ネットワークエンジニアはきつい？やめとけと言われる理由と向いている人の特徴を紹介

要件定義・設計・構築は、ネットワークエンジニアの仕事内容のなかでも上流工程の仕事であり、高度なスキルが求められます。

要件定義は、クライアントの要望や条件をヒヤリングする業務です。まずは導入目的をヒヤリングし、その内容をもとにどんなネットワークシステムを構築すればよいかや、細かい要望を聞いてまとめます。

予算は限られているため、予算内でどう最大限のパフォーマンスを発揮してシステムを構築するか考えることが重要です。

設計業務では、ヒヤリングした内容をもとにどうやってネットワークシステムを構築するか設計図を作成します。どんな技術を使うか、どのデータを優先するか、どんな構成にするかなどを考える仕事です。設計業務によりシステムの大部分が決まるため、上流工程のなかでも責任が大きい仕事といえます。

構築は、作成した設計図をもとにネットワークシステムを構築する仕事です。必要なネットワーク機器を使って設定を組み込んだり、きちんと動くかテストしたりと、実体化に向けて作業を行います。

いずれも高いスキルや知識、経験が必要なので、未経験の人には対応が難しい工程といえるでしょう。

運用・保守・監視は、ネットワークエンジニアの下流工程とよばれる仕事で、経験が浅い人でも携わりやすい仕事です。

運用業務では、運用を始めたネットワークを適切に管理し、快適に使い続けられる環境を維持します。社内で利用するパソコンが増える場合は回線を増強したり、古くなった機器を新しくしたりと、ネットワークを維持するためにさまざまな仕事を行うのが特徴です。

保守業務では、運用を始めたネットワークシステムで何らかのトラブルや障害が発生した際に、どこに問題があるのかを調査して特定したり、特定した問題を解決したりします。復旧は迅速に行わなければならないため、夜間や休日に対応する場合もあるでしょう。

監視は、ネットワークシステムがきちんと稼働しているか監視する業務です。モニターを確認しながらエラーが起きていないか監視したり、エラーが起きたときは瞬時に報告して原因特定にあたったりします。監視業務は24時間体制で行う必要があるため、夜勤も発生するのが一般的です。

ネットワークエンジニアは、トラブル対応がつらいといわれています。トラブルは頻発するほか、いざ対応すると自分1人ではどうにもできないトラブルであることも多いためです。

主なトラブルに、ネットワークの通信障害や設定の変更が上手くいかないことが挙げられます。自分だけではどうしようもできない場合でも、どうにかしなければと追い込まれるような状況は精神的にきついといえるでしょう。

トラブル解決のために夜遅くに長時間作業することがあったり、突然呼び出されることもあったりするため、いつ何が起こるかわからず精神的に追い詰められがちです。

どうしても自己解決できない場合は上の立場の人に報告し判断を仰ぎますが、報告をするかどうかの判断も難しく、エンジニアの頭を悩ませる要素の1つといえます。報告書の作成も時間がかかるため、総じて負担が大きい仕事といえるでしょう。

ネットワークエンジニアには夜勤があり、生活リズムが崩れやすい傾向があります。ネットワークは基本的に24時間365日誰かが監視する必要があるため、深夜帯にも勤務しなくてはなりません。

職場や日によっても異なりますが、9〜18時まで働いた次の日に、17時〜翌朝10時まで働くなど、毎日不規則になることが多い傾向にあります。夜勤の次の日が休みだったとしても、日によって働く時間が大きく変わるのは身体に負担をかけてしまうでしょう。

また、ネットワークシステムにはお正月やお盆も関係ないため、時節とは無関係に仕事をしなければいけない点もきついといわれる理由です。

ネットワークエンジニアは、ポジションによっては専門スキルが身につきにくいといわれています。特に監視業務は、長期間担当していても上流工程で必要なスキルは身につきません。

ネットワークの監視業務は会社独自のツールを利用することも多く、どの現場においても幅広く使えるスキルは身につきづらいでしょう。

監視業務の手順はマニュアルで定められているケースが多く、毎日同じ内容で確認作業を繰り返す仕事であるため、スキルが身につきにくい環境といえます。

運用監視業務の求人の多くは、長期間の契約を前提にしていることから、スキルが身につきにくい環境であっても年単位で長く身をおく必要あるため注意が必要です。

ネットワークエンジニアの給料は、上がりにくいシステムであるといえます。特にネットワークの保守・運用に関しては、あらかじめ予算が決められているからです。

予算が大きくならない限り、保守・監視業務に携わるネットワークエンジニアの給料は上がりません。

ほかにもネットワークエンジニアは、利益を上げるより顧客の業務を円滑に回すことが仕事であるため、目に見える形で金銭的な成果をアウトプットしづらい点も、給料が上がりにくい1つの要因といえます。

転職したばかりのネットワークエンジニアで給料を上げたいと考えている人は、資格を取得したりクラウドやセキュリティの知識で自分に付加価値をつけたりすることで、キャリアアップを目指しましょう。

ネットワークエンジニアは会社から資格の取得を求められることが多く、取得までが大変なこともつらい理由の1つです。会社にもよりますが、入社して2~3年の間は会社側から強く資格を取得するよう要請されることもあるといわれています。

ネットワークエンジニアが取得する資格にはCCNA・CCNP・ネットワークスペシャリストなどがありますが、いずれも難易度が高い資格です。毎日数時間の勉強を何か月もかけて行わなければならないほか、受験料も約4~5万円と高い費用が発生します。

合格すれば費用は会社が負担してくれるケースが多いものの、落ちてしまうと自己負担です。仮に何度も落ちてしまった場合は、10万円以上の出費が発生することもあります。

資格を取得すれば今後のキャリアアップに役立ちますが、毎日の仕事に追われながら勉強を継続するのは厳しいといえるでしょう。

ネットワークエンジニアは、忍耐力や責任感のある人に向いています。特にネットワークエンジニアの下流工程の仕事は、地味な作業が多いにも関わらず、重要度が高く責任が重いためです。

ネットワークシステムはITの基盤であり重要な役割を担っているため、常に安定した作業が求められます。ルーチンワークでも苦にならず、常に責任感を持って安定したパフォーマンスを発揮できる能力が必要です。

裏方としてコツコツ作業を進めるのが好きな人や、仕事を全うするために地道な繰り返し作業ができる人は、ネットワークエンジニアの適性が高いでしょう。

ネットワークエンジニアの仕事は、一般の人には空気のような存在で普段は認識されませんが、人々の生活基盤を支えている重要な仕事と認識して進められる人に向いています。

ネットワークエンジニアは、技術的な好奇心が強い人にも向いているでしょう。IT業界は日々進歩しており、開発される機器や新たな技術に関する知識を常に学ばなければいけません。

最新のOSや機器など業界のトレンド情報は、ネットワーク以外の分野であっても最低限の知識や情報を押さえておく必要があります。新しい情報を常に持っていることで、コストの削減やセキュリティ強化などを顧客に対して適切に提案できるでしょう。

自発的に勉強し続けることは難しいため、もともと好奇心旺盛で新しい物事を学ぶことに壁を感じない人に向いているといえます。

ネットワークエンジニアには、コミュニケーション能力も必要です。ネットワークエンジニアはチームで対応する仕事が多いことから、コミュニケーション能力がないと仕事に支障をきたしてしまします。

ネットワークエンジニアの仕事を1人で行うことはほとんどありません。ネットワークの設計・構築・運用・保守・監視のいずれのフェーズを担当するにしても、基本的にチームの一員として仕事を進めます。

チームのメンバーだけでなく、クライアントとのコミュニケーションも多発するため、誰とでも円滑に仕事が進められるコミュニケーション能力が必要です。

また、ネットワークエンジニアとしてキャリアを積み重ねていくと、ネットワーク設計やさらに上位の要件定義を担当することになるため、顧客に対するヒアリング力や提案力も求められるでしょう。