ペン先と線のずれを極力抑えられると謳う液タブ、Artisul SP1603。インターネット上では「描画時の線のずれや遅れがない」と評判ですが、「色合いがPCと違って描きにくい」という口コミもあり購入を迷っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、Artisul SP1603を含む液タブ全13商品を実際に使って、筆圧検知の精度・傾き検知の精度・ペンの使いやすさ・画面のきれいさ・視差の少なさ・描画面の描き心地・ラグやバグの起こりにくさ・付加機能や付属品を比較してレビューしました。 購入を検討中の人はぜひ参考にしてみてくださいね。
新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
Artisul SP1603は、作業効率をあげたい人におすすめです。実際に線を描くと、評判どおり思ったとおりの場所に描けました。ペン先も沈み込まず安定しています。比較したなかで、本品のようにフルラミネーション加工が施された商品は視差が小さい傾向が。そのうえ本品は画面の5か所でタッチ位置を調整でき、作業中に描きなおす手間を省けますよ。
付属品も豊富です。10本の替え芯のほかに画面スタンドやペン立てがあり、イラストを描くのに必要な道具が揃っていました。ファンクションキーが多数搭載されているのも魅力です。ペンはもちろん、本体には14個も搭載。比較したほかの商品は多くても8個だったのに対し、作業効率アップに役立ちそうです。
ラグ・バグは気になりません。接続後すぐに一度ラグが起きてからは、30分イラストを描き続けても評判どおり遅れは気になりませんでした。比較したなかにはカーソルを浮かせるとラグが発生する商品もあったなか、長時間快適に作業できるでしょう。
フルHDのディスプレイで画面の見やすさも良好です。色域を確認すると、sRGBという基準を128%カバー。比較したなかにはカバー率90%ほどの商品もあったなか、口コミに反して必要な色を問題なく表現できる数値でした。描きやすさも高評価を獲得。やや手が引っかかるものの、ペンがサラサラと滑り描きやすいですよ。
傾きも繊細に検知します。4段階にペン先を傾けて描いてみると、太さが段階的に変化しました。比較したなかには2段階ほどしか変化しない商品もあったなか、優秀な結果です。一方で、筆圧の検知はいまひとつ。メーカーでは8192段階に検知すると謳っていますが、負荷を強めて描いても線の濃さはそれほど変わりませんでした。
執筆時点での値段は税込40,000円程度で、ミドルレンジのなかでも安価に買える本品。視差が少なくきれいな画面で描けるうえ、効率をあげるファンクションキーも豊富です。筆圧による濃さの表現はあと一歩ですが、効率よく作業を進めたい人は検討してみてくださいね。
そもそも液タブとは、紙と同じようにディスプレイに直接描画できるデジタル機器のこと。ペンにファンクションキーがついていたり、画面が大きく描きやすかったりするのも液タブの特徴です。
今回ご紹介するArtisul SP1603は、視差が少なく思いどおりに描きやすいと謳う商品。最大の特徴は、14個のファンクションキーとホイール(※)です。アプリごとにショートカットキーを設定でき、「回す」と「押す」だけで作業効率が大幅にアップするアピールしています。
ホイールモードはWindows10バージョン1067以降のみ対応。
Artisul社台湾に拠点を置く企業。世界100か国以上で液晶ペンタブレットやその関連商品を扱っています。
メーカーによると、sRGB基準の128%の色域をカバー。反射を防止して目にやさしい、アンチグレアフィルムも搭載しています。書いたものが別モニターに表示される板タブモードでも使える仕様です。
付属のペンは、筆圧検知レベルが8192・傾き検知はプラスマイナス60度。ペン先の沈み込み・揺れを最新技術で改善し、線の濃淡・陰影などを自然に描画できると謳っています。摩擦がほしい人には、別売のフェルト芯もおすすめしていますよ。
本体サイズは、幅455.0×奥行256.0×高さ9.0mmで重量1300g。画面の大きさは15.6インチと大きめで、イラストを描きやすいサイズといえるでしょう。
PCと繋ぐ場合、USB PD対応のType-C端子を搭載していれば接続はケーブル1本でOK。もしない場合でも、HDMIを繋げば使用できます。対応OSは以下のとおりです。
<対応OS>
付属品は以下のとおりです。
<付属品>
画面スタンドがあれば、無理な姿勢になることも少なくなります。また、ペン立て・ペンケースが付属し、作業をしていないときの置き場所にも配慮。替え芯も豊富で、液タブを使うのに何を買ってよいかわからない人でも使いやすいでしょう。
今回は、Artisul SP1603を含む液タブ全13商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
最初に、筆圧・傾き検知の精度について検証しました。検証には「CLIP STUDIO PAINT PRO」というソフトを使用します。
筆圧検知では、液タブを計量器に乗せて評価。負荷を5段階で調整し、ペンを約90度にキープしたまま描いた線の濃淡差を比較しました。傾き検知では、4段階に傾きを固定したペン先の下に台車に乗せた液タブを配置。実際に台車を走らせて表現の差が細かく出せるものを高評価としました。
筆圧検知の評価は、いまひとつ伸び悩む結果に。負荷を強くして力を込めてみても、線の濃さはそれほど変わりません。比較したなかでも線の濃さが反映されやすい傾向があった8192段階の商品ながら、細やかな表現は不得意でした。
一方で、傾き検知は優秀です。ペンの傾きの差に応じて線の太さが変化しました。比較したなかには線の太さが2段階ほどしか変わらなかった商品もあったのに対し、デッサン風の描き心地も体験できるでしょう。
次に、画面のきれいさ・視差の少なさを検証しました。
まずは、sRGBという基準に沿って色域の広さ・解像度を調査。その後、実際に線を描いてみてフルラミネーション加工か・ペンのタッチ位置調整ができるかといった観点から評価しました。
その結果、メーカー公称値と同じく色域はsRGB基準を128%カバーできました。比較したなかには100%以下の商品もあったなか、優秀な結果です。口コミではPCとの色合いの違いが懸念されましたが、描画に使う色を問題なく表現できるでしょう。
1920×1080ドットのフルHDで解像度も優秀。比較したなかにはさらに解像度が高い4Kの商品もあったものの、十分きれいな画面で作業できます。色域の広さと解像度の高さを考えると、とても優秀な商品といえるでしょう。
比較した結果、多くの商品が本品同様に液晶パネル・ガラス間を狭くするフルラミネーション加工を施していました。本品は、画面の5か所でタッチ位置を調整できる機能も搭載しているので、好みの描き心地にカスタムできますよ。
次に、ペンの使いやすさ・描画面の描き心地の検証です。
実際に使用してみて、ペンの沈み込みとファンクションキーの数・画面の滑りやすさを確認して評価しました。
実際にペンを使ったところ、グラつかず安定して描けました。ファンクションキーも2個以上搭載しています。
比較したなかにはペン先が沈み込んで安定しない商品もあったなか、メーカーが謳うとおり沈み込み・揺れが抑えられていました。描きなおす手間が少なく済むでしょう。
描画時の描き心地も好評です。Windowsのペイントソフトで約10分間イラストを描いてみると、ペンの滑りがよく描きやすいと感じました。
ただし、画面は少し手が引っかかります。比較した商品には画面がさらさらしたものもあり、上位商品には一歩およばず。手袋が同梱されているので、滑りが気になる人は使ってみてくださいね。
その結果、ラグ・バグは起こりにくい商品だとわかりました。接続直後に一度ラグがみられましたが、その後は30分間イラストを描き続けても問題なし。比較したなかにはカーソルを少し浮かせるとラグが起こる商品もあったなか、直感的に描画できそうです。
付属品は豊富です。10本の替え芯のほかに画面スタンドやペン立てが同梱。イラストを描くのに必要な道具が揃っています。
また、ファンクションキーも豊富に搭載されていました。ペンだけでなく、本体には14個も搭載。比較したほかの商品は多くても8個だったのに対し、作業効率アップに役立ちそうです。
筆圧段階 | 8192 |
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ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | フルHD(1920×1080ドット) |
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色域 | sRGB:128%、NTSC:90% |
本体のファンクションキー | 14個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows、Mac OS、Android |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 455.0mm(実測値) |
奥行 | 256.0mm(実測値) |
高さ | 9.0mm(実測値) |
重量 | 1300g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | 電源アダプタ、スタイラスペンP77、2本指手袋、ペンケース、ペン立て、2in1ケーブル、HDMIケーブル、替え芯×30、タブレットスタンド、クリーナー、クイックスタートガイド、保証カード |
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Artisul SP1603は、Amazon・楽天市場などの大手ECサイトで販売しています。取扱店舗によって送料込みの値段が異なるので、確認のうえ購入してくださいね。
液タブの機能を十分に活用するなら、ドライバーのインストールが必須です。「商品名+ドライバー」と検索して、公式サイトからインストールしてくださいね。
お絵かき専用ソフトも重要です。デフォルトのWindowsのペイントソフトでは、筆圧検知・傾き検知機能が満足に機能しません。専用ソフトならペンの種類も豊富で、繊細な表現を楽しめますよ。
最後に、より細かな表現が得意な商品をご紹介します。
Wacom Cintiq 16 DTK1660K0Dは、筆圧・傾き検知の精度が比較したなかでもトップクラス。ペンがよく滑り、手元の少しの力加減も反映して毛先や背景など繊細な表現を楽しめます。ラグやバグもなく、長時間使用でも安定していました。本格的なイラスト制作をしたい人におすすめですよ。
XP-PEN Artist 12セカンド 液晶ペンタブレットは、液タブ1台目におすすめです。高精度に筆圧・傾きを検知。手元の動きを細かく反映できて、微妙な濃淡も表現できました。フルラミネーション加工で視差も少なく、ペンもするする滑ります。比較したなかでも安価で、手に取りやすいですよ。
筆圧段階 | 8192 |
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ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | フルHD(1920×1080ドット) |
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色域 | NTSC:72%、sRGB:96% |
本体のファンクションキー | 0個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows7以降、Mac OS 10.12以降 |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 422.0mm |
奥行 | 285.0mm |
高さ | 24.5mm |
重量 | 1900g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | Wacom Pro Pen 2、着脱式ペンホルダー(通常芯3本、芯抜き)、3 in 1ケーブル(1.8m)、ACアダプタ(1.5m)、電源ケーブル(1.8m)、クイックスタートガイド、レギュレーションシート |
Wacom Cintiq 16 DTK1660K0Dをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
筆圧段階 | 8192 |
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ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工) |
良い
気になる
解像度 | フルHD(1920×1080ドット) |
---|---|
色域 | NTSC:90%、sRGB:127%、Adobe RGB:94% |
本体のファンクションキー | 8個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows 7以降、Mac OS X 10.10(またはそれ以降)、Android(USB3.1 DP1.2)、Chrome OS 88(またはそれ以降)、Linux、macOS、Monterey、Windows 11 |
角度調整スタンドあり | |
幅 | 346.2mm |
奥行 | 209.0mm |
高さ | 12.0mm |
重量 | 880g |
スマホ対応 | |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | X3 Eliteスタイラスペン、3in1USB ケーブル、延長コード、替え芯抜き、替え芯×10、クリーニングクロス、2本指グローブ(黒)、クイックガイド、保証書 |
XP-PEN Artist 12セカンド 液晶ペンタブレットをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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