SONY MDR-EX155を徹底レビュー！実際に使ってわかったよい点・気になった点は？

2,000円前後と手頃な価格帯ながら、音質の評価は良好です（※価格は2025年5月時点・公式サイト参照）。マイベストのオーディオ担当がジャンルの異なる10曲を視聴した結果、音の輪郭を聴き取りやすく、定位感にも優れていました。音の方向が見えやすく、聴き心地のよいサウンドです。

とくに低音には芯があり、タイトかつクリアに響いて楽曲を下支えしています。厚みやアタック感には少し欠けるものの、ベースやバスドラをしっかり聴き分けられました。中音は厚みや芯が控えめながら、ボーカルの抑揚や響きをある程度再現しています。

しかし、コーラスが重なったり音数が増えたりするとぼやけて聴こえがち。口コミに「中音が弱い」とあったとおり、音の厚みや芯を感じにくいことが気になりました。また、高音の伸びやかさも物足りません。比較した1～2万円を超える商品では聴き取れた高音域の余韻や抑揚を再現しきれず、途中で減衰するような印象でした。

音の繊細な響きを聴き込みたい人や、音が左右に広がるような臨場感を求める人には向きません。とはいえ、低音から高音まで各音域ごとのバランスは取れています。価格を抑えつつ、サウンドのクオリティにこだわりたい人にはよい候補となるでしょう。

装着時のストレスを感じにくい構造であることも魅力です。筐体は耳に沿う形状ではありませんが、イヤホン本体の直径は1.11cmと小さめ。比較した商品内には1.10～1.60mmまで幅広かったなか、本品は耳の小さい人にも使いやすいでしょう。

イヤーピースはSS・S・M・Lの4サイズが付属しているため、付け替えてフィット感の調整が可能です。耳掛けには対応していませんが、使い手の耳の穴の大きさを問いにくく、つけ心地に不満を感じにくいといえます。

使い勝手も悪くありません。ケーブル長は1.28mと十分な長さがあり、付属のケーブル長アジャスターを使えば長さを調節できます。ケーブルが絡みにくく、邪魔になりにくいでしょう。

プラグの形状は、3.5mmステレオミニプラグです。イヤホンジャックのあるスマホやPCで使う分には問題ありませんが、USB Type-C・Lightning端子を備える機器で使用する場合は、別途変換アダプタを用意する必要があります。また、比較した多くの商品と同様、ノイズキャンセリング機能は非搭載です。

ケーブルが断線した場合、本体ごと買い替えるしかない点は気がかりです。比較したなかにはリケーブルに対応し、仮に断線してもケーブルだけを好きなものに付け替えられる商品もありましたが、本商品はリケーブルに非対応。長く使っていきたい人や、音質をカスタマイズしたい人には不向きです。

また、マイクがついていないため、通話したい人にも向きません。なお、同メーカーからは本品と違いマイク付きのMDR-EX155APも販売されています。ドライバー部などの作りは本商品とほとんど同じなので、通話する機会が多い人は、MDR-EX155APを候補に入れるのもよいでしょう。