幅広い投資先が掲載されている不動産クラウドファンディングサイト、利回りくん。「未経験者からベテランまで利用しやすい」とよい口コミを見かける一方で、「信頼度が低い」「怪しい」「退会できない」といった評判も存在するため、利用を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回は実際に利用するメリットが大きいといえるか、以下の5つの観点から調査した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、ほかの人気を集めている不動産クラウドファンディングサイトとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。お得なキャンペーンや、楽天ポイント連携によるポイ活、無限責任のリスクなどこまかく調査したので、ぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
すべての検証は
マイベストが行っています
良い
気になる
年間の案件数の多さも魅力。検証当時は年間35件の案件があり、月に約3件のペースで公開されていました。比較したなかで、月2件以上の案件を公開しているサイトは全体の2割程度。利回りくんは案件の選択肢が多いため、自分にあった投資先を見つけやすいといえます。
想定利回りが4%以上の案件が多く、なかには5~7%の案件も。リターンも期待できる案件が多いといえます。一方、直近10案件の劣後出資割合は5〜10%であったのは懸念点。1年以内の短期案件で運用するには十分ですが、1年以上の長期案件を運用するには少し物足りない印象といえるでしょう。
加えて、運営母体である株式会社SYLA(シーラ)が非上場企業である点も気になりました。比較したなかには東証上場企業が運営するサイトもあったことを思うと、「運営会社が上場していないので信頼度が低い」との口コミどおりといえます。
とはいえ、豊富な案件数と充実した応募口数は魅力。SYLAは上場していないものの、10年以上不動産事業を行っているためノウハウには期待が持てます。自分にあった投資先を幅広い選択肢から選びたい人は、ぜひチェックしてみてください。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
今回ご紹介する利回りくんは、不動産事業を行う株式会社SYLA(シーラ)が運営するサイト。楽天ポイントと提携しており、楽天ポイントを「利回りくんコイン」に交換して出資金額に充当できます。不動産はもちろん、宇宙開発や地方創生の応援投資などの募集もありますよ。
なお、不動産クラウドファンディングはサイトによって案件数や案件の内容が異なるうえ、すぐに募集枠が埋まることも。そのため、複数のサイトを利用して応募の選択肢を増やすことが重要です。
今回は利回りくんを含む人気の不動産クラウドファンディングサイトを実際に調査して、比較検証を行いました。
利回りくんについて調べた結果、3つのメリットがあるとわかりました。1つずつ解説するので投資を考えている人はぜひ最後までチェックしてくださいね。
選択肢が多いことは、投資初心者にとって特に重要なポイント。本サイトの35件という数字は比較した全サイトの平均の3倍に近く、自分に合った投資先を見つけやすいといえるでしょう。
募集方法は先着順と抽選の2通り。先着順は募集枠がすぐ埋まってしまう可能性があるのに対し、抽選の案件は投資するか否かをじっくり考える時間を作れます。投資判断に時間がかかる初心者にとって、抽選の案件を扱っているのは大きなメリットでしょう。
利回りくんの想定利回りは、直近10案件のうち8案件が4%以上。なかには5~7%の案件もありました。全国のワンルームマンションの想定利回りが4%程度であることを思うと、相場より高いリターンが見込める案件も掲載されているといえます。
とはいえ、想定利回りだけを見て飛びつくのは危険。想定利回りは物件が満室時の賃料収入÷物件価格で算出しているため、入居者が集まらない場合、想定した利益を得られない可能性があります。
加えて、人が集まりにくいエリアや中古物件は需要が低く物件価格も安いので、想定利回りが高く算出されます。投資で失敗しないためにも、想定利回りだけでなく物件の種別・エリア・運用期間などさまざまな要素とのバランスを考えましょう。
直近10案件を調査したところ、劣後出資割合は5〜10%で平均が6.5%だということがわかりました。優先劣後出資方式では、損失が出たときに事業者側の出資分から減っていくため、劣後出資割合が高いほど投資家の資産を守りやすいといえます。
リスクを抑えるためには、投資期間に応じて適切な劣後出資割合の案件を選ぶことが重要。投資期間が1年未満なら劣後出資割合が10%程度でもよいですが、1年以上の長期投資の場合は30%を目安に選ぶのが望ましいでしょう。直近10案件の出資割合だと、長期案件で運用するには物足りない印象を受けます。
比較したなかでは、劣後出資割合が平均30%以上の事業者は29社中8社・20%以上なのは13社と多くありませんでした。できるだけリスクを抑えるためにも、劣後出資割合は必ず確認してください。
比較したなかには東証上場企業のクリアル株式会社が運営する【creal】、穴吹興産の【ジョイントアルファ】といったサイトがあったことを思うと、「運営会社が上場していないので信頼度が低い」との口コミがあるのにも頷けます。
とはいえ、SYLAは10年以上不動産事業を行なっている企業のため、ノウハウは期待できそうです。また、不動産クラウドファンディングが有名になったのは5年ほど前なので、サイトの運営年数が短い点も過度に気にする必要はないでしょう。
年間の案件数 | 40件 |
---|---|
優先劣後方式 |
良い
気になる
最低投資金額 | 10,000円 |
---|---|
募集方法 | 先着、抽選 |
組合契約 | 匿名組合型、任意組合型 |
物件の種類 | 戸建、アパート・マンション |
優遇サービスあり | |
物件の開示情報 | 築年数、住所、財務情報、収支シミュレーション、面積、容積率、用途地域、事業内容 |
出金手数料 | 無料 |
運用レポートの共有あり | |
運営年数 | 3年 |
運営会社の資本金 | 446,522,660円 |
比較したなかで、上場企業が運営しているサイトは4割に届かず、資本金が10億円を超えている企業は2割程度でした。その点、crealは安定性を重視する人も選びやすいサイトといえます。
年間の新規案件数は28件、募集口数の相場は63,450口と投資機会も十分。居住用物件や保育所・宿泊施設など、募集案件の種類も幅広いのが特徴です。10万口以上の大口案件も用意されているため、初心者でも応募のチャンスに恵まれるでしょう。
利用の流れは以下のとおりです。
1.会員登録
会員登録ページで必要事項を入力
2.出資者情報登録
会員情報変更から、出資応募に必要な情報を入力し、出資者情報を登録
3.eKYCを利用しての本人確認
マイページからガイダンスに沿って本人確認の手続き
4.出資応募
希望ファンドの詳細ページで成立前書面を確認し、出資口数を入力して応募
5.匿名組合契約/任意組合契約の同意
電子交付された契約成立時書面の内容確認および内容へ同意
6.出資金の入金~運用・分配金の受け取り
分配金は、各ファンドの運用終了月の翌月末日までに、出資金と合わせて登録した銀行口座へ入金
利回りくんの利用にあたって、よくある質問をご紹介します。
楽天ポイントは楽天市場や日常でのショッピングで利用できるほか、「利回りくんコイン」に交換し、出資時の資金の一部に充てることも可能です。
過去には、出資額に応じてポイントがもらえるお年玉キャンペーンなども行われました。今後も新たなイベントが開催される可能性があるので、こまめに公式サイトをチェックしましょう。
契約成立時書面の電子交付を出資者が確認した日から8日以内に、書面で通知すればクーリング・オフによる解除ができます。
なお、クーリング・オフをできる期間を過ぎた場合は、出資者の自己都合以外のやむを得ない事由がある場合のみ、書面で通知することで解約が可能です。
また、契約書に記載のとおり、死亡や破産などの場合は契約解除(契約終了)となります。現金化を希望する場合は譲渡手続きがおすすめです。
利回りくんの投資形態には、有限責任の匿名組合型と無限責任の任意組合型があります。任意組合型のファンドには相続税の節税効果というメリットがある反面、下記のようなケースにおいて、無限責任により出資額以上の損失が発生する可能性があるので注意してください。
上記は一例
利回りくんアプリ ダウンロードページから、ダウンロードが可能です。
出資中(償還前)のファンドがなければ、利回りくんにログインの上、web上で退会できます。なお、退会すると利回りくんコインが無効になることや、書類が閲覧できなくなる点に注意。手続き前に、公式サイトの退会する際に注意する点は何ですか?を必ず確認しましょう。
本サイトは情報提供が目的であり、個別の金融商品に関する契約締結の代理や媒介、斡旋、推奨、勧誘を行うものではありません。本サイト掲載の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社及び情報提供者は一切の責任を負いません。