「自然な描き心地」を謳う板タブ、One by Wacom。「シンプルで値段が手頃」と評判のよい口コミをみかけます。一方で、「思ったように線が引けない」「ペン先がフラフラ動く」と気になる口コミも存在し、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の板タブとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、板タブ選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
5,500円
おすすめスコア
筆圧検知の精度
傾き検知の精度
描き心地のよさ
作業効率のよさ
付属品の豊富さ
筆圧段階 | 2048段階 |
---|---|
スマホ対応 |
良い
気になる
One by Wacomは、趣味でイラスト制作をはじめる人におすすめです。専用の機械でペン先の角度による表現の差を確認すると、90・60・30度のそれぞれの角度で線の太さに違いが出ました。比較した商品内には角度を少し変えただけで一気に太さが変わるものもあったなか、本品は「思ったように線が引けない」との口コミに反し少しずつ太さを変えられます。
筆圧は2,048段階で検知でき、実際に5段階の負荷をかけると濃淡をしっかり表現できました。8192段階ある同社の「Wacom Intuos Pro Small」と比較するとやや劣り、アナログ感覚とはいきませんでしたが、慣れれば幅広いイラストに対応できるでしょう。エントリーモデルとしては十分な性能といえます。
「ペン先がフラフラ動く」との口コミに反して、芯は安定していました。比較したなかには上下に押すとカチャカチャ音がする商品もあったなか、こちらは若干上下にブレる程度。イラストを描いたモニターは「強い筆圧をかけても、ブレずに線を引けた」とコメントし、筆圧が強い人でも自由な描画がしやすいでしょう。
ただし、「自然な描き心地」を謳っているものの、描画面がザラザラとしてペンや手が引っかかりやすいところは気になります。モニターからは、「ペンを滑らせにくい」「線がガタガタする」との声もあがりました。上位商品のようななめらかな描き心地とはいえず、はじめは違和感を抱く場合がありそうです。
1万円を下回る価格は、「シンプルで値段が手頃」との評判どおり、高価な商品に手を出しにくい初心者向き。ファンクションキーを本体に搭載せず付属のペンに2個だけと、必要最小限の設計です。替え芯が3本付属し長く使えるところはメリットですが、ペンスタンド・左手デバイスもついていません。仕事の効率アップを狙う人は、ほかの商品をチェックしてくださいね。
実際にOne by Wacomと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストバイの板タブと、各検証でNo.1を獲得した商品をピックアップしました!
One by Wacomのデメリットが気になる人は、ぜひこちらも検討してみてくださいね!
One by Wacomは、世界ではじめてコードレスのペンタブレットを発売した世界的メーカーであるWacomが販売するエントリーモデルの板タブレットです。ペンとタブレットがセットになっており、デジタルイラストを描きはじめる人に便利なアイテムといえます。
付属するバッテリーレスのペンは、軽くて手になじみやすく、右利き・左利きの両方に対応。使いやすい高精度の筆圧対応ペンで、自然なタッチでスケッチやお絵かきができると謳っています。Chromebookにも対応し、図形や数式を描いたり、PDFファイルや教材に描きこんだりと、対面授業と同じようにオンライン授業で手書き学習にぴったり。そのほかにも、静止画の加工にも利用でき、複雑な形の切り抜きや色調整といったさまざまな編集作業に便利です。
セットアップはタブレットをUSBケーブルでパソコンに接続し、タブレットドライバをインストールするだけと手軽です。
サイズはSmall・Mediumの2種類から選べ、検証で使用したMediumは幅277×奥行189×高さ9mm。本体重量は432gです。ペンの重さは9gとコンパクトなうえ、バッテリー不要なので持ち運びにも便利でしょう。カラーは1種類で、表面がブラック、裏面がレッドのスタイリッシュなデザイン。付属品は以下をご確認ください。
<付属品>
「Wacom One」は、4096レベルの筆圧検知とワイヤレス対応を備えた高機能なエントリーモデル。「One by Wacom」は、Windows・Mac・Chromebookに対応していますが、「Wacom One」ではそれらに加えてAndroid端末との互換性もあります。eStoreモデルを選べば、ペンタブレット本体のみを購入して、ペン・接続ケーブルなどのアクセサリーを自分好みにそろえられるところもポイントです。
「Wacom Intuos」と「Wacom Intuos Pro」の2点は、実際に使って描き心地を試したので、チェックしてみてください。自分のニーズに合ったペンタブレットを選ぶことで、デジタル制作をより快適に、より楽しく体験しましょう。
<ラインナップ>
価格は執筆時点・公式サイト参照
今回はOne by Wacomを含む、人気の板タブを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
人気の板タブを比較検証したところ、One by Wacomには6つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
1番のメリットは、税込8,800円(※執筆時点)と1万円以下で手に入る手頃な価格です。ペンとタブレットがセットになったエントリーモデルで、「シンプルで値段が手頃」との評判どおり板タブ初心者におすすめといえます。
比較した上位商品には1万円を超える商品が複数ありましたが、機能を絞ることで低価格を実現。板タブに興味はあるけれど、高価なモデルには手が出しづらいと感じていた人への選択肢となるでしょう。
エントリーモデルながら筆圧検知性能は良好。筆圧の強さによってしっかりと線の濃さに差を出せました。
ペンを約90度の角度に保ちながら10~450gの間で5段階に筆圧をかけたところ、細かな濃淡の差を表現。筆圧が2,048段階と少ないものの、エントリーモデルとしては十分な性能といえます。
上位商品にはより筆圧段階が多く、アナログと同じように濃さの調整をできたものも。とはいえ、本品も不満を感じるほどではありません。細かい描写にもこだわる上級者には物足りない可能性があるものの、初心者の使用なら大きな問題はなさそうです。
傾き検知の精度も高め。実際に自動筆記マシーンを使って、約90度・60度・30度の3段階の角度でペンを傾けて描画。すると、傾ける角度によって線の太さに違いが見られました。
比較した多くの商品と同様に高評価には届かなかったものの、角度によって少しずつ線の太さを変えられます。比較したなかには角度を少し変えただけで一気に太さが変わってしまう商品もありましたが、本品は傾き検知機能を活かして柔らかい雰囲気の絵を描けるでしょう。「思ったように線が引けない」という口コミとは異なる結果です。
グッと強く圧をかけても芯がブレにくいところも利点です。実際に約10分間イラストを描いたモニターからは「グッと強い筆圧をかけても、ブレずに線を引けた」「強い力を入れても左右に傾けても、芯が安定していてよかった」などのプラスの声があがりました。
比較したなかには上下に押すとカチャカチャと音がする商品もあったなか、ペン先のグラつきはあまり気になりません。さまざまな力の入れ方をしてもブレを感じなかった上位商品と比較すると、ペンを置いたり離したりする際に若干ブレが気になるものの、エントリーモデルとしては納得の性能でした。
「ペン先がフラフラ動く」との口コミに反して、筆圧が強めの人でも頼れるペンタブレットといえるでしょう。
<描き心地のよさ(芯のグラつきのなさ)についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
一方、本体にはファンクションキーの搭載がありません。比較した13商品のうち本体にファンクションキーを搭載しない商品は4つ(※執筆時点)しかなく、利便性にやや劣る印象でした。価格重視で性能はシンプルでよい人向けの商品といえるでしょう。
紐つきでペンの落下は防ぎやすいものの、ペンスタンドの付属はなし。比較した同社の「Intuos Small ワイヤレス」の本体にはペンを置けるくぼみがあったのに対し、一時的に置くのに転がりやすいところは留意したほうがよいでしょう。
比較した大半の商品と同様に、複数のショートカットコマンドをキーやスティックに登録できる左手デバイスもありません。より作業の効率化を狙う人は別途購入を検討してください。
One by Wacomにはたくさんのメリットがある反面、気になった点もありました。購入を考えている人は、しっかりリサーチしておきましょう。
描画面がザラッとしているため、ペンや手の滑りにくいところがデメリット。描き心地を確かめたモニターからは「マットな質感で、重めの描き心地」「滑らせたときに引っかかりを感じやすい」などの指摘が寄せられました。
上位商品のようななめらかな描き心地とはいえず、慣れるまでは違和感を抱く場合があるでしょう。「自然な描き心地」を謳っているものの、まっすぐな線を引くには何度か練習が必要です。
<描き心地のよさ(ペン・手の滑りやすさ)についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
筆圧段階 | 2048段階 |
---|---|
スマホ対応 |
良い
気になる
読取可能範囲 | 約12インチ |
---|---|
本体のファンクションキー | 0個 |
ペンのファンクションキー | 2個 |
対応OS | Windows、Mac OS、Chrome OS |
幅 | 277mm |
奥行 | 189mm |
高さ | 9mm |
重量 | 432g |
ペン立て付き | |
替え芯付き | |
付属品 | Intuos 筆圧ペン、USBケーブル、替え芯3本、芯抜き、クイックスタートガイド、レギュレーションシート |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
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One by Wacomはエントリーモデルとしては申し分のない性能でしたが、筆圧検知精度・ファンクションキーの数・描き心地のなめらかさの点で上位商品におよびませんでした。ここでは、エントリーモデルでは満足できない人へおすすめの、性能・描き心地が好評だった商品をご紹介します。
Artisul A1201は、大きくストロークしやすいところが特徴。なめらかな質感の描画面を備えており、「描画面とペンの間にクッションがあるかのようにやわらかいペンタッチ」と、実際に試したモニターからも好評です。
角度をつけてペンを滑らせると、ペンの角度によって太さを自在に表現しやすいと感じました。筆圧検知の精度も十分で、強弱によって線の濃淡を表現できます。ファンクションキーがペンに2個、本体に8個と非常に豊富で、ショートカットを割り当てることで効率のよい作業が可能です。
ペン立てはないものの、ペンケースが付属。替え芯が10本も付属するので、頻繁にイラスト制作をする人でも長く使えるところがメリットです。執筆時点で税込9,716円(※公式サイト参照)と手が出しやすく、コストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
少し予算を上げられるなら、ワコムの「Intuos Small ワイヤレス」もおすすめです。4096段階の筆圧段階をもち、筆圧検知の精度は良好。検証では負荷を変えながら線をひくと、線の濃淡を明確に区別でき表現の幅が広がりやすいと感じました。傾きによる違いも明確で、奥行きのあるイラストを制作できます。
実際に描いても線のブレはほぼ感じず、なめらかな描き心地がモニターから好評でした。ペンには2個、本体には4個のファンクションキーが搭載されているため、よく使う機能をワンタッチで呼び出せて便利。ペン立ては付属しませんが、本体にペンを置けるくぼみがあるところはメリットです。
検証に使ったSサイズはストロークを大きく保ちたい人には向いていませんが、ひっかかりを感じにくい描画面は魅力。継続的にイラスト制作を行うのに必要な性能を備えていて、お仕事用としても活躍しそうです。
One by Wacomは、メーカーが運営するワコムストアで販売中です。執筆時点での値段は税込8,800円(※公式サイト参照)でした。
そのほか、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの販売も確認できました。Amazon・Yahoo!ショッピングでは公式ショップも展開しているので、チェックしてみてください。
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