすすめです。描画面はサラッとしており、手が触れてもスムーズに動かせます。比較したほかの商品には手との摩擦が気になるものもあったなか、実際に使用したモニターからは「手の置き場に困らない」「スムーズに手を滑らせられる」と好評でした。
「所々ペンが引っかかる」との口コミに反してペンの動きはなめらかで、芯のブレも感じません。傾き検知の精度も高く、角度にあわせて線の太さもしっかり変化しました。筆圧検知レベルは16384段階ですが、実際の使用感は比較した8192段階の商品と同等。しかし負荷によって線の濃さが変わったため、さまざまな表現を楽しめますよ。
解像度は4K UHDに対応しており、液晶画面のクオリティも申し分ありません。色域もsRGBカバー率99%と最高レベルほどではないものの、十分な広さといえます。反射を抑えるアンチグレア加工・ペン先と画面の位置を近づけて視差を抑えるフルラミネーション加工が施されており、思いどおりに描けるでしょう。
付属の標準ペンには3個のファクションキーが搭載されており、好みのコマンドを割り当てられます。左手デバイスに加えて、Windowsであればタッチ機能が使えるなど、作業効率をアップする工夫もみられました。タッチ機能は不意に手が触れると誤作動を起こす場面があったため、付属の専用手袋を装着しましょう。
スタンドになるペンケース・替え芯などが付属しているのも強みです。公式サイト・ECサイトでの販売価格は約17万円(※2024年9月時点)と比較した全商品のなかでも高価なため、初心者には手が届きにくいかもしれません。とはいえ見やすく大きな液晶画面で快適に描けるので、本格的にイラスト制作をしたい人はぜひ購入を検討してみてください。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
実際にHUION Kamvas Pro 19と比較検証を行った商品の中で、各検証項目でNo.1を獲得したものをピックアップしました。
HUION Kamvas Pro 19よりも高い評価を獲得した商品も!ぜひこちらも検討してみてくださいね。
XPPen
アナログ感覚で描きたい人に。濃淡や細かなタッチを再現
そもそも液タブとは、液晶画面に直接イラストを描けるアイテム。iPadなどのタブレットに比べて大画面なうえに、ショートカットボタンなどイラストを描くのに便利な機能を搭載しているのが魅力です。液タブは性能によって値段に差があるため、予算にあわせて選ぶとよいでしょう。
今回ご紹介するKamvas Pro 19は、描き心地にこだわり、最先端のキャンバスガラス・4K UHDの解像度を備えた18.4インチの大型ディスプレイを採用しているのが特徴です。ディスプレイは約21mmと薄型かつ重量は2,000gと軽く、持ち運びやすいよう設計しています。販売元は、2011年に中国にて設立されたペンタブレットブランドのHUIONです。
専用ペンは、標準ペン・スリムペンと太さの異なる2種類を付属。標準ペンには3個・スリムペンには2個のファクションキーが搭載されているほか、上部にはデジタル消しゴムが備わっています。間違えてもすぐに消せますよ。
電源には、コネクタの方向を気にせず差し込めるデュアルブラインドのUSB-Cポート2つを搭載。付属のGaN電源アダプタを使えば、USB-Cケーブル1本でパソコンなどと接続が可能です。OSは、Windows・macOS・Android・LinuxOSに対応しています。なお、詳しいスペックは以下のとおりです。
今回は、HUIONのKamvas Pro 19を含む人気の液タブを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
人気の液タブを比較検証したところ、HUION Kamvas Pro 19には6つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひチェックしてください。
またペンを90度・60度・30度にそれぞれ傾けて描くと、線の太さは角度によってなめらかに変化。90度では濃く細め線・30度では薄く太めの線を描けました。
筆圧やペンの傾きによって仕上がりが変化するため、鉛筆を用いたデッサン風・パステルを使った色塗りなどさまざまな表現を楽しめます。
「所々ペンが引っかかる」との口コミに反してペンはなめらかに動かせ、描き心地も申し分ありません。実際に使用したモニターからは「紙に描いているみたい」「ボールペンのようにサラサラ描ける」と好評でした。
一部にモニターからは「摩擦を感じる」との指摘がみられたものの、ペン先が滑りすぎないため、止めたいときは思いどおりの位置で止められます。
ペンの上げ下ろしをしても芯がブレないのも利点です。比較したほかの商品には書いている最中に芯のぐらつきが気になるものもあったなか、モニターからは「芯が安定し、快適に描けた」との声が多く寄せられました。
ただしタッチ操作が可能なため、一部のモニターからは「手が不意に触れると意図しない操作をするときがある」との指摘も。付属の専用手袋を装着すれば誤操作の頻度が少し減らせたため、気になる場合は手袋をつけるとよいですよ。
コメントは一部抜粋
液晶画面はハイクオリティで、イラストをきれいに映し出せるのも魅力。解像度は4K UHDに対応しており、細かい部分まで鮮明に表示できました。完成品をイメージしながら描けるため、とくに背景画を描くのに適しています。
色域はsRGBカバー率は99%・Adobe RGBカバー率は96%・DCI-P3カバー率は98%と十分な広さです。sRGBカバー率は120%以上の上位商品に比べると色域は最高レベルではないものの、描いたものを印刷するのでなければ問題ありません。上級者も満足できる性能といえます。
画面にも見づらさは感じません。表面には、反射を抑えるアンチグレア加工が施されています。アンチスパークル仕様も採用しており、目の疲れを軽減する効果が期待できるでしょう。
比較したほかの商品にはないものもあった、ペン先と画面の位置を近づけるフルラミネーション加工を採用しているのも利点です。ペンを置いた位置と画面上に引かれる線の位置との間に生じる、視差を抑えられます。
ポイント調節機能も搭載されており、ペン先の動きに対するカーソルの位置は細かく調節可能です。画面を見やすくする工夫がされているので、思いどおりに描けますよ。
Windowsのみの対応ですがタッチ操作も可能なため、より直感的に作業ができるでしょう。なお、詳しい結果は以下のとおりです。
比較した商品にはないものも多かった、画面スタンド・ペンスタンドをつきなのもよい点。ペンスタンドはそのままペンを収納してペンケースとしても使えます。通常芯・フェルト芯それぞれ5本ずつ替え芯がセットになっており、替え芯を別途用意する手間がないのもうれしいですね。
HUION Kamvas Pro 19にはたくさんのよい点がある反面、気になった点もありました。購入を考えている人は、しっかりリサーチしておきましょう。
上級者も満足できるほど高性能なため、公式サイトでの価格は169,980円(※2024年9月時点)と高価です。比較したほかの商品には50,000円弱で十分な性能を備えているものもありました。
初心者には手を出しづらい価格帯のため、予算や目的にあわせて選ぶことをおすすめします。
筆圧段階 | 16384 |
---|---|
ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | 4K UHD |
---|---|
色域 | sRGB:99%、Adobe RGB:96% |
本体のファンクションキー | 0個 |
ペンのファンクションキー | 3個(標準ペン)、2個(スリムペン) |
対応OS | Windows、Mac OS、Android、LinuxOS |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 448.9mm |
奥行 | 272.4mm |
高さ | 21.3mm |
重量 | 2000g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | 左手デバイス、標準ペンPW600、スリムペンPW600S、標準替え芯×5、フェルト替え芯×5、ペンケースPB03、3in2ケーブル、USB-C to USB-C電源ケーブル、USB-C to USB-Cケーブル、電源アダプター、専用手袋、クリーニングクロス、クイックスタートガイド、カラーキャリブレーションレポート |
ここでは、HUION Kamvas Pro 19とはまた違う魅力をもつ商品をご紹介します。
Artisul SP1603は、性能と価格のバランスがとれています。ECサイトでの販売価格は44,000円ほど(※2024年9月時点)と手頃。はじめの1台としても手に取りやすいでしょう。
付属のペンに2個・本体に14個のファンクションキーが搭載されているのも魅力です。ペン立て・画面スタンド・替え芯もセットに含まれており、購入後はすぐに作業環境を整えられます。
肝心の描き心地もよく、筆圧・傾き検知の精度も良好です。実際に使用したモニターからは「ペンの滑りがなめらか」と好評だったため、思いどおりに描けますよ。
描きやすさにこだわるなら、XP-PENのArtist Pro 16 (Gen2)を要チェック。実際に使用したモニターからは「描画面がサラサラしている描きやすい」と好評で、比較した全商品のなかでも描き心地はトップクラスの評価でした。
画面にはフルラミネーション加工・ポイント調節機能が搭載されており、ペンの筆跡とカーソルの位置ズレはほとんど気になりません。筆圧・傾き検知の精度も高く、直感的な操作ができますよ。
左手デバイス・替え芯が付属していながら、ECサイトでの販売価格は80,000円弱(※2024年9月時点)と高すぎません。安定して描ける液タブを求める人は候補の1つによいでしょう。
HUION Kamvas Pro 19は、公式サイトのほか、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングといったECサイトにて購入できます。なお、公式サイトでの販売価格は169,980円です(※2024年9月時点)。
公式サイトでは持ち運びに便利なバックパック・スタンド・デスクトップアームなども取り扱っているので、気になる人はあわせて検討してみてください。
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