シャープの縦型洗濯乾燥機ES-TX8Hは洗濯物を取り出しやすいものの、肝心の洗浄力が低いのがネックです。実際にTシャツに汚れをつけて標準コースで洗うと、卵・カレー・泥・皮脂の汚れ残りが目立ちました。口紅は薄まったものの、比較した商品には5種類のうち4種類以上の汚れを落とせたものも。こちらはつけおきコースでも洗浄力に大きな差はなく、予洗いが欠かせません。1回の洗濯コストも高めです。専用の機械で測定すると、水道代29.16円・電気代1.24円の合計30.40円で、高評価の基準の24円を超えました。使用水量が少ないと謳う独自の穴なし槽がメーカーの売りですが、比較した同容量の商品には水道代が21円のものもあり、口コミに反して節水にはつながりにくいでしょう。手入れに手間がかかるのもネックです。糸くずフィルターは布製で、プラスチック製の商品とは異なり袋をひっくり返さなければなりません。口コミとは反対に稼働音も大きく、夜間の使用には不向きです。騒音計で計測した洗濯時の音量は約49dBと静かでしたが、脱水は約66dBと大きくカフェの店内ほどの音量(参照:環境省)でした。一方で、洗濯物が取り出しやすいのは利点です。内フタがなく広々とした投入口で、本体手前からの距離も9.5cmと短め。洗濯槽の深さをカバーし、大きく屈まなくても洗濯物を取り出せます。背が低くても使いやすいのはうれしいポイントです。公式サイトの価格は税込168,000(※執筆時点)と、比較したなかではやや値が張る本品。付属のハンガーで衣類を吊るして乾燥できる機能は便利ですが、肝心の洗浄力がいまひとつなのが惜しいポイントでした。上位商品には、もっと低価格で洗浄力にも優れた商品があったため、そちらもぜひ検討してみてください。
シャープ 全自動洗濯機 ES-GE7Fは、ボディ幅520mmとスリムな設計が魅力。2~3人家族でも使えるほどの洗濯容量でありながら、一人暮らしの部屋にも置きやすいサイズです。ただし、ガンコな汚れは落ちないため、衣類が汚れやすい仕事をしている人や、小さな子どもがいるご家庭には向きません。実際に汚れをつけたTシャツを洗ったところ、泥やカレーといった濃いシミが残りました。口紅や卵のような薄い汚れは標準コースで落ちますが、色の濃い汚れはつけおきコースでも落ちず。「音が大きい」との口コミどおり、稼働音も40dB超と大きいので、使用する時間帯には注意しましょう。操作パネルはシンプルでわかりやすいと好評でした。執筆時点で税込71,300円(公式サイト参照)と比較的低価格なのに、風乾燥で部屋干し時間を短縮できるのもうれしいポイント。黒カビに強いシャープ独自の穴なし槽が採用されており、メンテナンスが楽になる槽洗浄機能も搭載されています。一方で洗剤投入口が洗濯槽の奥にあって入れにくい・フィルターが袋状で糸くずが捨てにくいなど、使いにくさを感じる部分も。毎日のように使う家電製品なので、予算を上げてもう少し汚れ落ちがよく、快適に使える洗濯機を選んではいかがでしょうか。
東芝 ZABOON AW-8DH3は洗濯機の衛生面が気になる人におすすめ。自動で洗濯槽を洗浄・乾燥する機能がついており、黒カビの発生を抑制できます。比較した商品には糸くずフィルターが布製でゴミを取りにくいものがあったのに対し、布やティッシュで簡単にゴミを取れるプラスチック製なのもよい点。フィルターが透明なので、お手入れのタイミングを逃しませんよ。さらに、白Tシャツにつけた汚れを標準コースでもある程度落とせました。皮脂汚れはやや残ったものの、つけおきコースなら十分落とせます。卵・カレー・口紅などの汚れもかなり薄くなり、高評価を獲得。パナソニックの「NA-FA7H1」は泥汚れ以外あまり落ちなかったことを思うと、「洗浄力が高い」との口コミにも頷けます。洗濯物を取り出しやすいのもよい点。洗濯槽の深さが54cmが深すぎず、腰を大きく曲げなくて済みます。比較した商品には洗濯槽の手前が14cmと厚いものもあったのに対し、本商品は9.3cmと薄めでした。たくさん乗り出さなくても洗濯物を出せるので、家事が楽ちんになるでしょう。なお、「音がうるさかった」との口コミに違わず、洗濯時は53.1dB・脱水時は52.4dBとエアコンの室外機と同じくらいの音が出ていました。アパートやマンションなどの集合住宅では、夜間の洗濯機の稼働は避けたほうが無難といえます。洗濯コストを水量計とワットモニターを用いて確認した結果、1回あたり28.49円・1年間で約10,000円程度かかるとわかりました。比較した商品には年間コストが8,000円程度のものもあったので、コストを抑えたい人はほかの商品を検討してもよいでしょう。とはいえ、お手入れしやすさ・洗浄力の高さは見逃せません。食べこぼしや油汚れを落としたい人はぜひ検討してみてください。
東芝のZABOON タテ型洗濯乾燥機 AW-8VM1は、汚れをしっかり落としたい人や、乾燥まで済ませたい人におすすめです。縦型ながら乾燥機能が搭載され、乾き具合に合わせて5コースから細かく選べるのが魅力。乾燥容量は4.5kgと比較的大容量なので、干す時間がない忙しいときなどに重宝しますよ。ドラム式より費用を抑えたい人にもおすすめです。5種類の汚れをつけたシャツを実際に洗濯したところ、標準コースでは卵・油のシミがかなり薄まり、「温か洗いコース」ではカレーのシミまでほとんど除去できました。温水洗浄は約80分と時間がかかりますが、小さな子どもの食べこぼしや、体操着・作業着などを洗う際に便利ですよ。糸くずフィルターは手入れのしやすいプラスチック製で、手を汚さずにワンタッチでゴミを捨てられるのがメリット。ただし洗剤投入口が槽内にあるため、衣類を入れたあとだと注ぎにくいのは惜しいポイントです。また操作部のボタンが硬く、コース表示が見にくいのも気になりました。価格は9万円台で販売されていることが多く、縦型洗濯機のなかではそれほど高くありません。洗濯時の運転音が早朝や夜間に使えるほど静かなのも大きな利点。乾燥機能や静かさにこだわるなら、候補に入れてみてはいかがでしょうか?
東芝 全自動洗濯機 AW-700Z2は、ECサイトでの販売価格は執筆時点で5万円前後とお手頃ですが、洗濯1回分のコストは28.96円と高めでした。比較したなかには洗濯1回分のコストが22円弱のものもあり、長い目でみればコスパがいいとはいえません。本体幅が555mmと、一人暮らしの部屋に置きやすいサイズなのは魅力です。しかし、そのぶん投入口幅は狭く365mmしかありません。比較した約7割の商品が400mm前後だったのに対し、洗濯物が取り出しやすいとはいえず。手前にある操作パネルが厚く槽との距離が遠いため、「底の洗濯物は取りにくい」という口コミどおり、身を乗り出す必要があります。実際の洗浄力は、普通の洗濯に使う分には不満はないレベルといえます。実際に汚れたTシャツを洗うと、標準コースでもカレー汚れをしっかり洗えました。比較した半数以上の商品はカレー汚れがしっかり残ってたことをふまえても十分な力を発揮できるといえます。口紅や皮脂・泥汚れなどは落ちにくかったものの、つけおきコースではより汚れが落ちたので、食べこぼしが多い子どもがいる家庭にも向いているでしょう。「音がうるさい」という口コミどおり、運転音も大きめでした。特に脱水の騒音値は63.2dBと大きく、洗濯機から半径1m以内で会話するのが難しく感じるほど。お手入れでは糸くずフィルターがプラスチック製でゴミは取りやすかったものの、槽内に2か所あるので作業が2倍になるのが惜しいところでした。自動槽洗浄・自動槽乾燥も非搭載です。使いやすさや電気代の安さを重視したい人は、ほかの商品を検討してみてください。
日立のBW-DX100Gは、頑固な汚れに対応できる、乾燥機能付きの洗濯機がほしい人におすすめです。5種類の汚れをつけたTシャツを、温水洗浄コースで実際に洗濯してみると、落としにくいカレーや泥の頑固なシミまでかなり薄まりました。標準コースの洗浄力はまずまずなので、汚れ具合に応じて使い分けるとよいでしょう。フタにあるタッチパネルの操作性もよく、反応が素早くスムーズに扱えます。洗濯槽は広く、洗濯物がほぐされた状態で仕上がるので、たっぷりの衣類も楽に干せるでしょう。またパーカーなどの厚手衣類もしっかり乾き、乾燥機能も非常に優秀。梅雨の時期や干す手間を省きたい人にも重宝します。洗剤・柔軟剤の自動投入機能も便利。まとめて入れておけば適量を検知してくれるので、手間もグンと減るでしょう。ただし手動投入口は洗濯槽の中にあり、衣類に埋もれて洗剤を入れにくいのが惜しいところです。お手入れはしやすく、槽洗浄・槽乾燥機能があるうえ、糸くずフィルターのゴミは簡単に捨てられました。価格は、執筆時点で税込180,400円(公式サイト参照)。安くはありませんが、外出先から操作したり洗濯コースを追加したりできるスマホとの連携機能や、総合的な使い勝手のよさを考慮すると、コスパは良好です。運転音も静かでいつでも使いやすいので、ぜひ試してみてくださいね。