持ち運び向きの薄型・コンパクトなサイズながら、操作もスムーズにできると謳う板タブ、XP-PEN Star G430S。ネット上では「筆圧検知がしっかりしている」と評判ですが、「小さいので細かな作業がしづらい」という口コミもあり、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の6つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、人気のワコムなどの板タブとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、板タブ選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
XP-PEN Star G430Sは、机のスペースが狭い人や持ち運び用であれば候補のひとつとなる商品です。幅130×奥行107mmと、ポストカードほどのサイズ。比較した商品には幅300mm以上のものあったなか、気軽に持ち運べます。付属のぺンはショートカットの割り当てができるファクションキーが2個あり、制作効率アップも狙えますよ。
超薄型と謳うとおり2mmと薄いのもポイント。小型のため手全体は乗りませんが、実際に使用したモニターからは「机との段差がほとんどない」とおおむね好評でした。描画面はマットな質感で、「ほどよい引っかかりで描きやすい」と支持されています。30分間イラストを描き続けてもラグ・バグが起こらず、長時間の作業も手を止めずに進められるでしょう。
しかし、肝心の描画性能はいまひとつ。筆圧検知8192段階を謳っているものの、最も強い筆圧〜3番目に強い筆圧で描いた線まで、濃淡の差はほとんどありませんでした。「筆圧検知がしっかりしている」との口コミに反し、精度の低さが気になる結果に。傾き検知機能も搭載されておらず、繊細な表現は難しいでしょう。
芯の沈み込みも気になるポイント。上下左右に1mm程度のガタつきがあり、強めの筆圧では描画面に深く沈み込むことがありました。上位商品はガタつき・沈み込みが見られなかったのに対し、こちらはブレが気になる可能性があります。
とはいえ、税込4,100円(執筆時点・公式ストア参照)と手を出しやすい価格帯は魅力。同価格帯ではラグが多い商品もありましたが、こちらは快適に制作が進められますよ。替え芯が10本付属するのもうれしいポイントです。「小さいので細かな作業がしづらい」との口コミどおり細やかな表現には向かないため、本格的なイラスト制作に使うなら、ほかの商品を含めて検討してみてください。
実際にXP-PEN Star G430Sと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストバイ板タブと、筆圧検知の精度・傾き検知の精度・ペンの使いやすさ・描画面の描き心地・ラグやバグの起こりにくさ・付加機能や付属品それぞれの項目でNo.1を獲得した商品をピックアップしました!
XP-PEN Star G430Sよりももっといい商品をお探しの人は、ぜひ検討してみてくださいね。
そもそも板タブとは、板に描き込んだ線をモニターに表示するアイテム。直接液晶に描き込む液タブとは異なり、モニターを見ながら描くタイプです。液タブに比べ、値段が安いのも特徴。ただし、手元を見ずに描くので、慣れるには少し時間が必要です。
XP-PEN Star G430Sは、コンパクトでマウスのかわりにもなると謳うペンタブレット。イラストを描くだけでなく、ゲームのプレイや製図にも使えると説明しています。片手で持ちやすく、外出先にも持ち運びやすい設計です。
XP-PENは、2005年に日本で設立されたグラフィックタブレットブランド。もともとはアメリカ企業ですが、現在は台湾・北米・ヨーロッパなど幅広い国々で販売を行っています。欧州のROHSに準拠した製品開発を行い、有害廃棄物・汚染を抑えたバッテリーフリースタイラスペンを採用しているのも特徴です。
筆圧段階は8192段階と、執筆時点の板タブとしては最高レベル。ペンにファンクションキーが2つあり、ワンクリックでペンと消しゴムの設定が変更可能です。ペンはバッテリーフリータイプなため、充電する必要はありません。
執筆時点で税込4,100円(公式サイト参照)と、挑戦しやすい価格帯もうれしいですね。
右利き・左利きの両方に対応しているのも特徴です。Adobe Acrobat Reader DCの署名アプリケーションを使うことで、ビジネスシーンでの署名にも活用できます。使える環境は、Windows7・8・10とMac OS X 10.10以降。photoshop・Adobe illustratorなどのグラフィックアプリケーションにも対応しています。
読み取り速度は、266ポイント/秒。カラーは黒1色です。
今回はXP-PEN Star G430Sを含む、板タブ全14商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まず、筆圧検知の精度を検証しました。計量器に板タブを乗せ、ペンを約90度の角度で滑らせます。負荷を5段階に分けてかけながら、細やかな違いを表現できるかチェックしました。
続いて、傾き検知の精度の検証です。約90〜30度の4段階にペンを傾け、台車に乗せた板タブを走らせて線をチェック。傾きによる線の違いを細やかに表現できているものを高評価としました。
筆圧検知の精度はいまひとつ。最も強い筆圧(40~45g)から、3番目に強い筆圧20~25g)で書いた場合の3本にはほとんど違いが見られません。
比較した商品のなかで、筆圧が8192段階の板タブは少しの筆圧変化も検知する傾向がありました。こちらも8192段階ですが、ほかの商品より筆圧検知の精度は低めです。
口コミには「筆圧検知がしっかりしている」とあるものの、繊細な表現の幅は出しづらいでしょう。弱い負荷・強い負荷をかけたときでははっきり濃淡の差が出たので、多少の変化はつけられます。
傾き検知機能は非搭載。実際に傾きを変えてみると線の濃さは変化しましたが、幅は変わりませんでした。鉛筆のように幅広の線で描くなど、微妙な変化をつけるには向いていません。
比較した商品のなかで、傾き検知が高精度のものは線がなめらかに変化し、細かな部分までしっかり表現できました。対してこちらは繊細な表現ではなく、簡単なイラスト・スケッチを描きたい人に向いています。
次に、ペンの使いやすさの検証です。芯の沈み込みの少なさをチェックします。
続けて、描画面の描き心地の検証も行いました。実際に10分間イラストを描き、ペンの滑りやすさと手の滑りやすさを確認。画面に引っかからず、なめらかに描けるかを評価します。
ペンの使いやすさについては、芯が不安定なのがネック。上下左右に1mm程度動き、ガタガタして描きづらい点が気になりました。強めの筆圧だと、タブレットに深く沈み込んで描きづらく感じる可能性があります。
比較した商品には、ガタつき・沈み込みが少ない商品もありました。対してこちらはペンの安定感がいまひとつなため、ブレが気になるかもしれません。
描画面の描き心地は、マットな質感が高評価に。比較したなかでさらさらした質感の商品は、滑らかな描き心地で思いどおりにペンを動かせる傾向がありました。こちらもペンがさらさらと滑り、モニターからも「ほどよく引っかかって描きやすい」と好評です。
一部で「強い筆圧を描けるとキシキシする」という声があがっていましたが、普通に描く程度であればそこまで気にならないでしょう。比較した商品にはガリガリとした描き心地のものもあるなか、こちらはなめらかな描き心地でした。
<ペンのすべりやすさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
手の滑りやすさについても、モニターから高評価を獲得。「さらさらで手がスムーズに動かせる」「手汗をかいていても手をスライドしやすい」といった意見が集まりました。比較したざらっとした質感の商品よりも、快適な描き心地に期待できます。
ただし、サイズが小さいため手全体を乗せることはできません。「小さいので細かな作業がしづらい」との口コミ同様、「手が届く範囲が少ない」という声もありました。とはいえ、薄型で机との段差が目立ちにくいのはメリット。手がはみ出していてもあまり気にせず、スムーズに描けますよ。
<手のすべりやすさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
続いて、ラグ・バグの起こりにくさの検証です。実際に30分イラストを描き続けたところ、バグやラグは起こりませんでした。
比較したなかにはラグが頻繁に起きる商品もありましたが、こちらは作業の手を止めることなく制作が続けられるでしょう。
最後に、付加機能や付属品を検証しました。便利な付加機能・付属品があるかを確かめたところ、替え芯が10本付属する点が高評価に。芯がすり減っても買い替える必要がないため、手間を削減できますよ。
ファンクションキーは本体にないものの、ペンには2個ついています。比較したところ、ファンクションキーが2個以上ついているとよく使う機能が割り当てられ、便利でした。こちらもファンクションキーにショートカット機能を割り当てることで、制作効率をアップできるでしょう。
惜しいのは、ペンスタンドがついていない点。制作中にペンが転がったり紛失したりする可能性があるので、気をつけて使ってくださいね。
筆圧段階 | 8192段階 |
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スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約4.0インチ |
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本体のファンクションキー | 0個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows、Mac OS |
幅 | 130mm |
奥行 | 107mm |
高さ | 2mm |
重量 | 88g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | P01筆圧ペン、芯抜き、替え芯×10、クイックスタートガイド |
XP-PEN Star G430Sは、公式ストアで購入可能。値段は、税込4,100円(執筆時点・公式ストア参照)です。18か月保証・送料無料・イラスト制作ソフトといった購入特典がついてくるので、ぜひチェックしてください。
楽天市場にも公式ショップを出店しているので、ポイントを貯めている人は検討してみましょう。Yahoo!ショッピングなどのECサイトでも、取扱店舗が確認できました。
最後に、繊細な表現をしやすい商品をご紹介します。
XP-PEN Deco MW ペンタブレット IT850Bは、筆圧・傾き検知機能ともに高精度。特に傾き検知は優秀で、ペンの角度が線にしっかり反映されました。ペン先も安定して描きやすく、思ったとおりの線を表現できます。手が出しやすい価格なので、デジタルイラスト初心者にもぴったりです。
Wacom Intuos Proは、Small・Medium・Largeの3サイズを展開。好みに合わせて選べます。筆圧・傾きの検知精度が高く、画用紙に鉛筆で描いているような感覚で快適に使えました。付属品も充実。通常の替え芯のほかに、フェルト芯4本・ペン立てがついていて便利ですよ。
筆圧段階 | 8192段階 |
---|---|
スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約9.4インチ |
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本体のファンクションキー | 8個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows、Mac OS、Chrome OS、Android、iOS12.0以降、iPadOS13.1以降、Linux |
幅 | 260mm |
奥行 | 158mm |
高さ | 9mm |
重量 | 311g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | X3 Eliteスタイラスペン、USB to USB-C変換アダプター、USB to Micro USB変換アダプター、USBケーブル、替え芯抜き、替え芯、クイックガイド、保証書、ワイヤレスレシーバー |
XP-PEN Deco MWをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
筆圧段階 | 8192段階 |
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スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約7.4インチ |
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本体のファンクションキー | 6個、タッチホイール1個 |
ペンのファンクションキー | 3個 |
対応OS | Windows、Mac |
幅 | 269mm |
奥行 | 170mm |
高さ | 8mm |
重量 | 450g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | Wacom Pro Pen 2、ペンスタンド(替え芯付属)、USBケーブル(USB Type-C - USB )、クイックスタートガイド、レギュレーションシート、オンラインマニュアル |
ワコム Intuos Pro Small PTH460K0Dをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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