クレジットカードの最高峰とされるブラックカード。「利用限度額が無制限になる」「VIP待遇が受けられる」などの噂は耳にするものの、サービスの全容を公表しているクレジットカード会社は少なく、実態は謎に包まれています。
そこで今回は、ブラックカードとはどのようなカードなのか、年収や利用額などの条件はあるのか解説します。特長や発行する際の注意点も紹介するので、ブラックカードのサービスを詳しく知りたい人はぜひ参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
ブラックカードは、クレジットカードのなかで最上位に位置するカードです。一般的にクレジットカードは、一般カード・ゴールドカード・プラチナカード・ブラックカードにランク分けされています。最もステータスが高いのがブラックカードで、限られた人しか保有できません。
日本で発行されているブラックカードは、ダイナースクラブ プレミアムカード・楽天ブラックカード・Mastercard®︎ Gold Card™️など。大々的に公開していないものの、ブラックカードを発行しているカード会社もあります。
ブラックカードとはクレジットカードのランクを示す言葉であり、券面が黒とは限りません。たとえば、Mastercard®︎ Gold Card™️の券面や名称はゴールドですが、グレードはブラックカードにあたります。反対に黒い券面でも一般カードにあたるものもあるので、カードの特徴をよく確認しましょう。
基本的にブラックカードは招待制です。発行したい人は、カード会社に優良顧客だと判断してもらえるよう行動しましょう。優良顧客とされる基準は非公開なので必ず招待されるとは限りませんが、ブラックカードにふさわしいと判断されやすいのはどのような人なのか解説します。
クレジットカードの年間利用額が毎年大きい人ほど、ブラックカードの招待が来る確率は高いとされています。ブラックカードのサービスに見合った利益を、カード会社に提供している優良顧客だと判断されやすくなるためです。
たとえば楽天ブラックカードであれば、年間利用額が500万円以上であることが求められます。年間2,500〜3,000万円、通算1億円以上の利用が条件といわれているブラックカードもありますが、大半のカード会社は明確な金額を公表していません。
ブラックカードの招待を受けたいなら、クレジットカードを使い分けずに1枚にまとめておくとよいでしょう。ブラックカードにランクアップさせたいクレジットカードに支払いを集中させれば、自然と年間利用額がアップします。
年収は1,000〜2,000万円以上に達していないと、招待が厳しいという推測も。年収などの基準も公表されていませんが、多額の利用額を賄うには高い収入が欠かせません。
いずれブラックカードを持ちたいなら、ブラックカードを発行している会社のクレジットカードを利用しましょう。カード会社は自社のクレジットカードの利用実績を見て、招待するか判断していると考えられます。
ブラックカードを発行しているカード会社と、各社が発行するブラックカードは以下のとおりです。
Mastercard®︎ Black Card™️・Mastercard®︎ Gold Card™️・楽天ブラックカードは、条件を満たせば直接申込めます。招待を待つより早く所持できる可能性があるので、いち早くブラックカードを入手したい人は確認してください。
アメリカン・エキスプレスのセンチュリオン・カードは、取得難易度がとくに高いとされているブラックカードです。公式サイトに掲載されておらず、情報は秘匿されています。
招待を受けるには、クレジットカードや他社ローンなどの滞納や未納がないことが前提です。支払いに遅れていると、カード会社からの信用を失ってしまいます。
クレジットカードの審査は、他社クレジットカード・ローン・スマホの分割払いなどの支払い履歴が影響するもの。支払期日に遅れた事実は金融事故として残り共有されるので、誤魔化せません。返済能力に欠ける人だと判断されてしまいます。
引き落とし日の残高不足にも注意しましょう。期日までに支払えるだけのお金が不足しがちで、十分な資金がない人だと思われる可能性があります。引き落とし予定の金額が銀行口座にあるか、毎月確認しておくことが大切です。
高額な利用限度額や充実した特典が適用できるほか、社会的地位の高さを証明できることが、ブラックカードを持つメリットです。ここでは、ブラックカードの特長を詳しく解説します。
ブラックカードの利用限度額は、ほかのグレードよりもはるかに高額です。信用性の高い富裕層向きのクレジットカードであり、多額の支払いに使われることを前提にしています。
たとえば、楽天ブラックカードの利用可能額は最大で300〜1,000万円まで。対して一般カードとされる楽天カードの利用可能額は最大100万円、楽天ゴールドカードは最大200万円、プラチナカードに相当する楽天プレミアムカードは最大300万円です。
なかには一律の制限がなく、利用者の年収や状況に応じてフレキシブルに利用可能額が設定されるカードもあります。無制限で使えるわけではありませんが、利用限度額が柔軟に変わるのは、ほかのグレードでは得られない魅力です。
ブラックカードの保有者には、充実した特典や付帯保険が提供されます。ステータスの裏付けとして豊富な特典や付帯保険を用意しているので、存分に活用しましょう。
ブラックカードのサービスのなかで特長的なものは、専属コンシェルジュが配属されることです。私設秘書のような存在であり、サービスの予約・手配の代行・贈り物の選定など、幅広い要望をいつでも依頼できます。
ほかにも、以下のような特典や付帯保険の適用が可能です。
ただし、カード会社によって特典内容は異なります。詳細は、ブラックカードを入手したあとに担当コンシェルジュや公式サイトに確認しましょう。
ブラックカードの提示によって、社会的地位の証明につながることも。カード会社の厳しい条件をクリアし招待を受けた人だと認識され、評価が上がる可能性があります。
利用額が著しく大きく信用情報に傷がないことが必須条件であるブラックカードは、社会的に信頼されていることを示せるもの。ブラックカードを有するラグジュアリーカード保有者の平均年収は約2,360万円というデータもあり、高年収であることの証明にもなります。
VIP待遇を期待できたり、海外で身分証の代わりに使えたりするケースも少なくありません。取引先との会食などビジネスシーンで提示すれば、相手の信頼を得やすくなることもあります。
さまざまな特長があるブラックカードですが、高額な年会費が発生するうえにポイント還元率はそれほど高くありません。ブラックカードを持つうえで注意したい点も、詳しくチェックしましょう。
カード会社によって異なりますが、ブラックカードの年会費は15〜50万円ほどが相場です。特典や付帯保険が充実しているぶん、高額に設定されています。
各カードの年会費は、次のとおりです。
Mastercard® Black Diamond™とセンチュリオン・カードの年会費は公表されていませんが、55〜60万円ほどとされています。
とはいえ、ブラックカードには年会費相当の特典が付帯されているもの。活用すれば損だとは感じにくいでしょう。楽天カードやJCBザ・クラスなど相場より低い金額に設定されているものもあるので、自分に適したカードを選んでください。
ブラックカードであっても、基本的にポイント還元率は一般カードと大きく変わりません。楽天カードを例に挙げると、街中の店舗で決済時のポイント還元率はブラックカード・一般カードともに1.0%です。Mastercardのラグジュアリーカードも、下位グレードで1.0%、上位グレードで1.5%と大きな差は生じません。
ポイント還元率を目当てにブラックカードを作るほどではないものの、利用限度額が高いぶんポイントを貯めやすいといえます。使うほどポイントがつきお得なので、買い物やサービスの支払いに積極的に活用しましょう。
ブラックカードを入手したくても、招待が来るまではプラチナカードを作るのがおすすめです。サービス内容が近いうえに、申込制で招待を待たずに発行できる可能性があります。
プラチナカードにも、グルメ・宿泊施設・エンターテインメントに関連する優待や空港ラウンジサービス、十分な保険が付帯しています。なかには、コンシェルジュサービスを提供しているものも。年会費は1万~3万円程度と、ブラックカードより安い点が魅力です。
一定期間にわたって利用実績を積めば、ブラックカードへグレードアップできる可能性があります。プラチナカードがない、もしくはプラチナカードも招待制であるカード会社を利用中なら、ゴールドカードや一般カードなどの下位グレードから着実に実績を積みましょう。
プラチナカードやゴールドカードの発行を検討している場合は、それぞれの特長・選び方・おすすめのカード会社を紹介している以下のコンテンツも参考にしてください。
ブラックカードは利用限度額が高く豊富な特典を活用できますが、サービス内容はカード会社によって大きく異なります。毎月のカード決済額や利用したい特典を考慮したうえで、自分に適したカード会社を選ぶことが大切です。
ブラックカードを選ぶ際のポイントやおすすめのカード会社を知りたい人は、以下のコンテンツも参考にしてください。
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