プロのためにアップグレードされたと謳う、GAOMON ペンタブレット M10K PRO。インターネット上では「強弱の感度がよい」「なめらかな描き心地でストロークをつけやすい」と評判です。一方で「細い線はうまく表現できない」などの口コミもあり、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、GAOMON ペンタブレット M10K PROを含む板タブ全9商品を実際に使用して、筆圧検知の精度・傾き検知の精度・ペンの使いやすさ・描画面の描き心地・ラグとバグの起こりにくさ・付加機能・付属品を比較してレビューしました。購入を検討中の人はぜひ参考にしてみてくださいね!
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
GAOMON ペンタブレット M10K PROは、濃淡をしっかり表現できる大型かつリーズナブルな1台です。実際に描いてみると線の濃さを細かく再現し、筆圧の検知精度は今回比較した商品のなかでも非常に優秀。立体感を出しやすく、魅力あふれる描写ができるでしょう。ただ傾き検知の精度は物足りず、線幅や粒の大きさに変化をつけにくいのは惜しい点です。
描画面の描き心地も良好で、引っかかりなくスルスルと手を動かせました。筆圧が強いと画面がキュッときしんだり、ペン先もわずかにグラついたりしましたが、気になるほどではありません。ラグやバグも1時間の作業で1度感じた程度なので、長時間の使用もストレスなく楽しめるでしょう。
PC画面に近い10インチの大きい作業領域も特徴的。描いた線とモニターに表示される線に差がつきにくいので、直感的に手を動かせるのがメリットです。ペンには2つのファンクションキーが、本体にはタッチリンングと10個のショートカットキーがあり、作業を効率化する機能も充実していますよ。
価格は執筆時点で税込6,199円(公式サイト参照)と手頃。Androidデバイスに対応し替え芯も8本付属するなど、同じ低価格モデルのなかでは健闘しています。ただ上位商品とくらべると傾き検知の精度はやや力不足。線幅や粒の大きさに変化をつけて表現の幅を広げたいなら、ほかの商品も検討してみてください。
実際にGAOMON ペンタブレット M10K PROと比較検証を行った商品の中で、各検証項目でNo.1を獲得したものをピックアップしました。
GAOMON ペンタブレット M10K PROよりも高い評価を獲得した商品も!ぜひこちらも検討してみてくださいね。
GAOMON ペンタブレット M10K PROは、線の太さと色の変化を自然に表現できるのが魅力。改めて、どのような商品なのか詳しく解説していきます。
GAOMON TECHNOLOGY CORPORATIONは、グラフィックタブレット製品を中心に研究・開発する中国のメーカー。液タブ・板タブも、入門からプロフェッショナル向けまで幅広く展開しています。高性能なタブレット製品が、ほかの主要メーカーより安く販売されているのも魅力ですよ。
今回ご紹介するペンタブレット M10K PROは、従来のM10K 2018をアップグレードさせた後継モデルです。本体左側にはタッチリングと10種類のショートカットキーを搭載し、制作スタイルに合わせたカスタマイズが可能。
タッチリングのデフォルト機能は、キャンバスのズーム・ブラシ調整・ページスクロールの3つ。Windows10では、放射状メニューが表示されるラジアル機能にも対応しています。Andoroidデバイスでも使用可能で、歪みを防止するため画面アスペクト比が16:9に自動調整されるのも便利ですよ。
ペンタブは液タブ・板タブの2種類に分けられますが、大きな違いは描き方と価格にあります。液タブは液晶画面に直接絵を描き込めるのに対し、板タブはPCのモニターを見ながら手元でペンを動かす仕様。慣れるまで練習が必要ですが、コツをつかめば液タブと同じように描くことができます。
板タブは液晶画面がないぶん、液タブと比べて値段が大幅に安いのも大きなメリット。完成イラストや描画に関わる性能は液タブと変わらないので、価格を抑えたい人におすすめです。本商品の価格も、執筆時点で税込6,199円(公式サイト参照)と非常にリーズナブルですよ。
ペンの筆圧レベルは最高ランクの8192段階に対応しているうえ、60度の傾き検知機能も搭載。解像度は5080LPIと高く、美しく鮮明に描けると謳われています。静電容量を検知するパッシブテクノロジーを採用し、バッテリーが不要なのもうれしいポイントです。
本体サイズは幅360×奥行240×高さ10.5mmで、重量は695g。作業領域は一般的なノートPCで使いやすい10インチと大きめです。上下のエッジ部分は丸みを帯びたデザインなので、手にしっくりなじむでしょう。
デバイスとの接続は、付属のUSBケーブルをつなぐだけと簡単です。OSは、Windows 7以降・MAC 10.12以降・Android 6.0以降に対応しています。Windows OS・Mac OSのドライバはこちらからダウンロードできるので、チェックしてみてくださいね。
今回は、GAOMON ペンタブレット M10K PROを含む板タブ全9商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
ペン先の負荷や角度を変えて、表現できる線の濃淡や太さの違いをチェック。今回はペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO」を使用しています。
筆圧検知の精度は高評価を獲得。上の図からもわかるように、5段階の圧力の差を検知して濃淡差をしっかり表現できました。比較した高価格帯の商品と比べても、遜色ない性能を発揮できています。「強弱の感度がよい」との評判どおり、立体感ある描画も思いどおりに描けるでしょう。
一方で口コミで指摘があったように、傾き検知の精度は物足りない結果に。ペン先の角度を変えても、線の太さは2段階ほどしか再現できませんでした。ペンの傾きが線幅にしっかり反映された上位商品には及ばないものの、低価格モデルのなかでは精度が高く健闘しているといえます。
続いて、ペンの使いやすさと描画面の描き心地、ラグ・バグの起こりにくさを検証しました。
ペンの沈み込みや引っかかりを注視しながら、ラグ・バグの有無をチェック。1時間遅延なくなめらかに描き進められるかを評価しました。
描画面は引っかかることなくスムーズに描けたのが好印象です。筆圧を強くするとキュッときしむような音がしましたが、手はスルスルと動かせました。
ペンは太めでラバークリップが持ちやすいのがメリット。ペン先は力を入れるとわずかにグラつくものの、気になるほどではありません。
ラグやバグについては、1時間描き続ける間に1度ほどカクつきが見られました。ただ描きにくいほどではないので、長時間の作業も比較的快適に進められるでしょう。
最後に、あると便利な付加機能や付属品を確認しました。付属品は、ペン・ペンケース・ペン先クリップ・替え芯8本・替え芯用ケース・TypeC USBケーブル・クイックスタートガイド。ペン立てがないのは惜しい点ですが、替え芯があるのでしばらくは購入の手間を省けます。ケース類は細々したものをすっきり収納できて便利ですよ。
ペンの側面には2つのファンクションキーが搭載され、よく使う作業を割り当てることが可能。本体にはタッチリングと10個のショートカットキーがあるのもメリットです。機能をスピーディに呼び出して、効率的に作業できますよ。
筆圧段階 | 8192段階 |
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スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約11.8インチ |
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本体のファンクションキー | 10個、タッチリング1個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows、Mac OS、Android |
幅 | 360mm |
奥行 | 240mm |
高さ | 11mm |
重量 | 695g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | ペンAP32、ミニUSBケーブル、替え芯×8、芯抜き、クイックスタートガイド |
最後に、ほかのおすすめ商品をご紹介します。
ワコムのWacom Intuos Pro Smallは、筆圧・傾きの検知能力が飛び抜けて高いアイテム。わずかな手の動きにも反応し、自由自在に描写できるのが魅力です。ペン先の安定感もよく思いどおりに描け、描画面のなめらかさもトップクラス。替え芯やペン立てなど付属品も豊富ですよ。
XP-PENのDeco MW ペンタブレットは、傾き検知能力に優れ線幅を調整しやすいのが強みです。強い筆圧にもペンはグラつくことなく、描画面がなめらかなのも好印象でした。替え芯が11本と充実していながら、1万円ほどで購入できるのもうれしいポイント。はじめての1台にうってつけです。
筆圧段階 | 8192段階 |
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スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約7.4インチ |
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本体のファンクションキー | 6個、タッチホイール1個 |
ペンのファンクションキー | 3個 |
対応OS | Windows、Mac |
幅 | 269mm |
奥行 | 170mm |
高さ | 8mm |
重量 | 450g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | Wacom Pro Pen 2、ペンスタンド(替え芯付属)、USBケーブル(USB Type-C - USB )、クイックスタートガイド、レギュレーションシート、オンラインマニュアル |
ワコム Intuos Pro Small PTH460K0Dをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
筆圧段階 | 8192段階 |
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スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約9.4インチ |
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本体のファンクションキー | 8個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows、Mac OS、Chrome OS、Android、iOS12.0以降、iPadOS13.1以降、Linux |
幅 | 260mm |
奥行 | 158mm |
高さ | 9mm |
重量 | 311g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | X3 Eliteスタイラスペン、USB to USB-C変換アダプター、USB to Micro USB変換アダプター、USBケーブル、替え芯抜き、替え芯、クイックガイド、保証書、ワイヤレスレシーバー |
XP-PEN Deco MWをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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