繊維の奥から汚れを落として抗菌もできると謳う縦型洗濯機、東芝 ZABOON AW-12DP3。「しっかり汚れ落としができている」「音が気にならず快適」など高評価の口コミを見かけますが、実際のところどうなのか気になりますよね。
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、同じ東芝や人気のアクアなどの縦型洗濯機とも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行っているので、縦型洗濯機に迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
東芝 ZABOON AW-12DP3は、一度にたくさん洗えるものを探しているなら候補に入る商品です。比較した商品内では10kg未満のものが多かったなか、こちらは12kgとかなり大きめ。四人暮らし以上でも対応しやすく、毛布などの大物も洗いやすいでしょう。
ただし、肝心の洗浄力はいまひとつ。汚れをつけたTシャツを洗濯したところ、標準コース・つけおきコースのどちらも泥やカレーの汚れがほとんど薄まりませんでした。口紅や卵の汚れは薄まったものの、総合的な洗浄力は低め。「抗菌ウルトラファインバブル洗浄Wで繊維の奥から汚れを落とす」と謳っていますが、力不足といえそうです。
実際に使用して水道量と電力量を算出したところ、1回あたり198.1Lもの水を使い、洗濯1回に49.40円かかることがわかりました。高評価基準の24円や比較した全商品の平均値29.56円(※執筆時点)を大幅に上回る結果で、12kgという大きさをふまえても高め。電気代は1.86円と比較したなかでは平均的ですが、トータルコストは人気の「アクア AQW-P7N」の2倍近くかかりました。
一方、比較したなかでも投入口が大きいうえ手前が薄めの設計で、洗濯ものを出し入れしやすいのは利点。たくさん洗う際もスムーズに出し入れできるでしょう。糸くずフィルターはプラスチック製なのでゴミを取り除きやすく、お手入れも簡単です。自動槽洗浄や自動槽乾燥があり、槽のお手入れはある程度洗濯機に任せられます。
「音が気にならず快適」という口コミには及ばず、脱水時の音は大きめでした。洗浄時の音は少し抑えられていたものの、音に敏感な人がいる家庭や設置場所によっては注意が必要。ECサイトでは100,000~140,000円台と比較したなかでは高価格帯で、肝心の洗浄力が足りなかったことからも、大きさにこだわらないなら上位商品も検討してみてください。
東芝ライフスタイル
脱水時の運転が静か。汚れもきれいに落ちて申し分なし
アイリスオーヤマ
毎日の洗濯を楽にしたい人に。お手入れしやすく洗浄力も高い
東芝ライフスタイル
つけおきコースの洗浄力が高い。お手入れもしやすい優等生
縦型洗濯機は、ドラム式に比べて容量の選択肢が豊富なうえ安価な点が魅力。11~12kgの商品が主流のドラム式に対し、縦型は4.5~16kgと幅広く用意されています。ドラム式は20~30万円台、縦型は3~18万円程度と手頃な価格帯で展開。なお検証では、縦型とドラム式の洗浄力に大きな違いは見られませんでした。
今回ご紹介する東芝 ZABOON AW-12DP3は、大容量タイプの全自動縦型洗濯機。従来モデルになかったスポーツウェアモードをプラスしているのが特徴です。もちろん従来のモデルで好評だった機能もしっかりと受け継がれていますよ。
東芝は日本の大手総合電機メーカー。家電や空調機器、音響機器などさまざまな商品を扱っています。洗濯機はほとんどの機種に、繊維より小さな泡を浸透させる「ウルトラファインバブル洗浄」を搭載。実際の検証では、泥やカレーなどの色の濃い汚れをよく落とせる傾向がありました。
容量は12kgと大きめ。大きな毛布や家族分のシーツも短時間でしっかり洗えるとしています。大物の洗濯に便利な毛布コースも用意され、寝具類も気軽に洗濯できるでしょう。
洗剤を繊維の奥まで浸透させて汚れを落とし、においを防いで抗菌もできると謳う「抗菌ウルトラファインバブル洗浄W」を搭載。ナノサイズの小さな泡と洗剤を効率よく混ぜ合わせて洗浄効果を高めるつくりです。優れた洗浄力によって、黄ばみやにおいも防止できるともアピールしています。
液体洗剤・柔軟剤自動投入機能も備わった全自動タイプ。適量を自動で見極めて投入するため、洗剤の使いすぎも防止できます。自動2度洗いコースも備わっており、頑固汚れも手間なく落とせる設計です。自動お掃除で槽を除菌する機能も搭載していますよ。
12kgと大容量ながら、637×642×1051mmと容量のわりにはコンパクト。重さは約50kgです。
フルガラストップのスタイリッシュなデザインも特徴。無駄のないシンプルなデザインで空間になじみやすいうえ、傷つきにくく軽い力でボタンを押せるのも魅力です。カラーはホワイトとボルドーブラウンの2種類が用意されていますよ。
また、低振動・低騒音設計で深夜や早朝の洗濯も気兼ねなくできると謳っています。さらに投入口が広く、毛布などの出し入れがスムーズできる点も特徴です。
今回は東芝 ZABOON AW-12DP3を含む、縦型洗濯機全43商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
まずは、洗浄力の検証です。
白いTシャツに卵・泥・皮脂・カレー・口紅の5種類の汚れを付着させ、24時間放置します。その後、各商品の標準コースとつけおきコースもしくは温水洗浄コースの2種類で洗浄。洗濯前とあとに色彩色度計を使用し、明度の差が大きいものほど汚れが落とせたものとして高く評価しました。
メーカーは「抗菌ウルトラファインバブル洗浄W」で繊維の奥から汚れを落とすと謳っていますが、頑固な汚れを落とす力は弱く、小さな子どもがいるなど頻繁に衣類が汚れる場合には力不足でしょう。服が汚れやすいなら、5種類の汚れがすべて薄まったアクアのAQW-P7Nなど上位商品を検討してみてください。
比較したなかでも東芝製の商品は、皮脂・カレー・卵の汚れ落ちが優秀だったため、油脂系の汚れをしっかり落としたい人にも使いやすいといえます。本品は洗浄力が弱く油脂系もそのほかの汚れもあまり落とておらず、すっきりきれいな仕上がりは期待できないでしょう。
次に、静かさの検証です。
実際に洗濯から脱水まで稼動させ、洗濯機から50cmの距離で騒音計を用いて測定します。日本騒音調査が公開している基準と目安を参考に、洗濯時は34dB・脱水時は44dBを上限に静かなものほど高評価としました。
脱水時の音は大きめだったものの、洗濯時の音は多少抑えられていました。洗濯時の音は比較した全商品の平均値を若干上回っているものの、「音が気にならず快適」との口コミがあったように、かなりうるさいというわけではありません。詳しい検証結果は以下のとおりです。
洗濯時の51.37dBは書店の店内程度、脱水時の55.37dBは役所の窓口周辺と同レベルといわれています(参照:環境省)。比較したなかでも特別大きな音ではありませんが、音に敏感な人がいたりリ、ビングや寝室が洗濯機置き場と近かったりする場合は注意しましょう。
次に、お手入れのしやすさと洗濯ものの取り出しやすさの検証です。
お手入れのしやすさの検証では、各商品をチェックして評価。糸くずフィルターが簡単にゴミが取れる素材と形状か・自動槽洗浄の有無・自動槽乾燥の有無・槽洗浄コースの有無を確認しました。
洗濯ものの取り出しやすさは、投入口の幅が38cm以上あるか・奥行が30cm以上あるか・槽の深さが53cm以下か・本体手前から槽までの距離が10cm未満かを確認して評価しています。
お手入れのしやすさはおおむね良好。糸くずフィルターはプラスチック製で簡単に開閉できるうえゴミを取り除きやすいのが魅力です。比較したなかでもフィルターが布製のものは縫い目に入り込んだゴミを取り除く手間がかかる傾向に。本品なら時間をかけずサッときれいにできます。なお、詳細は以下のとおりです。
比較したなかでも3割ほどの商品にはなかった、自動槽洗浄を備えているのもポイント。槽洗浄に抗菌機能はありませんが、槽のお手入れを洗濯機にある程度任せられるのは利点です。比較したなかでも人気だった同メーカーの「AW-8VM2」同様に自動槽乾燥もあるので、カビ防止もできますよ。
洗濯ものの取り出しやすさも良好です。比較したなかでも投入口の奥行きと幅があり、洗濯ものを出し入れしやすい点が評価されました。12kgの大容量サイズなので大量の衣類や大物を出し入れすることが想定されますが、スムーズにできるでしょう。詳細は以下のとおりです。
洗濯機の槽の深さは59cmで、大容量タイプとしては浅いほう。しかし比較した7~8kgの商品は槽の深さが49~55cmだったため、比べると少々手が届きにくいと感じるでしょう。とはいえ、本体の手前が10cmと薄めで大きく身を乗り出す必要がなく、取り出しにくさはそこまで気にならなさそうです。
最後に、1回あたりの洗濯コストのかかりにくさを検証しました。
水量計とワットモニターを接続し、使用した水道量と電力量を算出。水道代は1Lあたり0.24円、電気代は1kWhあたり31円としてそれぞれかかったコストを計算します。18円を上限に、コストが安いものほど高評価としました。
電気代は1.86円と比較したなかでは平均的ですが、1年間にかかる稼動コストは18,032円ほどと高めで、総合的に見ると費用がかかるといえます。たとえば人気の「アクアのAQW-P7N」は1回あたり26.29円と稼動コストが安めなので、コスパが気になるならチェックしてみましょう。
洗濯容量 | 12kg |
---|---|
乾燥容量 | 3kg(風乾燥) |
糸くずフィルターのタイプ | プラスチック |
良い
気になる
設置可能な防水パンの奥行(内寸) | 550mm以上 |
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洗濯から脱水までの電気代 | 1.86円 |
洗濯時標準コース目安時間 | 43分 |
手前から槽までの距離 | 100mm |
風呂水対応 | |
槽の深さ | 590mm |
洗濯時の運転音. | 51.37dB |
投入口の幅 | 420mm |
投入口の奥行 | 307mm |
脱水時の運転音. | 55.17dB |
洗剤・柔軟剤自動投入機能 | |
ほぐし脱水機能 | |
温水洗浄機能 | |
槽洗浄コース | |
槽乾燥コース | |
部屋干しコース | |
除菌・消臭コース | |
AIセンサー機能 | |
スマホ連携機能 | |
インバーター搭載 | |
本体幅 | 590mm |
幅(手掛け・排水ホースを含む) | 637mm |
奥行 | 642mm |
高さ(給水ホース取付部を含む) | 1051mm |
重量 | 50kg |
本体下部幅 | 582mm |
本体下部奥行 | 485mm |
本体下部高さ | 111mm |
メーカーによると、東芝 ZABOON AW-12DP3は、奥行(内寸)が550mmより大きな防水パンに設置できます。また、本体後方の壁面から防水パン前部の内側まで590mm以上の空間が必要。本体を安定させて正しく使うために、サイズをよく確認してから購入しましょう。
なお左側に排水する場合は、右側に排水するより本体から出る排水ホースが短くなる点にも注意が必要。排水口に届かない場合は、別売の排水延長ホースを使うことがすすめられています。
東芝 ZABOON AW-12DP3は、全国にある家電量販店や、家電量販店が展開するオンラインショップで購入可能。取扱店舗によって値段が異なるので、ポイントや送料なども加味しながら検討しましょう。
また、楽天市場やYahoo!ショッピングなど大手ECサイトでも販売が確認できました。さまざまなショップを見比べながらお得なところを探してみてください。
最後に、あらゆる汚れを薄くできた洗浄力に優れた商品をご紹介します。
コスパのよさで選ぶなら、アクアのAQW-P7Nがおすすめ。標準コースで実際に洗ったところ、卵・泥・口紅・カレー・皮脂の汚れがすべて薄まり、洗浄力が高いことがわかりました。洗濯コストは比較した全商品の平均と同程度ですが、洗浄力を加味すると高コスパといえます。投入口が広く、出し入れもスムーズにできそうです。
パナソニックのインバーター洗濯乾燥機 NA-FW10K1-Nは、大容量サイズを探している人にぴったり。容量は10kgと比較したなかでは大きめで、人数が多い家庭でも使いやすいでしょう。洗浄力も優秀で、温風つけおきコースで洗うとあらゆる汚れがほかのつけおき・温水洗浄よりもきれいに。洗濯・脱水の運転音が小さいのも利点です。
洗濯容量 | 7kg |
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種類 | 全自動洗濯機(簡易乾燥あり) |
乾燥容量 | |
ヒーター乾燥の種類 | 風乾燥 |
乾燥方式 | |
糸くずフィルターのタイプ | プラスチック |
設置可能な防水パンの奥行(内寸) | 540mm以上 |
乾燥フィルターのタイプ | |
設置可能な防水パンの幅(内寸) | 不明 |
フタから背面までの奥行(フタ折れ時) | |
洗濯から脱水までの電気代 | 1.68円 |
洗濯乾燥時標準コース目安時間 | |
洗濯から乾燥までの電気代 | |
洗濯時標準コース目安時間 | 37分 |
手前から槽までの距離 | 70mm |
風呂水対応 | |
槽の深さ | 520mm |
洗濯時の運転音. | 53.47dB |
投入口の幅 | 450mm |
洗濯時の運転音 | 53.00dB |
投入口の奥行 | 325mm |
予約タイマー機能 | |
予約タイマー. | ◯ |
チャイルドロック | |
本体背面からの出代 | |
脱水時の運転音. | 65.67dB |
フタを開けた時の高さ | 1304mm |
脱水時の運転音 | 65.00dB |
乾燥時の運転音. | |
フタを開けた時の高さ(折りたたみ時) | |
乾燥時の運転音 | |
ほぐし脱水機能 | |
自動おそうじ機能 | |
1kgあたりの使用水量 | 24.4L |
自動槽洗浄機能 | |
洗剤・柔軟剤自動投入機能 | |
温水洗浄機能 | |
シワ取り機能 | |
つけおきコース | |
槽洗浄コース | |
毛布コース | |
槽乾燥コース | |
お急ぎコース | |
部屋干しコース | |
除菌・消臭コース | |
インバーター搭載 | |
スマホ連携機能 | |
AIセンサー機能 | |
本体幅 | 520mm |
幅(手掛け・排水ホースを含む) | 560mm |
奥行 | 540mm |
高さ(給水ホース取付部を含む) | 980mm |
重量 | 35kg |
タンク容量 | |
透明窓あり | |
本体下部幅 | 520mm |
本体下部奥行 | 533mm |
本体下部高さ | 33mm |
標準使用水量 | 約113L |
洗濯時消費電力量 | 90Wh/110Wh(50Hz/60Hz) |
乾燥時消費電力 | |
洗濯時消費電力 | 320W/380W(50Hz/60Hz) |
洗濯乾燥時消費電力量 | |
電気代(目安) | |
水道代(目安) | |
風呂水ポンプ付き | |
タイプ | 縦型 |
特徴 | ガラストップ |
業務用 |
洗濯容量 | 10kg |
---|---|
乾燥容量 | 5kg |
糸くずフィルターのタイプ | スライド式プラスチック |
良い
気になる
設置可能な防水パンの奥行(内寸) | 540mm以上 |
---|---|
洗濯から脱水までの電気代 | 0.63円 |
洗濯時標準コース目安時間 | 34分 |
手前から槽までの距離 | 85mm |
風呂水対応 | |
槽の深さ | 590mm |
洗濯時の運転音. | 44.50dB |
投入口の幅 | 385mm |
投入口の奥行 | 293mm |
脱水時の運転音. | 49.90dB |
洗剤・柔軟剤自動投入機能 | |
ほぐし脱水機能 | |
温水洗浄機能 | |
槽洗浄コース | |
槽乾燥コース | |
部屋干しコース | |
除菌・消臭コース | |
AIセンサー機能 | |
スマホ連携機能 | |
インバーター搭載 | |
本体幅 | 536mm |
幅(手掛け・排水ホースを含む) | 599mm |
奥行 | 664mm |
高さ(給水ホース取付部を含む) | 1089mm |
重量 | 51kg |
本体下部幅 | 536mm |
本体下部奥行 | 524mm |
本体下部高さ | 111mm |
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